私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画,、乗り物系全般、好きのエンジニアの放言ブログです。

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 ガソリンやディーゼルの内燃機関の始動方法ですが、スターター(セル)モーターによる始動方法が一般的です。小型のバイク等では、キックといって、足動式のレバーでクランクを廻して始動する方法もありますが、今は50ccの原付でもセルモーターが付いている様です。

 ところで、エンジン始動に困難となるのが、寒冷な季節です。寒くなりますと、エンジンオイルの粘度が高く(硬く)なり、エンジンの回転が重くなりますし、バッテリーの起電力が落ちてしまいます。

 昔、弱ったバッテリーに、お湯を掛けて再始動を試みた経験がある方もいるんじゃなかろうかと思います。また、昔の消防署には、停車中の消防車のオイルパン下部を余熱しておき、緊急時の始動を容易にしてあったものでした。その後も、ディーゼルエンジンのシリンダーブロックに、家庭用AC電源で予熱できるヒーターを内蔵したものが今でもあると思います。そんな、寒冷時の始動悪化も、極寒冷地を除いては、マルチグレードオイルやバッテリーの高性能化で、今や昔の話です。

 ところで、エンジンを始動するスターターモーターですが、現在ではリダンクションモーターと呼ばれる、モーター内のアマチュアの回転に減速機構が採用されているものが増えています。この方式は、スターターでのクランキング中にキュンキュンと高めの音を出すのでスクが判ります。それ以前は、減速機構がなく、モーターのアマチュアで直接ピニオンを廻す方式がほとんどだったと思います。このタイプは、シュルシュルとリダンクション方式より低い音です。

 この昔のスターターモータで古いものは、アーマチュア(回転子)の前後の軸受けの燐青銅製ブッシュが摩耗し、アーマチュアがステーター(外側固定コイル)に接触して、回転力が低下する現象がよく生じたものでした。こういうスターターは、外して無負荷で空回しして見れば、回転が重いので直ぐ判ります。

 ところで、スターター内部のリングギヤと噛み合うピニオン部には、ワンウェイクラッチが必ず使用されています。スターターでエンジンを始動してスロットルを開きますと、スターターが噛み合ったままですと、エンジン回転の10倍位でスターターが廻され、過回転でスターターが壊れますから、それを防止するためのワンウェイクラッチです。でも、偶にイグニッションスイッチの戻りが悪かったり、接点が溶着したりすると、エンジン始動後もスターターが回り続け、モーターの加熱から火災にまで至るケースもあるのです。この問題は、確か三菱ふそうでも、リコールを起こしていたはずです。

 話は若干変わりますが、ゼロ戦等の星形多シリンダーエンジンでは、慣性始動装置というのが使用されていたそうです。これは、エンジン後部にクラッチ機構を持ったフライホイール(はずみ車)があって、このフライホイールを電動もしくは手動クランクで一定速度まで加速回転させ、その勢いでクラッチを接続してエンジンを始動するという方式です。今でも、小型のディーゼル発電機等で、手動ハンドルでフライホイールを回転させ、この時デコンプというレバーで吸排気バルブを押し下げて圧縮を抜いて軽くしておき、フライホイールの速度が上がったら、デコンプレバーを戻すて始動するというものです。

 最後に、写真は1962年のプリンス・グロリア(S40型)ですが、注目はフロントバンパー中央部の穴です。この年式位までの国産車の、大概この様な形状の穴かバンパー部にありましたが、これは万一の始動用のクランキング棒を指すための穴なのです。クランク棒の受け手となるクランクプーリーのセットボルトはツメが一方方向にしか引っかからない様に加工はされていました。私は、ついぞこの始動を体験したことはありませんが、エンジン始動後に廻されやしないかとか、ケッチンといって逆回しされないかとか思ってしまいます。

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毎回貴重なお話し有難うございます。

2008/12/29(月) 午前 10:38 [ - ]


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