モーツァルト:交響曲選集
第21番・第25番・第28番・第29番・第31番・第33番
第35番・第36番・第38番・第39番・第40番・第41番
エルネスト・ブール指揮
南西ドイツ放送交響楽団
CD・ステレオ・録音年月:不詳1972〜1979?
Weton-Wesgram B.V. CLASSICAL GOLD CLG512
前回29番を採り上げましたが、今回は40番です。
これは個人的に、ワルター、カイルベルトと並ぶ驚くべき名演と思います。
第1楽章
弦の漣の上にお馴染みの旋律が奏されるのですが、既にその漣があまりに美しいのです。細部まで神経を行き渡らせながら、決して全体を失うことがありません。甘美さと厳しさが両立しており、類い希なバランスでモーツァルトが響きます。
第2楽章
一つ一つの音を実に丁寧に積み重ねていて、微妙な表情の変化が印象的です。静寂に消えていく響きの中に、ブールがモーツァルトの言葉に耳を澄ませている姿が浮かんできます。
第3楽章
少々テンポを落とした表現が曲想を良く捉えています。この辺りもバランス感覚の秀逸さを感じさせます。
第4楽章
真に秘術の限りを尽くしたアンサンブルの妙。今まで聴いたことがない様な世界が展開するのです。デモーニッシュなものが水面下にあることを大袈裟にではなく、さりげなく聴く者に知らしめる技量には本当に感服させられます。
純潔・静謐の中に疾走する悲しみ。
モーツァルトの歌、そして静寂・・・ブールの精神の芸術。
|