私の和竿・和釣具あれこれ

このところ更新が滞っていますが、よろしければごゆるりと。

竿正*黒竹へら竿


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   長さ  3.74m

   継ぎ  4     仕舞い  109cm

   重さ  108g

   二代竿正黒竹へら竿

   状態ははなはだ芳しくなく、下手な口割れ修理がされているし穂先はひどくクセがついる。ハッキリ言って見苦しい。それにも関わらず当ブログで紹介するのは訳がある。
   実はこの竿、かのへら竿研究家として著名な渡辺紀行氏ですら数本を実見できただけで、自ら保有することがなかったらしい幻の二代目竿正の黒竹へら竿。へら鮒竿のルーツとされる竿なのである。どんな竿なのかという興味に負けて入手してしまった訳である。

   鈴木魚心氏の「へらぶな釣り百科」(1962 岩崎書店)に次のように紹介されている。
「ヘラ竿の初まりは、現存のヘラ竿のごとき、スズ竹、篠竹等のコンビネーションではなく黒竹で、その元祖は、
大阪市南区谷町六丁目 竿正こと 溝口昇之助氏
大阪市旭区森小路町 故稲垣半吉氏
両氏とも、ひじょうに熱心な研究家で・・・」
昭和初年頃のことであるようだ。

   また、「紀州のへら竿師」の著者である渡辺紀行氏は黒竹竿の特徴について次のように書き残している。
「昔からクロチクについては紫竹、烏竹、あるいは烏歩竹(からすぶたけ)と呼ばれ、矢竹と比べると節数が多く節も高くてごつごつした印象を与える。さらに節がそれぞれ勝手な方向に伸び、稲妻状に交互に外へ伸びるのが特徴で、竿善は「暴れとる」状況だという。そこで元、元上に穂持と穂先を「入れこみ」にすると篠竹の類と比べてぐっと苦労が伴う。
       (中略)
 入れこみ可能な数量は自然に限定される。真竹、スズ竹、矢竹という組み合わせはこうした素材の収集困難さも拍車を掛けて竿正一門の間で勘案され、のちに現行の生地組みが定着した。尚、黒竹の釣り味は魚の力を上手に吸収する点ではやはり特筆したい味である。」(2000.9 へら専科)

 渡辺氏の説くとおり、黒竹は節高で一見竿の材には向かないように見える。ところが、この竿を振って見ると、(古い竿なのでコナレもあるかも知れないが)あたかも上質な絹布をなでるようなキメの細かさが感じられるのである。外見から受ける印象とは真逆なのだ。
   現在の江戸和竿では手元などに稀に使われる以外はまず使われない黒竹だが、その理由は専ら工作の難しさ故であったようである。

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無銘*桶魚籠


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   幅*奥*高 24.5*11*20.5cm

   重さ  585g

   無銘桶魚籠

   無銘かつ塗り直しがされているが、全体の姿、細部の工作とも良い仕事。
   塗りは少しくやり過ぎなのが惜しいが、漆黒の光沢が映える。
   なかご無しのシンプルな作りが潔い。

      (追記)たいへん勝手ながら、もうしばらくで新規更新は終了予定でもあるため、現在新規のお友達登録はお受け致しておりません。閲覧については「お気に入り登録」などでもほぼ同様な機能があるようですので、そちらをご活用くださるようお願いいたします。

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三松斎*仕掛け箱


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    幅*奥*高= 21*9.8*4.5cm

    重量 228 グラム(本体のみ)

   三松斎作仕掛け箱

   シンプルにも見える箱だが、これはもう釣り道具の域を超えたひとつの木工芸作品。
   銘は三松斎作という見慣れないものだがその字体は紛うことなき名工山中益三。


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東春*小継渓流竿


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   長さ   397センチ
  
    仕舞い 47センチ
 
   継ぎ  11(3本仕舞い)
 
   重量  180グラム

   東春作小継渓流竿

   小継ぎの渓流竿としてはとても軽量。とりわけ手元近くの材は抜群に軽いのだが、全体としての竿力はオーソドックスな渓流竿として十分なパワーを持っている。調子は穂持ちに強さのある独特なもの。布袋穂先は印籠継ぎ。東春らしいユニークさにあふれる一本。
   前所有者様からは初代東春作と聞いている。
   
   

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東水*渓流竿


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   長さ  3.9m

   継ぎ  6   仕舞い 82cm

   重さ  154g

   東水作若竹作り渓流竿

   東水作の珍しい渓流竿。
   東水(横溝俊一)は四代東作の後期の弟子で昭和27年に入門。7年後の昭和34年に独立したが、その際に四代目から長角枠の銘印(この竿に押されている印)を贈られていることで分かるように、その腕は確かで宗家の信頼も厚く、昭和45年に東作が倒産するまで、後に六代目を継ぐ三郎氏などと共に、ほぼ専ら東作本店の誂えものをはじめとする高級竿の制作に携わった竿師である。ちなみに本名と違う東水の銘は、出身地の水戸にちなんだものだという。

   しかし、恐らくそうしたいわば厚遇が裏目にでたのではないか。自分の贔屓筋を持たず独自販路の開拓もできなかったのだろう。東作が倒産すると廃業してしまう。その後の和竿の盛衰を見れば賢明な選択だったと言わざるを得ないし、歴史に「たられば」はないのだが、もし東水さんが竿作りを続けていれば、六代東作と並ぶ竿師となって技を競っただろう。残念なことである。

   そうしたことから、活躍した期間が約10年と短かったこともあって、東水の銘が押された作品は極めて少なく、ご本人によれば、Bランクの枠なし印を含めて150本位であるという。そして現在稀に見る東水作品の多くはやまべ竿かはぜ竿。この竿のような渓流竿は本当にめずらしい。Aランクに位置づけられる枠付東水の銘印が押されたこの竿は六代目の作品にも比肩し得る軽量竿で、重量154g。下手なやまべ竿をも凌ぐ極軽量なのだが同時に渓流竿に求められるハリと強さを十分に持ち合わせた竿。塗りも東水さんらしい秀逸な仕事。狂いや割れの出やすい若竹を使って、しかも制作後40年以上経ていることになるが狂いも割れもない見事な仕事。


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