30年度、新規20件の研究課題を採択
防衛装備庁はこのほど、同庁の「安全保障技術研究推進制度」について、平成30年度新規研究課題20件を採択したと発表した。応募総数は73課題で、安全保障技術研究推進委員会の審査により20課題(大規模7件、小規模13件)が採択された。
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「大規模研究課題(タイプS)」採択7件の内容は次の通り。
▽「Time Reversalによる長距離MIMO音響通信の研究」(海洋研究開発機構・志村拓也)=複数の水中伝搬路における遅延の影響を補償するTime Reversal手法と周波数の多重化による通信容量の向上を図るMIMO通信を用いることにより、水中音響通信の高速化と長距離化を目指した水中音響通信手法を確立し、海中で実証試験も実施する。
▽「高速移動物体への遠距離・高強度光伝送のための予測的波面制御の研究」(理化学研究所・戎崎俊一/レーザー技術総合研究所、三菱重工業)=探索ビームの後方錯乱光を計測して光伝搬予測を行い、可変鏡をリアルタイム制御することなどにより光通信の伝送距離の飛躍的増大を目指したシステムを構築し、屋外での実証試験も行う。
▽「高温の耐環境性に優れる高じん性共晶セラミックス複合材料の創製」(超高温材料研究センター・中川成人/日本大学)=耐熱性と耐環境性に優れた共晶セラミックス材料の探索を行い、共晶セラミックス材料の強じん化技術と共晶セラミックス繊維の紡糸技術を確立し、これらを組み合わせたじん性の高い複合材を実現する。
▽「海中移動体へ大電力を送る革新的ワイヤレス給電に関する研究」(パナソニック・小柳芳雄/海洋研究開発機構、海洋工学研究所、ニチモウ)=強電磁場における海水物性に関する基礎研究を行い、海中における電磁波の損失メカニズムを明らかにする。同時に大電力を効率的に伝送可能な磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムを構築し、実証する。
▽「2次元機能性原子薄膜を用いた革新的赤外線センサーの研究」(富士通・佐藤信太郎/物質・材料研究機構、エアメンブレン)=特異な量子物性に起因するグラフェンの光熱電効果を積層構造により高効率化し、赤外線センサーに応用するとともに、当該センサーの室温における高感度かつ高速な撮像性能を検証する。
▽「超高耐圧a型酸化ガリウムパワー半導体とパルス電源の基礎研究」(FLOSFIA・四戸孝/物質・材料研究機構、三菱重工業)=半導体特性の制御性に優れたa型酸化ガリウムの高品質な結晶成長技術とデバイス製作技術を確立するとともに、a型酸化ガリウム半導体デバイスを組み込んだパルス電源を作製し、性能を確認する。
▽「グラフェン等2次元機能性原子薄膜を用いた光検知素子の基礎研究」(三菱電機・佐竹徹也/東京農工大学)=基板材料への光照射によって生じる電圧変化を、グラフェンの高感度な応答を利用して検知する手法により、高性能な光検知素子の実現をめざす。実際に素子を作製し、提案手法の有効性も検証する。
<防衛トピックス> ―海外―
太平洋の監視に無人哨戒機投入 米海軍
米海軍は無人哨戒機「MQ4Cトライトン」=写真=を有人のP8哨戒機と組み合わせ、グアム島を拠点に太平洋地域での哨戒活動を実施している。
ノースロップ・グラマン社が開発した「トライトン」は、陸上監視型の無人機「RQ4グローバルホーク」の海軍向けの機体で、低高度で艦船などの監視を行うため、機体の防錆対策などが強化されている。センサーには探知・識別能力が高いⅩバンドのAESAレーダーなどを搭載している。
<防衛トピックス> ―海外―
ロシア極超音速ミサイル配備へ
ロシア大統領府は12月26日、「あらゆる防衛システムも無力化できる」極超音速ミサイル「アバンガルド」の発射試験に成功したと発表した。
同ミサイルはロシア南部オレンブルク州から発射され、約6000キロ離れた極東カムチャツカ半島のクラ演習場内の目標に正確に着弾したという。
発射命令は・・・
日中「海空連絡メカニズム」初会合
ホットライン早期開設へ調整加速
(2018年12月26日、27日)
日中防衛当局は12月26、27の両日、中国の北京で「海空連絡メカニズム」に基づく初の年次会合と専門会合をそれぞれ開き、「ホットライン」の早期開設に向けて調整を加速化させることで一致した。
年次会合には日本から防衛省の槌道明宏防衛政策局長、中国からは国防省の慈国巍国際軍事協力弁公室主任、専門会合には日本から防衛省の弓削州司国際政策課長、中国から国防省の陳培凌国際軍事協力弁公室アジア局副局長が出席した。
両会合では、・・・
村川海幕長に米「メリット勲章」
地域の平和、米海軍との調整の功績称え
(2019年1月18日)
米海軍のリチャードソン作戦部長(左)からメリット勲章を授与された村川海幕長(1月18日、防衛省で)
村川海幕長に1月18日、米国防長官からの「メリット勲章」が贈られ、来日した米海軍作戦部長のジョン・リチャードソン大将から防衛省で伝達された。
同章は、米国内外の軍関係者の卓越した功績を表彰するもので、村川海幕長は、2017年に実施したヘリ搭載護衛艦「いずも」の南シナ海からインド洋への展開をはじめ、日米の「同盟調整メカニズム」の下でのパートナーシップの強化など地域の平和と米海軍との調整に対する功績などがたたえられた。
この後の会談で両者は、引き続き日米海上部隊が緊密に協力していくことで一致した。
これに先立ち・・・
笹川平和財団主催「日越佐官級交流」
シニアアドバイザー・青木伸行氏レポート
(2018年12月2日~8日)
ベトナム国防省を訪れ、ファン・バン・ザン人民軍総参謀長(右)と会見する伍賀祥裕海将補(その奥)ら防衛省・自衛隊の代表団(首都ハノイで)
カンボジアとの国境地区の警備についてベトナム軍の国境警備隊員(右)から説明を受ける日本の代表団(タイニン省ベンカウ県モクバイで)
・・・他
防衛省・自衛隊から11人、意見交換や視察など
笹川平和財団(東京都港区、田中伸男会長)が主催する「日越佐官級交流」が2018年12月2日から8日まで、ベトナム各地で行われた。今回は防衛省・自衛隊から佐官級代表団11人が現地入りし、越軍幹部と意見交換したほか、越軍の国境警備隊、艦艇基地、レーダーサイトなどを視察した。以下は同行した笹川平和財団シニアアドバイザー・青木伸行氏によるレポート。写真は上津原理恵氏撮影。
相互理解と信頼醸成 アジアの安定に寄与
「日越佐官級交流」は、笹川平和財団安全保障事業グループが推進する「日本アジア安保防衛交流」の一つで、2014年度にスタートした。将来を期待される佐官級の自衛官・越軍人が毎年1回ずつ相互訪問し、お互いを理解、信頼醸成を促進し、アジア地域の平和と安定につなげることを目的としている。これまでの参加者は今回を含め、計114人に上る。
今回の代表団は、海幕総務部副部長の伍賀祥裕海将補を団長に、陸・海・空自から1佐・2佐各1人、3佐6人、内局から2人の計11人が参加した。
一行は12月2日にベトナム入りした後、首都ハノイの日本大使公邸で梅田邦夫大使からベトナムの政治・経済や日越関係などについて説明を受けた。
3日、越国防省対外局迎賓館に招かれた代表団は、同省国防戦略院のグエン・コン・スアン国際副課長(上級大佐)、国防国際関係研究所のブイ・スアン・アイン副所長(大佐)らと意見交換を行った。
伍賀団長は「日越佐官級交流は今回で9回目になる。今年は日越の外交関係樹立45周年で、戦略的パートナーシップのもと両国関係は発展している。今回の訪問を通じ、ベトナムの取り組みを知り、文化も学び、相互理解に基づく協力をさらに深めたい」と述べた。
この後、一行は国防省にファン・バン・ザン人民軍総参謀長を表敬。総参謀長は「日越は戦略的パートナーであり、ますます価値あるものになっている」との認識を示した上で、・・・
新政専機使い国外運航訓練 シンガポールなど歴訪
(2019年1月14日~19日)
空自特輸隊(千歳)は4月から任務運航を開始するB777―300ER次期政府専用機を使用し、1月14日から19日までシンガポール、南アフリカ共和国、アラブ首長国連邦、スウェーデンへの国外運航訓練を実施した。特輸隊副司令の中野武志1佐以下33人が参加した。
航空総隊、米軍とだるまの目入れ式
同盟の強化を祈念 横田
(2019年1月7日)
目入れの後、握手を交わす武藤航空総隊司令官(右から2人目)とドージャー5空軍副司令官(その左)=1月7日、横田基地で
航空総隊司令部(横田)は1月7日、司令部庁舎で日米協力関係の強化などを祈念し、だるまの目入れ式を行った。
式には武藤茂樹航空総隊司令官、トッド・ドージャー米軍第5空軍(横田)副司令官、総隊と第5空軍両司令部の若手隊員・兵士らが参加。だるまの左目に順に墨を入れていった。
目入れの後、ドージャー5空軍副司令官は「2019年はこれまで以上に互いの連携を強化していきたい」。武藤司令官は「この地域の平和と安全のために、さらなる日米同盟の強化を祈念した」とそれぞれ語った。
「2019年度自衛隊観艦式」
キャッチフレーズとロゴマークを公募
海上自衛隊は今年の秋に開催する「2019年度自衛隊観艦式」のロゴマークとキャッチフレーズを公募している。
ロゴは、観艦式をイメージしたわかりやすく親しみのあるデザイン、キャッチフレーズは、観艦式の魅力を端的に表現した「15字程度」のフレーズを求めている。採用された作品はポスターやパンフレットなどで広く使用される予定。
ロゴは複数の作品の応募が可能で、一方、キャッチフレーズは1人1作品のみ。複数応募が判明した場合は全て選考対象から外される。応募者は日本国内在住者に限り、未成年者は保護者などの同意が必要。
応募は海自ホームページからそれぞれの専用フォームで行い、ロゴはA4サイズの電子データ(JPEG、2MB以下)1件につき1作品とする。
応募期間は2月20日(必着)まで。発表は5月末ごろに観艦式事務局から採用者へ個別に電子メールまたは電話で通知されるほか、海自HPでも公表される。採用者には観艦式乗艦券と記念品が贈呈される予定。詳細は海自HP参照。