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ダーウィンの悪夢 製作年度 2004年 オーストリア/ベルギー/フランス 監督 フーベルト・ザウパー 「半世紀ほど前、タンザニアのヴィクトリア湖に何者かが外来魚ナイルパーチを放流する。その後、この肉食の巨大魚は増え続け、湖畔にはこの魚を加工して海外に輸出する一大魚産業が誕生する。セルゲイら旧ソ連からやって来るパイロットは、一度に55トンもの魚を飛行機で運び、彼らを相手にエリザたち町の女性は売春で金を稼ぐ。」 救いが無さ過ぎて、観た後「どーーーン。。。」と暗くなります。 ホント、生態系なんてあっという間に壊れてしまうもんなんです。 半世紀前に、たった一人の人間が肉食魚を放流してしまったが為に、ナイルの源である巨大湖に 居た魚が死滅してしまったことが引き起こしている、不自然でショッキングな事実のオンパレード。 魚産業に依存しまくりのヴィクトリア湖周辺の住人は、漁師になるか売春婦になるか。 漁師はワニの居る湖に平気に飛び込み魚を網へ追い込みます。 ワニに片足をちぎられて亡くなった兄の墓標は草です。漁村から我が家へ運ぶお金が無いから。 売春の蔓延で、390人の村人のうち50人近くが半年で死亡。 神父は、売春の悪を説きます。でも避妊具と言う解決は示しません。なぜなら、キリスト教の教え に反するから。 何もない湖のほとりに、毎日毎日多くのジャンボジェットが離着陸。とても違和感覚える映像。 空港には整備場も無く、滑走路(と言うか普通の道)の脇には、墜落した飛行機の残骸が放置された まま。 飛行機が墜ちるのも当前で、この空港では無線設備が壊れて使え無いままだそうな。 飛行機が見えてきたら、赤/青/黄のランプで、「着陸Okay」とか「ダメ」とかを伝えるだけ。。。 毎日「minimum」550トンのナイルパーチを輸出しながら、国内では「飢饉が発生する恐れ」 と言うニュース。 国内で消費されるのは、西欧諸国に輸出された部位の「残骸」。 物凄い量の残骸が、工場から運ばれて、扱いは生ゴミと一緒。 でも、最後に辿り着くのはゴミ捨て場ではなくて、町の人々の口の中。 衛生面もへったくれもありません。彼らは食べられる物であれば何も気にせず口にします。 ストリートチルドレン達は、魚のパックを火で溶かし、麻薬代わりにその煙を吸い込みます。 毎日食事の度に殴り合い。 夜もおちおち眠れない恐怖。そこから逃げるために使えるのは、地元の一大産業から排出される廃棄物。 一晩1ドルで夜警のバイトをしている警備員。「人々は戦争を望んでいる」。 戦争が始まれば、少なくとも寝る場所があり、食べるものが得られる。今よりはマシ。 戦争よりひどい日常生活。 半世紀前にこの一人の人間が肉食魚を放流した事で崩壊したヴィクトリア湖の自然。 ただ、それがタンザニアの一大産業を築くきっかけに。 そこに群がる西欧諸国の裏金と武器。究極の悪循環。 新たに人間が作り出す新しい「生態系」。 コレがいかに馬鹿げていることか、というのは、現地の当の本人達は全く理解できないでしょう。
そりゃそうだ。魚が居なくなったら、今でも最悪の生活環境が更に悪くなる。 それでもやはり、こんな新しい「生態系」については「No」と言わなきゃいかんと思いますね。 |

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