Wecker papa の独り言

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その後の私は・・・人の目にも衰弱して行った・・・。

大学へは何とか行けていたが・・・ラグビーはとても無理な状態であった・・・。

何しろ・・・ここ数日、眠っていなかったから・・・と言うより、眠れなかったから・・・。

何時、彼女が現れるか・・・期待半分、恐怖半分・・・そんな精神状態の日々を送っていたのだから無理もない・・・。

友人達も、先生も・・・私の顔色を見て心配してくれ・・・

「何処か、悪いんじゃないか?・・・至急、精密検査の要あり・・だな・・・」と、言葉は悪いが、気にかけてくれていた・・・。


この幻とも、現実とも判断のつかない日々の中で・・・唯一、救われる瞬間であった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



数日が過ぎ・・・未だ、私の周りには変化が無い・・・彼女が現れないのだ・・・。

もう、とうに限界を超えていた私の体と精神に油断が生じたのは・・・そんな時でした。


不覚にも?と言うか・・・自室に戻り・・・私は、意識を失った・・・。

多分、眠りに落ちたのだと思う・・・。

私は夢を見た・・・きっと、夢・・・私は白い雲の中にいた・・・足の裏には感触がある・・・地面はあるのであろうが、目には見えない・・・。

ただただ、まっ白い空間に入り込んでいた・・・。

声が聞こえた・・・どこからとも無く・・・声が聞こえた・・・。

「何故・・・逃げた・・・何故・・・聴こうとしない・・・許せない・・・」

唸るような、その声は・・・とぐろを巻くように、私の体を締めつけて来た・・・。

言葉が体を締めつけていた・・・血圧計の腕帯の中で締めつけられているような感覚・・・息が苦しい・・・

言葉は続き・・・その言葉が、又、私の体を締めつけた・・・・・。

「許さない・・・お前だけは、絶対に許さない・・・・」

何処かで聞き覚えのある女性の声・・・・・・そう思いながら、身動きの取れない私は、締めつけられる苦しさで・・・意識を失った・・・と言うより、夢から覚めて目を覚ました。

息が荒く・・・大きく息を吸った・・・閉めだされていた空気を、取り戻すように・・・私は息を吸った・・・。

目覚めた私が・・・一つだけ 確信出来た事・・・それは 「私は祟られた」・・・と 言う事・・・それだけであった。



あの時、逃げなかったら・・・勇気を持って、彼女に向かい合っていたならば・・・

「後悔 先に立たず・・・」

この期に及んで、先人の言葉を思い出しても・・・もう、遅い・・・。

後は、何が起こるのか・・・ハラハラしながら、毎日を送らなければならないのだろうか・・・。

いずれにしても・・・私は、とんでも無い状況に追い込まれたみたいだ・・・

しかし、私は・・・そんなに悪い事をしたのであろうか・・・・・

水槽の彼女を、勝手に見た事・・・これは罪に(?)値するだろう・・・。

それだけで・・・それだけで・・・こんな思いをしなくてはならない理由が、私には分からなかった・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



それ以来・・・私は開き直った・・・夜も良く寝た・・・。

むしろ、彼女と会って・・・もう一度話し合いたい気持であった・・・。

誤解も解きたかった・・・その前に、何が誤解なのかも?ハッキリさせたかった・・・。

しかし・・・彼女は現れなかった・・・いつまでも現れず、私は良く寝て・・・

体調も回復していた・・・。


ある日、講義室で友人が私に再び耳打ちをした・・・

「例の解剖実習室の御遺体の件・・・あれさぁ、いつの間にか、戻ってたって話・・・聞いた?・・・きっと、最初から誰かの見間違いだったんじゃない?・・・」


それを聞き・・・私は内心、安心していた・・・が・・・私の問題が解決したわけでは無かった。



その後も・・・不思議と何事も起こらず・・・ひと月、ふた月と、季節も変わった・・・。


もう・・・季節外れ・・・では、無くなっていた・・・・・。


                                 つづく
気が付くと、私はクラブハウスにいた・・・クラブハウスと言うのは、グランドの横に併設されている、ラグビー部のロッカールーム、シャワー、ミーティングルームのある建物で・・・大学以外で、毎日通う所であった・・・。

誰もいない午前中のクラブハウス・・・今の私が逃げ込むには・・・誰にも合わないで済む、ここしか無かった・・・。

まだ・・・練習には早い・・・今はここで時間を潰し・・・時間がきたら練習して・・・その後は・・・何処に帰れば良いのだろう・・・。

友人の所への居候も考えていた・・・しかし・・・それで、今の事態を乗り切れるのか?・・・。

いずれは・・・帰らなければならない・・・彼女の居る・・・あの部屋へ・・・・・。

でも、今は 帰る勇気も 覚悟も無い・・・戸惑いと恐怖・・・誰にも話せない焦燥感。

どうすればいいんだ・・・一体、どうすれば・・・・・。


考えた所で、結論の出ない事・・・私には分かっていた・・・。

真摯に彼女と向き合わない限り・・・答えは見つからないって事・・・ 私には分かっていた・・・。

分かってはいたのだが・・・私は逃げ出して来た・・・今が、幻であって欲しいと願いながら・・・。

幻だろうが、現実だろうが・・・覚悟を決めなくっては、解決はあり得ない・・・そう思い込まなければ・・・何時までもこの状況は続くだろう、私の精神が崩壊するまで・・・。

いや、すでに崩壊しているのかも知れなかった・・・私は幻覚に惑わされているのかも・・・。


外は天気も良く、暖かい風が爽やかに吹いていた・・・なのに私は、時期的にまだ早い・・・季節外れの、オカルト騒ぎに 一人巻き込まれている・・・。


到底あり得ない話・・・そう信じたかった・・・。


講義はサボり・・・ラグビーの練習だけは、しっかりとこなした。

後は・・・帰宅して・・・彼女をどうにかしなくては・・・。

気持ち的には やっと吹っ切れた気分であったが・・・自室を前にして、私の決心は鈍っていた・・・やはり、夜は怖い・・・。

日中考えた事・・・それは、あくまで明るい時に考えた事・・・暗闇を目の前にして、現実は甘く無かった・・・。

これから 彼女と向き合うと言う現実・・・本当に、心の底から、怖いと思った・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


私は今、覚悟を決めてアパートへ戻って来た・・・。

ドアノブに手をかけ・・・まだ、躊躇している自分に、戸惑っている・・・。

しかし、決着をつけなければ・・・この苦悩の終着駅にはたどり着けない。



あの時は・・・そう信じていた・・・愚かにも、そうであると 信じて疑わなかった・・・。

だが・・・すでに 私の地獄は 始まっていたんだ・・・その時の私には 考え及ばぬ事であったが・・・。


私は意を決してドアを開け、スイッチに手を伸ばし・・・電気をつけた・・・。

一瞬にして明るくなった部屋は、まるで暗転後の舞台のように、その全容を露わにしたが・・・肝心の 主人公の姿は無かった・・・。

急いで靴を脱ぎ・・・居間の蛍光灯にも明かりをつけたが、彼女の姿は何処にも無かった・・・。

それ以上、私には探せなかった・・・怖かった・・・いつも勝手に現れる彼女の事、今後も何時?現れるのか・・・私には予想も出来ない・・・。

その夜は一睡もせず、夜明けを迎えた・・・しかし、彼女が現れる事は無かった・・・・・。

次の晩も・・・その次の晩も・・・私は必死に待った・・・しかし、それ以降 彼女が現れる事は無かった・・・・・・・・あの日までは・・・・・。



つづく

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