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昨日、長野県知事選挙の投票・開票が行われ、田中康夫知事を破って、新しく村井仁氏 が新知事に当選した。正直過去の人と思っていた村井さんが今回勝つとは思わなかっただ けに驚いています。 村井氏は69歳。羽田さんはじめとして比較的民主党系が強い地域で、宮沢内閣の崩壊時 に、自民党を離党、新生党、新進党と羽田・小沢両氏と活動を共にして、新進党の解党後 は自民党に復党します。小泉内閣で防災担当大臣を務めます。その後昨年の郵政選挙 での反対行動から総選挙立候補を断念して、政界から引退していました。 彼の経歴、そして年齢的なものを考えると時計の針が戻ったように感じられます。国務大 臣時代の彼の記者会見などからの印象では実直な人柄は伝わってきますが、それでも過去 の人を引っ張り出してきた印象がぬぐえません。 この現象を解釈するには様々な視点からの検討が必要でしょう。1つは現職田中さんへ の不満。脱ダム宣言に象徴される長野県における政官業の癒着にメスを入れるという姿 勢への共感と同時に、次のあるべき社会構築への道筋が一向に進まないことへの県民の失 望がありましょう。長野のことがサッパリ進まないのに昨年のように国政選挙には熱心で は、困るというのが率直な県民に感想ではないでしょうか。 田中氏にも言い分はあります。実際には県の財政を黒字化に転換し、これから新長野を構 築する基盤が整い始めているのだと。でもそのことは十分に伝わっていなかったように思 います。6年前の初当選時からのコアな支持者とのコミュニケーション不足が窺われます。 2つ目に先月の豪雨による岡谷市を中心とする激甚災害。これが脱ダムを否定する方 向に向かったのでしょう。メチャクチャなダムはともかく、砂防ダムのように治水工事は 必要だ、村井さんは防災担当大臣だったし、その面で精通している、との見解が力を持っ たのは容易に想像できます。 3つ目に田中氏は民主党の小沢氏と密接です。おそらく昨年の新党も小沢遊撃隊的な役割 があったと考えます。それに対し民主党としては田中氏を公認・推薦することはしま せんでした。給与カットなどを原因とする県職員の不満がその背景のようです。自治 労を抱える連合では、田中氏の全面支持はできない。その意向を民主党も尊重したのでし ょう。これに対し、村井さんは伝統の自民支持組織にローラーをかけます。組織選挙 の復活でしょうか。 この動きを、小泉さんや武部さんも容認します。1年前は反小泉で事実上の引退に追いや った人物に対し、表面はともかく事実上自民公認として扱います。この辺が来年の統一地 方選、参議院選のモデルケースになりそうな予感がします。つまり、昨年切り捨てた人物、 グループであっても、全国的な追い風が吹かない中での選挙では、それらの人物との関係 修復を図りつつ、自然と取り込んでいく手法です。そしてその組織をフル稼働させていく。 良くも悪くも自民党の柔軟性を感じさせます。 このように考えると田中さんは今回天の利、地の利、人の利のいずれも喪失していた のではないでしょうか。厳しい結果になったように思います。しかしながら、改革路線・ デフレ対応型の社会構築を目指すことは誰がトップになっても変わらないでしょう。この 路線に反すれば、即ち長野県の破産を意味するでしょう。その方向を村井さんが舵を切り 続けれるのか私は疑問です。県職員の人件費抑制問題一つをとっても進まないと私は 考えます。公共事業の割増単価傾向の復活もありえます。 これからの4年間に長野がそのような選択をしたことに強い後悔の念を持たないことを祈
ります。まあ、奇跡的に長野経済が勃興するのであれば、問題は表面化しないでしょう。 でもこのシナリオの実現性は限りなく低い。厳しいでしょう。私の県も来年知事選挙があ ります。現職は全国的に有名な知事さんですが、長野と同じ構図の選挙になることも十分 ありえます。他所のことと考えず、良いシュミレーションにしたいと思います。 |
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