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主観的正義

どっちに分類しようか迷いましたが、「環境問題」にしたくなかったので
あえてこちらのカテゴリで。
 
古新聞を整理していたら、今月初め、
太子町とシー・シェパードとの意見交換会が行われた際の
記事が出てきました。
宗教家を相手に信者でない人間が
「あなた方の教義は間違っている」と諭しても
歩み寄りや解決策が得られるはずもないのですが、
網を切られたり盗撮されるのを警戒したりするよりは
穏当でまともな手段ですし、曲がりなりにもテーブルについた
双方の判断は一定の評価に値します。
 
SS側の支離滅裂な発言をいちいちあげつらっていたら
いくら時間があっても足りないのでやめますが、彼らは会談の中で
「伝統だからといって正しいとは限らない」という趣旨の発言をしたとのこと。
なるほど、確かに一理ありますね。そんな彼らには、
 
「環境保護運動だからといって正しいとは限らない」
 
という言葉を贈りたいと思います。
いや、彼らの目的が本当に環境保護なのかという疑問はありますが、
その疑問はここではひとまず置いておいて。
 
そもそも、漁師たちにとって、正しいか正しくないかなどは関係ないのです。
漁をやっていくために必要だからやっているわけで、
そこに善悪判断など入り込む余地はありません。
極論すれば、イルカ漁の結果万一近海からイルカが消え去ったとしても、
それが生活のための漁の結果であるならば、むしろ自然の摂理というものです。
 
幸か不幸か、人間は様々な食料を選ぶ力を(今のところ)持っていますし、
ある生物が絶滅の危機に瀕しているかどうかを知る能力も
限定的ながら持っているため、自然保護、環境保護という概念が生まれました。
同じ地球に生きるもの同士、相手にかける迷惑は最低限にしましょう、
という呼びかけであれば私は否定しません。が、残念ながら、
SSを含む一部の過激な「環境保護活動団体」(環境保護団体、ではなく)
の活動は、自分たちの主観的正義を相手に押しつけようとするものでしかありません。
 
そもそも、他文化の伝統が正しいかどうかを判断する権利など誰にもありません。
同時代に何らかの文化的背景に基づく食人の習慣を持つ民族がいて、
あなたが彼らと知り合いになったとします。
その民族が住む地域は豊かではありませんが、
食料に困って人を食べるほど貧しい土地でもありません。
そしてあなたには、食人が正しいこととも、守るべき伝統だとも思えません。
さて、あなたには、彼らに対して
「あなたたちの習慣は間違っている、ただちに止めるべきだ」と言って
実力行使に出る権利があるでしょうか?
 
少なくとも私は、(自分の身に事が及ぶのでない限り)
実力行使に出る権利はないと考えます。
私は、他の文化では食人は野蛮な行為と考えられており
あなた方が他の民族と交流を持っていくつもりなら
その習慣は止めた方がいい、程度のことは言うかも知れません。
が、その上でどうするかは、彼ら自身が決めることです。
 
このままSSが穏健路線に移行するとは全く思いませんし
説得で「転ぶ」とも思えませんが、太子町側も、
そして他の捕鯨の町も、堂々と胸を張って、かつ理性的に
対応して頂くしかないと思います。応援しております。

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