私の思いと技術的覚え書き

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事故車見積の難しさよ

 事故車見積に携わり約30年を経る筆者ですが、今でも感じるのは事故車見積の難しさです。「そんなものは、作業が終わって見なけりゃ判る訳がないでしょう」なんていう方は、そういうのは見積書でなく単なる請求書のたぐいだろうと思ってしまうのです。
 見積とは作業以前に、行われるであろう作業を想定し、要するであろう作業とその費用を算出するものです。分解しなくては見積できないという意見も時々出ますし、場合によるのでしょうが、一般的に極簡易な分解程度の中で、外面に表れた損傷は当然のこととし、内部裏側に隠された損傷を的確に想定し見積作成するのが、事故車見積の真髄なのだと考えています。
 さて、今回やはり見積は難しいなと思ったクルマですが、商用バンの世界的ベストセラーカーである、写真のハイエース200です。現車は左前部(左フロントピラー)の比較的高い位置にかなり強い入力を受け、フロントピラーの後退は著しく、衝突時に支えとなるフロントドアも大変形しています。想像するに、停止中のトラック荷台にでも衝突させたのかと見受けられました。
 ちなみにこれだけの大きな前部ボデー損傷ですが、装備されたエアバッグは作動していません。インストルメントパネルの助手席が後退量はかなり大きく、助手席乗員が搭乗中であれば、その脚部など相当に負傷したでしょう。やはり、車体強度の多くを負担するサイドフレームに入力を受けなかった、すなわち車体上部の比較的剛性の低い部位のみで衝撃を吸収したことで、減速Gそのものも小さかったからと考えられます。
 見積の話しに戻ります。正直、ダッシュパネル(Frインナーパネル)やカウルパネルの損傷は、かなりの酷さで生じているものと想像はしていました。その中で上部のカウルパネルが、ここまで酷い損傷を生じているとは予想外の感を持ったのです。これでは、板金可能と判断したカウルパネルですが、箱断面を持つ構造でもあり、中央部付近まで何カ所か箱が潰れていることや、フロントガラスの接着面の曲面を復元する困難さなどを考慮すると取替が妥当となるのでしょう。
 もう一つ、ハイエース200に左前部損傷で考慮したいことですが、インストルメントパネル左側下部にジャンクションブロックが装着されていることは留意が必要でしょう。ジャンクションブロックは、ワイヤリングハーネスや各リレー多数が結合されています。本件車でも、作業の都合上、ダッシュパネル外側のハーネスを、各部位で切り離し室内側に引き抜く作業が付随作業として出てくることが予想されます。なお、作業者の不慣れもあるのでしょうが、この様なワイヤリングハーネスの脱着作業は、予想を超えて手間取る場合がありますが、見積評価は案外低くなされている場合が多いのではないでしょうか。
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2012/10/4(木) 午後 3:58 [ rrrrr ]


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