「おじさんの日常」ブログ

大好きな自転車、オートバイ、英国のこと、そして定年後の暮らしについて書いていきます。
10月17日、第14日目。

今日も雨ですが、やや小降りとなりました。

民宿の朝食を終え荷物を積んで;列車でインバネス駅からエディンバラに向かいます。

ゴールまであと160kmを残して南に向かうのは残念ですが、もう決めたことなので気持ちを切り替えることにします。

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乗り換え駅のパースの手前で50歳代と思われる女性サイクリストの二人組が列車に乗り込んできました。

この冷たい雨の中でキャンプ・ツーリングをするらしく、フルサスペンションの本格的なマウンテンバイクには荷物が沢山積まれています。

こちらは敗退中というのにスコットランドの女性サイクリストは雨をものともせず楽しんでいます。

私なんかとは精神力がまるで違うことが判り、一層落ち込みます・・・・笑。

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間もなくエディンバラに到着。

雨はすっかり上がり眩しいくらいの晴天になり「えー、なんで・・・・」という思いです。

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エディンバラは家族で来て以来20数年ぶりです。

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「コナン・ドイル」という名前の観光客向けのパブがありました。

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手持ちの現金が少なくなりつつあるため宿泊先はユースホステルに決めました。

とりあえず二日間滞在して天候の様子を見て再びインバネスに戻るかを検討するつもりですが、状況によってはもう少し居ることになるので宿泊費は安いほうが助かります。

本日の走行距離は僅か5km、積算距離は805kmになりました。

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10月16日、第13日目。

今日の天気予報は雨模様ですが、ここまで雨のために散々な目に遭っているので走りたく無いという気持ちが強くなりました。

そこでインバネスまで列車で移動することにします。

インバネスまで行けばゴールのジョン・オ・グローツまでは直線で160kmくらいですから、悪天候であっても頑張れば3日間で到達できます。

さて、出発の朝は早くに目が覚めてしまいましたが、この民宿は朝食が出ないのですぐに駅に行くことにします。

しかし、肝心の自転車はといえば、昨晩、民宿の物置に入れてもらったのですが、階下のパブに下りてみると真っ暗でスタッフは誰もいません。

「うーん、スタッフが来るので待っていることになるのかぁ・・・」とあきらめかけた時、「そういえば部屋の鍵をもらうとき、なにやら説明していたなぁ・・」と思い出しました。

ふと鍵を見ると部屋の鍵の他にもうひとつ小さな鍵がついています。

試しにと思い物置の錠に差し込むと回るではありませんか。

喜んで自転車を引き出し、鍵を部屋に戻し、荷物を積んで急いで駅に向かいます。

早朝とあってまだ暗いのですが、グラスゴーに向かう通勤客で意外と混んでいます。

それでも自転車を持ち込むことに対して嫌な顔をする人は誰もいません。

列車に自転車を持ち込むことが当たり前になっているからです。

グラスゴー駅からはパース駅で乗り換えですが、またもやバルブが折れてしまいました。。

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やがて来た列車に再び乗り込みピトロホリーに立ち寄ってみることにします。

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ピトロホリーは明治時代に夏目漱石が訪れた町として知られており、漱石は政府留学生としてロンドンに滞在していましたが、孤独感からノイローゼ気味となり、友人の誘いにより静養のためにはるばるこの地まで来たとのことです。

その後、日本に帰り名作「吾輩は猫である」を発表するわけですが、ピトロホリーでの静養が無かったら名作は無かったかもしれません。

しかし、100年以上も前にたったひとりの日本人としてこの地を訪れた漱石の心境はどうだったのでしょうか。

そんなことを思いながら町を歩いてみましたが、雨が降っているうえに寒くてどうにも我慢がならず昼食を終えて早々にインバネスに向かうことにしました。

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さて、インバネス駅に着きましたが、予約済の民宿に着くとさらに気が重くなりました。

民宿はおそらく100年を優に超えた「重厚な建物」と言えば聞こえが良いのですが、雨に濡れた外観は陰鬱で、しかも宿の主は80歳近い老夫婦で会話もありません。

しかも雨は時折激しく降っていて、テレビで天気予報を見ると大型ハリケーン、オフェリアがどんどん近づいてくるようです。

強風警報も発令され、とてもサイクリングどころではありません。

さあ、どうすべきか思案のしどころです。

このままインバネスに留まりハリケーンをやり過ごしてゴールを目指す、あるいはここで縦断サイクリングを中止してエディンバラに戻る、のいずれかを決断することにしました。

なんとか縦断サイクリングを続けたいとは思いますが、まず心配なのはスコットランドという場所についてです。

これから走るスコットランド北部のハイランド地方はイングランドとは全く違い、ヒースと呼ばれる小さな赤い花が咲く灌木の他には何一つない岩山が延々と続きます。

日本であれば道の途中に自動販売機あるいはコンビニくらいはありますが、ハイランドにはそんなものはありません。

以前にオートバイで走った経験から言えば、インバネスからジョン・オ・グローツに最も近い町であるウィックまでの約80kmの間に食事や宿泊が出来るような場所はひとつもありませんでした。

ただ荒野と牧草地があるのみです。

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そうなると悪天候やアクシデントによって予約済の民宿まで到着できない場合には荒野で夜明かしということになってしまいます。

また英国に来てから約3週間テレビの天気予報を見て判ったことは、英国本土では北部と南部では天候がまるで違うということです。

例えば、ロンドンが晴天で18度なのに対してハイランドでは雨天に加えて強風のうえに10度以下しかないというような悪天候が続いています。

最悪の場合、雨の中をがむしゃらに3日間走り続けなければゴールには到達できませんし、下手をすれば途中で遭難しかねません。

今回の目的はサイクリングを楽しむ事であって無理をするつもりはありません。

地図の上では全行程のほぼ9割のところまで来たのでとても残念ですが、自転車でこれより先に進むのは無理だと判断しました。

「敗退」といえばそれまでですが、「勇気ある撤退と思えば良い」と自分を納得させました。

撤退の要因は、まずは渡英する時期を間違えたことです。

せめて1ヵ月早ければハイランド地方であってももう少し晴天に恵まれたはずです。

またもう一つは装備の準備不足です。

前回の反省からタイヤは28Cを選んだので舗装路だけなら問題はありませんでしたが、ナショナル・サイクル・ネットワークの推奨ルートには未舗装路も多く含まれていて、雨天時には走るのが困難なことがありました。

また、荷物を少なくするために雨具を上着のみとしましたが、そのために下半身が濡れて疲労を増すことになってしまいました。

全て私の判断が誤っていたと言えます。

結論として、縦断サイクリングは一旦ここで終わりにして、明日はエディンバラに戻り体制を立て直してその後をどうするか考えることにします。

そう決めてしまうと肩の重荷が下りたようで気持ちがかなり楽になりました。

明日からはただサイクリングを楽しむことにします。

今日の走行はわずか15km、積算距離は丁度800kmになりました。

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帰国して以来真面目に自転車に乗っていないので「これではいかん」と思い、境川サイクリングロード経由で江の島まで行ってきました。

なにしろ今は「毎日が日曜日」ですから、天気の良いときにいつでも行くことが出来ます。

しかし、「毎日が日曜日」というのは実はかなり退屈ということが判りました。

サラリーマンの頃は週末にしか出かけられませんから、その日が雨だったり家の用事があったりして本当にサイクリングを楽しめる日はとても少なくて貴重だったのです。

それがいつでも好きな時に出かけられるようになった途端、「自由に使える休日の有難味」が薄れてしまいました。

現役の皆さんにすれば贅沢な悩みかもしれません。

さて、家を出て多摩モノレールに沿って進み、高幡不動から多摩センターまでは起伏がありますが、橋本、町田、大和から藤沢まではほぼ平坦な道が続きます。

3時間半ほどであっけなく江の島駅に到着。

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橋を通って江の島に渡りますが、相変わらずの混雑ぶりです。

ボロボロだった展望台がリニューアルされ、さらに温泉が出来てから混雑が酷くなったようです。

しかし、メインストリートを外れると昔ながらの路地があり島の本当の暮らしが見えます。

いまや湘南の名物となった「生しらす丼」の店ばかりですが、ヨットハーバーと弁財天しかなかった頃の鄙びた江の島のほうが良かったような気がします。

お昼には早過ぎたので帰路のどこかで食べることにして来た道を戻ります。

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風も無く淡々と走り午後3時過ぎには帰宅。

走行距離は130kmあまりでした。

歩行者と自転車の専用路を走ったわけですが、平日ということもありサイクリストの多くは私と同年代、また歩いているのは私よりもさらに上の年代の方ばかりです。

健康のためということもあるでしょうが、家にいてもつまらないし他に行くところが無いということもあるのだと思います。

「もう仕事はしなくて良いから好きなことをしなさい」となって最初は嬉しかったのですが、退職からわずか半年もしないうちに飽きてしまいました。

今は「やりたかったこと、サラリーマンの時には出来なかったこと」を少しずつ実現しているわけですが、その一方で「これって本当に楽しいのかな?・・・・・」という疑問が頭の隅にあります。

夢はやっぱり夢のままであるほうが楽しいのかもです。
















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10月15日、第12日目。

いよいよスコットランドの旅が始まります。

朝食を終えて出発しようと思いましたが、昨日間違えたルートをまた行くのも嫌になったのでグラスゴーまで列車で移動することにします。

本来なら全行程を走るつもりでしたが、思ったよりも天候が悪くまた体力の消耗を考えると列車を併用したほうが安全策です。

しかし、宿のすぐ前にあるグレトナ・グリーン駅の時刻表を見ると、なんと午後1時過ぎまで列車が来ません。

半日も無駄にしたく無いので、一旦カーライル駅まで戻ることにします。

せっかくスコットランドに来たのにまたイングランドに逆戻りですが、仕方がありません。

今日は天気も回復し眩しいくらいの快晴です。

カーライル駅までは20kmくらいなのですぐに着いてしまいましたが、次のグラスゴー行きの列車までまだ2時間もあったので町を散策してみました。

駅前の商店街をうろうろして、アウトドア用品店で防水スプレーを買ったり、お茶を飲んだりして時間をつぶします。

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ところで、英国の多くの地方都市は日本の多くの地方都市のように「シャッター通り」にはなっていません。

日本の地方都市の商店街は高齢化に加えて大型の郊外ショッピングモールの進出によりこのままでは間もなく全滅です。

英国ではどの店も品揃えや品質は日本に劣りますし、客数もそれほど多いとは思えませんが、それでもどの店も商売として成り立っています。

英国にも郊外の大型ショッピングモールはありますが、それよりも古くからある地元の店のほうを大事にしているようです。

これはぜひ見倣うべきだと思います。

さて、発車時刻になったのでグラスゴー行きの列車に乗り込みます。

この列車は吊り下げ式になっていましたが、荷物やボトルを外さなければならないので面倒です。

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やがて着いたグラスゴーはスコットランド第2の大都会、人と車の多さに目が回る思いです。

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ナショナル・サイクル・ネットワークのルートは川沿いの平坦な道が続き、今日の目的地と決めたバロックまで迷う心配がありません。

どうやらこのルートは鉄道の廃線跡を活用したもののようで所々に鉄橋が残っています。

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やがて川幅が狭くなり、ロック(水門)の近くにある自転車店兼カフェで休憩することにしました。

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日差しが暖かく、昨日までの悪天候が嘘のようです。

こんな日ばかり続けばサイクリングは楽しいのですが・・・。

しばらく行くと川幅が広くなりましたが、何しろ平坦な土地なので流れの音がせずなんとなく不気味な感じがします。

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間もなくバロックに到着。

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ここはロッホ・ローモンドという湖に面した小さな町で落ち着いた雰囲気があります。

宿に荷物を下ろして町を歩いていると、私と同じKTMのオートバイに乗ったおばちゃんが居たので色々と話をしてみました。

おそらく50歳代かと思いますが、気難しい2ストロークのオートバイを乗りこなしているのは大したものです。

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さて、テレビで明日の天気予報を見ると「オフェリアという大型のハリケーンがアイルランドに来そうだ」とのこと。

そうなるとスコットランドでも強風が吹き荒れる可能性がありそうです。

明日の朝の様子を見てどうするかを考えることにします。

今日の走行距離は58km、積算距離は785kmになりました。












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これは良いかも

こんなのを見つけました。

https://www.youtube.com/watch?v=FB8dd92lIZ8

5LINKSというメーカーの「輪行用ハブ」です。

後輪を外してもスプロケットだけが車体とともに残る仕組みです。

チェーンの処理にも困りませんし、スプロケットが車体を傷つけることもありません。

価格が38000円というのがちょっと痛いですが・・・。

このアイデアはオートバイの耐久レースなどでは数十年前からあり、自転車においても戦前に英国のチェイターリーが既に実用化していますが普及せず、やっと商品化されました。

しかし、英国のように自転車が簡単に列車に持ち込める国では売れないでしょうし、「38000円も出す意味が判らん」と言われてしまうかもなぁ・・・・。

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英国のフレームビルダー、リグデンさんは実に多趣味な人でした。

古い自転車のコレクターであるばかりではなく 、
農具、空気銃、ナイフ、自転車のヘッドバッジ、隕石、大砲やトラクターのミニチュアなど
3階建ての家の部屋の殆どをこれらが占めています。

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その他、自らナイフを作るという趣味もありました。

昨年リグデンさんと会ったときに「好きなのをあげるよ」と言われて10本ほどの中から選んだのがこれです。

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ハンドルは真鍮とエルムの木で作られており、実に見事な出来です。

リグデンさんはもっと多くのナイフを作る予定で、遺品の中には未完成の刃が何本も残っていました。

私は夫人に「私が完成させたいので1本いただけませんか」とお願いして1本をもらい受けました。

帰国してから色々と構想を練り、また材料を手に入れ、冶具を作り、やっと完成したのがこれです。

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ヒルト(鍔)の部分はブロックから削り出し、ハンドル(柄)の部分は花梨と鹿角と槐とを組み合わせてあります。

リグデンさんのハンドルが3次元とすれば私のは2次元でしかなく、とても比べ物にはなりませんが、私の技量ではせいぜいこんなものです。

それでもリグデンさんとのリレーが出来たと思うと満足です。

「ナイフが完成したら写真を送ってね。」と夫人に言われているので評価を聞きたいと思います。


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10月14日、第11日目。

雨に濡れ道に迷いやっとたどり着いた民宿「ストーン・クローズ」で
フル・イングリッシュ・ブレックファーストをいただきます。

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毎日同じようなメニューですが、地方によって少しずつ違います。

皿の上の黒いものは「ブラック・プディング」といい豚の血と香辛料を混ぜて固めたものですが、人によっては材料を聞いただけでもう無理かもしれません。

宿の主人からは「後で食べてね」とフルーツとナッツのケーキまでいただいてしまいました。

親切に感謝感激です。

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荷物を整えストーン・クローズを出発します。

今朝もかなりの雨ですが、とにかく前進しなくてはなりません。

また道に迷うのも嫌なので、ナショナル・サイクル・ネットワークのルートが確認しやすい地点まで列車で移動することにします。

地図を見るとデント駅が最も近いようです。

雨と風の中を遮二無二自転車を走らせていると、「いったい自分は何をしてるんだ・・・」という思いが頭をよぎります。

しかし、これは自分で決めたことですし、嫌なら辞めれば良いだけのこと。

「こんなつらい経験もいつかは楽しい思い出になるはずだー」と自分に言い聞かせて、とにかく駅を目指します。

やっと駅に着きましたが待合室があるばかりで駅員も乗客もいません。

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次の列車まで1時間以上もあるので音楽を聴いて過ごしましたが、
「本当に列車は来るのかな・・・」と不安になったころ数人の乗客がやってきました。

年配の夫人達でしたが、雨と風の中、待合室の外で傘もささず立ったままニコニコと雑談をしています。

駅の案内板には「イングランドで最も標高が高い駅」とありましたからかなり寒いのですが、英国人は気にもしていない様子です。

やがて到着した列車に乗り込み切符を購入し、イングランド最北の都市カーライルの少し先にあるスコットランドのグレトナ・グリーンというところまで行くことにしました。

間もなくグレトナ・グリーン駅に到着しましたが、「やっとスコットランドまで来たぞー」と少し元気が出ました。

さて、ルート図を確認して走り出しますが、連日の雨でブレーキ・ブロックがかなり減ってしまったので自転車店に立ち寄って購入することにしました。

店主が「どこから来たの?」と聞くので「日本からです。できればジョン・オ・グローツまで行きたいと思っています」と答えると記念写真を撮ってくださいました。

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しかし、また失敗を重ねてしまいます。

北に向かって走り始めたつもりだったのですが、実は南に向かっていました。

雨のためタブレットを取り出してルートを確認するのが面倒だったこと、またいちいち確認しなくとも一本道なので間違いは無いだろうと高を括っていたことが原因です。

また降り出した雨の中をどんどん進みますが、泥だらけになるわ、風は強くなるわで散々です。

しかも、どうも知らない地名の町や村ばかりが続き、どうやらまた迷ったと判りました。

あまりに田舎なのでGPSの電波がうまく届かずグーグル・マップの指示が間違ったりすることもあり、気が付くと午前中に通った道に戻っていて、もうがっかりです。

結局、55kmも走ったのに同じところをグルグル回っていただけでした。

しかし、とりあえずスコットランドに入ったのは間違いありません。

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仕方なくグレトナ・グリーン駅まで戻り駅前の民宿に泊まることにしました。

さらに悪いことには民宿の近くにはパブも食料品店も無く、通りかかった高校生に「町の中心部はどこですか」と聞いたら「そんなものありません」と笑われました。

このため夕食は食べられず、持っていたビスケットとリンゴと柿の種を食べてあとは寝るしかありません。

二日続けて酷い目に遭い意気消沈です・・・・・。

今日の走行距離は55km、積算距離は727kmになりました。




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10月13日、第10日目。

ここまではまずまず順調に来ることが出来たので、「この分なら23日ごろにはジョン・オ・グローツに楽々到達できるかも。」と思っていましたが、やはりそう甘くはありませんでした・・・・。

朝食を終え、かなりの雨の中、次の目的地アップルビーに向けて出発します。

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持参した雨具はジャケットのみですが一応は防水効果を発揮して
それほどひどくは濡れません。

しかし、下半身については軽量化のため持って来なかったので
少しずつ雨が染みてきます。

宿を出てまもなく土砂降りになり大きな木の下に避難しましたが、
この雨では地図もタブレットも取り出すことが出来ません。

しばらくすると少し小降りになったので再び走り出しますが、現在位置が良くわからないまま走り続けることになってしまいました。

なにしろ周囲は牧草地ばかりなので雨宿りをしてタブレットを確認する場所も無く、勘だけを頼りに走ります。

途中で分岐点に差し掛かり、「さぁ、どちらに進むべきか・・・・」と考えて右の道を選びましたが、これが大きな間違いでした。

雨と風の中を進んでいくと「Flood」という標識がありました。

「Flood」つまり「洪水」ですが、英国は日本のような高い山が無いので川は平野をゆったりと流れていて雨でも激流になったりはしません。

その代わりに行き場の無くなった水がジワジワと低い道路に集まって溢れてきます。

これが「Flood」です。

見ると道路が40mくらいの間、水浸しになっていて深さもかなりありそうです。

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さあ困りました。

迂回して他の道を行くほうが賢明ですが、この雨ではどこもFloodがありそうですし、道に迷う可能性もあるうえに遠回りにもなります。

トラックでも来たら乗せてもらおうかと思いましたが、なかなかやって来ません。

これはもう無理やり突っ切って行くしかありません。

自転車を押して靴のままズブズブと水の中に入って行くと、進むにつれどんどん深くなってきます。

とうとう膝まで来てしまいました。

今更戻る事も出来ず、「えーい、行くしかねぇー」とさらに進むとやっと向こう側へ渡ることが出来ました。

こんなのが続いたらどうしようかと思います。

雨は降り続け、川の水も濁ってきました。

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しかし、しばらく進むと迷子になってしまったことが判りました。

時刻は既に午後4時を回っていて、気が付いたらリンゴをかじっただけでお昼ご飯も食べていません。

デントという小さな村に差し掛かり、ティールームと村の博物館を兼ねたような店があったので休憩をとることにし、とりあえずお茶とケーキを注文しました。

ようやく落ち着いてタブレットで現在位置を確認すると、目的地までまだ40km近くもあり明るいうちに着くのは到底無理だと判断しました。

店主のおばちゃんに「あのー、このあたりに民宿が無いでしょうか」と尋ねると、「すぐそこにあるわよ。今晩宿泊できるかどうか電話で聞いてみてあげる。」と言ってくださいました。

照会の結果は「大丈夫だって」とのことで、おばちゃんに厚くお礼を申し上げました。

紹介された「ストーン・クローズ」というティールームと民宿を兼ねた宿に着くと店主夫妻が暖かく出迎えてくれましたが、なんと湯船があり、雨と風の中を一日中走り回ったため体も冷え切っていたので、やっと生きた心地がしました。

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部屋に落ち着いて改めて現在位置を確認すると、懸命に68kmも走ったのに出発地点からたった19kmしか離れていないことがわかりました。

なんのために49kmも無駄に走ったのか・・・。

自転車は泥だらけ、ジャケットもヘルメットも泥でひどく汚れています。

ここに来て、甘い考えが吹っ飛びました。

やはり時期が悪すぎたのは明らかです。

近くのパブに夕食を取りに出る元気も無く、非常食として用意したビスケットやハムなどを食べて寝てしまいました。

積算距離はなんとか672kmになりました。


























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10月12日、第9日目。

ニールさんご夫妻の家に2晩泊めていただきましたが、
おいとまをして旅を続けることにします。

昨晩、色々と検討した結果、なるべく楽なところからサイクリングを再開することにしました。

テレビの天気予報で見るスコットランドの天候はどうやら毎日が雨続きのようですし、寒さも増してきているので出来るだけ体力を温存するためです。

結局、バーミンガムを少し過ぎたウェイリーという駅から再スタートするのが良さそうだということになりました。

ニールさんの自動車に自転車を積み込みストーク・オン・トレント駅まで送っていただきましたが途中の混雑のため発車時刻ぎりぎりになってしまいました。

なんとか列車に乗り込むことができましたが、やっと落ち着くと傍らにいた若い女性から「あなたは日本人ですか」と聞かれました。

ヘルメットに日の丸のステッカーを貼っていたので判ったようですが
「yes」と答えると「私は日本語を勉強している大学生です」とのことでした。

福岡にホームステイしていたことがあるとのことで30分ほど話をしましたが、彼女が途中の駅で下りる際、お土産として用意していた招き猫をあげました。

フェイスブックのアドレスも交換しましたが、ま、一期一会ということです。

バーミンガムを過ぎ、お昼過ぎにはウェイリー駅に到着し、
ナショナル・サイクル・ネットワークの90号線を通って先に進みます。

グレート・ミットン、バーシャルタウン、ウエスト・ブラッドフォード、ボルトン・バイ・ボウランド、スレイドバーンなどの小さな町や村を抜けて、今日の宿と決めたアークホルムを目指します。

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途中で長い登り坂に差し掛かりましたが、
2日間の休養が功を奏して楽々登ることができました。

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羊の群れに遭遇。

とても勝ち目が無いので通り過ぎるまで待つしかありません。

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夕刻、アークホルムという村のベイホースというパブ兼民宿に到着。

有難いことに湯船があり、久しぶりに風呂に入ることが出来ました。

日本の温泉は5000箇所を超えるそうですが、英国ではバースという町にローマ時代の温泉の遺跡があるだけです。

なお、英語で風呂のことをバスというのは、バースが起源らしいです。

夕食はお勧めの子羊のローストとヨークシャープディングですが、
これは美味しかった。

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「英国料理はまずい」という評判が定着していますが、
「かなりの当たりはずれがある」というほうが正しいと思います。

美味しい料理も多くありますが、これはいくらなんでも酷いというのも良くあります。

英国の事情に詳しい人に聞いたら、英国では徒弟制度みたいなものは無いらしく、例えば「自分はシェフだ」と宣言すればそれで良いのだそうです。

かつて英国のテレビ番組で見ましたが、ホワイトソースが作れない現役のシェフがいるのだから驚きです。

シェフだけではなく内装工事などの業者も「素人よりは少しまし」というのも多く、あまりの下手さに呆れて工事途中で業者を交代することは良くあるそうです。

今日の走行距離は64km、積算距離は604kmとなりました。












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10月10日、 第7日目。

今日は素晴らしい晴天ですが、
サイクリングを一旦中断して友人の英国人のお宅を訪問することにします。

この友人はニール・ハリソンさんといい
7年前の最初の英国サイクリング旅行でランズエンドを訪れた際に「あなたは日本から来たのですか」と話しかけられました。

ニールさんは仕事をリタイアした後、チャリティー(何が目的だったかは聞き損ねました)を目的として英国縦断サイクリングを行い
私がランズエンドに着いたときにニールさんも丁度ゴールした時で
奥様が祝福を兼ねて迎えに来ていたということです。

英国ではチャリティーはごく普通で
街中に赤十字や乳がん撲滅などを目的としたチャリティーショップがたくさんあり、割と良質の中古衣類がものすごく安く買えるので私も利用したことがあります。

自転車イベントでもチャリティーがたくさん行われており、
前回参加した「ロンドン・ケンブリッジ・ライド」は乳がん撲滅のためのチャリティー・ランです。

ランズエンドのティールームでお茶を飲みながら色々と話したところ
ニールさんは「自転車も好きだが60年代のホンダのワークスレーシングバイク、特に6気筒が大好き」ということが判り、それなら私と同じだなぁということで親しくなりました。

さて、グロスター駅から列車に乗り込み、
夫妻が住むストーク・オン・トレントに向かいます。

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予定では12時前にストーク・オン・トレント駅に着くはずでしたが
英国の鉄道ではあたりまえの「Delay」つまり遅延のために
途中駅での乗り換え時間が足りず20分遅れになってしまいました。

英国の鉄道では遅延やキャンセルの理由は乗客には知らされません。

乗客も慣れたもので「あー、またか」という感じで
駅員に詰め寄る人など誰もいません。

100年を優に超える鉄道施設の老朽化に加えて
乗務員の待遇改善のためのストライキが原因のようです。

日本では列車は定刻どおりに来るのが当たり前ですが、
実は大変な努力の結果なのです。

さて、駅に着くとニールさんと奥様が迎えに来てくれており、
自転車を積み込んで夫妻のお宅に向かいます。

30分ほどで到着。

荷物を下ろしたあと、
ナショナル・トラストが所有する近所の公園で午後のお茶をいただきました。

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翌日11日は生憎の雨天でしたが、夫妻の案内でチャッツワース・ハウスに行きました。

ここはデボンシャー侯爵の邸宅で豪華な部屋が30もあり、
庭だけでも42ヘクタール、
また屋敷の周囲を取り巻く塀が14kmもあります。

内装や調度品を見るとフランスのベルサイユ宮殿よりも豪華だと思われ、英国貴族の財力に驚かされます。

あまりに寒いのでフリースの下着上下を買い足すことになり、
とうとう準備不足が露呈しました。

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