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秋が深まってくるにつれ、時間を見つけては薪の原木を玉切りして割っている。 乾燥期間が必要なので、今年のうちに割っておくものは今回の冬ではなくて来 年の冬用になる。現在、薪にしている原木の供給源は実は2つあって、 1 消耗品を購入している最寄りの薪ストーブ専門店の社長さんの口利きで、 隣町(軽トラで20分程度)の梨園が伐採した木を頂いたもの そのお店のURLがここ http://store.shopping.yahoo.co.jp/fransis/index.html 2 うちから4軒ほど離れた元農家の庭で雑木を伐採したもの 薪割りというのは単純作業のせいか、様々な思いが頭の中を巡る。「きっと いにしえの人達は食べ物とエネルギーを確保するためにこうして働いていたの だろうな」などと、ちょっと格好つけた事も考えながら黙黙と薪を割り続ける。 電気ガスが普及する前には、山間部が殆どをしめる日本国土でも人間が住める 平坦なところを人里として使い、人里から日常的に足を踏み入れるのが困難な 急峻な山とのあいだには、そこで暮らす人が利用できる土地があった。現在で は「里山」といわれるその土地は、人口の増減に伴い拡大と縮小を繰り返し ながら資源や食料、そして主にエネルギーの供給地として存在していた。 今の大都市周辺で木材がエネルギーとして重宝がられる事は無いが、歴史を 振り返れば、例えば平安京が築城された際には周辺がほぼ全て禿山となってし まったほど、日本では(そして世界でも)木をエネルギーとして使用していた。 この点だけを考えると、木材や食料という有機物を山から里にほぼ一方通行 で降ろしていたように感じる。人間の活動のみは確かにその通りであるが、 もしそれだけであれば、長い歴史のうちに山は栄養分を失い動植物が育ちに くい環境になっていってしまっただろう。 それでは逆に、人里から山に有機物を「逆流」させるシステムにはどのような ものがあったのだろうか? うちでは冬の薪ストーブの灰を庭の肥料として撒 いているが、昔の人々がわざわざ薪を燃やした灰を持って山にまきに行ってい たとは考えにくい。3点ほど考えてみた。 まず1点目は、太陽の光とそれにより行なわれる光合成によるエネルギー補給。 ただし、太陽のエネルギーは莫大であるにしても資源の持ち出しばかりする 里山と人里の関係においては、それのみでは足りない気がする。 2点目としては、例えば川を上がる魚の存在が思いつく。僕が子供のころには なぜかどこの家庭でも北海道の木彫りの熊がテレビの上に置かれていたが、 あの彫刻のように川を遡る鮭を熊が取り、その食べ残しが川岸に放置されるこ とにより山の栄養分となった。また、熊のフンは川から離れた森林内にも有機物 を運んだ。だが、日本全国どこにでも川があり鮭と熊がいるわけではない。 そこで3点目として、鳥(とりわけカラス)の存在がある。鳥は太陽のあるうち に人里で餌となる有機物を捕食して、夕刻には山にある巣に帰りフンをする。人里 と里山はカラスを通して栄養分をやり取りしていると考えても良いのかも知れな い。 東京はゴミをあさるカラス被害に悩まされており都知事はカラス嫌いとして有名 らしいが、むしろカラス被害として問題なのは現在のように大量の輸入食品とそ の食べ残しをカラスが山に運んでしまい、逆に放置林の問題のように森林からは 持ち出しをしていないことから、特に都市近郊の森林での富栄養化が進んでしまう 事のほうがもっと大きな問題である気がする。自然は全て繋がっていて、循環を どこかで止めてしまったり過度に摂取してしまってはいけないのだ。 Mrs. Winterに「子育てブログになっちゃったね」を言われたので、久しぶりに 原点である森林の話を書いてみました。写真はガレージの中にとりあえず積んである 薪です。薪棚も増設しないと・・・ 人里から里山に有機物が「逆流」する仕組みについて、上に書いた他の提議がある方は
是非とも教えて下さい。 |
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大変面白い視点ですね!そういえば、人間と森の関係って一方通行かも。ウーン。
前にニューイングランドの森の毛虫がすさまじいという話をしたのを覚えていらっしゃるでしょうか?その時に知ったのですが、毛虫のせいで、森の一部が枯らされてしまうくらいすごいのですが、大量発生の翌年くらいになると、必ずその毛虫を殺す菌類が登場して、毛虫の数が調整されるんです。そして全滅はしないんです。きっと毛虫も土の栄養に一役かっているのでしょう。森の自浄作用ってすごいと思います。
で、思ったのですが、見た目にはわからないレベルで、有機物が湧き出ているのかなあ?と。
2008/10/29(水) 午前 9:04
>Cheeさん 古来人間は森から資源を持ち出していたために、いつからかその恵みを神秘的なものとして捉えるようになったのかも知れません。森に神様が棲むという話しはどの文化でも共通なのではないでしょうか。もうすぐ薪ストーブに点火する時期ですが、今年も森の恵みに感謝して火を焚くことにします。
昆虫類は移動距離が短くしかも生存期間も長くないために、森に栄養分を返す役割としてはあまり機能していないと思いますが、何らかの原因で増えすぎた場合には菌類や天敵が適度な数にまで戻してくれるんですね。
2008/10/29(水) 午後 7:11 [ boeing787 ]
森林資源は基本的には光合成がありますので一方通行の流れで事足ります。太陽光と空気と雨で木は育ちますし、広葉樹であれば伐採しても切り株からまたひこばえが生えてきて再生します。有機物は草木が自分で作ります。すごいシステムですよね。
2008/10/29(水) 午後 9:25
あの都知事はどうしようもない馬鹿野郎ですね。新銀行東京、オリンピック、卸売市場移転といい、頭がおかしいとしか思えません。話題がそれましたが、うちにも熊の木彫りがありました。昔は当たり前のように循環していたのですな〜。しみじみ。そう言えば、山が痩せると雪解け水に養分がなくなり、海のプランクトンも育たなくなるとか。リニア新幹線の誘致に躍起になっている場合ではありませんな。
2008/10/29(水) 午後 9:31
>Harryさん 仕事の話で恐縮ですが、成田空港では2本の滑走路があります。78年の開港当初からあるA滑走路よりも02年に新しく出来たB滑走路のほうが鳥類が多く、したがって航空機との衝突も多いのです。新しい地域は草を刈って持ち出された回数がまだ少なく、したがって土が肥えているために(同じ周期の草刈をしても)雑草が茂りやすく、虫がつきやすいために鳥が捕食しにやってくるそうです。古いほうの工事地区は痩せてしまって、虫も鳥も寄り付かないのです。現在の都市近郊の雑木林も、私たちのような薪ストーブユーザーが増えるとひょっとすると栄養分の持ち出しが増えすぎてしまうかも知れません。ここでも大切なことは、適度な消費でしょうね。
2008/11/1(土) 午後 2:04 [ boeing787 ]
>Blackさん 僕は先月、函館に出張で行ったのですが、あの木彫りの熊は最近はさすがに土産店でもあまりみかけませんね。(あと、アイヌ人形というのでしょうか?あれも見られませんでした。)それはともかく、リニア新幹線なんか要りませんね。協力な磁力を使って動かす高速な乗り物は、供用開始後にそれまで想像もしていなかったような副産物が出てきそうな気がします。(乗客への健康被害とか、路線周辺での環境悪化とか)
2008/11/1(土) 午後 2:13 [ boeing787 ]
「自然は全て繋がっていて、循環を
どこかで止めてしまったり過度に摂取してしまってはいけない」のに同感です。この繋がりが見えなくなっている、あるいは見ようとしないのが問題ですね。森林の国スウェーデンでは木材や産業用パルプの廃棄物を燃料(ペレット燃料)としていますが、燃料として燃やした後の灰は、森林に戻しているそうです。
2008/11/4(火) 午後 1:49
地下水の循環ってのもあるのでしょうか?
地下水は地表の様々なミネラル分を取り込むので井戸水でも乾くと白いかたまりが出来ます。
だとすると巨木が深く根を下ろし里の水脈からミネラル分を吸い上げて落葉することで周囲の木々にミネラル分を供給するって仮説が出来ます。つまり巨木は山の守り木ということになる。
とすると・・古来より巨木を御神木としてまつり大切にする行為は自然科学的にも意味があるとも考えられます。
でも、やはり摂取のバランスが必要で過度の摂取は山を衰弱させると思います。
2008/11/6(木) 午前 7:57
雑草は、自ら、土を作れるから、立役者は、やはり、雑草かもね?
人間の世界は、皆、偉くなってしまって、雑草みたいな人が、少なくなったような気がするなあ。
2008/11/9(日) 午前 10:50 [ P&B ]
>Chichanさん 流石に歴史ある森林経営の国ですね。フィンランドでも木を伐採して皮や枝などの栄養豊富な部分は森林内に戻しておくと聞いた事があります。今年薪の原木を頂いた家の庭に灰をまきに行くとするか…ちょっと嫌な顔されそうですが。
2008/11/9(日) 午後 7:59 [ boeing787 ]
>sniperさん そう考えると木は水もミネラルもくみ上げているんですね。ちなみに、うちも外に井戸水のポンプがあり洗車や水撒きなんかに使っています。車を洗ったあとに白いシミだらけになりますが、気にしないことにしています。わっはっは。
2008/11/9(日) 午後 8:03 [ boeing787 ]
>P&Bさん 雑草を引っこ抜いて積んでおくとミミズやムシが来て結構立派な土になっていきますよね。全ての雑草はパイオニアプランツなんでしょうか。「雑草みたいな人」に子供を育てようとする人も今はいないですよね。なんだかエリート教育をするのが親の義務みたいに思われていて、あれはいかがなもんかと・・・
2008/11/9(日) 午後 8:06 [ boeing787 ]
はじめまして
まったけさんの紹介で参りました。
里山は、収奪される一方だったのではありますまいか?(自然のある程度の循環があったとしても)
それ故の、余り豊かでない植生になったのでしょう。
つくば市でも薪ストーブをつかう先生方が多いみたいです。
循環型社会の一つの有用なツールにされていますね。
2009/2/1(日) 午後 10:37 [ 綾波シンジ ]
>綾波シンジさん はじめまして。豊かさを希求する中年男のブログへようこそいらっしゃいました。
おっしゃるとおり、人間と里山の関係だけを見るとエネルギーとして薪を持ち出し、木の実やキノコを採取し、落ち葉を堆肥用にかき出すなど収奪される一方でした。さらに大きく見れば、山に降った雨を水田に蓄える稲作なども山のミネラル分を利用する方法のひとつです。しかし、全てが一方通行ではないというのがこの記事の主旨です。もし、カラスなどの鳥がいなくなったら山の養分(有機物)は今よりもかなり減るでしょう。
薪ストーブ、いいですよ。なんせ努力次第ではエネルギーがタダで手に入るわけですし(笑)。
2009/2/2(月) 午後 9:05 [ boeing787 ]
>もし、カラスなどの鳥がいなくなったら山の養分(有機物)は今よりもかなり減るでしょう。
同感です。
このフラックスの量的評価をした研究、見たこと無いなぁ。あるのでしょうか???
貸しアパート住まいは、なかなか行動の自由がきかないですね(悲)
2009/2/3(火) 午後 1:05 [ 綾波シンジ ]
>綾波シンジさん そういう研究はフィールドワークが難しいでしょうね。例えば東京のカラスがどこに巣を持っているかということでさえ、ちゃんと調べられているのでしょうか?
自然は適度に利用すれば必ず元に戻る仕組みになっていますが、今では人間が増えすぎたことが環境悪化の主な原因ですよね。化石燃料を燃やさないと人口維持が出来ないわけですから。
2009/2/8(日) 午後 3:39 [ boeing787 ]