Wecker papa の独り言

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「第13章」 回顧・・・富良野・・・。


彼も私に 別れを告げ・・・帰りかけて、突然・・・ 思い出したように振り向き・・・私に、こう告げた・・・。

「島さん、忘れてましたが・・・十勝連峰の ひとつに行けば、もっと、ご先祖さま縁(ゆかり)のものが見られるし・・・もっと、詳しい方にも会えますよ・・・・・。」

そうだ!彼に聞いたんだ・・・私は、思い出していた・・・・・。

そうだ!!あの男の言葉を信じ・・・詳しく道順まで聞いて・・・私は ここへ来たんだ。

ここ「富良野岳」まで・・・・・。



私は 再び・・・丁重(ていちょう)に礼を述べ・・・今度は本当に 彼と別れた・・・・・。

茶屋で「判官さま」と言う菓子と、ほうじ茶を振舞われ・・・それを口に運びながら・・・私は考えていた。

午後まだ早い今からなら、まだ富良野へ行けるだろうか・・・と・・・・・。

私は 予約していたホテルへ キャンセルの電話を入れ・・・急いで、札幌駅へと引き返した。

幸い、すぐに出る列車があり・・・私はそれに飛び乗った・・・・・。

列車の中で、私は 何時(いつ)に無い、自分の行動力に驚くとともに・・・不安でもあった。

良かったのだろうか・・・これで・・・・・。



富良野に着き、すぐに あの男の言葉通り レンタカーを借りた・・・・・。

有名な大雪山、そして十勝岳、富良野岳と連なる 十勝連峰のうち・・・あの男に教えられた「富良野岳」を目指して 車を走らせた・・・・・。



北海道の9月の日没は 想像以上に早く・・・登山口へ辿り着いた頃には、周りは闇に覆われていた・・・・・。

その日は、登山口にある「凌雲閣(りょううんかく)」と言う宿に泊まり、翌朝 早く・・・富良野岳へ入ろうと決めた・・・・・。

宿のご主人の話によると・・・富良野岳は、標高1,912メートルだが、登山道は しっかりと整備されて居り・・・天気が良ければ、軽装でも大丈夫・・・との事であった。




翌朝早く・・・私は あの男の言葉に従い・・・まずは「安政火口」を目指し、砂利道を進んだ・・・。

私の他(ほか)に、この時間に 宿を出発する人は居なかった・・・私にとっては好都合であった。

何故なら・・・あの男が言うには、 「あなたが会いに行く人は、人嫌いですから、なるべく 他(ほか)の人の 目に付かないように行動してください・・・」・・・そう、釘を刺されていたのだ・・・・・。



「安政火口」付近まで来ると、太陽も完全に顔を出し・・・今日も好天を 予感させた。

私は すぐに大きな岩にペンキで矢印が書かれている 道標(みちしるべ)を見つけた。

その矢印は「富良野岳」を指していた・・・そのまま進み・・・私は あの男の言葉通り、分岐点に辿り着いた・・・・・。

「十勝岳←左・・・右→富良野岳」と書かれている標識を・・・指示通りに、富良野岳を目指した・・・・・。

暫く進むと、太陽は私に 暖かい日差しをプレゼントしてくれた・・・振り返った私の背後には、十勝岳、大雪山へと連なる山脈が、遥かに望めた・・・天気がいい。



私の前方には・・・富良野岳・・・しかし、私は その山頂を目指している訳ではなかった。


もう少し進めば、木々の切れた草原があるはず・・・私は そこから登山道を外(はず)れ・・・森の中へ入るように 教えられていた・・・・・。

そうすれば・・・目的の山小屋を、見つけられるはずであった・・・・・。

しかし、行けども行けども、山小屋など見つけられず・・・挙句の果てに・・・戻る路すら、見失っていた・・・・・。


あの男の言葉通りの場所から 森へ入ったのに・・・何も見つけられず、誰とも会えず・・・私は迷子になってしまった。

私が 場所を間違えたのか・・・それとも?・・・あの男に騙されたのか・・・・・。

しかし、そうとは考えたく無かった・・・・・。

札幌では 親切にしてもらった・・・おかげで、無駄に歩き回る事なく・・・私は、ご先祖さまの銅像と対面する事が出来たし・・・いろいろ私の知らなかった事も 教えてくれた。



そんな事を、回顧(かいこ)していた私は 巨木の窪(くぼ)みの中で・・・・・突然・・・名前を呼ばれた・・・・・。

飛び上がらんばかりに 驚いた!・・・心臓が止まりそうであった。

「第12章」 回顧・・・札幌・・・。


卑屈(ひくつ)な心を 真っ青な空に残して・・・私は 千歳空港へと降りたった。

あの時の私は、まるで別人のように・・・意味の無い自信に満ち溢れていた・・・こんな事になるなんて・・・露とも知らず・・・。

私は、まず・・・札幌に入った・・・・・。


果たして、何処に行けば・・・ご先祖さまの銅像に お目にかかれるのか・・・やみくもに、街行く人に聞いても・・・分からないであろう事は、容易に想像がついた・・・・・。

JRに乗り換え、札幌駅に着いて 駅を出ようとした時、私の目に飛び込んで来たのは・・・「サッポロ観光協会案内所」と言う看板のかかったブース。

ここで聞けば・・・ひょっとすると分かるかも・・・私は淡い期待を胸に・・・そのブースへと向かった・・・・・。

中にあるカウンターには・・・男が一人・・・座っていた。

私は ここへ来て・・・少し不安になっていた・・・母の言葉を鵜呑(うの)みにして、何も調べずに・・・ここまで来てしまった・・・・・。

私の話を聞いて・・・相手にされなかったら・・・どうしよう・・・空港に到着した時の勢いは・・・すでに、失っていた・・・情けない・・・・・。

私は 恐る恐る・・・その男性に声をかけ・・・恐る恐る・・・聞いてみた・・・・・。

すると、その男は 私の話に 非常に興味を示し・・・

「判官(はんがん)さまの、ご子孫の方ですかぁ・・・判官さまの銅像は、市内に2つありますよ・・・」

そう、教えてくれた・・・本当だったんだ・・・私は 母の言葉が事実だった事に 驚いていた・・・・・すると、その男は・・・・・

「私が、ご案内しましょうか?・・・見たところ、札幌は初めてのような ご様子ですので・・・・・」

そう、言ってくれた!・・・私は 彼の好意に・・・心から 感謝していた・・・・・。



彼はまず、観光協会の事務局がある・・・札幌市市庁舎へ寄ってからでもいいですか?と、

恐縮そうに尋ねてきたが・・・私に 異論などあろうはずがない・・・。

そこは、札幌駅から そう遠くない所らしく・・・2人は歩いて向かう事になった・・・・・。

5〜6分であろうか・・・市庁舎に着き・・・ロビーに入って・・・私は、驚いた。

ロビーに銅像が建っている・・・屋内である。

近づくと、その銅像の前には・・・「島 義勇(しま よしたけ)」の名が記されていた。


彼は私に振り向いて「1つ目は、これですよ・・・」と微笑(ほほえ)んだ。

彼が 市庁舎に寄る目的は・・・これだったのか・・・私を驚かそうとの、茶目っ気たっぷりな計らいであった・・・・・。

私は あっけなく、あまりにもあっけなく・・・ご先祖さまとの 対面を果たしてしまった。




彼の話によると・・・その昔、北海道の地を 全周、歩いたのは「島 義勇」と「松浦 武四郎(まつうら たけしろう)」だけであったらしい・・・・・。

この2人しか、当時、蝦夷(えぞ)と呼ばれていた この土地の自然、先住民族、又、その文化を目(ま)の当たりにした 日本人は居なかったのだそうだ・・・・・。


時代が、明治へと移り・・・初代の北海道開拓使の長官を、佐賀の「鍋島 直正」が務める事になり・・・蝦夷の地に 詳しい「島 義勇」が、「判官(はんがん)」に任ぜられ・・・「島」は 再び 蝦夷地に来たのだそうだ・・・・・。

札幌の街を、原野だったこの地に造る計画を立案したのが・・・「島 義勇」・・・だから、市庁舎に銅像があるのだ・・・とも言っていた・・・・・。

このほかにも、一通り、彼の説明を聞いたが・・・私には、まったく現実感の無い話であった・・・・・。

彼は、もう一つの銅像にも 案内してくれると言う・・・私は、彼に促されて もう一つの銅像へ向かう事にした・・・・・。

タクシーに乗り、案内された所は・・・「北海道神宮」・・・ここは、日本でも珍しい、北東方向に向いている 神社で・・・北の脅威(きょうい)に対して、北海道を守っているのだそうだ。

この神社の近くの 小山の山頂で・・・ご先祖さまは、札幌の街並みの構想を決めたらしい・・・この男は、実に良く知っていると、思った・・・観光協会に勤めているからであろう・・・その時は・・・そう思っていた。

北1条の坂を上り、「二の鳥居」の前でタクシーを降り・・・鳥居をくぐって、参道をまっすぐ進むと・・・拝殿に到着する・・・。

その拝殿の前に・・・もうひとつの「ご先祖さま」が、建っていた・・・・・。


「島さん、あなたの ご先祖さまは こちらでは 開拓の父と呼ばれていて・・・親しみを込めて・・・判官さま・・・と呼ぶ人も 居るんです・・・・・。ここの境内の休憩所には、六花亭(ろっかてい)と言う 菓子店が出店していて、判官さま・・・と言う名前の焼き菓子を 限定販売しているんですよ。そば粉入りの餅の中に、餡(あん)が詰められ・・・一見、福岡、大宰府の 梅ヶ枝餅に 似ているといわれています・・・・・。そうそう、判官さま1個と、ほうじ茶が、無料で提供されていますから・・・これから行って見ましょう・・・・・」と・・・説明してくれた・・・・・。

私の ご先祖さまは・・・とんでもない人だった・・・今まで、私は何も知らなかった。

わざわざ、私を案内してくれると言う、彼の理由にも、納得がいった・・・・・。

休憩の茶屋に着くと・・・彼は、帰るという。私は その言葉を真(ま)に受け・・・丁寧(ていねい)に礼を言い・・・彼と分かれようとした。

「第11章」 回顧・・・東京・・・。


食事は 大丈夫のようである・・・しかし、お腹が満ちても、私は ペットボトルの水には 手をつけなかった。

又・・・眠らされるかも知れない・・・・・。

確実に そうだとは言い切れないが・・・私は確信していた。

このペットボトルの水に・・・何かが、混ぜられているのであろうと・・・・・。

何故?そんな事をするのであろうか?・・・謎であった。


私は 今日の昼間に見た 不可解な状況を 改めて考えてみた・・・・・。

昨夜、死んだ男は 何処へ行ったのか・・・やはり、仲間の手で運ばれたのであろうか。

一体、何処へ運ばれたと言うのか・・・それより、彼らは何故? 私に襲(おそ)い掛かってきたのであろう・・・・・。

問答無用で 襲い掛かってきたのに・・・私を 殺す事無く・・・姿を消していた。

何故?・・・仲間が 殺されたからであろうか?・・・・・。

じゃぁ、あの男を 殺したのは・・・誰??。

後から来た、日本語を話さない連中の 仕業(しわざ)なのであろうか・・・・・。

このトランシーバーも、彼等の中の誰かが、置いて行ったのだろうか・・・状況からは、それしか、考えられない・・・・・。

しかし、トランシーバーから聞こえてくるのは・・・流暢(りゅうちょう)な日本語である。

だが・・・何故・・・こんなに 手の込んだ事をするのだろう・・・・・。

私の面倒を見てくれるのは、今のところ嬉しいが・・・本当に?味方なのだろうか。

分からない事ばかりで、気味が悪い・・・それが、正直な私の感想であった。

私は 昨夜は睡魔(すいま)に邪魔されて、途中になってしまった事を 最初から考え始めた・・・・・。

何故・・・北海道へ来る事にしたのか・・・そこからであった。





私の名前は「島 義人(しま よしと)」30歳・・・いまだ独身・・・これは、どうでもいい話であった・・・東京で生まれ育ち、大学卒業後は 都内の設計事務所に勤務・・・兄弟は、弟が一人いるが、去年、結婚して家を出た・・・父は 2年前に亡くなり・・・私は、母と2人だけの生活を送っていた・・・・・。

そもそも、今回の旅行は、母が予約していたものだった。しかし・・・どうしても抜けられない用事が出来たとかで、行けないから・・・チケットが無駄になるし・・・私に行かないか?・・・と言う話であった・・・・・。

なぜ?寒くなって来ているのに、北海道へ行くのか・・・私は 母に尋ねた。

母が言うには「家のご先祖さまの銅像が、北海道にあるらしいのよ!!・・・それを、是非 見てみたいと思って・・・・・」と言う事であった・・・・

しかし、島家のルーツは、佐賀なはずである・・・何故?北海道に銅像があるのか?・・・

私は 少し好奇心をそそられた・・・30年、生きて来て、初めて聞いた話である。

職場での 人間関係に疲れていた私は・・・初めての北海道に 心が弾んだ・・・行こう!!即座に そう決めていた・・・・・。

私は 逃げるように・・・羽田空港を飛び立った・・・・・。


飛行機の小さな窓から見える 東京が・・・徐々に小さく遠くなって行くにつれ・・・こんな街で悩んでいた自分が、滑稽(こっけい)にさえ思えた。

人間なんて・・・ちっぽけな存在だ・・・その中にあって、私は ひと際小さな存在であった・・・。

何をしても、疎(うと)まれる・・・徐々に萎縮(いしゅく)して行く自分を感じていた。

人生、一度 歯車が逆転すると・・・なかなか、元には戻らない・・・。

そう、思い込んでいた・・・でも・・・違うかも知れない・・・と、あの時の私は思っていた・・・・・。

環境の変化による・・・思い込みとも 気付かずに・・・・・。



今の私は どうだ!!・・・東京に居る時より・・・情けない・・・。

文明を離れ・・・一人の人間として・・・今の私は・・・何も出来ない!!

生きる事さえ、ままならない今・・・一端(いっぱし)の大人ぶっていた自分が、滑稽ですらあった・・・・・。

「第10章」 不可解・・・。


元々、ハッキリとした自信など 無かった 私であったが・・・今は 完璧に後悔していた・・・・・。

戻ろうか・・・その前に、もう一度 前方を見渡した 私の目に・・・オオカミ?・・・野犬だろうか?・・・数匹の動物が、地面の匂いを 嗅ぎまわっている姿が 飛び込んできた。

マズイ!!・・・ここでは、人間も危険だが・・・野生動物は、もっと危険だ・・・・・。

彼等とは・・・話し合うことすら・・・出来ない・・・・・。


私は 慌(あわ)てて 地面に身を伏せ・・・息を殺した・・・しかし、視線だけは 野生動物から 外すことはしなかった・・・・・。

どうしよう・・・私の匂いを 嗅ぎつけられたら・・・私は 追われて、襲(おそ)われるに違いない。

私は 今頃になって・・・巨木を離れた事を、本当に後悔した・・・・・。

しかし、暫く身を潜(ひそ)めていると・・・野生動物が 何処へとも無く いっせいに走り去るのが見えた・・・・・。

助かった・・・・・。


私は 仰向けに ひっくり返り、安堵のため息をついた・・・・・。

しかし、気を緩める訳には行かない・・・さっきの動物達は・・・何故、走り去ったのか・・・それに・・・一体、何の匂いを 嗅いでいたのだろう・・・・・。

知りたくなっていた・・・無謀にも・・・・・。


私は 今までよりも更に 身をかがめながら・・・野生動物が いた辺(あた)りを目指した・・・。

辿り着いた 私は・・・そこに・・・切り裂かれた 私のバックパックと、おびただしい血痕を見つけた・・・・・。

ここだったんだ!!・・・私と男が 倒れていたのは・・・ここだ!!。

しかし・・・死体が無い・・・周りを見回しても、何も無い・・・引きずられた様な痕跡も無い・・・・・。

彼は、生きていたのか?・・・イヤ!彼は 確かに死んでいた・・・(多分、そう思う)・・・。

だとすると・・・彼は何処(どこ)に?・・・そんな疑問を持った私は、再び、言い知れぬ恐怖に襲われた・・・・・。

仲間が、遺体を運んだのか?・・・それも、野犬に喰い散らかされる前・・・つい、今しがたと言う事になる・・・近くに 連中がいるかも知れない!!・・・・・。

私は 弾かれるように・・・来た路を駆け出していた・・・息が止まるかと思うほど、身をかがめて、懸命に走った ・・・・・。

無事、巨木の窪みに帰り着いても・・・私は 不安であった・・・・・。

見つからなかっただろうか・・・荒い息を 極力、潜(ひそ)め・・・視線だけは 周囲に配り・・・身動き一つせずにいた。

暫く 様子を伺ったが・・・今のところ 異変は無い・・・・・。

私は 少し安心した・・・見つからなかった様である・・・・・。

安心すると同時に、急に 喉の渇きを覚えた・・・私は ペットボトルの水に 手を伸ばした・・・・・。

数分後・・・私は再び 睡魔(すいま)に襲(おそ)われた・・・昨夜と同じだ・・・。

この水には・・・・・・・・・そこまで考えた瞬間・・・私は 意識を失った。





私が 意識を取り戻した時には、すでに周りは 闇(やみ)に包まれていた・・・・・。

しかも、驚いた事に・・・私の横には 食事が置かれていた・・・・・。

だが!食事の事よりも・・・まずは、水だ!!・・・この水には何かが、入っている・・・そう確信するとともに・・・もう絶対に 飲まない・・・そう、心に誓った・・・・・。

食事も 怪しい・・・でも・・・お腹は正直である・・・でも・・・怪しい・・・。

しかし、空腹には勝てず・・・私は 食事に手をつけた・・・・・。

「第9章」 無謀・・・。


今日も昨日同様、天気がいい・・・・・。

だが私は この狭い空間を 離れてはならないと言われた・・・耐えられるだろうか・・・。


日が昇り、空気が 暖かみを増す時間になると・・・私の 我慢も、限界を迎えつつあった。

教えてくれないのなら・・・自分で ヒントを探すだけだ・・・・・。

昨夜の恐ろしい記憶を・・・眩(まばゆ)いばかりの太陽は・・・消し去ってくれていた。

無謀である事は 百も承知だが・・・知りたかった・・・何が、起こっているのかを・・・。


まず最初に・・・私が事件(?)に遭遇(そうぐう)した場所・・・そう、刀を持った男が倒れている所へ 戻ってみようと考えた・・・・・。

そう決心して・・・必死に、昨夜、私は どちらの方角から ここへ来たのかを考えてみた・・・・・。

確か・・・この巨木に辿り着く 少し前・・・細い倒木(とうぼく)を跨(また)いできた・・・・・。

すぐに私は 窪(くぼ)みを 這い出し・・・ゆっくりと周りを見渡してみた・・・・・。

程なく、細い倒木が 私の目に留(と)まった・・・しかも、見渡したところ・・・一本しか無い・・・・・。

私は 確信した・・・あの方角から来たはずだ・・・・・。

方角の目途(めど)はついたが・・・あと少しの勇気が湧(わ)かない・・・・・。

彼の さっきの言葉が、耳の奥で 反響していた・・・・・。

「頭と 胴体を離したくなかったら・・・私の言う事を聞いてください・・・」


頭と胴体が 離れる・・・想像もしたくなかった・・・でも、怖い・・・・・。

しかし、何も知らずに・・・彼の言葉に従う事にも 抵抗を覚えていた・・・・・。



私は 不安を抱(かか)えながらも・・・窪(くぼ)みを抜け出し、歩みだしていた・・・・・。

もうすでに 巨木の隠れ蓑(かくれみの)の外に出てしまっている・・・・・。

もう引き返せない・・・そう思った・・・・・。

何時(いつ)に無く 勇気を持ち・・・周りへ 十分に注意を払う・・・この2つを胆に銘じて、前へ進むしかなかった・・・・・。

しかし・・・目的の地は 思いのほか遠かった・・・・・。

昨夜は 興奮(こうふん)していたせいか・・・暗闇(くらやみ)のせいか・・・もっと、近くだと思っていたのだが・・・・・。

確実に、もう そろそろのはずである・・・しかし、唯一、その場所を示すであろう・・・男の死体が 見当たらない・・・・・。

もっと先だったのだろうか・・・自信が揺(ゆ)らぎ始めていた・・・

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