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昨年3月から読み始めた、「ローマ人の物語」(著:塩野七生)もだいぶ終盤に差し掛かってきた。今日は建国記念日で仕事は休みなので、小学5年生の長男に算数を教える傍ら、
単行本の36巻「最後の努力(中)」を読んでいた。

読むたびに気を引く文章があるのだが、『本日の感動センテンス』は以下の通り

(33ページより)
長く覇権国家であった国の住民には、もはや覇権を行使する権力はなく、それに伴う特権の全てを失った後でも、最後まで残るのが「誇り」である。これだけは他者が、奪おうとしても奪えないものであるからだ。だからこれさえも失えばもう終わりなのだが、イタリア半島の住民も首都ローマの住民も、まだそこまでは落ちていなかった。この人々に対してガレリウスは、帝国の辺境で反乱を起こした部族に対すると同様なやり方で望んだのである。


どうして琴線に触れたかと言うと、実はローマの歴史とは全く関係ないのだが、人間に最後まで残る、この「誇り」について最近思うところがあったからだ。

勤務している会社の業績不振や部門の閉鎖で職を失ったり、成果主義により降格人事が行われたりすると収入の道が断たれ、或いは減収し、キャリアが閉ざされ、過去の栄光が踏みにじられる事がある。今は至る所でそういうことが起こっている。

その時にどんなことがあっても外的環境で奪うことが出来ないのがこの「誇り」なのだ。しかし、それだけに、これがビジネスマンとしての新しい道への第一歩を踏み出す時の足枷になると感じることがある。

うちの会社でも、昨年の採用活動全面凍結の状態が、今年に入りわずかながら緩和されてきた。自分の部署でも採用活動をこの2月から再開したのだが、候補者、特に35歳以上の男性で年収が●百万円以上(高収入)の候補者というものは、どうしてもこの「誇り」或いは、自尊心が強くて、なかなか新しい道に踏み出せなくなっている人が多いように見受けられる。

前職での収入やキャリアにこだわりが強くて、次の会社に移る際の収入ダウンやポジションダウン(例えば、課長から営業マンにダウン)のようなことに対して非常に受け入れがたい気持ちが強いように思うのだ

勿論、住宅ローンや子供の学費のことを考えれば収入減はなかなか受け入れられないだろう。しかし、それをいつまでも言い続け転職活動の期間が長くなればなるほど、提示される条件や次の仕事を見つけられる可能性は低下していくのだ。

自分とほとんど年齢が違わないこれら多くのビジネスマンを見るにつけ、明日は我が身、と恐怖感を覚えることがあるが、人間としての「誇り」は失わないまでも仕事についてはある程度の妥協を受け入れなければいけないのではないかと痛感している。そうしなければ、負のスパイラルに陥る可能性が高いと言わざるを得ない。

現にうちの会社でも、前職を辞めてからの期間が半年以上経過している候補者は、余程のことがない限りまず採用はしない。特に高いポジションの社員の採用については、その点が厳しくチェックされている。そうなると、もし次の会社に転職したいとなれば、在職中に秘かに転職活動を遂行し、より良い条件の職を見つけてから退職するしかないのであろう。或いは、解雇が決定した時点ですぐに旧知の転職エージェントに連絡を取り、新しい仕事の候補を紹介してもらえるように行動を起こさなければならない。

自分としては、ただ世の中を他人事で見ているだけでは意味が無いので、今現在、たとえ転職の意思は無くともエージェントとの関係維持というものは不断に続けていなければならないのだと、つくづく感じさせられる。

話は思いっきり脱線したようだが、ローマ人の物語の一節を読んで、古今東西を問わず、人間の誇りと言うものの強さを改めて感じ、その堅牢さが災いしている例をこのところ見続けていることで、複雑な気持ちになった。

閉じる コメント(4)

おはようございます。

「誇り」をどこに求めるかでしょうね。
社会的地位なるものは決して「誇り」とはならないのではないでしょうか。それよりも家庭にあっては子供たちを守り育てる意識こそが誇りだと思います。誇りある独身ならば、親の脛を齧ることも生活保護を求めることも考えるべきではなく、「信念」に生きるべきでしょう。

2010/2/12(金) 午前 8:14 [ mana ]

manaさん

最近、社会的地位なるものを自分のアイデンティティのよりどころにしている人を見ると可哀想な気持ちになることがあります。でも、一方でそれに憧れる自分がいるというのも正直なところ。。。まだ人間が出来てないですよ(汗)

2010/2/14(日) 午前 0:35 よっしー

「ローマ人の物語」、わたしもトライして投げ出し、「ダイジェスト版」を買いました(笑)
「誇り」は、個人が持っている「信念」によるものだと思います。
それは程度の差はあれど、なければ人間は自分らしく生きてはいけないでしょう。
だから、わたしは、「誇り」は極めて個人的なことなので、比べて優劣を決めなくても良いのではないかと思ってます〜(^_-)-☆

2010/2/23(火) 午後 11:58 les fleurs

les_fleursさん、

「ローマ人の物語」のダイジェスト版があるんですか?
私は単行本は37巻まで読み終わってしまい、今は残りの巻が創刊されるのを待つか、思い切って文庫本を買って読みきってしまうか悩んでいます!

2010/2/25(木) 午後 8:19 よっしー


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