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『世界』1947年7月号に発表された法政大学総長、憲法問題研究会代表世話人(昭和58年)、
大内兵衛氏の論文より一部抜粋。

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 しかしながら、今回の憲法制定の由来については、それがあまりにも安産であり、あまりにも生みの苦しみが少なく、従ってこの子は月足らずではないかという疑いがないではない。端的にいえば、あの草案の作成には国民の正式な委託があったとは云えない。・・・・・・またかの法案を審議する議会も、なぜか、特にそのために設けられた国民会議ではなかった。また、その議会もなぜか極めて短時日の内に終わった。しかも議会の中、反対者が甚だ少数であった。しからば議会の外ではどうであったかといえば、そこにも火花をはくような熱論もなく、政府の心胆を寒からしめるような冷徹な批評もなかった。これはすべて日本の自主的政治力が不十分なためではないのか、私には疑問である。
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(各国の憲法の歴史をかえりみて)
・・・・・・如何に条章整然たる憲法といえども、それにふさわしい社会的政治的基礎がなければ、その運命は遂に悲劇たるを免れない(ワイマール、ロシア憲法を例にして)
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憲法は、血をもって繋がれた国民の団結その組織の力の上において、不磨の大典である。
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 次に視点を少しく転じて、日本の新憲法の内容を覗くと、いろいろの新しい規定の中、その第9条戦争放棄の規定が目につく。これは日本がこれまでに行った侵略戦争に対する犯罪を告白しつつ、新国家の理想を示すものと云って良い。・・・・・しかしながら、もし憲法なるものが我々人類の理想を掲げるべきものであるとするならば、この外にもなお掲げるべき多くのものを、我々はもっている。・・・・・しかるに、わが新憲法は国民の基本権の擁護においていわゆるブルジョア的自由;文民の自由を保障するに止まっている。即ちその理想主義は19世紀のそれを一歩も出ず、それは20世紀の問題たる社会問題解決については理想主義は十分にその姿を見せていないのである。
・・・・・・しかし、私にとって問題なのは、戦争放棄の規定をはじめとして、その他いわゆる民主主義の諸規定の社会的基盤如何である。というのは、戦争放棄の宣言を書くことは容易であるが国家が自ら断じて戦争をしないことはそう簡単ではない
・・・・・・人類の歴史あって以来、初めての高遠な理想を憲法に謳った我々の責任は重いので、人類が未だかって持ったことがないほどに高い道徳的な自制心、それを可能にする堂々たる政治、それを可能にする豊富な経済力が、我々の社会内に存在しなくては、これは空語に等しい。
・・・・・・・新憲法は、学問に対して、学問の研究による心理の確立とそれの国民への普及による良識の一般化に対して、新しい自覚を要請している、と解すべきであろう。それは一には新憲法は血を流さずして得たものであるということにかかり、二にはそれは如何なることがあっても血を流さないという決心を表白したということにかかっている。・・・・血を流すまいとの決心は強い精神力をもってしなくては、血に飢えた攻撃に対しては、これを貫くことはできない兵は凶器にして戦は悪徳である。しかし凶器を持たずして立つ国家はそれ自身一種の不具者であって、絶対的な良知がなくては完全な不具者となるしかない。その良知は権力に餓えている血の刃をひるませるまでに権威を持つべきである。歴史的には、そういうことは殆ど不可能な実践であるかもしれない。しかし日本憲法制定の由来とその掲げている理想とが、こういう実戦を日本の社会に命じていると思われる。・・・・・・・

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護憲を固持するならここまでの覚悟が必要だが、さて・・・・・

閉じる コメント(2)

米国の保護を前提にした護憲。
筑紫や巨泉のように口は御大層だが自身や家族を北米に置くようでは話にならない。

2016/9/22(木) 午後 5:23 [ ぬくぬく ]

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きれいごとばかり仰る、こういう人に善良で純な庶民は騙されやすいです。

2016/9/23(金) 午後 3:55 [ monochrome ]


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