こんな画像を使って
アベノミクスがどうのこうのというより、このグラフが安倍政権がどこを向いて政治をしているのか見事に物語っている。
というツイートをしている人がいました。
これはアベノミクス云々以前の問題なのです。
実質賃金がと企業の内部留保とは関係がありません。
かつて高橋是清がデフレ脱却政策を取ると
その後暫くの間実質賃金の低下が続きました。
景気が拡大する
↓
物価が上昇する
↓
雇用者はこれに後から昇給させるので
物価上昇に追いつきかけては引き離される。
このパターンなんです。
そして雇用の回復はまず雇いやすい非正規から行われます。
安倍政権になってから雇用が拡大され続けてきました。
あずは非正規から雇用が拡大されることにより
非正規の割合が増え平均賃金が下がるのは当然です。
全体のパイを労働者数で割っているのですから。
グラフを見れば1997年をピークに実質賃金が下がり続けています。
アベノミクスが20年前から行われていたのでしょうかね?(笑)
消費税の5%への増税でトドメを刺されて景気が悪化し、
雇用そのものが減って行き、
穴を埋める為に非正規雇用が拡大されていき実質賃金が下がっていく。
ある意味当然の線なのだと思います。
リーマンショックのところでズドーンと下がるも
大量のリストラなどで非正規から積極的に切られる事、
麻生内閣の景気対策予算を違法行為でもって回収して
景気への効果のない選挙対策のバラマキに使っただけで、
民主党政権はなんら景気対策を取りませんでした。
そして雇用が失われ続けました。
また、長妻昭大臣、山井和則政務官のコンビによって
派遣労働者の強制解雇も行われました。
正確に言えば連合の主張する
「派遣で雇えなくすれば正規に切り替えるはずだ」
という無茶苦茶な理論を実行に移したのです。
特定26業種とみなされていた多くの作業内容について
「特定26業種にみなさない」という変更を
国会などに諮ることなく長妻昭は大臣通達一つで実行しました。
当時は山井和則とともに自慢していたため、
この長妻昭が大臣通達一本で押し切った
「専門26業務適正化プラン」は
長妻・山井プランとも呼ばれています。
というか山井和則自身がそう言って自慢していたので
長妻・山井プランと呼んで上げるのが正式なところでしょう。
3年以上雇用されている26業種の人が
この長妻・山井プランによって
突然26業種ではないという扱いをされて違法状態になったのです。
そのまま続ければ派遣会社が違法で処分されてしまうので
派遣会社側があわてて雇用契約の打ち切りを行ったりしました。
連合の偉い人達や長妻昭や山井和則は
こんなので大量に正規に切り替えが起きると思っていたようです。
実際には企業側はいきなり正規雇用にするはずがなく
大量の派遣切りを産みました。
これで失われた雇用が50万人とも言われています。
のちに民主党に合流して手の平を返した江田憲司なども、
当時は国会で民主党政権と長妻・山井プランを痛烈に批判していました。
景気対策どころか特定アジア様のために
日本が1人負けする事を第一にしていたがの民主党政権でした。
日本の国内産業空洞化を進め、
工場や技術を韓国や支那に移転させるように進めていました。
過剰な円高誘導もその一環でした。
そろそろ話を戻しましょう。
2010年、2011年のところは
民主党政権にょって雇用が大きく失われた事で
一時的に実質賃金が下がらないでいたというだけです。
さて、一方で企業の内部留保についても
いろいろな要因があります。
あ、そのまえに内部留保は基本的にほぼ現金ではありません。
建設会社が持っている建築資材だって内部留保です。
なんらかの形で企業が持っているものを
計上しているということは忘れないでください。
日本共産党などの反日野党は
内部留保があたかも現金資産であるかのように叫び続け、
だから内部留保に徹底的に課税すればいいんだとか
アホな事を言っています。
また、日本では銀行による貸しはがしで
黒字倒産させられた企業が次々に出た事は知られているかと思います。
バブル崩壊後の日本銀行は
極端な話、
「確実に利子付きで払ってもらえる相手以外に金を貸さない」
ということをやってきました。
金を貸さない企業に借りてたら貸しはがしされかねない
実際に銀行がやってきた悪行。
一方でバブル崩壊後は
企業経営者が徹底的に守りに入っているという事も大きいです。
20年もデフレ不況が維持されてきたことで、
将来の為のコストをカットして
目先の小銭を守っていくタコが自分の足を食う経営を
ひたすら一流扱いしてきました。
そんななかで一流経営者なんて言われてるのが
コストカットとかそういうことしか実績が無いのばかりで
経団連なんて「種籾を食べる事を自慢し合う老害クラブ」になっています。
積極的に投資したり、
技術開発に再びしっかりと予算を付けるとか
そういう経営者が評価されない環境になりました。
銀行はノーリスクじゃないと金を貸さない。
そのくせに将来への投資を行ったら
資産が減ってリスクが上がったと
銀行が利子を引き上げたり引き締めをしてくる。
コストカットによる目先の小銭作りだけが評価される。
財務省主導の増税による不況回帰政策が目の前に見えている。
こんな状況で企業の内部留保が膨らんで行くのは当然でしょう。
こんな状況が20年続いたのですから
日本企業の国際競争力が
ひたすら下がり続けてきたのはある意味当然でしょう。
また、ベンチャー企業が積極的に攻めようとしても
日本の銀行はろくに金を貸さない。
では政府系金融はどうかと言えばもっとお金を貸しません。
「前例がないから」
という場合は100%貸さないのが政府系金融機関です。
投資家も「前例がないから」と出資しない。
こんな状況で技術革新の芽が育たないのは当たり前でしょう。
景気の「気」の部分。
日本はあまりにも長い事財務省と日銀主導で
不況を維持されてきたおかげで
「気」の部分が本当に潰されてしまっています。
アベノミクスは環境を作る事はできますが、
国が企業を経営するわけではありません。
それに賃金についても
連合は労働貴族の貴族生活維持が
連合の目的という形になっています。
そのため労使馴れ合いで
賃下げ、非正規拡大に積極的に協力してきました。
このため、安倍政権が賃上げを財界に要求したら
それを連合が批判するという事が繰り返されてきました。
とくに今年の春闘前は
財界「3%くらい上げた方がいいんじゃないかな」
安倍総理「3%アップをお願いしたい」
連合「・・・ベア要求したくないけど・・・要求しないとまずいよね・・・ベア1%で」
と、連合の異常性が目立つ事態となりました。
安倍政権の政策にも問題点はたくさんあります。
ですが、安倍政権だけの問題ではなく、
日本国民全体で景気の「気」の部分が歪んでいる事を
共有してもらいたいです。
今回取り上げたグラフについても
デタラメな解釈をつけて流布されると
一見わかりやすいように思えて流されてしまう人がいます。
絵がわかりやすい事とそれが適切かどうかはまったくの別です。