年を重ねると長編小説を読むのは根気が続きませんが
これは案外すらすらと読んでしまいました。
みなさまご存知のとおり、本年の本屋大賞を受賞した小説です。
作者は百田尚樹氏
内容は出光興産創業者 出光佐三氏の
波乱に満ちた生涯をほぼ忠実に描写しています。
周辺の人物や会社名は実名なのに
主人公が国岡という名前であること
最初の取引先の日本石油が日邦石油
というのもちょっと変ですが、なにか訳が
あるんでしょうね。
出光の名を全国に知らしめたのは
イランにある英国企業の石油施設を国有化
されたことに怒った英国が海上封鎖をしたが
それを突破して石油を持ち帰った日章丸事件です。
創業から死ぬまで特異な理念で
あらゆる困難を克服した人物に驚きを
隠せません。
文体は簡潔で読みやすい伝記物であって
文章を味わう文学作品ではありません。
私は現在地に住みついてはじめて、
出光佐三氏の生家が近いことを知りました。
皇室を敬うこと人後に落ちず、宗像大社を崇め、国立大学の誘致に広大な土地を寄附する
など、地元にあっては自慢の人なんですね。
氏が死去された時、昭和天皇が惜しまれて和歌を詠まれたそうです。
家族主義の経営理念は有名で、出勤簿なし、定年なし、給与明細なしなど異例な会社で
外部からは変な会社だとか、宗教を強制されるとか悪口を言われていましたが、部内の人たちは
意に介さなかったようです。
余話
生家の周辺は出光姓が多く、演歌歌手の出光仁美さんもこの付近の出身ですが、
佐三氏とは姻戚関係に無いようです。
氏の弟は新出光石油を創業していますが、扱う石油は「シェル」なのです。