あらゆるものがインターネットでつながる「5G通信ネットワーク」の時代を前に、米国防省は重要な情報の漏洩を防ぐため、防衛装備品の製造や調達に関わる企業に対し、重要な情報の機密性を担保する「情報セキュリティ基準(NISTSP800−171)」への適合を要求している。この基準への適合はサプライチェーンに対しても求められているため、米国防省と直接契約していない日本の関係企業にも要求される。防衛基盤整備協会(鎌田昭良理事長)では、日本国内の企業が同基準に沿って装備品の調達・整備・補給業務などをスムーズに進められるよう、体制構築のためのコンサルティング事業を行っている。
サプライチェーン全体が対象に
「5G通信ネットワーク」の時代、防衛装備品の研究開発・製造・整備補給などはインターネットを介し、同盟国間で同時・並行的に行われるようになる。そこで最大の脅威となるのがインターネットを通じたテロや犯罪だ。
防衛装備品の設計図など「機密」に指定された極めて秘匿度の高い情報だけでなく、「機密」には指定されていないが、仕様書やマニュアルなどのような「重要な情報」である「管理対象防衛情報(CDI=CoveredDefenseInformation)」(図1参照)の漏えいも防止することが重要となる。
また、各企業が保有する装備品の整備・補給記録といった一般的な資料であっても、それがハッキング(不正侵入)されてライバル国の手に渡れば、装備品の問題点などが相手に把握されてしまう。また、知らない間にデータが改ざんされれば、装備品の運用中に重大な事故が起きる恐れも出てくる。
米国では・・・
「NIST SP800―171」の目的
このNIST基準は米国防省調達規則(DFARS)により、「管理対象防衛情報(CDI)」が含まれる契約にすべて適用され、その順守はプライム企業から下請けまでの関係全企業に求められる。このため米国の装備品の生産などに当たる日本企業も契約する際に同基準への適合が要求される。
「NIST SP800―171」の情報セキュリティは、管理対象防衛情報の保全を目的に、「14ファミリー・110項目」からなっている。
このうち「技術要件」が77項目、「・・・
「NIST基準」クリアーへ コンサルティングは
情報セキュリティ支援課が対応
現状分析から適合確認まで
このような状況に対応するため、防衛基盤整備協会では国内の企業などがNIST基準にスムーズに適合できるよう、「DFARS/NIST セキュリティ要件適合のための体制構築支援」のコンサルティング業務を開始した。
この支援業務は同協会情報セキュリティ部の情報セキュリティ支援課が中心となり、各企業からの要望に対応する。同支援課では独自に日本語の「NIST SP800―171セキュリティ要件解説書」と「適合状況確認シート」を作成し、企業等に対して具体的な作業手順を示し、確実に「NIST基準」をクリアーできるよう支援を行っている。
その内容は、主に①現状確認と分析を行い、問題点を抽出②適合化方針の決定③基本方針・基準の作成④実施手順の作成⑤NIST適合状況の確認――という流れになっている。(図3参照)
米国防省では、企業などに対し、・・・
同事業の詳細については、防衛基盤整備協会のホームページに掲載されているほか、同協会の情報セキュリティ支援課(電話03‐3358‐8704)で対応している。
シンガポールの国際会議で海幕長がスピーチ
(2019年5月15日)
「IMDEXアジア2019」の国際会議で、海自の取り組みを発表する山村海幕長(左演台)=5月15日、シンガポールのチャンギ地区で
山村海幕長は5月12日から15日までシンガポールを訪れ、チャンギ地区で開かれた「国際海洋防衛装備展示会(IMDEXアジア2019)」の関連行事に出席した。
海幕長は各国海軍の高官や企業など約400人が参加する「国際海上安全保障会議」に出席し、豪海軍本部長、ブルネイ海軍司令官、独海軍総監と共にパネリストとして登壇、「海洋共有における平和維持」をテーマに、インド太平洋地域の平和と安定に積極的に寄与する海上自衛隊の取り組みについてスピーチした。
同会議では・・・
PKO工兵部隊マニュアル改訂会合
カナダで開催 施設学校から2隊員派遣
(2019年4月28日~5月5日)
カナダで開かれた「第3回国連PKO工兵部隊マニュアル改訂専門家会合」に議長として参加した白石1佐(前列中央)と同補佐の赤塚1尉(後列左端)=5月3日、カナダ・オタワで
7カ国15人参加
【施校=勝田】陸自施設学校は4月28日から5月5日まで、カナダの首都オタワで開かれた「第3回国連PKO(平和維持活動)工兵部隊マニュアル改訂に関する専門家会合」に、議長として同校教育部主任教官の白石稔1佐、議長補佐として赤塚喜与1尉を派遣した。
同マニュアルはPKO工兵部隊の活動基準などを示すもので、平成27年に日本が議長国となって策定。昨年、国連が改訂のための会合の議長国として、改めて日本を指名した。改訂は計4回の会合を経て完了する予定で、これまでに日本、アイルランドで開催された。
カナダでの第3回会合には日、加、中、米、ブラジル、パキスタン、スイス、国連平和活動局と国連地雷対策サービス部の・・・
<世界の新兵器>
無人攻撃機「XQ58」(米)
次世代無人攻撃機の革命的挑戦
米空軍が研究開発中の無人攻撃機の技術実証機「XQ58」(クラトス社HPから)
近未来の対地攻撃作戦においては、無人攻撃機が数機から数十機の編隊を組んで彼我の情報を共有しつつ任務を分担し、単独またはこれら無人機を統制する第5世代戦闘機等と編隊を組み、敵の防空覆域内で任務を遂行すると思われる。現在、その研究開発計画が進み、米国では2種類のプロジェクトが進行中である。
その一つが空軍研究所の「LCAAT(低価格消耗航空機技術)計画」であり、その技術実証機「XQ58」が3月に初飛行に成功した。この計画は、異常に高騰する航空機価格や厳しさを増す戦場環境(中国を念頭にしている)に対抗し、「低価格で人的損耗を局限し、制空権のない空域でも任務を達成できる無人攻撃機」を活用した作戦である。製造は米国のクラトス社(近年、無人機製造等で脚光を浴びている)で、受注後わずか2年半で初飛行に成功した。既存の民生技術を多用し、量産単価は1機あたり2億円程度とされている(F35A戦闘機は約100億円)。
本機は、地上スタンドから補助ロケットで発射され、任務終了後、元の場所まで戻り、パラシュートで回収・整備し、再使用される。クラトス社では近々、・・・
豪州で日米訓練「タリスマン・セイバー」海自が初参加
(2019年6月3日~8月21日)
陸・海自は6月3日から8月21日まで、豪州クイーンズランド州のショールウォーターベイ演習場などで米海兵隊、海軍との実動訓練「タリスマン・セイバー19」を実施する。海自が同訓練に参加するのは初めて。
陸自は住田和明陸上総隊司令官を担任官に、水陸機動団(相浦)とヘリ団(木更津)基幹の約330人が参加。海自は白根勉掃海隊群司令を訓練部隊指揮官に、ヘリ搭載護衛艦「いせ」、・・・