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競争あおる学区拡大 兵庫県教委発表 12/20
不本意入学 遠距離通学強いる
ずしり=生徒・保護者の負担
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学校・教育
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兵庫県教育委員会
兵庫県高等学校通学区素案 パブリックコメント係様
兵庫県高等学校通学区を拡げる素案の説明を篠山で拝聴しました。
30余年前、小学区制を改め現行の中学区制(一部は大学区制)にした時は「いっそう広い範囲から、自分の個性や希望に見合う高校を自由に選ぶことができるようにする」ことでした。今回の素案はそれを一層拡大するものです。三十余年前の中学区制の競争原理の矛盾は拡大するだけ、子どもも保護者も経済的負も精神的負担も増大するだけです。
30余年前、篠山ではどうであったか。ご存知の通り競争率の高かった入学したい氷上郡の高校から、第一希望ではない生徒が大勢、篠山鳳鳴高校と篠山産業高校へ殺到しました。
自転車で汽車の駅(市島や黒井など)へ、そこから単線の福知山線で篠山口へ、そしてバスに乗り換え、あるいは篠山用の二台目の自転車に乗り換え学校へ・・・。合計片道約一時間から長い者はニ時間以上もかかる生徒も少なくありませんでした。往復すると2時間から4時間以上になります。3年間の本人と保護者の負担は小学区制のときとは大変な違いでした。
多紀郡(現篠山市)で地元高校を締め出された生徒は、殺到のあおりで逆に氷上郡、三田市の「個に応じた」あるいは「希望しない」をあたたかく受け入れていただける県立高校へ、やっぱり2時間から4時間以上もかけて通学しました。あるいは福知山、三田、園部の私立高校へ高い授業料、交通費、時間、そして精神的重荷を背負いつつ通いました。希望とのギャップで中途退学する者も一二ではありませんが大半の生徒も保護者は、ついにはあきらめ、順応したものもいます。これが理念上だけ、高校にも、普通科と職業科、コースにも上下の「差別はなく」、「個に応じた希望の選択」をした30余年現実でした。
子どもが小学校の時は、保護者も子どもも青雲の志・・・しかし中学になって自分の位置が日々はっきりしてくると、希望と現実のギャップに悩みは深まります。
「A校以外は高校やない」と自分の出身校にこだわり、子どもに強いる親もいました。そのほかに校風、歴史、伝統、偏差値等の違いにより、世間の格付けも固まり、なくなりそうにはありません。こどもができないと「お母さんが恥ずかしい」などと叱られています。
B君は『アホのいく学校』と聞かされたⅩ高校にしか自分の行き先のないことがテストごとに明らかになってゆきました。生徒の苦しみはどんなものであったのでしょうか。行動が目に見えて悪くなっていく生徒を追って、親とともに探しまわり、相談し、夜も勉強したたこともありました。内向する生徒は寡黙症、不登校へ、外向する生徒はいじめ、暴力,逃避…とご存知のとおり多様でした。
学区制を改革するには、理念や観念を机上で細工するだけでなく、こうした子どもや要保護、片親、障害の保護者等の実態を十分理解し、分析して制度を作っていただきたいものです。
たった1時間の質疑とパブリックコメントだけ済ませるほど軽々に進めることではありません。
この三十余年の中学区制の中での子どもの現実を総括し、もっと心を込め、丁寧に、科学的につかみ、寡黙症、不登校、いじめ、暴力,逃避中退、ニート・・・の進路と生存権の保障まで考えた改革案を示していただきたいと願います。
21世紀は、前世紀の弱者を排除する自然淘汰の経済理論・教育理論からではなく、すべての国民の健康で文化的な生活を営む権利が保障される教育の原理が輝く世紀になるようご尽力いただきますよう切望します。 (石田宇則)
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