指の斥候たち

験なき物を思はずは 一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし

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 知人の話ですが、40歳になる親戚の男性が、20歳の嫁さんをもらうそうで 「 こういうこともあるんだからさ、早く若い娘を見つけてお前もいい加減に身を固めろよ 」 などと余計な話までしていただきました。

 「 俺と大して歳も違わないのに、うまいことやりやがって 」 と、ホンの一瞬だけ、ねたみ、そねみ、やっかみ、ひがみ、ウラミ、ツラミ、この前貸した飲み代、冷蔵庫に残っているビールの本数、昨日の晩飯のおかず、原監督の優勝談話、前年同月の売り上げ金額、メーカーへの支払い、スターアライアンスのマイレージ、ヨドバシカメラのポイント残高…などが脳裏をかすめましたが、すぐに冷静さを取り戻しました。

 よくよく考えてみると、彼女が 20歳で彼氏が 40歳。 彼女と彼氏とは、ちょうど二倍の年齢が離れています。 
ということは、彼女が 25歳になると彼氏は 50歳に、彼女が 30歳になると彼氏は 60歳に、彼女が 40歳になると彼氏は 80歳になってしまうわけですよね。 いつまでも若いと思うなよコノヤロー。 いやぁ、人生って意外とはかないものだなぁ…としみじみ感じている wilden_mann です。

 とにかく、はかない人生なのだから 「 行けるときに行っとけ 」 というわけで今年もスイスに行ってきた。 今年も国際時計宝飾展の見学はオミットし、夏季料金よりも少し安くなる 9月中旬に行くことにし、春のうちから飛行機&ホテルを予約、具体的なスケジュールを練っていた。

 観光大国であるスイスには、二つの顔がある。 アルプスを始めとした風光明媚な大自然と、中世の薫りを今に伝える歴史ある旧市街だ。 スイスは永世中立の立場から、過去の世界大戦では一部の地域に連合軍の誤爆を受けた以外、爆撃による都市破壊を受けていないので多くの歴史的な建造物が保存されている。 僕はこれら旧市街の建物を見て歩くのが大好きである。

 アルプスや氷河も興味がないわけではないが、日本人観光客が多そうなイメージもあり、あんまり行きたいとは思わない。 それよりも先に挙げたような旧市街や、ガイドブックには載っても、まず余り日本人の行かなさそうな小さな田舎町のほうが大いにそそられる。

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 ただ、今回は訪問場所の選定に大いに悩んだ。 
スイス北東部のザンクト・ガレンを起点にしてボーデン湖周辺
の街を探訪するか、イタリアにほど近いサン・モリッツを起点に
してエンガディンの鄙びた山村を探訪するか迷っていた。

 ザンクト・ガレン基点であれば、ボーデン湖、ウンター湖、そ
してライン川を下りシュタイン・アム・ライン、シャフハウゼンな
どの旧市街が堪能でき、また足を伸ばせばリヒテンシュタイン
公国にも行くことができる。 サン・モリッツ基点なら、100年以
上前と同じ風景が残るエンガディンの村々を探訪できる。
 一昨年前にティチーノ州に観光に行ったときに訪れたガンド
リアやチェントヴァッリの素朴な村の風景に感銘を受けたので、
ぜひとも訪れてみたいところだ。

 いろいろ情報を集めて、最終的にザンクト・ガレンに行くこと
に決めた。 エンガディン地方は、9月になると気候が安定し
ないことが多いことがわかったからだ。 せっかく行ったのに
…では残念なので、いつの日かの楽しみにしようと思う。


 9月16日(火) 4時30分起床。 昨年と同様雨模様である。 自宅から最寄の駅まで徒歩で20分強。 今回も父親が駅まで車で送ってくれることになった。 5時25分自宅を出発、京急上大岡駅から特急で横浜駅へ。 YCATから、6時10分発の成田空港行きリムジンバスの乗る。 天候のせいもあるが、高速道路はガラガラで 7時20分には成田空港に到着、両替とチェックインを混まないうちに済ます。 1CHF= 99.09円と、昨年よりレートがよかった。 リーマン・ブラザースが経営破綻によって会社更生法手続きに入ったため世界的に為替相場が変動、これで飯食っている人には申し訳ないが、一旅行者には嬉しい話ではある。

 チェックイン・カウンターには外国人がすでに並んでいて、不備でもあったのか時間がかかっていたため、見かねたスイスの係員が、ビジネス・クラスのカウンターに案内してくれたため、すんなり済ますことができた。 あとはゆっくり食事でもしよう。

 しばらく和食とはお別れになるので、京成友膳という店でねぎとろ丼とそばのセットを注文、テーブルには市販されていないアサヒビールの業務用樽生ビールの 「 琥珀の時間(こはくのとき)」 の宣伝 POPが。 これは頼まないわけにはいかんでしょう、さっそくこれも注文、ブラウン色の濁りのあるビールは、苦味が少なく甘みとコクがありとても美味かった。 冷えすぎていたのが難点かな。 どこかで見かけたらぜひお試しを。 料理のほうは、まぁ、こんなもんでしょ…。

 9時ちょうど、セキュリティ・チェックと出国審査を受け、免税店を眺めたりして時間をつぶす。 10時15分、スイス・インターナショナル・エアライン LX-161便に乗り込む。 ほぼ定刻通りの 10時25分、チューリッヒ国際空港に向かった。

 座席に座り機内誌を読んでいると、前の席か通路を挟んだ隣の席か、誰だワキガ臭いのは! オマケに隣の窓側に座った若いの、独り言がブツブツうるさいんだよ、も〜勘弁してくれよ。 などと思いながらの約 12時間であったが、現地時間 15時25分、予定より 30分ほど早く無事に到着、機内に預けた荷物もすぐに出てきた。 気温は 12度、日本と較べてだいぶ涼しい。 天気も良くまずは安心だ。

 空港のショップで、Franziskaner(フランチスカナー)のヴァイスビヤ 500mlを二本購入し、SBB(スイス国鉄)のチケット売り場にて、ザンクト・ガレン行きの切符を求める。 発車時刻、番線まで丁寧に教えてくれた。 16時22分発の ICN(インターシティナイゲツーク・特急)に乗る。 約一時間の鉄道旅。 緑の草原に牛や羊たちが草を食んでいる…。 一年ぶりに見る光景に、スイスに来たんだという実感が湧いてくる。

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 17時20分ザンクト・ガレン着。 学校や仕事を終えた学生、サラリーマンで駅はごった返している。 とても賑やかな街だ。 街歩きは明日に回すとして、まずは予約したホテルを探そう。 実はホテルの HPの予約フォームから予約をし、予約受け付けました、という簡単なメールは届いたものの、料金や詳細の書かれた確認書が届いていなかった。 こちらから確認書を送れというメールを出すと戻ってきてしまうという状態で、思えば電話なりFAXなりを使えばよかったのだが、ついに確認書の無いまま、当日の訪問となってしまったので非常に不安だった。 とにかく、受け付けました、というメールだけは印刷して持っていった。

イメージ 4 17時50分、ホテルに到着、キオスクやスーパー、紳士服店などが入る大きな建物の二階がレセプションになっている。 
名前を告げると予約はちゃんとコンプリートされており、愛想
良く迎えてくれた。 無事チェックイン、あ〜良かった。

 ここは 「 Hotel am Spisertor 」 といい、老人ホームも併設さ
れているのが特徴だ。 ガイドブックに載っていたホテルはど
こも料金が高かったので、webで探し出したホテルである。
 条件として、駅から歩いていける距離にあり、部屋にミニバー
があること、シャワー・トイレが部屋にあること、朝食が付いて
日本円で一泊 10,000円前後であること、だ。

 中はとても清潔で、部屋も十分な広さがあり、トイレ・洗面所も広く、とても気にいった。 案内ではミニバーになっていたが、飲物は用意されていない。 ようするに持込用の冷蔵庫というわけだ。 ちょっと面倒だが近所の店で買ってくれば安く済む。 19時、ひととおり荷物を降ろし、シャワーを浴び、空港で買ったフランチスカナーでやっと一息つく。

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 旧市街の中心から離れているためとても静かだ。 心地よい酔いとともに、早めにベッドに入った。

 今日を含めて 6泊、明日からは、今年待ちに待ったスイス旅行の始まりだ。

 

 
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 9月17日(水)くもり。 6時30分起床。 夜、何度か目が覚めてしまった。 飲みが足りなかったか?(笑) 
7時15分、朝食を摂りに階下のレストランへ。 いつも泊るところと同じようなコールド・ビュッフェ。 クロワッサンにハムとチーズ。 スイスではこのいずれもが日本と比較にならないくらい美味しいので、つい朝から食べ過ぎてしまう。

 8時00分、ホテルを出て街中へ出る。 本日の予定は、今回の旅行の拠点となる St. Gallen(ザンクト・ガレン)の旧市街散策と、郊外の小さな町 Appenzell(アッペンツェル)を訪ねてみようと思う。

 ザンクト・ガレンは、スイス北東部の中心地で、西暦 612年にアイルランドの修行僧の Gallus(ガルス)がこの地に小さな僧院を建ててから人々が住むようになり街が形成されていった。 街の名も、この僧の名にあやかったものである。 以来、ベネディクト派による神学研究の中心として栄えてきた。 また、中世になると織物業が発達、現在は高級繊維産業の中心として知られ、繊細で美しい刺繍製品は内外で高い評価を得ている。

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 ホテルを出て通りを渡ると旧市街の中心を貫く賑やかな通
 り、Spiser-gasse(シュピザー通り)に入る。 ほどなく交差
 するのが毎日生鮮やチーズなどの市の立つ Markt-gasse
 (マルクト通り)。 さらに進むと Multer-gasse(ムルター通り)
 と名前が変わる。 マルクト通りとムルター通りを結ぶのが
 Neu-gasse(ノイ通り)で、これらの通り沿いには飲食店から
 ファッション、雑貨、書籍、映画館などさまざまな店が並ん
 でいる。 早朝でまだ多くの店が閉まっているか準備中だ。



 多くの建物は、中世の富の象徴といわれた Erker(エルカー)と呼ばれる装飾出窓を持っている。 新しく作られたものが多いと思うが、中には一見して古いものもあり、この出窓を見ながらの街歩きも実に楽しい。 また、壁にはそれは美事なフレスコ画が描かれていたりして、いちいち見入ったり写真を撮り出す僕は、通勤や通学に急ぐ地元の人たちの通行障害になってしまった。

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 旧市街の真ん中にあるのが、ザンクト・ガレンの中心でもある
 Klosterhof(修道院)である。 8世紀の創建といわれ、現在の
 建物は18世紀に建てられたという。 ここの見所はなんと言
 っても二本の塔を持つ Kathedrale(大聖堂)と、中世ヨーロッ
 パの学問の中心ともなった Stiftsbibliothek(修道院図書館)
 である。 この修道院は、1983年にユネスコの世界文化遺産
 に登録されている。 今日は大聖堂のほうを見学する予定。
 修道院図書館は後日訪ねることにしている。



 大聖堂が見学できるのは 9時00分からということなので、時間があるので修道院裏にあるケーブルカー乗場に行き、街を見下ろせる高台に上ってみることにした。 が、乗場はすぐにわかったものの、誰もおらずまた動いているのかもわからない。 乗場の横に坂道があり、ここから歩いても上れそうなので、朝の運動とばかりに歩いてみることにした。

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 坂は勾配がキツイので息が上がるが、ほどなく開けた通りに
 出ることができた。 住宅街を抜けるとさらに上に上れそうだ。
 途中ですれ違う人達がみな 「 モルゲン!(おはよう)」 と声を
 掛けてくる。 実にいいところだ。
 
 小さなレストランの脇から、緑の草むらが見える。 ここから
 はどうやら山の中に入るようだ。 林の入り口まで行ってみる
 と、下界には今まで歩いていた旧市街が、まるで絵本に描か
 れたかのように見える。 雲が多く白っぽく見えるが、素晴ら
 しい眺めだ。

 もと来た道を旧市街に戻り、いよいよ大聖堂に入ってみよう。 すでに何人かが中に入っていくのが見える。 建物の大きさに比して小さな木の扉を開けて中へ入ったとたん、僕は言葉を失った。

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 天井は、かくも美事に描かれたフレスコ画で埋め尽くされ、純白の柱には金彩と緑色の花飾りが施され、その美しさはどのような言葉を当てたらいいかわからない。 場所にそぐわなかったとは思うが、手を合わさずにはいられなかったほどだ。 本来は静かにしていなくてはいけない場所だと思うが、多くの観光客の驚きと感動の声が聞こえてくる。 なぜか涙が溢れてきた。 こんなに美しいとは想像だにしていなかった。

 旧市街を出て、ザンクト・ガレンの駅に向かう。 国鉄ではなく、アッペンツェル鉄道の出る私鉄駅である。 時刻表を確認し、指定のプラットホームで待っているが、人がほとんどいない。 こんなもんなのかな?と思っていると、駅員がスイスドイツ語でなにやら話しかけてくる。 なにを言っているのかさっぱりだったが、様子からすると、電車が出ないのでバスに乗れ、ということらしい。 ホーム裏のバス停に停車しているバスを指差しこれに乗れ、という。

 まもなく電車の発車時刻にバスも発車した。 線路になにか障害が起きたようで、復旧作業をしている様子が見えた。 Teufenという駅前で降ろされ、ここからは電車ということだった。 すぐに電車が到着し、窓際に座る。 さっきまでいた旧市街や駅前の喧騒が嘘のように感じられるほど、のどかな牧草地の中を電車は走っていく。 11時20分、アッペンツェル駅着。

 アッペンツェルは、現在も Landsgemeinde(ランツゲマインデ)と呼ばれる住民の挙手によって行政を決める青空会議を行う街として有名だ。 伝統的な文化を守る一方で、有名なアッペンツェラー・チーズを始め、刺繍や木工品、カウベルなどの手工芸は、内外の多くの観光客を楽しませてくれる。

イメージ 7 駅前の通りを降りていくと随一の繁華街である Hauptgasse
 (ハウプト通り)に出る。 カラフルな壁画に装飾出窓を持つ
 土産物屋がずらりと並んでいる。 観光客でとても賑やかだ。
 スイスをイメージする可愛らしい民芸品がたくさん並ぶ。
 大小さまざまなサイズのカウベルは、飾りが何種類もあって
 楽しい。 名産であるチーズやハーブ酒を売る店も多い。

 通りの終りが青空会議の開催されるランツゲマインデ広場で
 ある。 なんのことはない、菩提樹が一本と噴水があるだけ
 で普段は駐車場に利用されているただの広場である。 それ
 でも会議の行われる 4月末には、観光客も含め多くの人達
 で溢れるという。

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 お昼時なので食事をしたいのだが、閉まっている店が多いの
 はどういうことか? また、開いていてもどうも一人では入り
 辛い雰囲気の店ばかりだ。

 朝たくさん食べてきたので、次の目的地、Jakobsbad(ヤーコ
 プスバート)に向かおう。 再び電車に乗ること約10分。
 駅に降りると、見事に何にもないところだ。 駅前にホテルが
 一軒建つのみ。 駅裏にはロープウェイ乗場とボブバーンと
 呼ぶレールを走るコースターの乗場がある。


 ロープウェイのチケットを求める。 これから行くのは、Kronberg(クローンベルク山 1663m)の山頂である。 乗場から山頂を仰ぎ見ると、ガスっていてどうも天候がよろしくないようだ。 でも、ここまで来たらしょうがない、とにかく登ってみよう。 乗客はそんなに多くなく窓際から景色を楽しむことができたが、まもなく雲の中へ。 あたりは真っ白、一緒に乗った子供も泣き出しそうな顔をしていたが、突然雲が切れるとカンカン照りの太陽が!

 アッと声が出そうになったのは、ロープウェイが雲の絨毯の上を登っているからだ。 飛行機から見える景色だ。 これは素晴らしい。 この雲の絨毯は日本でも見たことがある。 乗鞍スカイラインを車で走ったときに見たことがあり、そのときもすごく感動した覚えがある。

 まもなく山頂に着く。 降りてまたビックリ! 目の前には、アルプシュタイン山脈の最高峰 Santis(センティス山 2502m)の山並みが目の前にクッキリ! 陽射しは強く、そして温かく、あ〜来てよかった! 

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 帰りのロープウェイはハイキングを終えた乗客で満員になった。 最後に乗ったので必然的に窓際になったのだが、カメラを持ったアメリカ人と思しき年配の女性が、景色を撮りたそうだったので場所を譲るととても喜んで、連れの人からも何度もお礼を言われた。

 クローンベルク山に別れを告げて、再びアッペンツェルに戻ろう。 ランツゲマインデ広場に、20人くらいの日本人ツアー客がいた。 ツアコンから説明を受けるのをちゃっかり聞いてしまった。 う〜ん、勉強になるね(笑)。
St. Muritius Kirche(聖マウリティウス教会)に入ってみた。 小さな教会だが、ここの天井のフレスコ画もザンクト・ガレンの大聖堂と同じく素晴らしいものだ。 ステンドグラスから差す陽光も幻想的だ。 内陣祭壇も美事で、ガイドブックにはあまり載らないが一見の価値ありだ。

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 せっかくだからお土産をいくつか買っていこう。 アッペンツェルでは地ビールも売られている。 いろいろ種類があるが、器械栓の付いたヴァイツェンを買う。 僕の店に飾るカウベルも買った。 チーズも欲しかったが、家人が苦手なので今回はあきらめた。

 17時過ぎ、ホテルに戻り荷物を置いてから、夕食を摂りに街中へ。 いろいろ見て回ったが、一人で気軽に入れそうな店がなかなか見当たらない。 さんざんブラブラして、ようやく店の入り口の黒板に本日のメニューが書かれた Kolosseumというレストランがあり、お手頃な値段で入りやすそうだったのでそこに入ってみた。

 まずはビール、Schutzengartenというザンクト・ガレンのビールだ。 出てきたのはラガービール。 軽くて飲みやすいビール、麦の香りもいい。 料理は本日のメニューの中から Kalbsschnitzel(仔牛肉のカツレツ)を注文した。 付け合せにはパスタとリゾットのどちらがいいかと訊かれたので、パスタを選んだ。 Jazzが流れてなかなか雰囲気のいい店。 僕以外には二組のお客がいた。 二杯目のビールを飲んでいると料理が運ばれてきた。 カツレツと思っていたけど、これ、ソテーだよな。 この際どちらでもいいのだが、キノコのたっぷりかかったクリームソースがいい香りで美味そうだ。 茹でたパスタが付き、お腹が空いていたせいもあったが、肉は柔らかく量もちょうど、塩味もそんなにきつくなく実に美味かった。 店員の愛想もすごくよく、チェックを終えた帰りしなに美味しかったと伝えた。 「 Japanese?」 と聞くので 「 そうだ 」 というと、「 sayonara!」 と言ってくれた。

 20時過ぎにホテルに戻り、シャワーを浴びて冷蔵庫からビールを取り出した。

 心地よい疲れと酔いとともに、早めにベッドに入った。 

 
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 9月18日(木)くもり。 6時00分起床。 毎日早くベッドに入るので夜中に何度か起きてしまう。 今日はシャフハウゼンとラインの滝に行く予定。 7時05分、早めに朝食を済ませ、50分にホテルを出る。 ザンクト・ガレンの駅で、日本で購入しておいたスイスパスのヴァリデーションをする。 今日から四日間乗り物がフリーパスになる。

 8時31分発の S-Bahn(ローカル線各駅停車)に乗車、約二時間の電車旅だ。 Boden-see(ボーデン湖)方面に向かう途中、しばらくは牧草地や住宅街を走るが、湖岸の駅、Romanshorn(ロマンスホルン)からは湖沿いを走る。 対岸はドイツだ。 くもりで白やんでいるが、晴れていればきっといい眺めだろうと思う。

イメージ 2 10時26分、Schaffhausen(シャフハウゼン)に到着。 駅前
 の Bahnhof-strasse(バーンホフ通り)を渡り、いずれの道
 を直進するとそこが旧市街。 もっとも賑やかな Vorstadt
 (フォルシュタッド通り)に入り、噴水のある辺りが Fronwag-
 platz(フロンヴァーグ広場)である。 広場には、10種類の時
 がわかるという 1564年建造の Fronwagturm(天文時計塔)
 が建つ。
 
 シャフハウゼンは、古くからライン川の水運交易で栄えた
 歴史のある街で、地名は 「 船の家 」 という意味がある。
 シャフハウゼンの街から、ライン川を 4km下ったところには、
 この後訪れる予定である 「 ラインの滝 」 がある。
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 サン・ゴッタルド山塊の東側にあるトゥーマ湖を源とし、グラ
 ウヒュンデンの山々の水を集めながらボーデン湖、ウンター
 湖を経由し、再び川となってヨーロッパ中部を流れ、北海へ
 と注ぐライン川。 1320kmにも及ぶライン川の唯一の滝で、
 川を下る船の航行を妨げる難関となっていた。 それゆえに
 滝を避けるためにいったん荷物を陸揚げする必要があり、そ
 こで発展していったのがシャフハウゼンの街の始まりである。
 スイス風の建物よりもドイツ風の建物が多いのが特徴だ。
 
 
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 まずいったんフロンヴァーグ広場を背にして旧市街の端にある Obertor(オーバー門)から。 そこから真っ直ぐ伸びる Vorder-gasse(フォルダー通り)を歩く。 日常的にこの街を利用する現地の人々にとっては見慣れたものであっても、僕のような旅行者にとって非常に珍しいものが、多くの建物に付けられたエルカー(装飾出窓)や、ファサードを彩るフレスコ画の数々である。

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 ほどなくすると右側に素晴らしい彩色の施された建物が現れる。 Haus zum Ritter(騎士の家)と呼ばれる建物だ。 1566年に建造され、神話とローマの歴史をモチーフに 「 徳 」 を表現した壁画は 1570年の作品と伝えられるが、現在の絵は復元されたもので、オリジナルは近隣の万聖博物館に保管されている。 しかしながらその美しさは圧巻で、道行く旅行者の足は必ずここで留まるはずである。

イメージ 7 フォルダー通りを右に曲がるとシャフハウゼンでは最古の建
 造物と伝えられる Munster(大聖堂)である。 併設されてい
 るのが前述の万聖博物館である。
 通りの左には St. Johann Kirche(聖ヨハネ教会)がある。
 
 通りを直進すると、Bachstrasse(バッハ通り)に交差、さらに
 直進し、左側にある建物の間の細い階段を上るとブドウ畑が
 左右に広がる。 この畑の頂上にあるのが Munot(ムノート)
 と名付けられた世にも珍しい円形の城である。
 
 ムノートは、街を守る監視塔として建築家アルブレヒト・デュー
 ラーの 「 理想の砦 」 論を具現化したもので、1564年〜1589
 年にかけて建てられた円形の城である。 円形のため、どの
 方向からの攻撃にも身を守れる…はずであったが、戦闘と呼
 べる戦闘も無くほとんど役に立たなかったらしい。
 屋上はベンチの並べられた広場になっており、銃眼からは
 シャフハウゼンの街並みから牧草地、ライン川まで一望する
 ことができる。 現在では文化遺産として市民の憩いの場に
 なっている。

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 時計を見ると 12時15分、そろそろ昼食にしよう。 ムノート下の Unterstadt(ウンター通り)には、数件の飲食店が並んでいる。 Casanovaという入りやすそうなピッツェリアがあったのでそこでピザでも食べよう。 いつものようにまずはビール。 Falken Bierというシャフハウゼンのビールだ。 数種類があるようだが、供されたラガービールは、すっきりとクセがなく、軽い飲み口のビールで何杯でもいけそうだ。 ピザは、プロシュートとキノコのピザを注文、30cm以上あるピザで厚みがあり食べ応えがある。 塩分は丁度よかったが、プロシュートがちょっと少なかったのが残念。 お腹は一杯になった。

 昼食後はシャフハウゼン駅から S-Bahnに乗り、いよいよラインの滝に向かおう。 電車がライン川に架かる鉄橋を渡ると Schloss Laufen am Rheinfall(シュロス・ラウフェン・アム・ラインファル)駅に到着する。 無人のホームから坂道を登ると、レストランとホテル、土産物屋のあるラウフェン城がある。 土産物屋の入り口で 1CHFを払うと、滝壺に向かう遊歩道に入ることができる。 各所に展望台があるが、そこから見る滝の迫力は圧巻だ。

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 Rheinfall(ラインの滝)は、落差は約 25mだが、幅が 150mほどあり、小さなナイアガラといったところ。 水量は毎秒約 700立方メートル。 すぐ目の前をすさまじい量の水が落ちていく。 これはすごい! 滝の中央に小島があり、展望台が設けられている。 ぜひあそこに行ってみたい! 川岸にそこまで行く遊覧船乗場がある。 6.50CHFを払い、いざ出発! 滝壺が近づくと、その水量に圧倒されそうだ。 小島の階段は狭く急で、周りに響く轟音でいやがうえにも恐怖感が増大する。 やっとこさでテッペンまで上がる。 2〜3人で一杯になってしまう展望台は手摺に囲まれているが、高所恐怖症や心臓の悪い人はやめたほうが無難だ。

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 スゴイ! この水量たるや、スゴイ!としか言葉が出てこない。 飲み込まれそうな大迫力! と同時に、今まで空をおおっていた雲が切れて陽射しが出てきた。 ラッキーだ。 一緒に船に乗った女性が僕のカメラで写真を撮ってくれた。 とにかくこのライン川唯一の滝の情景を思う存分目に焼き付けた。 いい思い出になった。

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 15時過ぎに電車に乗りシャフハウゼンに戻る。 フォルシュタッド通りでいくつか土産を買った。 午前中に見なかった Schwabentor(シュヴァーベン門)や、歩かなかった小道をたゆたう。 美事な装飾の出窓、壁画に目を奪われながらの街歩きはとても楽しかった。

 16時31分発の電車に乗り、ザンクト・ガレンに 18時20分着、あまりお腹が空いていなかったので、外で食事は摂らないで、駅並びのスーパーで缶ビールとハムのたっぷりはさまれたサンドウィッチを買い、ホテルに戻った。

 買ってきたビールは、Schutzengartenの Naturtrubというビール。 濃い目のゴールド色で甘みのある濃厚な味わい、麦の香りもよく実に美味いビールだ。 前日レストランで飲んだラガーより、こちらの方が好みに合った。

 歩き疲れたせいもあって、500ml缶を二本開けたところで猛然と睡魔に襲われてベッドに入った。 

 
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 9月19日(金)くもり。 本日は、かねてよりとりわけ楽しみにしていたリヒテンシュタイン公国を訪れる予定。 毎朝、スカッと晴れてくれないのが気がかりだが、今日はとりわけどんよりしている。 雨が降らなければいいけれど…。

 6時20分起床。 よく眠れた。 7時05分、早めに朝食を済ませ、55分頃にはホテルを出る。 8時21分発のS-Bahnに乗り、まずは最初の目的地であるライネックへ。 Rheineck(ライネック)は、ラインの角(Eck)という意味があり、文字通りライン川の旧流がボーデン湖に注ぐ直前(角っこ)に位置する小さな街である。 ライン川旧流はスイスとオーストリアの国境線を形成している。

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 駅を降りると、Walzenhausen(ヴァルツェンハウゼン山)行き登山電車のホームがあるが、今回はオミット、駅前通りを渡り旧市街へ。 といっても、全長僅か 200m足らずの小さな街である。 かなり昔に建てられたのであろう木造の建物が多い。 まだ朝が早いのか、街はとても静かだ。 しかし、ホテルなどずいぶん前に閉鎖されているようで、営業していない店も多くあるように思える。 どこか日本の地方都市にも似た寂れた雰囲気が漂う。

 旧市街のはずれから、丘の上に上ってみることにしよう。 ここライネックの街は、ガイドブックにもほとんど載っておらず、スイス政府観光局のサイトにも紹介されていない。 「 地球の歩き方 」 に僅か数行紹介されているだけだ。 なぜここを訪れようと思ったのかというと、それはオーストリアとの国境の街であり、この後に訪れる橋を渡ることで簡単にオーストリアの地を踏むことができるからだ。 ライネックの公式ページもあるが、ドイツ語オンリーでほとんど予備知識を得られないままの探訪となってしまった。

 地図を見ながら、住宅の間の狭い路地を上る。 かなり急だが上りきったところで牧草地が広がった。 駅より先はオーストリアである。 いい眺めだ。 さらに歩いていると、かつての城の名残りである塔が残されていた。 草むらの中にかろうじて歩道があったので、行ってみることに。

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 塔の手前には BBQをした跡が…、誰じゃこんなところで(笑)。 塔はかなり古く、かつては城壁を形成していたのだろうと思われる。 丘の頂上にあり、ライネックの街の護りのように見える。

 もと来た道を戻り、駅裏手を流れるライン川沿いの遊歩道に向かった。 駅から約 200mほど歩いたところで、件の橋がある。 ここを渡ればオーストリアだ。 橋を渡ったところに税関があるのだが、無人でほとんどフリーパスだ。 すぐ先に公園があり、サイクリングをする人達がたくさん集まっていた。

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 と、ここでぽつぽつと雨が降り出してしまった。 次の電車までずいぶんある。 どこか店に入ろうにも、駅前はキオスクがある程度でまだ営業していない店ばかりだ。 折りたたみ傘を出して、川沿いの鳥たちを眺めながら時間をつぶすことにした。

 10時27分発の Chur(クール)行きの電車に乗り、Buchs(ブッフス)で下車、ポストバスに乗り、いよいよリヒテンシュタイン公国の首都 Vaduz(ファドゥーツ)に向かう。 心配していた雨はいつの間にかあがり、陽射しがのぞくようになってきた。 ブッフス駅前のキオスクで、サンドウィッチとビールを買う。

 Liechtenstein(リヒテンシュタイン公国)は、小豆島とほぼ同じ面積で、ヨーロッパでは四番目に小さな国である。 通貨や交通はスイスに委ねられているので、スイスフランはそのまま使用できるし、各種パスも同様に使用できる。 この国の名物は、なんといっても美しい切手とここだけでしか買えない公家のワインだろう。 よく、切手が国庫収入の大半を占める、などと言われているが、これは真っ赤な嘘。 切手の国庫収入の割合は 3〜4%である。 この国一番の産業はコンクリートドリルと高級義歯で、国庫収入の一位を占めるのは法人税である。

 ブッフス駅前のバス停からファドゥーツ行きのバスに乗る。 実はスイスでバスに乗るのは初めて。 いつも徒歩圏内か、路面電車(トラム)にしか乗らなかったから。 スイスのバスは結構不親切で、次に停まるバス停のアナウンスがないので、乗車時に運転手に確認しなければならない。

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 ファドゥーツはとても賑やかなところで交通量も多い。 切り立った山間を見上げると、中腹には大公一家の住む Schloss Vaduz(ファドゥーツ城)が見える。 この日は外装の補修かなにかでクレーンが建っていたりしてちょっと残念な眺めではあった。

 歩行者天国になっている、ファドゥーツのメインストリート、Stadtle(シュテットレ通り)を歩く。 まずはここに来たらお約束の観光局ビルに向かう。 「 アレレ、ガイドブックの写真と違うぞ、ふ〜ん建て直しでもしたのかな? 」 外観は変わっていたが、内容は同じ、さっそくパスポートを提示し、3CHFを支払い入国スタンプをもらう。 これが珍しや、二色刷りなのである。 でも、3CHF(約 300円)は高いような気が…。

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 ガイドブックに沿って近辺を散策してみた。 通りの端から住宅街に入ると、石畳の通りがなんともいい感じだ。 建物の出窓には花が飾られとても可愛らしい。 しばらくすると、たわわに実ったブドウ畑が…、そう、公家のブドウ畑である。 この畑から公家のワイン Hofkellerei des Fursten von Liechtenstein が造られるのだ。 敷地内には、レストランやワイナリーも併設されており、畑の中も歩けるようになっている。 もう一週間以内にきっと収穫されるのであろう。 いい時に来ることができた。 畑には僕以外誰もいないので、この畑の中で買ってきたサンドウィッチとビールで昼食にした。 いい気分である。 ビールの代わりにワインでもよかったかも。 

 あいにく、ワイナリーは休憩時間のため閉まっていたので、シュテットレ通りにいったん戻り、次に向かったのがファドゥーツ城だ。 城は非公開のため、実際には近くまでしか行けないが、せっかくだから行ってみよう。 市庁舎前に建つホテル Engel 横の急傾斜の小道を登ると案内板があるのですぐにわかる。 傾斜がキツイので息が上がるが、途中から眺める景色は本当に素晴らしい。 いつの間にか陽射しが強くなっていて、歩いていると汗ばむほどの陽気である。 今さっき歩いていた公家のワイン畑とワイナリーが眼下に見える。

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 20分ほど歩いて城に到着、やはり補修工事の真っ最中であったが、城は思いのほか大きく立派である。 歴史は古く、12世紀に建造され、一度焼け落ちたが、16世紀に再建され現在に至る。 リヒテンシュタイン大公一家の住居となっているため、一般公開はされていない。

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 城と景色を十分堪能した後、土産物屋が軒を連ねるシュテットレ通りに戻ろう。 観光客も多くなり、とても賑やかになってきた。 僕も鳩時計のデザインをした陶製のビヤマグや、リヒテンシュタイン公家のワイン(赤白の二本入り)などを買った。 とてもいい土産ができた。 後日このワインを飲んだが、軽い飲み口で甘くもなくとても美味しかった。 赤も白もどちらも良かった。 土産物屋の中に一軒、100台以上の鳩時計を展示する店があり、土産に、と思っている人は必見である。

イメージ 9 時間に余裕があるのでもう一度バスに乗り、山間の小さな
 街、Triesenberg(トリーゼンベルグ)に向かった。 日光の
 いろは坂のようなつづら折の坂道を登り、中腹に位置する
 この街から眺めるライン川や、街並みを望む景色が実に
 素晴らしい。 バス停の回りはこれといった見ものもなく、
 小さな郷土博物館がある程度だ。 夜景がきれいとのこと
 だが、そこまではいられないのでしばらくの休憩の後、
 ファドゥーツ行きのバスがやってきたので戻ることにした。

 ファドゥーツでブッフス行きのバスに乗り換えて、16時01分
 発のザンクト・ガレン行きの電車に乗る。 ホテルにいった
 ん戻り荷物を降ろしてから、修道院の近くにあるイタリアン
 (Schwanen)で夕食。 ビールとグリーンサラダ、スパゲテ
 ィ・ボロネーゼを注文、量も多く味もよく、また愛想もよく
 とても満足した。

 20時ちょうどにホテルに戻り、シャワーを浴びて缶ビールを
 飲んでいると、TVでドイツ語版のスターウォーズ・エピソー
 ド 1 が始まった。 しばらく見ていたが、歩いた疲れで最後
 まで見ることなく寝てしまった。
 
 しかしながら、リヒテンシュタイン公国、想像以上にいいとこ
 ろでとても印象に残った。

 

 
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 9月20日(土)晴れ。 6時30分起床、今日はライン川クルーズにはもってこいのいい天気だ。 朝食を摂っていると電車に間に合わないので、駅にあるキオスクでサンドウィッチを買い、7時31分発の S-Bahnに乗りクロイツリンゲンで下車する。 ガイドブックでは、船に乗るには Kreuzlingen(クロイツリンゲン)からとなっているのでこの駅で降りたが、実際には一つ前の駅 Kreuzlingen-Hafen(クロイツリンゲン・ハーフェン)で降りれば船着場は目の前である。 一駅歩くのは疲れたよ。

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 8時50分、船着場に到着、スイスパスが有効なので乗船賃は
 要らない。 船は 9時00分に出るのだが、乗船する客がほと
 んどいない。 天気がいいのでデッキに座ったが少々寒い。
 風がないので陽が高くなれば暖かくなるかも、とタカをくくって
 いたが、フリースの一枚も持ってくるんだったと後悔、かとい
 って船室に入ったらせっかくの景色が見えにくくなる。
 我慢してデッキに座っていた。




 定刻通りに出船、想像以上に景色が素晴らしい。 ライン川はとても澄んでいて、波のない浅いところでは底が透けて見えるほどだ。 時おり魚の泳ぐのも見える。 いくつかの停船場を経ているうちに、船内も賑やかになってきた。 ほとんどが観光客のようだ。

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 11時25分、シュタイン・アム・ライン着。 船上が寒かったせいかくしゃみと鼻水が止まらない。 これには参ったね。 天気がよく暖かいのがまだ救いだ。 次の船が出るのは 16時30分、十分に時間がある。 船着場を降りると、川沿いには美味しそうな香りを漂わせているレストランが数軒並んでいる。 天気がいいので外に並べられたテーブルにはもうすでにお客が入っている。 ここではライン川で獲れる魚料理が自慢のようだ。

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 Stein am Rhein(シュタイン・アム・ライン)は、ラインの石(Stein)という意味があり、街の上流にある大きな岩がその名の由来になっている。 ローマ時代からの歴史を持ち、今もなお中世の面影を色濃く残す街の建物は色とりどりの花で飾られ、装飾出窓と美事な壁画が描かれていることから、現在では 「 ラインの宝石 」 と言う意味があてがわれている。

 船着場から続く通りを入っていくと、左手には第二次世界大戦中に連合軍にドイツ領と間違えられて誤爆を受けたという Untertor(ウンター門)があり、ここから旧市街の始まりである。 旧市街の中心は Understadt(ウンダーシュタット通り)と、突き当たりにある市庁舎前の Rathausplatz(市庁舎広場)である。 観光客も多く、広場では屋台も出てオープンカフェも満席でとても賑やかだ。 どの建物も装飾が施され、木造の古い建物も混在している。 慌てて眺めていくよりは、ここはまず腹ごしらえをしてからじっくり街を歩くとしよう。 そこでいったん船着場に戻り、川沿いのレストランで食事を摂ることにした。

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 12時ちょっと前、まだどの店も席は空いているので、表に掲げられたメニューを見ながら店定め。 Rheingerbeという店がよさそうだったので、外に並べられたテーブルに座る。 ビールと川魚のソテーを注文した。 困ったことにくしゃみと鼻水が本当に止まらない。 風邪引いてなければいいが、寒気がまったくないのできっと冷えただけだろう、ビールでも飲めば直るだろうと一杯目は軽く飲み干しもう一杯。

 料理は淡白な白身魚で身も厚く大きく、バターと酸味の効いたソースとよく合いとても美味しい。 付け合せのポテトもボリュームがあってこの一皿で結構お腹一杯になる。 気が付くと店の前で待っているお客がいるほど盛況で、四人席を一人で使っていたのでなんだか悪いと思い、残りのビールもさっと飲み干して店を出た。 いやぁとても美味かった。 これで腹ごしらえもしたし、さぁ街中探訪だ。

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 旧市街はさっきより賑やかだ。 広場の周りの建物は競うようにして美事な壁画で飾られている。 それぞれ
「 王冠の家 」「 鹿の家 」「 石葡萄の家 」 などの名称がある。 木造の古い建物も多く、14〜15世紀にかけて建造された Kloster St. Georgen(聖ゲオルグ修道院)や、建物の中に 19世紀の暮らしをそっくり再現した Museum
Lindwurm(リントヴルム博物館)は大変興味深い。 

イメージ 11 リントヴルム博物館は、13世紀に建造された建物が基礎に
 なっていて、長い年月をかけて増改築されている。 内部は
 おもに19世紀の中産階級の暮らしぶりを再現、現代とほとん
 ど変わらない居間や寝室、子供部屋などがある一方で、納
 屋や穀物貯蔵庫があるなど、古民家と近代的家屋が同居し
 ていて面白い。 調度品の数々はほとんど当時のオリジナル
 のようで貴重なものを間近で見ることができる。 各展示部屋
 に日本語の解説書も備えてあり、受付の女性ともどもとても
 親切だ。 スイスパスで無料で見ることができた。

 ガイドブックにはあまり載らない博物館だが必見である。
 
 鼻水はあいかわらずだが、天気がいいので丘の上にある Burg Hohenklingen(ホーエンクリンゲン城)に行ってみよう。 旧市街のもうひとつの門、Obertor(オーバー門)から旧市街を出て住宅街を抜け道なりに歩くとブドウ畑が広がっている。 案内板の指示に従い畑の中の山道を登っていく。 急な坂道だが、途中で見える景色は素晴らしい。 約 20分ほどで城にたどり着く。

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 ホーエンクリンゲン城は、12世紀頃に建造された城塞で、街の守護を担う見張り塔として使われた。 幾度となく破壊されたが、1895〜97年にかけて修復され、内部はちょっとした資料室と展望レストランがある。 塔は上部まで登ることができ、銃眼から望む旧市街やライン川、アルプスの山並みの眺望は美事である。

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 城を降りて再びブドウ畑の中へ。 収穫は目前で、さぞや美味いワインになることだろう。 旧市街に戻り、細い路地を建物や出窓を眺めながら歩く。 鼻とくしゃみは出るがいい気持ちだ。 船着場横のキオスクでビールを買い、16時30分シャフハウゼン行きの船を待つ。 多くの観光客がいて船は混みそうだ。

 船が到着、デッキは寒いので船室に入る。 景色は見えにくくなるが風邪を引いてはかなわない。 船室は暖かいが、飲物をオーダーしなくてはならない。 結局またビールを頼み、チビチビやって 17時50分、シャフハウゼンに到着した。 前日と違い今日は土曜日で飲食店を除きほとんどの店がもう閉まっている。 前日に土産を買っておいてよかった。

イメージ 15 18時46分発の Winterthur(ヴィンタートゥーア)行きに乗り、チューリヒに出てみることにし
 よう。 チューリヒの街は四年ぶりである。 以前も行ったことがある Zeughauskeller
 (武器庫)というビヤレストランで食事をしよう。
 
 土曜日のチューリヒ中央駅は若者や観光客でごった返している。 こんなに混んでるとは
 思わなかった。 駅前の Bahnhofstrasse(バーンホフ通り)を直進すること約 800m、あっ
 たあった武器庫が。 が、しかし店の左右の入り口は入店待ちのお客であふれている。
 こりゃ参ったな。 とにかく入り口に並びしばらくすると、店員が人数を聞いてきたので
 「 一人 」 と答えると、すぐに席を作ってくれた。 この店は観光客が多く、遠くの方から
 日本語もちらほら聞こえてくる。

 チューリヒの名物料理は、ゲシュネッツェルテスという仔牛肉のクリームソース煮込みにスイス風ハッシュドポテトのレーシュティを添えたものだが、カルテ(品書き・日本語あり)を見ると、ザンクト・ガレン名物のシューブリック(焼ソーセージ)もある。 これを注文しないわけにはいかない。 さっそく店員にこれとエルディンガーのヴァイスビヤを注文した。

イメージ 16 シューブリックは粗挽きソーセージを焼いた簡単な料理だが
 ボリュームがすごい。 直径は 3〜4cmはあり、長さも 25cm
 くらいはあるのだ。 これに付け合せのポテトを平らげるとお
 腹は一杯になる。 ほどなくして出てきたシューブリック、これ
 は美味そうだ。 さっそく一口、歯ごたえもあり、肉汁が口いっ
 ぱい広がり、ビールともよく合いこれは美味い!
 
 ザンクト・ガレンの名物を隣街のチューリヒで食すのもなんだ
 が、とにかく目標のひとつは達成、味にも大いに満足した。
 

   ※画像は オフィシャル・サイト より

 あまりゆっくりしていると遅くなるので 9時10分発のザンクト・ガレン行きの ICNに乗った。 10時25分ホテル着。
いろいろなところに行き、いろいろなものを見て、食べて、とても充実した一日になった。 シャワーを浴び、缶ビールを開けて 11時半頃ベッドに入った。

 

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