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「誰?・・・」私は勇気を振り絞って聞いた・・・。 私が「誰?」と聞いたのには訳がある・・・。 さっき私に寄り添っていた時から、感じていたのだが・・・彼女には質感があった・・・。 霊体だとしたら・・・実体が無いのだから、重さを感じる事など無いはず・・・と、自分勝手な解釈をしていた・・・。 私が再度「誰?・・・」と尋ねても・・・彼女は私の足元で、小さくなってうずくまるだけ・・・答えてくれない・・・。 これも、夢の続きかも知れない・・・と、考え始めた時・・・彼女は「許して・・・」と、小さく呟いた・・・。 この一言で、私は完全に目が覚めた・・・・・・。 現実を把握した私は、暫らく言葉が出ない・・・彼女も顔を伏せたまま、身動ぎもしなかった・・・。 どれ位の時間が経ったのだろう・・・多分、そんなに長い時間では無かったのだろうが・・・私には永遠に続く時間のように思えた・・・。 怖いながらも、私は彼女から目を離す事が出来なかった・・・彼女が何かをしようとしたなら・・・瞬時にドアへ走る事を考えていた・・・。 そんな私の眼は、うずくまった彼女の足首に・・・視線を奪われた・・・。 私は、彼女の足首に・・・ゴムで巻かれた・・・小さな木の札を発見したのだ・・・。 (註:解剖室の水槽の御遺体は、足首に確認札として、木札をつけていました・・・) 幽霊じゃ無い・・・でも、生きてる人間でも無い・・・私の頭の中は混乱していた・・・。 彼女の存在・・・一体、どのように理解すれば良いのだろう・・・。 私は意を決して・・・彼女との会話を試みた・・・・・。 依然として、小さくうずくまり、顔を上げない彼女に・・・私は質問をした・・・。 「君の名前は?・・・」すると、小さな声で「答えられない・・・それが、ルール・・・」 そう答えたように思えた・・・・・。 その後、幾つかの質問を投げ掛けたが・・・彼女は言葉では、答えなかった・・・しかし、首を横に振ったり、頷いたり・・・出来る限り、答えてくれた・・・。 私はさっきの夢の事も聞いてみたが・・・やはり、彼女の過去だったようだ・・・。 そこで私は「君は一体、どうしたいの?・・・僕に何をさせたいの?・・・何故、僕を選んだの?・・・」と聞いてみた。 すると・・・彼女は 初めて顔を上げ、乱れた髪の間から・・・物憂い視線を投げ掛けながら・・・ 「助けて・・・」と、呟いた・・・。 私は、背筋に寒い物を感じた・・・。 私は、余りの恐怖に・・・意識を失った・・・(平たく言えば、恐怖のあまり気絶したのだった)。 再び、意識を取り戻した頃には、すでに陽が昇り始めていた・・・。 夢だったのだろうか・・・それにしては、異常に寝汗をかいていた・・・。 私がふと、ベッドの足元に目を移すと・・・・・そこだけ異常に濡れていた・・・。 ちょうど、彼女がうずくまっていた・・・その場所であった・・・・・。 つづく
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