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BMW i3 事故車のこと

 BMW i3 であるが、あくまでも個人的主観ですが、クルマそのもについてはまったく魅力を感じるものではありません。ただ電気自動車であるのは驚くべきことでもないが、ボデー関係のエンジニアリングには感心を持つクルマだという思いがあります。

 そのボデーエンジニアリングの根幹ですが、モノコックシェルにカーボンファイバーの一体成形(といっても中空部を含め一体で成形できるはずもなく、パートパーツの成型品を接着し一体化してるのでしょう)を使用しているが、従来数千万円以上の極少量生産ハイエンド・スーパーカーしか採用できなかったものを、400万円台の量販車に採用したということからです。

 炭素繊維複合材(CFRP)の生産技術ですが、オートクレーブ方式と云われる従来工法は、長尺炭素繊維をエポキシ樹脂に含浸させたプリプレグと呼ばれるシートを、型に積層(手作業)し、真空引き(内部気泡の除去)後、オートクレーブで長時間の高温高圧で焼き上げるものです。これを製造単価低減を主目的として、短工数で量産しようとRTMという工法が採用されたと聞きます。RTMとは、素人が説明できる内容としては、上下金型で炭素長尺繊維を包み込み、そこに樹脂を流し込んで、そのまま加温し硬化させるというものです。金型など初期投資は大きくなりますが、10分程度の短工数で寸法精度の高い製品が量産できるというところが大きな利点となります。RTM製品は、強度的にはオートクレーブ方式より若干見劣りする部分もある様ですが、元々炭素繊維の比強度は鋼の10倍以上も大きい訳ですから、アルミ基材と比べても軽くて強いボデーが作れるという訳です。

 さて、製品はできるが、それを走らせるというリアルワールドな話となると、衝突による損傷で修理が出来るのかということが問題になってきます。結論から云うと、まず表面的な極浅いキズ程度のものなら可能でしょうが、深い亀裂や割損など、メーカーでは禁じているはずです。これは、アルミ基材でも、ダイキャスト部分とか、引き抜き(もしくは押し出し)材部分は、クラックや変形の修理をメーカーでは禁じています。これらは、設計強度の復元が保証できないということからでしょう。

 BMW i3 について、そんな感心を持っていましたが、最近のこと複数の事故車ネットオークションの業社で、該当車の販売がされていました。どちらも、それなりに損傷は大きく、フロント部分のアルミサブフレームは当然交換が必用になりますが、これはボルトで装着される部品なので問題ないでしょう。問題は、その後方にあるモノコックシェル本体の、サブフレームとの取付ボス部位とか、ドアが取り付くフロントピラー下部付近のクラックがどうかということです。写真では、直接のクラックまでは判りませんが、従来のGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)が、一見して外見の形状は保ちつつも、かなり広い範囲にクラックが拡散しているのを何度か見ています。表面上は極細かいキズに見えても、深く浸透したクラックであった場合、大幅に強度は低下するでしょうし、小さなクラックでも繰り返しの応力集中によりクラックは成長して行くことでしょう。

 写真のクルマは、想像ですが保険事故全損と判断されたと思われます。それを幾らの値が付くか知りませんが、表面上のキズとして修正しペイントされたとすれば、外観上は判別することは不可能でしょう。しかし、そのクルマの使用過程において、クラックは成長しつつ、破断の時を迎えるのだとしたら怖いことだとも思えます。
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 BMWミニの左右サイドウインドを上下させるレギュレターですが、これもウィークポイントの一つです。今までに何台のMINIを組み替えたでしょうか、そこそこの台数を行って来ました。

 このウインドレギュレターですが、パンタグラフ式ではなくワイヤー式という方式で、ミニに限らずトラブルを生じるクルマは多いと感じます。今回のトラブルは、ワイヤー自体はOKですが、ワイヤーを包むチューブのエンドカラー(樹脂)が割損し、ワイヤー反力を受けたチューブがプーリー部に食い込みロックを生じているというものでした。

 さて、修理の実際ですが、必ずしも純正部品でなくても社外品もある様ですが、それでも1万ちょっとはします。ユーザーのクルマではめんどくさいことはしないで、社外品なりで作業します。しかし、今回は下取車であり、原価を上げたくないということで、なるべく安く直すというのが念頭にあります。

 今回、トラブルを生じたのは左側ですが、たまたま右側の中古部品を持っていました。左右を比べてみると、やはり左右対象となっているだけに、互換性がまるでありません。しかし、前後レールは異なりますが、ワイヤーそのものは同じものが使用されている様です。ただ、ワイヤーだけを取り替えるには、モーターと勘合する巻き上げプーリー部を分解し、組み上げなければなりません。この巻き上げプーリーにワイヤーエンドが結合され、一方を巻き上げると共に、反対側を同量を巻き戻す仕掛けになっています。ですから、この巻き上げプーリーの巻数を上手くセットしてやらないと、ワイヤー長さが足りなくて組み上げられないや、ワイヤーがだぶついてしまうということになります。しかも、この巻き上げプーリーへのワイヤーセットは、各ワイヤーエンドにあるテンションスプリング3ヶ所をある程度圧縮し、針金などで仮固定した上でないとできません。何度組んではダメで戻し、組み直しを繰り返したでしょうか。

 ほとほと嫌になったところで、ジャストOKです。早速ドアに組み込み、作動テストOKです。苦労しました。
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 BMWミニについては、そこそこの車両に触れて来ましたが、ウィークポイントの一つとしてドアロックが壊れるということがありますので記してみます。故障の症状としては、外からも内からも開かなくなるや、リモコンや室内スイッチでのアンロックはできるがロックができなくなるといったものです。
 このBMWミニのドアロックですが、R50初代からR56最終モデルまで、すべて同一品番で共通部品です。ドアが開かなくなった事例は、数年前のことですがR56でした。この時は、こんなんじゃ怖くて乗ってられんと、止むなくディーラーへ部品注文の電話を入れると在庫があるとのことで、直ぐに購入して来ました。確か4万円に近い結構高額な価格設定でした。しかし、ファンベルトとかブレーキパットなどの消耗部品ならともかく、ドアロックを1ディーラー店舗が在庫で持っているとは、不思議な話だとその際は思った次第です。しかし、それからR50、R53、R55、R56と触れ合うにつれ、どうやら故障率が高い部品の一つとなっていることが伺え、だからディーラー店舗が在庫していた訳です。
 これら故障はドアロックメカニズムの内部のカムもしくはリンク機構の問題なのだと推察されますが、ネジなどで分解可能な部品ではないので、壊すつもりでかしめを削り取るなどしないと分解し真の原因追及は困難そうです。その内、機会があったら分解してみたいと思っています。
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 R50(BMWミニ)の下取り車でエアコンがまったく冷えません。こりゃあガスが抜けているのかと、チャーングバルブを指で押すと、シューと結構なガス圧があります。あれ、予想に反してガス漏れじゃあないなと、ゲージマニホールドを接続し、ガス圧を見ると7kg程度と十分なガス量が入っている様です。しかし、エンジン始動してエアコンを入れても高低圧の変化がまったくありません。ということは、コンプレッサーが駆動されていない訳です。
 BMWミニはエンジンルームが狭く何をやるにも苦労するのですが、コンプレッサー廻りも同様です。右のインナーフェンダー、バンパーカバー、バンパーフォースメントと外し、フロントサポートを前5cm、上5cm程度目一杯を移動させて、なんとかマグネットクラッチの接続ソケットにアクセス可能となります。試しにマグネットクラッチコイルに直接バッテリ電圧を印加させて見ますが、クラッチが作動しません。これでコイルの断線?が明確になりました。しかし、パーツリストで見るとマグネットクラッチの単品補給はなく、コンプレッサーAssyの補給形態で$700台の価格が記載されています。ということは日本円では7〜8万円はしそうです。ヤフオクでも解体業者さんだと思われる結構多数の出品がありますが、2〜4万と結構な価格です。
 ガス漏れもなく、ハブは手で軽く廻ることからコンプレッサーの焼き付きなど生じていないと判断されます。マグネットクラッチだけ欲しいのだがと思いつつ、とりあえずマグネットクラッチ部を取り外しました。抵抗測定してみると∞Ωです。やはりコイル断線かな、しかしコイルがレアショートするならともかく、断線するなんておかしいなぁと思いつつ、接着シーリングされたコイルの入力側とその反対側のカバーを外して見ました。入力側はコイルの末端と接続コード、そして逆接続防止用?のダイオードが圧着されています。そして、反対側カバー内にコイルの末端と直列に素子が接続されていることを見ました。なんの素子なのかと思いつつ、取り外してルーペで拡大して観察すると87°Cとか記されていますので、温度ヒューズだと判りました。また、抵抗値を測定すると、ヒューズが開放されていると判断されました。電子パーツ屋さんから、同一規格の温度ヒューズを取り寄せて替えれば一番良いのですが、まあとりあえず温度ヒューズをストレート接続し、電圧を印加させ点検します。まったく問題なく電磁力が働きますし、異常な高電流が流れる状態でもないことを確認しました。
 ああ良かった。これで過大な部品代から逃れられたと、喜び勇んでマグネットクラッチ部を組み付け、エンジン始動、エアコンON、コンプレッサーは正常に廻っています。ゲージマニホールドの指針も、低圧側はみるみる下がり、高圧側は上がり、十分な差圧が生じています。当然、冷風が出るようになりました。
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追記
 このBMWミニですが、マグネットクラッチの不良は結構生じているのではないでしょうか。それも、電磁コイルの断線ではなく、温度ヒューズの作動という原因でのです。それは、今回の事例も含め、ヤフオクでマグネット不良のコンプレッサーが出品されていることからも想像できるのです。それを、工賃も入れれば10万円近くの費用を要し、修理しているオーナーや工場も多いのだろうと想像します。
 なお、マグネットクラッチを交換するには、ファンベルトを外す必用があります。R56同様にテンショナーが付いていますが、メガネレンチではなく9.5mmスクエアのレンチを入れて行うものです。しかし、サイドフレームとの隙間が20mmちょっとしかなく、手持ちのT型レンチでは高さがありすぎて入りません。レンチヘッドがダイレクトに9.5mmスクエアになったレンチを5千円弱(KTC製だから物は良いが結構値も良い)で入手しました。これが今回修理の直接費用となりました。

スローなステアリング

 フロントタイヤの切れ角(ターニングラジアス)は、一般に前輪内側で30°ちょっとというクルマが多いのではないでしょうか。BMWミニみたいにおそらく20°程度しかないというクルマもある訳ですが、最小回転半径をなるべく小さくし機動性を高めるために、この程度の切れ角が必用となります。そして、この前輪切れ角に対して、ステアリングホイールの回転角(ロックツウロック)は、900°(2周半)から1400°(4周)程度と、車種や味付けにより異なる設計がなされています。昔はパワーアシストなしが普通だったので、操舵力の観点からステアリングのギヤ比を考慮せざるを得ないという理由がありましたが、現在ではパワーアシスト付きが当たり前ですので、操舵力への考慮というよりスタビリティとか車両の味付けを主旨とした設計がなされているのでしょう。
 ところで、ステアリングギヤ比のスローな(ギヤレシオが高い=ロックツウロックが大きい)車両は、左右のタイトコーナーが連続するワインディング路などで、忙しくステアリングを回し続ける必用があります。一方、スポーティ車では、クイックなステアリングで操舵量を減らし、その分を他のドライビィングに集中することが可能となります。
 最近では、BMWのアクティブステアリングやトヨタのVGSなどというステアリングギヤ比を可変化させるデバイスを搭載した車両もあります。しかし、ステアフィールが不自然だとか、前輪が直進状態に戻っているのに、ステアリングホイールが直進位置に戻らないなどと云うリコールを生じたりと、市場ではあまり良い評価を受けず、モデルチェンジで旧来のステアリングに戻されたりしているのを見聞きします。
 貨物車などでは、路面キックバックも考慮しつつ、ステアリングの切りすぎによるスタビリティの悪化を防ぐという意味で、ある程度スローなステアリングレシオとなるのは理解されます。しかし、乗用車でも普段ロックツウロック2.5程度のクルマに馴染んでいる者にとって、ロックツウロック3.5の乗用車に乗ると、なんてダルで忙しいステアリングなんだと感じる次第です。

追記
 前輪の切れ角は最小回転半径を小さくするために大きいに越したことはない訳ですが、小さくできない要素が幾つかあります。まず、昔のFF車ではドライブシャフトのCVジョイントの角度限界がありました。しかし、現在ではCVジョイントの改良も進み、FR車と遜色ない前輪切れ角を持つFF車が普通となっています。もう一つの側面は、前輪タイヤを包み込むホイールハウスの容積というか、左右フロントサイドフレームのスパンから切れ角の制限を受けてしまうということがあります。左右サイドフレームのスパンは、FF車であればエンジン+トランスアクスルの寸法がら制限を受けます。また、ねじり剛性上からはなるべく大きくしたい訳ですが、車両の全幅との関係もあり、無闇に広げられないというということもあります。BMWミニ(R50・R56)では、5ナンバーFF車ということから、エンジンルーム寸法との兼ね合いで、切れ角が制限されていたのは否めないことでしょう。

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