太陽光パネルは“建築基準法や都市計画法の適用外”
なぜ、ずさんな施工が行われてしまったのでしょうか。理由は太陽光パネル設置に関する“規制の緩さ”にありました。
そもそも太陽光パネルは、建築物とみなされないため安全基準などを厳格に定めた建築基準法や都市計画法の適用外です。パネルの設置の際には売電目的の場合、出力や設置場所を国に申請する必要がありますが、設置状況や施工に関して規制するものはありません。さらに設置場所の強度を担保する地盤調査も義務付けられていのが現状です。
兵庫県では、条例で太陽光パネルの設置に関しサッカーコートほどの広さとなる5000平方メートル以上の場合のみ、自治体への届け出や安全を守る義務を定めています。しかし、この場所にあったパネルは、約400平方メートルで規制の対象外でした。パネルが撤去された後の現場を訪ねてみると…
「太陽光パネルが崩落した現場では、パネルの撤去後も大雨の影響で地割れが起きているといいます」(記者リポート)
斜面の下から見てみても、十分な補強がなされているとは思えません。パネルの崩落で流されたとみられる樹木もそのままの状態に。さらにすぐ横を大きな振動を伴って山陽新幹線が走っていきます。周辺の住民は、大雨が降る度にまた斜面が崩れるのではという不安を抱えています。
「どんどん雨が降ってきたら、梅雨になってきたら、もっと下に(斜面が)ドーンといってしまうと思うねんけどな」(住民)
「ほんと怖くて、家がなくなるんじゃないかとか、避難しててもずっと不安で、怒りもこみ上げてくるんですけども」(住民)
住民らは斜面の補強を求めてパネルの所有者である工務店に問い合わせましたが、いまだ住民への説明は一切ないといいます。
「まったくないですね。あっちは開き直ってるので、ないですね」(住民)
Q.どんなふうに開き直っている?
「『こっちも被害者や』って言って。何も悪いことはしてないから、説明する義務はないって、はっきり言われました」
神戸市、新たな条例制定へ
大雨で露わになった太陽光パネルの危険性。神戸市は、パネルの設置に関し新たな条例を制定する方針を示しました。
「太陽光パネルの現状は、放置できるような状況ではないと考えています。市民の安全・安心を確保したいというのが、この条例案の目的です」(神戸市 久元喜造市長)
発表された条例案では、すべての事業用の太陽光パネルに届け出が必要となります。また、急斜面や交通機関に影響する場所への設置は市の許可が必要となり、崩落の危険性のある場所は市が設置禁止区域を定めることができます。再生可能エネルギーの主役として急激に普及した太陽光発電。その安全性の確保が急がれています。
MBSニュース