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カーボン複合材(カーボン・コンポジット・マテリアル)については、過去何度か記してきました。今や、民生用の釣り竿とかゴルフクラブ・シャフトから、レーシングカーのボデーとか極一部の少量生産スーパースポーツカー、航空宇宙産業機器など採用範囲は広がりつつあります。但し、これらのほとんどはCFRPと云うもので、カーボンの長尺繊維をプラスティック(樹脂=主に使われるのはエポキシ)でくるんで加温、加圧して立体物として成形したものです。
ところで、カーボン繊維の耐熱温度は優に1千°Cを軽く超えるものですが、樹脂の強度を保てる前提としての耐熱温度は、正確には判りませんが、せいぜい200°C程度のものでしょう。ですから、CFRPは高温になる部位には使用できないことが判ります。
しかし、軽さと強度と高温耐熱性を求める、コスト度外視の一部の分野には、カーボン/カーボンと呼ばれる複合材が採用されています。このカーボン/カーボン材は、カーボン繊維をカーボン材(たぶん粉体と思われる)を高温、高圧で焼き固めたものだそうです。
具体的なカーボン/カーボン材の採用部位ですが、私の知る範囲としては、スペースシャトルの機首ノーズコーン部、主翼前縁部や、F1マシーンなどのレーシングカーのディスクローター部およびパット、同クラッチのフェーシング部などでしょうか。
ところで、F1グランプリを最近は見ることも少ないですが、スターティンググリッドに付くまでのサーキット1周は、各車が盛んに左右にステアリングを切り返して蛇行すると共に、急減速と急加速を繰り返します。これは、一つはタイヤの昇温により本来の摩擦係数を出すことと、ブレーキディスクの昇温によりやはり本来の摩擦係数を出すことにあるそうです。この様なことからも、カーボン/カーボン材のディスクローターは、従来のFe(正確にはねずみ鋳鉄)製ローターより最適となる温度が高いことが判ります。これは必ずしも正確ではないかもしれませんが、Fe製ローターが400°C程度を越えると摩擦係数が低下する(フェード現象)のに対し、カーボン/カーボン材では、600°C程度に達しないと本来の摩擦係数が得られないそうです。
この様なウィークポイントもあって、カーボン/カーボン材のディスクローターの市販車への採用は難しいと思われていました。しかし、カーボン/カーボン材の表面にセラミックをコーティングすることにより、冷温時の摩擦係数の改善したものが、ほんの一握りのスーパーなクルマに採用される様になっています。しかし、伝え聞くセラミックコートのカーボン/カーボン材ディスクは1枚80万円前後・・・とか。この種のクルマでは、1万kmくらいでパットもディスクも交換が必要になるのかもしれません。1万km走行毎に400万円也(タイヤも入れれば500万かも)を負担できる方は、そう居ないことでしょう。
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2011年03月25日
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今次の原発大事故は、依然収束への糸口を掴めぬ中、安定化に至るは長期化の様相も想像されてしまいます。それまでの間、毒(放射能)は多かれ少なかれ、大気中に拡散し続けるのでしょう。
さて、今回の原発事故は、早くも既存の他原発2箇所の稼働に影響を与え始めています。これら、2つの原発への影響ですが、何れも定期点検中で停止中であったものを、再稼働するかどうかというものです。以下に2つの原発の対応の違いを簡単に記してみます。
①浜岡原発(静岡県)
中部電力は、定期点検で運転停止中の浜岡原発・3号機について、定期点検が終了したとして、福島原発の事故を踏まえた上で、緊急時訓練の実施など安全点検を行うことを前提に、再稼働を県知事に申請し、知事は認める意向である。 ②玄海原発(佐賀県)
九州電力は、定期点検で定期点検で運転停止中の玄海原発2号および3号機について、福島原発の事故を踏まえた上、運転再開には地元の理解が得られにくいと判断し、運転再開を延期することを決めた。但し、長引けば夏場の需要期には、計画停電を行わざるを得ないかもしれないとしている。 この2事例についてですが、これからも全国の原発で同様の判断が迫られる事例が出て来ることでしょう。何れにしても今回のショックは、脱原発化への動きを生じさせることでしょう。でも、いきなり全原発を止めることなんてことも、これは不可能なことでしょう。でも、新設を抑え、既存のものは施設の危険度と電力必要度を睨んで、廃炉して行くべきだろうと思います。その危険度という意味では、予め大地震が予見され、正にその震央真上に立地される浜岡原発は筆頭になると感じます。その様な意味で、中部電力および静岡県知事の判断は、軽はずみではないのかと思う次第です。
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