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ロシアの宇宙での威信失墜に加速度がかかってきた。
技術開発を疎かにした報いであることはあきらかで、最早深刻な状況と思われる。
星出さんが国際宇宙ステーションへの往復に使うのも、ロシアの宇宙船で少し心配でもある。
また10月の韓国羅老ロケットも、その1段目にはロシアのロケットを使っている。
拙ブログでは1月に「ロシアのロケットの凋落」
また先日(8/9)は「ロシアのロケットがまた失敗 しかと反面教師を見る」をアップしています。
ロシアで相次ぐ衛星打ち上げ失敗、 |
宇宙開発
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日本の基幹ロケットであるH2Aロケットは「高度化」 の作業中です。
いまこの時期も着々と実験を繰り返しています。
具体的には第二段を高度なロケットになります。
「どうして第二段だけ?」と思われるかもしれませんが、
第一段は力持ちのがむしゃらのロケットでいいのです。
今回に日本のワザを活かすのは第二段。
過日にH2Bロケット第2段の「制御落下」のワザを紹介しましたが、
それとは別です。
具体的には
1.飛行燃焼時間が5倍になる。
5倍の燃料は積まずに、エンジンのoff-on を繰り返し、
慣性で飛行します。
そのためには極寒の条件でも着実に点火させる必要がある。
(なお上昇すればするほど地球の引力による影響は小さくなり、
エンジンを切った状態でも、すぐには落ちてきません。)
2.第一段との切り離しを火薬を使わない機械式(固定を外してバネ仕掛けで)にして、 衛星に与える衝撃をこれまでの1/4に小さくします。
これにより繊細な機器を積んだ衛星も打ち上げ可能になります。
3.地上局からの追尾なしに、 自分の位置を知らせる手間いらずの
ロケットになる。
4.その他
これら「高度化」はJAXAがキッズ向けに3月に作成した動画でどうぞ。 分かり易い説明です。↓
特に静止衛星の打ち上げにはとてもメリットがあります。
改良されたH2Aの第二段なら、 静止軌道近くまで運んでくれるのですから、静止衛星は燃料が少なくて済み、大助かりです。
その分、衛星は長く使えますし、打ち上げコストも安くなります。
ちなみに静止衛星って知っているようで、 よく分からない方が多いと思います。
地球(半径6,350km)の赤道上空を高度35,786kmを周回すると、そのスピードが地球の自転とぴったり一致するので、地球からはまるで真上に留まっているみたいな感じになります。
だからいつも真上にいてほしい通信衛星、放送衛星、気象衛星などに使われます。
ちなみに国際宇宙ステーションは僅か4,000kmの高度です。
じっくり研究してもらって、この改良型の打ち上げは来年から。
技術者には励ましは大変良いものですが、(将軍様の国のような)
圧力は禁物です。
ちゃんと自分で目標を置いてこれを管理し、 そこそこの結果を出してくれます。
もちろん失敗は起こります。 その失敗を次に活かすのを妨げるようなことさえしなければいいと思います。
もっと詳しく知りたい方は(図で説明されるPDFファイルへどうぞ)
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【露ロケット、衛星の軌道投入に失敗…揺らぐ信頼モスクワ=緒方賢一】
ロシア宇宙庁は7日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から同日、通信衛星2機を積んだプロトンMロケットを打ち上げたが、衛星の軌道投入に失敗したと発表した。
ロシアは米国とともに宇宙開発で世界をリードし、各国から衛星打ち上げを請け負っているが、2010年以降、失敗が相次ぎ技術の信頼性が揺らいでいる。
軌道投入に失敗したのはロシアとインドネシアの通信衛星で、ロケットの推進装置が正常に作動せず、十分な推力を得られなかった模様だ。
(2012年8月7日19時31分 読売新聞)
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ロシアはソビエト時代に宇宙開発の先駆であり、宇宙工学にはロシア人の名を冠したか「〇〇〇〇の公式」とかいうのがかなりあります。
しかしアポロ計画の米国に追い越されてしまって以来、宇宙開発にあまり力を入れなくなりました。(軍事衛星以外)
技術はほとんど当時のままだと言われています。
まだ当時の技術者がいて、またその技術を伝承した技術者がいる頃は、それでも良かった。
スペースシャトル(この時点で技術の大革新だった)が二度の大事故を起こしても、ロシアのロケットが安泰なのはとても不思議でした。
それは、技術革新を行わず、当時の技術のままできたから問題が起こらなかっただけなのです。
チャレンジをしなかったら大失敗も起こりません。
しかし今となっては重厚長大のローテクにしか過ぎません。
そして、そのローテクでさえ、技術のほころびが相次いで目立ってきた。
これは他山の石ではありません。
技術は前進がなければ必ず衰退します。
スペースシャトルは既に引退しており、いま現在は国際宇宙ステーションへの往復はこのロシアに頼るしかありません。
米国の有人ロケットはまだかかります。
日本の有人ロケットはもっともっと遠い先です。
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【打ち上げ重量2倍 物資輸送ロケット「H−IIB」 スピード開発で突破口】
7月21日、種子島宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)に向け、食料や実験器具などを積んだ補給機「こうのとり」3号機が打ち上げられた。大役を担ったのは、物資輸送用ロケット「H−IIBロケット」の3号機。製造で中心的な役割を果たした三菱重工業開発チームは、日本のものづくりの技術が、宇宙産業にも通用することを証明した。
「こんな短期間で、こんな大型化が可能なのかと、思わず耳を疑った」。
三菱重工業航空宇宙事業本部に所属するH−IIB統括責任者の二村幸基さんは開発当初の苦労を今でも忘れることができない。
日本の基幹ロケットH−IIA以上の能力を持つH−IIBの開発を国や宇宙航空研究開発機構(JAXA)から打診され、開発が本格的に始まったのは平成16年。二村さんらが背負ったミッションは、物資輸送の効率化を図ることだった。それまでH−IIAで打ち上げられる衛星や補給機の重量は計約4トン。これをH−IIBでは8トンに倍増させる必要があった。
しかも、国側は、基本設計から開発、製造、初号機打ち上げまでを16〜21年の5年間と計画した。通常のロケット開発に比べれば異例の短さで、約10年かけて打ち上げにこぎ着けたH−IIAの開発期間のわずか半分だ。
二村さんはメンバーを前にこう告げた。「後ろを区切られた全力の戦いだ」。
JAXAが求めたのは、ロケットの大型化を可能にする「打ち上げ能力向上」だった。JAXAの担当者らと打ち合わせを重ねた結果、2つの大きな改善点が浮かび上がった。ロケット胴体(タンク)の大型化と、エンジンの複数化。理屈では簡単な話だが、作業は困難を極めた。開発チームはまず、胴体の大型化を実現するため、H−IIAの直径4メートルに対し、H−IIBでは5・2メートルを目指した。
そこで問題になったのは、溶接部分の強度だ。ロケットの胴体はほとんどの部分がアルミ合金でできており、5〜6枚のアルミ板を溶接でつないで、円筒形の胴体に仕上げる。ただ溶接部分はいわば“継ぎ目”だから、もとの素材部分に比べどうしても強度が落ちる。溶接部分からひび割れや破損が起き、機器全体のトラブルにつながる懸念もある。
主席プロジェクト統括の新津真行さんは「ロケットは一度打ち上げたら引き返せないから、失敗は許されない。だから『完璧な溶接』を目指した」と話す。開発チームはさまざまな試行錯誤を重ねた結果、「摩擦撹(かく)拌(はん)接合」(FSW)と呼ばれる溶接方式にたどり着いた。
FSWは、金属同士を完全に液状に溶かしてつなげる通常の溶接とは違い、溶接したい部分でコマのような機具を高速回転させながら、コマの上から強い圧力で押さえ付けて接合する。コマの摩擦熱は金属を完全に溶かさず、融点以下のシャーベット状にするといい、金属のシャーベット同士を混ぜ合わせてつなげるイメージだ。これで溶接部の強度が増す。さらに、通常の溶接は完全に手作業の“職人芸”だが、FSWは一定程度は機械化されているため、作業コストが低減するメリットもあったという。
一方、エンジンの複数化にも苦労した。H−IIAと同様のエンジンを使用したため、新開発の必要はなかったが、近接する場所に2つ並べて同時点火するとなると、それぞれのエンジンが出す衝撃波や振動、炎が互いに影響し合う。「全体の推進力にどんな結果を及ぼすか未知数」(宇宙システム技術部次長の田村篤俊さん)だった。
豪雪の能代試験場にてエンジンテストのための調整 チームは秋田県大館市の田代試験場で、繰り返しエンジンの燃焼実験を実施。豪雪に見舞われる中、熱のこもった作業が続いた。ようやく成算を得たのは試験開始から約半年後。「もう打ち上げ準備に入る、というギリギリの段階」(二村さん)だった。
H−IIBの初号機を打ち上げたのは、21年9月11日。約4・5トン分の食料、実験器具、衣服、手紙などを入れた補給機「こうのとり1号」をロケット先端部に搭載し、ISSに運んだ。23年1月22日には2号機の打ち上げにも成功した。
今後は毎年1基ずつの打ち上げを計画。将来的には、各国の商業衛星を打ち上げることも視野に入れている。開発チームの挑戦に終わりはない。(渡部一実)
■H−IIBロケット 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同開発した物資輸送用ロケット。米国や欧州、日本、ロシアなどが合同運用する国際宇宙ステーション(ISS)に向け、食料や実験器具などを積んだ補給機「こうのとり」を打ち上げる。H−IIAに比べ、大型の衛星を打ち上げられるH−IIBは、ISSへの補給のほかにも、各国の気象衛星などを打ち上げる「打ち上げビジネス」への転用も期待できる。 |

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「シイタケ形」で減速、大気圏外から安全帰還
実験機 →
宇宙から地球に帰還する探査機への応用を目指し、東京大学や宇宙航空研究開発機構などの研究グループは7日夕、シイタケ形の機体を使った大気圏突入実験を行う。
突入前に傘を広げて減速し、突入時に発生する熱を従来の10分の1程度に抑えるのが目標。実験機は、宇宙機構内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県 肝付 ( きもつき ) 町)から小型ロケットで打ち上げられ、25分後に約200キロ・メートル沖に着水する。
耐熱布でできた傘は、実験機本体の周囲に折りたたみ傘のように巻かれており、高度100キロ・メートルでロケットの回転を利用して自動的に広がる。傘の直径は1・2メートル。縁に炭酸ガスを注入し、その圧力で形を保つ。
東大の鈴木宏二郎教授は「実用化に向けてはまだ入り口の段階だが、大気圏突入のさまざまな方法を考え、宇宙探査の可能性を広げたい」と話している。
(2012年8月4日13時33分 読売新聞)
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この件については6/26に「これぞやわらか頭 こういう発想こそが大切」で紹介した技術です。
いよいよ打ち上げて、実験機を大気圏に落下させます。
最初は折り畳み傘のように小さく畳まれています。
それがブルンと回転すると遠心力で開き、ガスを入れて画像のしいたけ型になります。
日本にはこういう柔軟な発想がまだまだあります。
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