博客新人

中国と日本の経済社会事情を知る。さらにもう少し視野を広めて隣国、そしてアジア、また遠いところまで見詰めて行きたい。

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『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015年12月26日号より
政府は24日、TPP(環太平洋経済連携協定)の発効に伴う経済効果の試算を発表し、当初試算の約4倍にあたる14兆円の実質GDP押し上げ効果が見込めるとの見方を示した。だが、この試算は達成時期や期間を全く示していない杜撰なもの。政府はいよいよ、TPP批准に向け露骨なプロパガンダを始めたと判断できる。
なぜ?TPPの「経済効果」がいきなり4倍に
さて、政府がTPPの「経済効果」を、いきなり4倍に引き上げました。
政府が取りまとめた環太平洋経済連携協定(TPP)の発効に伴う経済効果の試算結果が22日分かった。輸出増加や企業の国境をまたいだ投資拡大で成長が加速し、国内総生産(GDP)を実質で14兆円弱(3%弱)押し上げる効果を見込む。24日に開くTPP対策本部で公表する。
政府がTPP交渉参加前の2013年3月に示した試算ではGDPの押し上げ効果を3.2兆円と見込んでいた。
出典:TPP経済効果14兆円 政府試算、当初の4倍に – 日本経済新聞
試算効果以上に重要なのは「前提」です。上記の14兆円という試算は、一体、いかなる前提に基づいているのか。
つまりは、「いつ」日本のGDPが14兆円増えるのでしょうか。というわけで、24日に上記記事の試算結果がリリースされたため、ご紹介。
TPP協定の経済効果分析について(概要) – 内閣官房TPP政府対策本部
TPP協定の経済効果分析 – 内閣官房TPP政府対策本部

出典:TPP協定交渉参加国 | TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉の大筋合意 – 首相官邸ホームページ

時期と期間を示さない杜撰すぎる試算
上記の分析報告ですが、驚くなかれ、「時期」「期間」を全く示していません。
一応、TPP批准後に、「一定の期間」を経て、「これまでの成長経路」から「新たな成長経路」に移行することは明記していますので、「時間軸」を意識していることになります。とはいえ、TPPによって、「いつ」GDPが増えるのか。
厳密に書くと、「いつ、新たな均衡状態(成長経路)に移行するのか?」は、明記していないのです。
新たな均衡状態とは、要するにTPPにより「潜在GDPの拡大」が終了した時点、という話になります。
つまりは、今回の分析報告は、「TPPを批准すると、生産性向上によって潜在GDPが拡大し、いつか成長経路が新たな均衡状態に移行し、GDPが14兆円弱増えるでしょう」という報告書になっているのです。

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