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ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
フェルディナント・ライトナー(指揮)
シュトゥットガルト放送交響楽団
CD・ステレオ・録音:1983年11月14日、リーダーハレ、シュトゥットガルト
hänssler CD93.052
ライトナーのブルックナーの素晴らしさは、第6、第7と聴き進んできて愈々思い知らされるところとなりました。
そうなると、第9への期待は弥が上にも高まります。
米国アマゾンに在庫があったので速攻で注文、待つこと10日間ほどで入手出来ました。
第1楽章 第1主題のダイナミクスの取り方は真に圧巻。第1主題がこれほど雄大に奏された例を他に知りません。それでいて響きそのものにライトナーならではの透明感が一貫しています。オケは全力でライトナーの指揮に応えています。自在なテンポ・ルバート、木管のフレーズ一つに付けられたスフォルツァンドにも深い意味が籠められ、 各パートやパッセージを構築的に展開し、実に立体的な音楽が響きます。
恐るべき厳しさの中に永遠が語られていくことに気付くのです。もうこれは異次元の音楽!
第2楽章 テンポ・バランス共に中庸でいて、オケの鳴りが深いところが並みではありません。渦を巻きながら集中と拡散を繰り返す、時に壮絶なる響きの嵐。しかし、決して自分を見失うことがないのです。呼吸を戻すさり気なさの中にも名匠ライトナーを実感させる楽章です。 第3楽章
響きの背後に、実に広大なる透明・清澄が存在します。厳格な意志の力が抑制と解放をコントロールしつつ、深遠の世界を描き出す様は真に感動的です。ライトナーはどこまでも冷静な目で楽曲を見つめているのです。 音楽の流れそのものに思索と瞑想が感じられ、トゥッティでは壮絶なまでの高揚感が齎されます。弱音部もきちんと彫琢され、表現が美しいのもライトナーの特徴でしょう。 終結部ホルンのテヌート後の静寂がこれほど深く胸に迫る演奏は、滅多に聴けるものではありません。 個人的にこの演奏は、ヴァント/ミュンヘン・フィルのライブ盤(sardana SACD-105/6)、シューリヒト/ウィーン・フィルに並ぶ超名演と思います。音量の大きい部分でやや歪が感じられ、録音状態は必ずしも良くないですが、鑑賞には支障がないレベルと思います。
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