心に響く音楽を訪ねて

音楽は心のオアシス オーディオは音楽の為に.

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バッハ:
・イギリス組曲第1番イ長調BWV.806
・イギリス組曲第2番イ短調BWV.807
・イギリス組曲第3番ト短調BWV.808
・イギリス組曲第4番ヘ長調BWV.809
・イギリス組曲第5番ホ短調BWV.810
・イギリス組曲第6番ニ短調BWV.811

アナトリー・ヴェデルニコフ(ピアノ)

CD・ステレオ(6番のみモノラル)・録音:1962年、1978年

Venezia CDVE04364



調和の美学・・・ヴェデルニコフのバッハ

ここにあるのは額に皺を寄せたバッハ像ではなく、静謐・精妙・端正な中にそこはかとない深みを感じさせるものです。瑞々しく、清々しい美しさも兼ね備えています。

ロマン主義的な表情も持ちますが、傾き過ぎることがありません。常に心で感じながら客観性を忘れないヴェデルニコフならではの集中力が貫かれた見事な演奏。

只管、音楽を窮めようとする真摯な姿勢。

ヴェデルニコフの演奏を聴けること、録音として残されたことを我々は感謝しなければなりません。

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モーツァルト:ロンド イ短調 KV511
         幻想曲 ハ短調 KV475
         ソナタ ハ短調 KV457

アナトリー・ヴェデルニコフ、ピアノ

CD・ステレオ・録音:1977年、モスクワ

DENON COCQ-83962


モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番 変ロ長調 KV450※
         ピアノ協奏曲第23番 イ長調 KV488

アナトリー・ヴェデルニコフ、ピアノ
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮
ソヴィエト国立放送交響楽団

CD・ステレオ・録音:※1971年、1967年、モスクワ

DENON COCQ-83961



「智・情・意の調和と優美=客観と厳格」の中に、生きる喜びと慟哭を認める、ヴェデルニコフのモーツァルト。

この驚異的な演奏を前にして、言葉を失い、奏でられる音楽に只管聴き入ります。

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《略歴・ライナーノートより要約》
アナトリー・ヴェデルニコフは1920年5月5日、ハルピンに移住したロシア人の家庭に生まれた。早くからその才能を開花させ、神童ピアニストとして話題を集めた。

1935年には来日し、ソロ・コンサートに加えて、モギレフスキー指揮・新交響楽団(NHK交響楽団の前身)と共演を行っている。翌1936年にはロシア(当時のソビエト連邦)に移り、ゲンリヒ・ネイガウスの許で研鑽を積むことになった。しかし、1年と経たない内に、父親がスパイ容疑で逮捕・処刑され、母親は強制収容所送りとなってしまった。

こうした苦難の中、心の支えとなったのは師ネイガウスであった。ヴェデルニコフはネイガウスからリヒテル、ギレリスと並んで高い才能を持つ弟子とされた。

外国での演奏活動が許されたのは60歳を過ぎてからで、欧州各地で客演を行なった。1993年には58年振りの来日を予定していたが、その直前に病死してしまったのだった。
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こんなに素晴らしいモーツァルトを弾く人が、旧ソ連にいたとは!

大袈裟なことは一切しませんが、僅かなテンポ・ルバートやペダルのコントロールが音楽に輝かしい生気と深みを齎すのです。

Q:過日、絶賛し捲くった河村 尚子のモーツァルトとどちらが良いのか?

A:意地悪な質問〜両方共良い!!!としか言いようがありません。(まるで答になっていない)(^^ゞ

独奏曲の演奏はどれも凄いです。音楽に真摯に対峙しようとする姿勢が一貫しています。楽曲を自らに包摂しつつ、客観的であろうとする「最も困難なこと」に挑戦し、見事に成功している稀有な例でしょう。

協奏曲はKV488目当てで買いましたが、演奏はKV450の方がより生き生きとしつつ透徹している様に感じました(録音のせいがあるのは勘案しても)。いずれにしても、極めて高水準の演奏です。

実に清澄な響き、広い空間の中でモーツァルトが書いた音符達がここぞとばかりに蘇ります。時に旋律は美しい弧を描きながら、聴く者を深い感銘の世界へ誘うのです。

ロジェストヴェンスキーのサポートも見事です。純白に輝くしなやかな弦の優美、広い空間を感じさせるタクトの妙、控え目でいながらきっちり壺を押さえたバランスの良さ、ピアノとの息もぴったりで、ロジェヴェンの新たな一面を思い知らされました。

子供のような純真さと深い精神性を併せ持つ、たおやかにして強靭な内面を感じさせるモーツァルト。

音そのものの何という美しさ!ハスキルやクリーンを彷彿とする響き。本当に目頭が熱くなります。

ヴェデルニコフのモーツァルトは、録音が少ないので大変貴重なものです。KV488は生前ことあるごとに好んで演奏していた様ですし、もっと多くの録音が発掘されることを切に願います。

彼のCDは、バッハもベートーヴェンも全部、聴かねばなりません。個人的には、リヒテルやギレリスよりずっと好みです。途轍もない演奏家だと思います。

悲運のピアニスト、ヴェデルニコフの崇高なる芸術。

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ウィグモアホール・ライブ

ミエチスラフ・ホルショフスキ(ピアノ)

CD・ステレオ・録音:1991年6月4日、ウィグモアホール、ロンドン、ライブ

WIGMOREHALL LIVE WHLive0023



ミエチスラフ・ホルショフスキ
1892年6月23日〜1993年5月22日 ポーランド生まれ

ショパン直系の弟子筋に当たりながら独奏者としては殆ど知られず、カザルスやシゲティとの合わせものを永年手掛けてきた自他共に認める地味なピアニスト。

そのホルショフスキが脚光を浴びたのは、90歳を超えてからのことでした。
この録音は、何と98歳の時のものです。格式の高いウィグモアホールでのコンサート。



モーツァルトのKV570が始まったその瞬間に、心は別世界へ連れ去られてしまいます。神々しいとは、こういう演奏を言うのでしょう。

まるで神の啓示に従うかの如く、ひとつひとつの音が、あるべき瞬間に、あるべき姿で、そこにあるという厳かなる驚嘆。

音そのものが美しい。自由奔放でありながら客観性も併せ持っています。

流石にご高齢なのでミスはあるものの、奏でられる音楽があまりにも素晴らしいのです!

モーツァルトの愉悦、ベートーヴェンの高潔、ショパンの優美、シューマンの憧憬・・・彼の描き出すどれもが私を惹きつけて止みません。

ダイナミックスのコントロールも瞠目すべきものがあります。まるでピアノでなくてフルオーケストラを聴くような錯覚に陥ってしまいます。

空間に立体的に鏤められる響き・・・楽器の介在を忘れさせる心象世界。

実に自然な息吹の中で、こうした奇跡が行なわれるのです。大袈裟であったり、これ見よがしなところがどこにも見当たりません。


それは、ただ「音楽の為にだけ」存在します。


ホルショフスキの音楽・・・至福の時。

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1.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第18番ニ長調KV576
2.シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959
3.プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番イ短調作品14

河村尚子、ピアノ

CD・ステレオ・録音:2002年6月、Coservatoire Superieur de Paris

DiscAuverS AUVERS DAS001


河村さんのモーツァルト、入手難でHMVに注文後何週間か待ちましたが入荷せず、これは無理っぽいので河村さんの本拠地ドイツのアマゾンにアクセスしてみると、ありましたありました♪早速、注文ボタンをポチ。

驚いたのは配達の速さです・・・注文後、何と中3日で手許に来ました。カナダにオーディオ部品を注文した時も配達が速いですが、ドイツも流石です。国民性ですか・・・まぁ、店の担当者の対応如何でもありますね。CDの価格より送料の方が高くつきましたが、トータル3千円くらいで入手出来ました。


さて、このモーツァルトです。

本当に素晴らしい!宇野功芳氏が嫌うところの、女性的で小味なモーツァルトではありません。きりっと引き締まった清潔なタッチ、非常に繊細で陰影に富みながら、背筋のピンと張った芯の強さも併せ持っています。この、たった一音で「喜び」と「悲しみ」を描き分ける手腕には頭が下がります。こんなことは、ホルショフスキーで体験して以来のことです。どれ程の鍛錬をしてここまでの技術を身につけたのでしょうか・・・技術と音楽性が高次元で結びついた驚異の世界。

ハスキルやホルショフスキー・・・その演奏の神々しさ。河村さんも間違いなく、それらと同じ類のものを持っていると感じます。微かなテンポ・ルバートに籠められた深い思索の跡。

思わず、ワルター・クリーンとリリー・クラウス(68年録音)のCDを取り出して、KV576を聴き比べてしまいました。簡単に言うと、河村さんの演奏はクリーンより自然で、クラウスよりニュアンスが豊かです。河村さんの響きは、常に立体的(構造的)で生き生きとしています。

シューベルトもプロコフィエフも、見事な演奏です。作曲家の特質・語法を自らに取り込み、自在に音として表現する・・・その直観力は瞠目に値します。

河村さんは、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、シューベルトの交響曲もかなり聴き込んでいらっしゃるとのこと。そうした音楽が、少なからず河村さんの響きに深みを与えている様に思われます。

録音は2002年6月ですから、河村さんが21歳(1981年5月生)の時のものです。前回記事のそれから6年余り経たショパンも実に感動ものでした・・・これからも本当に期待されるピアニストです♪

尚、ジャケットにシューベルト:ピアノ・ソナタ第22番とあるのは、第20番の印刷ミスと思われます。当記事の方は修正しております。

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河村尚子ピアノ・リサイタル

5月16日(土)18:00開演 フィリア・ホール(青葉台)


先日、CDで河村さんのショパンに痺れ、即、コンサート・チケットを手配したのでした。

今回のリサイタル、本当に素晴らしかったです。

スカルラッティの精妙な世界、何と多様な音を出せる人なのでしょう!技術もさることながら、音に魂が籠もっているのです。格好だけでなく、本当に精魂籠めて弾いていて、音に見事にそれが現れています。しかも自然で美しい・・・この空間と深み。思わず、固唾を呑んで聴いてしまいます。

ベートーヴェンについても、その作品の魂を追って止みません。終楽章は、やや硬い感じを受けましたが、聴かせる演奏でした。

ショパンは、期待通りの素晴らしさでした。否、期待以上でした。ピアノを聴いているというより、さながらオーケストラを聴いている様な錯覚に陥ります。変幻自在なタッチ、ダイナミクスのコントロールが本当に巧いピアニストだと思います。
ただ、中間の休憩後、最初のプログラムだった舟歌は、CDより早めのテンポで流れを重視して始まったのですが、右手と左手の音が微妙に合わず、右手の和音を弾き違えるところがありました。その後、かなり立ち直ったのですが、どうしても吹っ切れずに終わってしまいました。舟歌はかなり期待していたので、これは残念でした。やはり緊張があったのでしょうか?
夜想曲、バラード第3番、アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズは、もう只管、感動の世界です。弱音の美しさも瞠目に値します・・・ショパン自身の生前の演奏を想像して、河村さんと重ね合わせてしまいました。

楽譜から生きた音楽が飛翔する瞬間に居合わせられる喜び!

アンコールは・・・
1.ショパン:夜想曲第20番遺作
2.プロコフィエフ:ピアノソナタ第2番より第2楽章
3.フォーレ:即興曲

1は河村さんのアンコール定番ともなっている曲です。演奏の素晴らしさは言うまでもありません。2は、ダイナミックでショー・ピース的な面白さもありました。3は、それこそショパンの影響を受けたフォーレの曲です。

演奏後、会場の拍手が止まず、アンコール要求が続くので、最後に河村さんがもうお仕舞といった仕草でピアノの蓋を静かに閉めるという微笑ましいエピソードもありました。

本当に心に響くコンサートでした。

リサイタル後、サイン会があったのでしっかり並びました。ミーハーですかね。(^^ゞ
音楽誌”CHOPIN”の表紙下にサインを頂きました。大切な記念になりました♪
私が「CDは、既に自宅で涙を流して聴いております。」と言うと、河村さんは「有難うございます。」と微笑んでいらっしゃいました。可憐でいて、芯の強さを感じる女性ですね・・・確かにオーラがありました。

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