|
下が技術革新のハサミです。刃の曲がりに注意。
(以下、産経記事)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
切れるはさみと技術革新
昨年のヒット商品で印象深いのは、文具メーカーのプラス(東京都港区)が開発した家庭用はさみ「フィットカット カーブ」だ。従来に比べ、約3倍の切れ味を実現し、厚紙など硬いものでも力を入れずに切れる。年間250万本の販売を見込む人気ぶりだ。
なぜ、単なる「はさみ」のヒットが、そんなに気になるのか。それは、毎日のように使う普及品で、ヒットを生み出すのは、画期的な新商品を開発するのと同じくらい難しいからだ。
「紙を切るという当たり前の行為を、当たり前のようにできることで、消費者が満足していると錯覚してしまう」(プラス)。固定観念が強ければ強いほど、商品の機能を見直す機会を見逃し、大きな技術革新のチャンスを逸してしまうのだ。
プラスがそのチャンスをつかまえたきっかけは、消費者を対象に実施したアンケートだった。他社が次々とはさみの新製品を投入し、追い上げられていたプラスは、徹底的に消費者の声を聞き、どこにも負けないはさみをつくろうと決意した。そして、このアンケートで消費者の予想もしなかった行動が浮き彫りになる。実は家庭では、はさみで紙を切るケースはごく少数だったのだ。
ステーショナリーカンパニーマーケティング統括本部の福井美弥子プロダクトマネジャーはこう話す。「インターネット通販の普及により、家庭では梱包(こんぽう)用の厚紙などを処理する機会が増えたり、ごみの分別が当たり前になり、牛乳パックなどを切るケースが増え、紙以外を切る機会のほうが圧倒的に多い」
そこで、同社ははさみの本来の機能である「切れ味」の向上を徹底的に追求。そこで、開発チームがあることに気付く。はさみの刃に緩やかなカーブを付け、2枚の刃の開く角度が常に約30度を保つように工夫すれば、切るものをしっかりと挟み、力が効果的に働く。流体力学の祖といわれるベルヌーイが導き出した定理をはさみに応用した。プラスは、オフィス向け事務用品の会社としては知られていたが、「フィットカット カーブ」は家庭用として売り出され、新たな顧客を開拓している。
少子高齢化に伴い日本市場は成熟化し、新ビジネスを起こすことは難しくなったとの指摘は多い。普及品であるはさみで起こった技術革新は、そうした常識を覆す力を持っている。(フジサンケイビジネスアイ 副編集長 小島清利) |
科学技術一般
[ リスト | 詳細 ]
|
とても面白い新技術が出てきた。
まだまだ実用化までにはいろいろ課題があるようだ。
私が一番言いたいこと、それは「自由な発想」だ。
自由な発想を周りが潰さずに、励まし助言し支援すれば、いろんな既存の技術とうまく結合して大きく開花する。これが日本の底力だ。
ミドリムシは水田などの水を緑色にしているお馴染みの微生物。
これからどんどん活躍してもらいたいですね。
まずは産経の報道記事を貼ります。その記事だけではピンと来ないから、その元の産総研(産業技術総合研究所)のプレスリリースの冒頭部分だけをその下に貼ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミドリムシからプラスチック製造 産総研などが開発成功2013.1.9 19:02 (産経)
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130109/scn13010919040001-n1.jpg
ミドリムシを主な原料として作ったプラスチック(産業技術総合研究所提供)
光合成をする藻類の一種ミドリムシを主な原料とするプラスチックを開発したと産業技術総合研究所(茨城県つくば市)や宮崎大などの研究チームが9日、発表した。
ミドリムシは培養しやすいことや、陸上の植物より光合成の効率が良いとされる利点がある。高温高圧の反応でエネルギーを消費して作る石油からのプラスチックと比べ、製造過程の二酸化炭素(CO2)の排出が少なくなると期待できる。
チームはミドリムシが、細胞内でプラスチックの原料となる高分子の糖を大量に作る能力があることに注目。この糖を取り出し、ミドリムシの油脂かカシューナッツの殻の油脂と反応させ、プラスチックを合成した。できたプラスチックは成分の約70%が植物由来で、加工のしやすさや耐熱性は石油からのプラスチックと同等だったという。
同研究所の芝上基成主任研究員は「実用化にはまだ課題も多いが、強度などを改善して耐久性のある素材にしたい」と話している。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(以下、産総研のプレスリリースの冒頭部分)
ミドリムシを主原料とするバイオプラスチックを開発−植物由来成分が約70%を占める−
ポイント
概要 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)バイオメディカル研究部門【研究部門長 近江谷 克裕】芝上 基成 主任研究員は、日本電気株式会社【代表取締役 執行役員社長 遠藤 信博】(以下「NEC」という)スマートエネルギー研究所 位地 正年 主席研究員、および国立大学法人 宮崎大学【学長 菅沼 龍夫】農学部 林 雅弘 准教授と共同で、微細藻の一種であるミドリムシから抽出される成分を主原料とした微細藻バイオプラスチックを開発した。
この微細藻バイオプラスチックはミドリムシ(ユーグレナ)が作り出す多糖類(パラミロン)に、同じくミドリムシ由来の油脂成分(ワックスエステル)から得られる長鎖脂肪酸またはカシューナッツ殻由来の油脂成分で柔軟性をもつ長い鎖状部位と剛直な六角形状部位を併せもつカルダノールを付加して合成され、熱可塑性と耐熱性に優れ、植物成分率が約70%と高いことが特徴である。本研究は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)の先端的低炭素化技術開発の一環として行われた。
開発の社会的背景(以下、省略)
関心のある方は産総研のこのサイトへどうぞ
|
「しんかい」世界一周航海へ 生命の起源・進化の謎探る2012.12.30 21:54 (産経)
http://sankei.jp.msn.com/images/news/121230/scn12123021550000-n1.jpg
世界一周の研究航海に出る有人潜水調査船「しんかい6500」(海洋研究開発機構提供)
世界の深海底で未知の生物を探せ−。海洋研究開発機構は有人潜水調査船「しんかい6500」を使って15年ぶりに世界一周の研究航海に出発する。神奈川県の横須賀港を来年1月5日、母船が出港し、約1年かけてインド洋、大西洋、太平洋などを調査。深海の極限環境で暮らす生物を調べ、生命の起源や進化の謎を探る。
しんかいは水深6500メートルまで潜れる世界有数の有人潜水船。航海は世界各地に寄港しながら、延べ百数十人の研究者が参加し、11月末に帰港する。同機構海洋・極限環境生物圏領域の北里洋領域長は「必ず新発見に結びつく。ワクワクする成果を楽しみにしてほしい」と話す。
ハイライトは6月ごろ、カリブ海の英領ケイマン諸島周辺にある巨大海溝で行う生命探査だ。水深約5千メートル地点に500度を超す熱水が噴出する世界最深の熱水域があり、そこに生物がいるかどうか調べる。
地球の生命は高温環境で生きる超好熱菌などが起源と考えられている。生物が成育可能な温度は、同機構がインド洋で採取した超好熱メタン菌の122度がこれまでの世界最高だ。 ケイマン諸島周辺の熱水域は、これをはるかに上回る過酷な高温環境。しかし北里氏は「深海の極限環境には、陸上の常識が通用しないとんでもない生物がいる可能性がある。生命の生息限界記録が塗り替えられるかもしれない」と期待を寄せる。
5月ごろは有人潜水船で世界初となる大西洋南部ブラジル沖を調査し、高さ約5千メートルの世界最大級の海山「リオグランデライズ」に挑む。水深3千〜4千メートルは北極海、4千メートル以深は南極海から流れてきた深層水が上下に層を作る珍しい環境で、生態系は想像もつかないという。
このほかインド洋南部の水深約2500メートルの海底に生息する、よろい状の硫化鉄のうろこをまとった特殊な巻き貝の生態を調査。太平洋では世界で2番目に深いトンガ海溝(1万850メートル)へ列状に沈んでいく海山を調べる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
航海日程(予定)
巡航図
個人的には何も今年でなくても、もうちょっと先でもいいのかなとは思いますが、やるからには人類の常識を覆すような大発見を期待します。
500℃を超える熱水に生物発見なんて、想像すると素晴らしいですね。
既にこれまた日本の誇る地球深部探査船『ちきゅう』の掘削によって、どうやら生命の根源は深海の底だという可能性が、うっすらと浮かんできています。
つまり高温・高圧・無酸素の原始地球で最初の生命が誕生したと考える最近の学説の証拠になる生物をゲットできれば画期的な発見です。
|
はやぶさ後継機公開 小惑星「1999JU3」探査 26年打ち上げ予定2012.12.26 20:47 産経
http://sankei.jp.msn.com/images/news/121226/scn12122620500000-n1.jpg
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が小惑星探査機「はやぶさ2」を報道公開 =26日午後、神奈川県相模原市(瀧誠四郎撮影) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、小惑星から微粒子を採取し平成22年に帰還した探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」の機体を初公開した。26年12月に打ち上げを予定している。
有機物や水が存在するとみられる別の小惑星「1999JU3」を探査し、生命の原材料や地球の海水の起源を探る。地表の岩石の微粒子だけでなく、新たに開発する衝突装置でクレーターを作り、地下の粒子も持ち帰る。30年に到着、32年に帰還する予定。
機体は本体部分と太陽電池パネルが完成、来年は性能試験や機器の取り付けを進める。計画を率いる国中均教授は「粒子の回収は世界が驚いた素晴らしい探査方法。はやぶさ2で小惑星の内部からも回収し、世界に先駆けた技術をさらに洗練させたい」と話した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はやぶさ2」と探査対象の小惑星「1999JU3」についての詳しい説明はコチラ
モチは餅屋で、JAXAの解説が一番です。
私はJAXAが書きたくても書けないことを書きましょう。
この計画は野田総理のときに、「仕分け」結果を受けて予算が大幅に削られ、その後、世論の反発にビビって総理が予算復活させるというスタンドプレイが行なわれています。
技術者たちは民主党政権に翻弄されて、大変な苦労をしている筈です。
JAXAは公表していませんが、詳細設計などに余計な労力と時間がかかったのではないかと思います。
それでも頑張ってここまで漕ぎ着けてくれました。
私は「仮組立」と分かり易く表現しましたが、正式には「一次噛みあわせ試験前の組立」です。機器をまず組み立ててみて、互いの電気信号のやり取りに問題がないかどうかの試験を行い、そのあと各種の試験が続きます。
来年12月の打ち上げに向けてハードなスケジュールです。 |
|



