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雪蟷螂 [紅玉いづき]

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      電撃文庫発行       雪蟷螂       著/紅玉いづき       イラスト/岩城拓郎
『ミミズク』『MAMA』に続く、“人喰いの物語”最終譚。
涙氷の降るその山脈で雪蟷螂の女が起つ。
この婚礼に永遠の祝福を。
長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガの政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えた様々な思惑が交錯することによって阻まれる。果たして、極寒の地に舞う恋の行方は……。
愛するがゆえに狂おしく戦う、珠玉のラブストーリー。

ああ、凄かった〜。
これほどまでに深くそして純粋な愛の表現方法があるのかと正直驚きを隠せない人喰いの物語最終譚。
ヒロインとおして二つの部族の過去を見ることが出来ましたが、特に雪蟷螂と呼ばれるフェルビエ族の女性の激しくそして狂おしい愛のあり方の中でもロージアとミルデ族の長・ガルヤのあれほどまでに深い愛情の形は感情を揺さぶられました。

これほどまでに根が深き憎悪に隔たれし誇り高き二つの部族の壁を越え、愛憎とも狂気とも思えるロージアが抱く想いとそれを受け止めたガルヤ、そして彼女に自分の永遠を約束した男が渡した鍵の場面では本当に「え!」っと驚かされました。普通では考えられないくらい憎しみをもっていたロージアの雪蟷螂としての性がそうさせるのかまったくもって彼女たちの愛情の何たるかを測り損ねました。

そして何よりも今回この素晴らしい文章に添えられた挿絵がすごく良かった。作品を読み終わり、再度ピンナップカラーイラストを見ると、たまらず物語の感動がよみがえってきて思わずロージアとガルヤの永遠の愛を見たあの場面が脳裏から離れませんでした。

メインはこのロージアとガルヤの次の世代である若きフェルビエの女族長・アルテシアとミルデ族長オウガの親がお互い血で血を洗う民族間に恒久の平和をもたらすため、憎しみ遺恨が色濃く残る二つを一つにまとめる婚姻という契りをもって実現しようと政略結婚へと赴く雪蟷螂の物語。

愛するものさえ喰らってしまう蟷螂の雌というラストまでこのテーマを崩さずそしてヒロインのみならずフェルビエ族の女性たちそれぞれの物語が絡み、本当に深く透明感のある文章と合わさり叙情的な描写でやっぱりと言うか、もう待ちに待っていた紅玉さんの独特の世界をおもいっきり堪能させてもらいました。

単純な愛の営みのはずなのに誇りと血に殉じた雪蟷螂の生き様がいとおしくとても大切な気持を与えてくれたようなそんな心に響く素敵なラブストーリーでした。
いつも期待以上の作品を創作される氏の次回作も期待しています。

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