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ファミ通文庫より5月の新刊「バタフライ&ブレイクダウン」のレビューです。 基本情報
バタフライ&ブレイクダウン
作者 佐々原史緒
イラスト H2SO4
ジャンル 時間モノ
あらすじ
主人公、祐吾はカメラ好きの少年。
今日もいつものように撮影ポジションを探していると、目的の被写体である大江戸スカイツリーの最上部に人影を発見する。
急いでスカイツリーの最上部に行ってみると、そこにいたのは自称未来人で、この世界が破滅を迎えることを宣告される。
登場人物
・岡崎 祐吾(おかざき ゆうご)
本編の主人公。
中学校時代に偶然撮れた写真で賞を獲得したが、その後伸びずにスランプに陥っている。
街へ繰り出して撮影スポットを探すため、地理には詳しい。
・桜庭 せせり(さくらば せせり)
本編のメインヒロイン。
未来からやってきた時間修復士。どこか抜けている言動が多い。
この時代にいるはずの先輩を探している。
・高峯 揚羽(たかみね あげは)
国民的人気アイドルグループ、クアトロAのメンバー。
ブログに書いている予言がよく当たると評判。
ある時期より以前の記憶を失っているらしい。
評価
..キャラクタ:☆☆☆☆☆☆☆★ 7、5
..イラスト:☆☆☆☆☆☆☆☆★ 8、5
.ストーリー:☆☆☆☆☆☆☆★ 7、5
ドタバタ度:☆☆☆☆☆☆☆☆ 8
.総合評価:☆☆☆☆☆☆☆★ 7、5
オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆★ 7、5
評価
時間モノの面白さは大きく分かれて2つが挙げられる。
1つ目は、とにかく時間移動を起こして、そこで起きるハプニングや時間軸の移動をあれこれ考えてみるところ。
2つ目は、ディストピアとなる世界を救うためにパラドックスを回避しながら時間修復を行うハラハラ感が味わえるところ。
ラノベでいえば前者の面白さがあるのが「七花、時跳び!(☆9、5)」、後者では「僕たちのパラドクス(☆9、5)」がある。
ラノベ以外では「Steins;Gate」は前半に時間軸を飛ばしまくって、後半で回収しながらディストピアを回避するという、両面で時間モノの面白さが味わえる傑作である。
ではこの作品はどうかというと、どっちともつかずの中途半端で、時間モノの面白さを味わえない。
この作品の軸となる理論はタイトルにもあり、時間モノの題材としてもよく挙がる「バタフライエフェクト」である。
本来関係のなさそうな些細な出来事が世界を塗りかえるほどの出来事を招いてしまうというのがバタフライエフェクト。
そしてこの作品はその出来事に一見してバカバカしいものを持ってくることでコメディとして成り立たせているのだろう。
しかし、発想こそ面白いものの中身は実際面白いかと言われるとちょっと首をかしげてしまう。
さらに悪いことに、時間モノとしての緊張感が全く感じられない。
バタフライエフェクトに介入しようとする場合、失敗してしまうと揺れ幅が大きくなってしまうため、一度失敗してさらに介入しようとするととんでもないことになることがほとんどである。
しかしこの作品ではそういう様子がほとんど描かれないために、目の前にあるミッションに対してどうしてもドキドキを感じない。
また、登場するキャラクターが多く、設定も多い割には消化不良の設定ばかりでキャラクターに魅力を感じないのもマイナス点である。
タイトルにあるように続刊前提の作品であるため、この巻は設定をばら撒いて後から回収するタイプの作品だと推測される。
しかしその1巻が時間モノとしての魅力に欠けるために、伏線バラ撒きが悪い方向に働いてしまっている。
2巻以降、世界が広がる可能性があるが、1巻の出来を見る限りでは続刊を買おうとはちょっと思えない。
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