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欧州債務危機問題が、米経済の失速懸念を増幅している。米国は超金融緩和で株高を演出、景気を下支えしてきたが、欧州発の世界的な株安が政策効果を危うくしている。欧州向け取引を多く抱える米銀に金融不安が波及する懸念もある。9月の失業率が9.1%と高止まりする中、格差是正を訴えるデモはウォール街から全米に広がり、オバマ米大統領は「欧州危機は米国にも重大な影響をもたらす」と危機感を強めている。 「ユーロ圏の債務問題は国際金融市場で大きなストレス(緊張)になっている」。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が最近の議会証言でこう述べたように、米国では欧州債務危機の米経済や市場への影響を懸念する声が一段と高まっている。 オバマ大統領は6日の緊急会見で、11月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議までにユーロ圏諸国に「明確で具体的な行動計画」を策定するよう強く迫った。 米国が神経をとがらせるのは、欧州危機が飛び火すれば、米国経済が再び景気後退に陥る「二番底」が現実になりかねないからだ。リーマン・ショックで大きな痛手を受けた米経済は、巨額の財政刺激策や金融緩和で回復過程に入ったかに見えたが、9%台で高止まりする失業率などが足かせとなり、景気刺激策の政策効果の剥落とともに失速懸念が強まった。雇用不安に加え、住宅価格の低迷などで借金が重荷の家計は消費を控え、国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費は低迷したまま。4〜6月期の米経済の実質成長率は1・3%と低空飛行だった。 そこに追い打ちをかけたのが、欧州債務危機による世界的な株安だ。欧州危機は米国や世界経済の先行き悲観論を生み、投資家はリスク回避に急速に転換。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均株価は1万1000ドル前後に落ち込み、これが消費者や企業心理を一段と圧迫する悪循環につながっている。バーナンキ議長は「雇用回復が一段と緩慢になる可能性がある」と警告するが、追加金融緩和をしても悪循環に歯止めをかけるのは難しいのが実情だ。 さらに深刻なのは、欧州危機の米金融システムへの影響だ。米金融大手のモルガン・スタンレーは「欧州銀行との取引が多い」との観測から10月3日の市場で株価が急落。バンク・オブ・アメリカも夏場から大きく売り込まれ、これらの米金融機関は資金調達コストが大幅に上昇するなど、危機の波及が現実味を帯び始めている。 ただ、米国に危機を封じ込める有効策はなく、ホワイトハウスや米財務省は「基本的に欧州に問題解決してもらうしかない」と、独仏など欧州各国に南欧の債務危機国への本格支援の枠組み作りや欧州金融機関に対する大規模な資本注入を迫る。しかし、欧州側の動きは鈍く、米当局者の焦燥感は強い。 ◇オバマ政権手詰まり
「これはゲームじゃない。お決まりの政治的な停滞が許される時ではない」 オバマ大統領は6日の会見で、自ら提案した総額4470億ドル(約34兆円)の景気・雇用対策法案を議会が早急に成立させるよう求めた。 来年11月の大統領選での再選に向けて、欧州債務危機問題の「米国上陸」を何とか阻止し、一刻も早く米経済を回復軌道に戻したいとの思いがにじんだ。 しかし、同法案は議会の反発で成立の見通しが全く立たない。景気・雇用対策の財源確保のための富裕層への増税などを巡り、野党・共和党に加え、与党・民主党内にも慎重論が根強いためだ。 国民の間では、今夏の債務上限引き上げ問題から続く「政治的いざこざ」(政治評論家)で政府や議会への失望感が高まっている。7日もホワイトハウス近くの広場で若者らが「仕事を奪うな」などのプラカードを掲げてデモを展開した。 量的緩和政策などで米景気を支えてきたFRBのバーナンキ議長は「金融政策は万能薬ではない」と金融緩和に偏った景気対策の限界を指摘。「すべての政策決定者が責任を分け合うべきだ」と、政府や議会にも米景気失速回避への努力を求めるが、財政赤字の膨張に、大統領選をにらんだ思惑も重なり、政治は景気てこ入れに動けない状況だ。欧州危機に加え、政治の停滞も米経済の先行きリスクを高めている。 |
世界経済と情勢
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米国主導のアフガニスタン侵略戦争が始まって7日で10年。
首都カブールでは6日、終わりの見えない戦争に抗議する反米・反政府デモがあった。 参加した市民約500人のうち半数近くは女性。 米軍の誤爆で犠牲になった子供らの遺体の写真を掲げ、「米国に死を!」「かいらいのカルザイ政権を倒せ!」などと叫びながら市内を練り歩いた。 男性中心のアフガン社会で女性たちが表で発言するのはまれだ。 東部クナール州から参加した女子学生のワクマさん(21)は、「10年間にわたる占領で、米軍は罪のないアフガン人を殺し続け、私の2歳のめいもロケット弾の誤爆で殺された。立ち上がらずにはいられなかった」と話した。 ワクマさんを含め、多くの女性が武装勢力などからの身の危険を感じており、スカーフやサングラスで顔を隠していた。 参加者は、自爆攻撃を続ける旧支配勢力タリバンや、武装勢力と関係があるとされるパキスタン政府も批判し、「真の独立と平和」を訴えた。 |
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米電子機器大手アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が死去した。56歳。ジョブズ氏は体調不良を原因に8月に米アップルの最高経営責任者(CEO)職を辞任していた。
ジョブズ氏は1976年にアップルを共同創業し、パーソナルコンピュータ「Apple」や「マッキントッシュ」などを発表、同社を世界的な企業に押し上げたが、社内的な対立で85年に退社。86年に設立したピクサー・アニメーション・スタジオは、多くのヒット作を出して、世界屈指の映像制作会社となった。 97年、経営悪化で苦しむアップルの経営トップに復帰し、2000年には最高経営責任者(CEO)に就任した。復帰後は斬新なデザインのパソコン「iMac」を大ヒットさせ、携帯型デジタル音楽プレイヤー「iPod」で音楽事業をパソコンと並ぶ事業の柱に育てるなど、業績を急回復させた。 その後も、07年に発売したスマートフォン(多機能携帯)「iPhone」、10年のタブレット型情報端末「iPad」と、革新的な製品を次々と世界に送り出し、同社をパソコン大手から、デジタル家電やメディア配信事業を含むIT企業の雄へと変貌させた。11年4〜6月期決算では売上高と最終利益で過去最高を更新、アップルは株式時価総額で世界最大のIT企業となった。 一方で、04年に膵臓がんが発覚。半年程度の療養後、仕事に復帰したものの、11年1月から再び病気療養で休職し、8月にはCEOを辞していた。 |

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22日閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は為替市場の安定が望ましいとの認識を示した。ただ、日本が訴える歴史的な円高是正への反応は乏しく、超円高が長期化して国内産業の空洞化が進む懸念はぬぐえない。
「為替の表現を声明に盛り込むことができたので各国共通の認識になっていると思う」。安住淳財務相はG20後の会見で、過度な円高への懸念を各国が共有したとの見方を示した。 だが、為替相場をめぐって日本以外のG20参加国が問題視しているのは欧州危機を背景とする急激なユーロ安。日本の輸出企業を苦しめている未曽有の円高への関心は薄いのが実態だ。 G20では、安住財務相と日銀の白川方明総裁が、円高が東日本大震災からの復興途上にある日本経済に及ぼす悪影響を説明したのに対し、目立った反応はなかったという。 そもそも、今回の共同声明に盛り込まれた「為替相場の過度な変動や無秩序な動きは、経済や金融の安定に悪影響を及ぼす」との文言は今月9日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の合意事項を改めて確認したのにとどまる。 市場でも「声明の為替への言及は一般論にすぎず、今後の(日本の)為替介入に理解が示されたわけではない。現在の円高は欧州問題と米国経済の先行き懸念が原因で、この地合いはしばらく続くだろう」(みずほ総合研究所の山崎亮エコノミスト)との見方が大勢だ。 一方、安住財務相は会見で、欧州の債務危機に関して「欧州での火事は全く対岸の問題ではない」と述べ、先進国でも最悪水準にある日本の財政再建の必要性を強調した。 財政再建への圧力が強まる中で、声明も「日本は震災からの復興に向けた財政出動に踏み出すとともに、中期的な財政健全化を確約している」と明記したが、増税に前のめりな野田政権は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など成長戦略が手つかずのまま。経済財政運営が国内の支持を得られず、海外の信認を失う可能性も否定できない。 |
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国際通貨基金(IMF)は20日、最新の世界経済見通し(WEO)を発表し、景気減速が著しい米国の2012年の実質GDP(国内総生産)伸び率を1.8%に、債務危機下のユーロ圏を1.1%にそれぞれ大幅下方修正した。
日本も2.3%と6月時点の前回予想を0.6ポイント引き下げ。中国やインドなど新興国も軒並み下方修正しており、緩慢ながらも回復を続けてきた世界経済は「新たな危険局面に入った」と警告した。 世界全体の成長率は、11年、12年とも4.0%。前回予想からは11年が0.3ポイント、12年が0.5ポイント下方修正された。 IMFは先進国経済は「成長は続くが、弱々しく、がたついている」と指摘。 一方で、新興国も「不透明さが一段と増している」としており、下振れリスクの拡大に強い懸念を示した。 特に、ユーロ圏の債務危機については「政策決定者による制御を超えて進行している」と指摘。 ユーロ圏債務危機国に金融支援を行う「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能拡充など、7月のユーロ圏首脳会合での合意事項の円滑な実施を求めた。 また、欧州中央銀行(ECB)に対して、下振れリスクが続くようならば「政策金利を引き下げる必要がある」と要求。 欧州の金融機関は自力で、それが難しい場合はEFSFからの資金拠出によって資本増強すべきだと強調した。 |





