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接戦が予想される英総選挙をめぐる不透明感で、ポンドが売り圧力にさらされている。
英財政赤字の拡大が景気回復を脅かす中、選挙後にポンドの売り圧力が仮に弱まったとしても、上昇は長続きしない可能性がある。
世論調査によると、5月上旬と目される英総選挙は、いずれの政党も過半数を割り込む「ハング・パーラメント」になる恐れがあり、市場では財政健全化への取り組みが複雑になることを懸念する向きが多い。いずれかの政党が過半数を獲得したとしても、財政赤字や緩和的な金融政策をめぐる懸念を背景に、ポンドは一時的に上昇した後、年後半には再び下落する可能性がある。 ポンド/ドルは1月中旬に年初来高値となる1.6459ドルをつけて以来、約8%下落しており、1.40ドル、あるいは09年1月につけた25年ぶり安値の1.3898ドルを下回る水準まで下落するとの見方も一部で出ている。 投資家の間では、ハング・パーラメントが英国債の格下げにつながりかねないと懸念されており、格下げにより国債利回りが上昇すれば債務返済コストが増大し、景気回復の妨げになる。 スタンダード銀行の通貨ストラテジスト、スティーブ・バロウ氏は「総選挙の直前または直後には、ポンドは短期的にかなり不安定になる可能性がある」と指摘する。 ポンドはこのところ、空売り筋が利食いのため買い戻したことで持ち直しているが、上昇は限定的とみられている。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のストラテジスト、ポール・ロブソン氏は「ショートポジションを解消する動きは見られるが、積極的なポンド買いは見当たらない」と話した。 テクニカル・アナリストによると、ポンド/ドルが3月上旬につけた10カ月ぶり安値の1.4781ドルを下回れば、急落につながる可能性がある。 CMCマーケッツのアナリスト、マイケル・ヒューソン氏は「ポンドが1.48ドルを下回れば、(09年)4月22日につけた安値水準の1.44ドル近辺までかなり急速に下げる可能性がある」とし、世論調査次第では1.40ドル水準に向けて一段と売りが広がることも考えられると述べた。 <総選挙後の動き> 中道右派の野党保守党は、他党よりも財政赤字削減に積極的に取り組むとみられていることから、総選挙で保守党が過半数を獲得すれば、ポンドの支援材料になることが予想される。ただ、仮に上昇したとしても、持続するかどうか懐疑的な見方も少なくない。 厳しい緊縮財政策がぜい弱な景気回復の足かせとなり、イングランド銀行(英中央銀行)による低金利政策の長期化を招くとともに、量的緩和に基づく資産買い入れの拡大につながるリスクもある。 RBSのロブソン氏は「現在のポンド相場には、これ以上の量的緩和はないとの見方と、今後の安定した景気回復と金融引き締めの見通しが織り込まれている」と指摘し、「こうした想定のいずれか1つでも外れた場合、ポンドは下落する可能性がある」との見方を示した。 BNPパリバの通貨ストラテジスト、イアン・スタナード氏は、英中銀が今年後半に量的緩和を拡大するリスクが大きいとみており、ポンドは第3・四半期に1.39ドル、年末までには1.31ドルまで下落すると予想。「ハング・パーラメントの可能性が高まらなければ、総選挙までは持ちこたえるかもしれないが、どの政党が勝利し、政権を取っても、ポンドにはいずれもプラスにならない」と語った。 <対ユーロでは上昇も> ただ、対ユーロでは上昇の余地もある。英国は他の欧州諸国と異なり、ギリシャの財政危機に伴う混乱に巻き込まれずに済むためだ。 バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの通貨アナリスト、ニール・メラー氏は「英国の財政赤字は単純な財政の問題だが、ユーロ圏の債務危機は、多数の国が抱えるさまざまな問題が蓄積したもので複雑だ」と語る。 同氏はユーロ/ポンドが0.90ポンドを上回る水準を維持できるか懐疑的な見方を示し、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの管理資産データによると、ギリシャやイタリアの債券から資金が流出し、ドイツの債券からもわずかな流出が見られるのに対し、英国債は「ほとんど変わりない」という。 ユーロ/ポンドは200日移動平均である約88.72ペンスを下回る水準をつけており、アナリストは、終値でこの水準を割り込めば、下げ相場のシグナルになると指摘する。 みずほのテクニカル・アナリスト、ニコール・エリオット氏は、今夏のユーロ/ポンド相場について「0.96ドルより0.86ドルに近い水準にあると思う」と述べた。 |
ヨーロッパの経済社会
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2月のユーロ圏16カ国の失業率(季節調整済み)は10%となり、前月の9.9%から上昇した。
欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットが3月31日発表したもので、1998年8月以降で最悪の水準となっている。 失業者数は1,574万9,000人と、1カ月前から6万1,000人増加している。前年同月は8.8%だった。 一方、EU加盟27カ国の失業率は9.6%で前月から0.1%上昇。2000年1月の統計開始以来で最も悪化している。失業者数は1カ月前から13万1,000人増えて2,301万9,000人だった。 EU加盟国中、最も失業率が低かったのはオランダとオーストリアで、それぞれ4.0%、5.0%。一方、最も高い失業率を記録したのはラトビアで21.7%。2番目は19%を記録したスペインで、ユーロ圏では最も雇用情勢が悪化している。 |
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ドイツ連邦統計庁は31日、2009年の財政赤字が過去最悪の1055億ユーロになったと発表した。
財政赤字には、連邦政府、州政府、地方政府の赤字に加え、社会保障制度の赤字が含まれる。これまでの赤字の過去最高額は03年の741億ユーロだった。08年は52億ユーロだった。 ドイツは09年は経済成長率がマイナス約5%となり、戦後最悪のマイナス成長に陥った。このため税収が大幅に落ち込み、また政府が雇用支援や銀行救済に公的資金をつぎ込んだため、財政赤字が拡大した。 エコノミストは10年の財政赤字はさらに拡大するとみている。キール大学世界経済研究所(IFW)は、10年の財政赤字は1300億ユーロに迫る可能性があるとしている。 |
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フランス各地で23日、失業者急増に抗議するとともに、サルコジ大統領の公約の年金制度改革案に反対する24時間のゼネストが行われ、交通機関などに混乱が生じた。
主要労組の呼び掛けによる大規模ストは昨年10月以来、半年ぶり。
地域圏議会選挙で惨敗したばかりの右派サルコジ政権に雇用確保や社会保障の重視を求め、さらに圧力を掛けるのが狙いだ。 |
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日産自動車は2010年度の世界生産台数について、過去最高を更新する369万8000台以上に設定した。中国、インドなど旺盛な需要が続く新興国での生産を増やすだけでなく、新車投入とエコカー減税・補助金制度の効果が期待できる国内生産も増産する。日産は資本提携している仏ルノーとともに独ダイムラーと包括的な提携に向けた交渉に入っており、部品共有化によるコスト競争力強化を見据えた戦略を描く。
日産の世界生産台数は、08年度に291万8000台まで落ち込んだものの、09年に世界一の市場となった中国での販売が好調で、増産を進めている。計画が順調に推移すれば、世界生産のピークだった07年度の351万3000台を上回る。 日産の現地合弁、東風汽車は、今年中に河南省にある鄭州第2工場の稼働を始める。このほか、他工場でも生産ラインの速度を上げたり、設備を刷新するなどして、年間生産能力を100万台以上に引き上げる。東風汽車は今年中に世界戦略小型車「マイクラ」(日本名・マーチ)とミニバン「NV200」を投入する。 また、日産・仏ルノー連合は今月17日、インド・チェンナイ郊外にある新工場の完成式を行った。年間40万台の生産能力を計画しており、08年から7年間で450億ルピー(約900億円)以上の投資を行う。同工場では、5月からマイクラを生産し、インドで販売するほか、欧州や中近東、アフリカなどに輸出する。 日産は10年度の国内生産について、前年度比9.7%増の113万5000台に設定した。国内市場では、昨春から他社に先駆けてエコカー減税・補助金対象車を増やし販売増につなげている。 |



