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5年前に「かぐや」 という日本の月周回衛星が凄い数の種々の観測機器を満載して月面 の観察を行いました。
沢山の成果をもたらしてくれた中でも最大の成果は、「 月の重力の中心は、真ん中ではなく、地球側に偏っている」 ことを観測結果で証明したことです。
だから月は地球の重力に引かれて、 地球側にその重い側を向けたままで、 決して裏側を見せないのです。
他にも正確な測量とか、巨大な地下横穴洞窟( 将来には日本隊の基地になる可能性あり)の存在を発見とか、 元素分布の調査とか、 さらに家庭のテレビにハイビジョン画像を送るサービスまでやって くれて大々成功でした。
予定通り1年10カ月かけてほとんど全部のミッションが成功裏に 終わり、「かぐや」の燃料も底をついて、 高度がどんどん落ちてきた頃、 JAXAの担当スタッフは最後のミッションへの準備を進めていま した。
それは地球から見える位置に墜落させて、 その激突の閃光を地上の望遠鏡で観測させるというものです。
そして「かぐや」は計算で予測された通りの夜に落下しました。 このとき裏側まで飛んで行かないように、 初めて制御落下が行われました。
ところが生憎、日本各地は厚い雲に覆われていました。 米国や欧州では明るい時間帯だったり、 地球の自転のために見えない位置関係でした。
しかし有難いことに、オーストラリアの天文台が「かぐや」 の最後の閃光をしっかりと見届けてくれていたのです。
なぜこの最後の閃光が大切だったのか。
月面は空気がないので、隕石が地球よりもかなり多く、 そのまま衝突していることは知られていましたが、
どれくらいの大きさの隕石がどのくらいというデータを得る方法が なかったのです。
「かぐや」は重量(1.6トン)が分かっていますから、 墜落の閃光の強さを観測すれば逆に、 隕石のデータに当てはめることができるのです。
無論、今では「かぐや」 の遺してくれた貴重なデータのおかげで月面落下隕石について多くのことが分かっています。
月を周回するかぐや(左)と観測機器を満載して頑張るイメージを描いたイラストの例(右)
これに似たことがまさに今回、再び行われます。
国際宇宙ステーションに水・ 食料や各種機材を渡した後の補給機はステーションで出たゴミを積 まれた後、大気圏に落とされてただ燃え尽きていました。
今回の「こうのとり」3号機は、自分が燃え尽きる様子( どの部分からどのように壊れるか)を積んで行った「アイボール」 という機器でつぶさに観察してもらいます。
この最後のデータは、後継の改修型補給機に、 また将来に日本が造るであろう有人宇宙船の設計にしっかりと活か されます。
宇宙機は機械ですから、当然意思や心はないのですが、
私のようなオタクだけでなく、JAXAの担当者までもが、 探査機・ 衛星をまるで大切な我が子のように擬人化して密かに声援を送っ ています。それほど愛しているのです。
いまの「こうのとり」後継となる「回収型こうのとり」。先端のカプセル部分に回収物を入れますが、 まだ人は乗れません。
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