ウィーン小路選集 〜郵便横丁の日本人〜

おもに2008年の写真です。古いです。そりゃもう古いです。

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2008年12月30日(火)、Silvester(シルベスター/大晦日)前日の今日。
前々から墓地に行こうと決めていました。
候補地は二箇所ありました。
定番の Der Wiener Zentralfriedhof(ウィーン中央墓地)と
Der Friedhof der Namenlosen befindet sich beim Alberner Hafen(アルバーナー港で発見された無名者墓地)です。

前者は日本人にはお馴染み説明不要、
後者は映画『 Before Sunrise/ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995)』に登場した墓地です。
両者は直線距離で4.5kmほどしか離れていません。
さて、どちらに参りましょうか?
ふと、孤独死した飯島愛さん在りし日の姿が浮かび、無名者墓地に行くことに決めました。

イメージ 1

映画『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995)』で見たそのままの石垣の門です。
少し印象が違うと思ったら、彼らが訪れたのは初夏6月、がっせが訪れたのは冬の12月だったからでした。
そう言えば、彼らは半年後の12月にウィーンでの再会を約束していましたっけ。
さすがに地べたに寝っ転がって夜は明かせません。冬は寒すぎます。

イメージ 2

墓碑銘にある【 Unbekannt 】とは【見知らぬ人/名も無い人】などの意味です。

イメージ 3

こちらの墓碑銘【 Namenlos 】もほぼ同じで【無名/不遇の人】などの意味です。

イメージ 4

わんちゃんのぬいぐるみなどで賑やかなお墓です。
ドナウ川で遊んでいて溺れたのでしょうか。
すぐそばのドナウ川を見て帰りましたが、表面には氷が張っていました。

イメージ 5

行く前に想像していたのは、朽ち果て荒れ果て忘れ去られた墓地の風景でした。
でも、ご覧のとおり手入れが行き届いています。名前のあるお墓もちゃんとありました。

イメージ 6

見事な薔薇のリースです。
クリスマスツリーが植えられていたお墓もあって、名も無い彼らも決して孤独ではないのだと知りました。

イメージ 7

裏側から見た全体風景です。本当にこじんまりとした小さな墓地です。
建物向かって右手にクリスマスツリーのような大木があります。
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995)』で子供の背丈ほどの苗木だったあの木です。
13年の月日を経て、あんなに大きく育ちました。思わず胸いっぱいになりました。
ドナウ川で水死した人たちのこの墓地は、小高い堤防に囲まれ守られています。
堤防の向こうはドナウ川です。

飯島愛さんの孤独死と岡田有希子さんの自殺が重なって、人生について改めて考えさせられました。
当時、がっせの周囲では岡田有希子さんの自殺をきっかけにアイドル雑誌『明星』や『平凡』から卒業した友人がいました。その後、『明星』も『平凡』も消えていったのは周知のとおりです。
飯島愛さんの孤独死をきっかけに、何かを卒業する人がいるのでしょうか・・・。

小さな小さな名も無き人々の墓地を歩いていて思いました。
Der Wiener Zentralfriedhof(ウィーン中央墓地)と
Der Friedhof der Namenlosen befindet sich beim Alberner Hafen(アルバーナー港で発見された無名者墓地)。
映画のロケ地として取り上げるならウィーン中央墓地を推すだろうなあと。
そのほうが断然、華やかですし、ウィーン観光の宣伝にもなります。

ところが、『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995)』の製作者が選んだのは
地味で小さな無名者墓地でした。
9年後、リアルタイムでの続編『ビフォア・サンセット(2004)』が同じ監督、同じ主演で公開されました。
彼らだからこそ実現できた続編だったのでしょう。
前者は隠れた名作と称され、後者はセクシーな映画にランクインしました。


・・・うん、確かに。フランス人女性セリーヌが連れて行った先がウィーン中央墓地だったら、
まったく作品全体の印象が変わっていただろうと思います。
「私が一番よく覚えているお墓よ」。それは13歳で水死した少女エリザベートのお墓です。
セリーヌが「一番よく覚えているお墓」、それがもしモーツァルトやベートーベンのお墓だったら、
間違いなく、ジェシーはセリーヌに惚れなかったでしょう。がっせお気に入りのシーンです。
ふたりはその後、心機一転、夜のプラーター遊園地へと向かいます。

彼らが訪れた先が華やかな中央墓地ではなく地味で小さな無名者墓地だったことが、
今なおこの映画が愛され続けている要因のひとつなのだと確信しました。

Der Friedhof der Namenlosen befindet sich beim Alberner Hafen(アルバーナー港で発見された無名者墓地)→ http://www.friedhof-der-namenlosen.at/




そんなこんなで、今年も終わろうとしています。
みなさま、お世話になりました。来年もよろしくお願い致します。
良いお年をお迎え下さい。

がっせ

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閉じる コメント(2)

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寂しいおはかですね・・・。
でもそれぞれに思い入れのあることが伺われます。

2009/1/5(月) 午後 11:36 あんず 返信する

帰りにお墓参りセットを持参している老夫婦とすれ違いました。
愛・・・を感じました。

2009/1/8(木) 午前 2:41 wienergasse 返信する

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