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新品もしくはそれに近い新しいタイヤにいは、黄色と赤の丸ペイントが見られますが、その意味を明確に知っている方は少ないではと、若干うんちくを記してみます。
①黄色(軽点)マーク
タイヤのサイドウォール部の黄色ペイントマークは、軽点マークと云ってタイヤの周上で最も軽い部分を示しています。通常は、このマークとホイールのバルブ部(重点)を合わせてタイヤを組み付けますが、次のユニフォーミニティマークを優先する場合があります。 ②赤色(ユニフォーミニティ)マーク
タイヤのサイドウォール部に赤色ペイントマークがある場合がありますが、これをユニフォーミニティマークと云って、最も硬い(剛性が高い)部分もしくは高い(径の大きい)部分を示しています。一方ホイールに白色ペイントマークがある場合(主にスチールホイール)がありますが、これは、最も低い(径の小さい)部分を示しています。これらマークを合わせてタイヤを組み付けることにより、ボデーシェイク(振動)を軽減化させます。 補足
タイヤのユニフォーミニティについて記してみます。ユニフォーミニティ(uniformity)とは、言葉の意味は「均質性」のことを指します。そして、広義のタイヤで云うユニフォーミニティとは、以下に記す様な、重量的なもの、寸法的なもの、そして剛性としてのものがあります。 ①重量的
重量的な不均質(アンバランス)ですが、ホイールバランサーテスターにて計測し、適宜ウェイトを装着することにより校正することが可能です。 ②寸法的
寸法的な均一性とは、いわゆるタイヤの真円度(ラジアルランアウト)のことですが、昔のタイヤは真円度が不均一であったり、ブレーキロック等によりフラットスポット(タイヤ周上の平らな部分)が生じたりして真円度が低下した場合にタイヤツルワーというタイヤ研削機により修正を行ったこともありましたが、昨今はあまり見掛けません。また、昔は国産タイヤに比べ、ミシュラン社のタイヤが真円度が良好である等と云われましたが、昨今は国産タイヤでもまったく遜色はない様です。 ③剛性的
タイヤはサイドウォール部が屈曲し接地しますが、タイヤ内部のカーカスの厚み等の不均一を要因として、剛性としての不均質が生じる場合があります。この剛性の不均質がありますと、真円度の不均質と同様に車体に上下の振動(シェイク)を生じてしまいます。この剛性の不均質のことを、狭義のユニフォーミニティと云っている様です。 私が昔、経験したことですが、ラック&ピニオン式ステアリングが採用され出したころのスポーティカーで、幾らタイヤバランスを厳密に取り直しても、ボデーシェイクとステアリングシミー(ハンドル周方向の振動)が収まらず、タイヤを交換しても満足できる状態に至らず困った記憶があります。この時は、結局タイヤメーカーからユニフォーミニティを保証したタイヤ(マスタータイヤ)の供給を受け、これを装着することで完治しました。 この剛性のユニフォーミニティですが、タイヤに加重を作用させ回転させた時の反力を計測するユニフォーミニティマシンで計測するのですが、タイヤメーカーにしかありません。タイヤメーカーでは、昔は抜き取り検査で一部を計測していた様ですが、現在では全品ユニフォーミニティ検査を行っている様です。ですから、現在では一流メーカータイヤであれば、ユニフォーミニティ不良による問題というのは少ないものと感じます。 |
技術情報
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BMW車のエンジンに多用されているラジエータホースなどのワンタッチクリップ締結だが、その部分の後ろにホースバンドがあったりと随分無駄なコストを掛けているとも感じるものです。この採用は3シリーズでいえばE46以降からだと思います。フロントエンドパネル(コアサポート)に関係する付属品(ライトやラジ・コンなど)を付けたサブAssyを生産ラインで本体に合体させ易くするというのが主たる目的と想像されます。
確かに付けるのは押し付けるだけでパチッと勘合し、内部Oリングで水密も問題は生じないものです。しかし、外す際はロックピンをアンロック位置(もしくは外してしまう)にして、揺すっても引っ張ってもなかなか勘合が緩まず往生するものです。だいたいが、根元の樹脂部を割損しないように注意して大きめのマイナスドライバー等でこじて浮かせて取るということになります。ラジエータホースなどの補給部品もホースだけでなくOリングが内蔵されたカップリング付きとなりますから、割高な傾向が伺えます。
それと、E90以降のN系エンジンで感じるのですが、なんであんなにホースを複雑とも感じる程に多用するのかと思っています。一つはシリンダーヘッド、ブロックの上下で、水温をある程度制御したいという配慮からなのだと想像しますが、ホースでなくブロックやヘッドの水路でできんものかなとも思うのです。何れにしてもラバーホースは経年劣化から寿命を迎えるものですし、必用最小限の範囲で使用するのが妥当な考え方とも思うのですが。
しかし、今から数十年前の冷却水ホースは、4年毎の定期交換部品に指定されていた位で、6年もすると良く破れて水漏れオーバーヒートが起こったものでした。しかし、現在のラバーホースは10年を経ても硬化は感じられるものの亀裂などを観察することは少なくなったと思えます。但し、前にも記した覚えがありますが、冷却効率と熱効率(燃費)を向上させる目的からでしょうか、水温が昔より高め(従来80°Cが90°C程度)に設定され、従ってキャップの開弁圧も高めになっている様です。このことは、ホースへの負担も大きくなるが、実態としてラジエータのアッパータンク樹脂の強度劣化からタンクが破裂する(E36系に多発)なんていう現象を引き起こしているのでしょう。
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だいぶ以前に大型車のブレーキのことで、一見するとエアブレーキだが、各輪のホイール制動力は油圧を利用した空油圧複合ブレーキが多いことを記しました。今回は、今や乗用車の特に前輪では当たり前のごとく使用されているディスクブレーキが、何故か大型車には採用例が少ないかを想像を交えて記してみます。
貨物車でも2トンクラスまでは、フロントディスクブレーキがありますが、4トンクラス以上の貨物や大型バスなど、ディスクブレーキの採用車は、ほぼないといって良いでしょう。従来通りのドラムブレーキが継続して採用され続けています。この理由ですが、ドラムブレーキにある自己倍力作用(リーディング側がクサビ様に働く効果)が、ディスクブレーキにないことにより最大制動力が低下すること。制動力を生み出す摩擦板(シューやパット)の面積が、ドラム方式よりディスク方式が小さくなり、その寿命が短くなること。この辺りが主な理由かと想像しています。しかし、もっと重い新幹線やジェット旅客機でもディスクブレーキが採用されていますが、これらはゴム製タイヤの摩擦係数(0.7程度)を上回る(つまりロックさせる)までの制動力が求められないことによるのだろうと思います。
ご存じの通り放熱性の悪さを改良し制動時の高温での摩擦係数低下(フェード)を起こし難くしたのがディスクブレーキですから、ドラムブレーキは耐フェード性に劣るという大きな弱点を持ちます。従って、車重が重く従って運動量が大きい大型車では、排気ブレーキは当然として、ふそうのパワータードとか、リターダという補助ブレーキが装備されているのです。それでも、連続降坂で左右に連続したカーブが続く路でにおける大型車のハイペースでの走行は、フェードと隣り合わせの危険を含むものだと感じます。
なお、積荷容積を増せる利点から最近多く見られる小径タイヤを装着した低床4軸車では、ブレーキドラム径が小さくなり当然厚さを増しているのでしょうが、熱容量的にも厳しさは増して来るのだろうとも想像されます。
それと、パーキングブレーキの関係について、2000年前後以降の新車販売車については、国交省指導による中期ブレーキ規制の対象となる大型車(バス含む)のことに触れてみます。従来トランスミッション後端に装着されていたセンターブレーキ(駐車ブレーキ)が、左右後輪を独立してエアチャンバーの圧縮空気を抜くことにより、内部の強いスプリング力で制動力を得るように変更されています。これにより、サイドブレーキは引くか戻すか(ONかOFF)の問題であり、従来ともするとあり得た引きが甘いという問題が解消されることになったのです。
追記
写真は、ちょっと以前の日野セレガのスプリングブレーキバルブです。中期ブレーキ規制以前で、センターブレーブレーキも付いていますが、別途中期ブレーキ規制と同様のスプリングブレーキバルブも併用されているというものです。バルブのノブを押し込むとリヤブレーキのチャンバーエアが抜けてスプリングブレーキが作用し、引くとチャンバーにエアが入りスプリングを圧縮してブレーキが解除されます。当該部品は、ノブ軸部からのエア漏れが生じていて交換したものです。 なお、大型車では、純エアブレーキにしろ空油圧複合ブレーキにしろ圧縮エアを利用しますから、エンジン補機としてエアコンプレッサーが装着されています。走行中はMAX800〜900KP程度に保たれる様にレギュレーションされており、エアの使用頻度に応じて、エアタンクが複数以上装備されています。大型バスでは、エアサスペンションがほぼ標準であり、しかも乗降の際比較的素早く車両前部を上げ下げできますから、大容量の独立タンクが装着されています。乗降扉もエア式ですが、独立タンクとして信頼度を上げている様です。 また、長期間の駐車やエア漏れが生じているなど、300KP以下のエア圧ではスプリングブレーキは開放されませんし、空圧倍力式のシフトの操作もできませんし、クラッチも重くて踏み込めません。当然、ウォーニングランプの点灯と、走り出そうとすると警報ブザーが鳴ります。 |
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オートマチック車が大勢を占める現在、駐車時にパーキングレンジに入れてさえあれば、パーキングブレーキを引く(もしくは踏む)いずれも作動させなくとも安心だという方がいました。
ATのPレンジとは、AT内部のアウトプットシャフトに設けた凹凸の段付き円周部にPレンジ用ロック爪(ロックポール)を勘合させることで行われるのは、ご存知のことでしょう。このロックポールが一旦勘合すれば、バネにより押し付けられ容易には外れないものです。下り坂など、静的な荷重には十分耐え得るものでしょう。
しかし、当方の経験談として知るのですが、Pレンジでサイドブレーキ開放した乗用車に、時速40km/hほどでほぼ同一重量の別乗用車を追突させる実験に立会ったことがあります。この結果は 、被突乗用車は押し出され走り出し( つまりパーキングロックが外れて有効衝突速度の20km/h程度で)ました。その後速度は減衰しつつ、極低速となった状態(5〜10km/h程度と推定)において、ガクンとパーキングロック再度掛かり停止したというものでした。
また、高速走行ではちょっと恐ろしくてできませんが、低速度(5km/hほど)で、未だ車両が動いている状態でPレンジに入れるということを何度か経験しています。この結果からは、車型別にバラツキはあるのでしょうが 、一定速以上では、カラカラ等という異音が生じPレンジロックは働きません。速度が低いと、ガクンとPレンジロックがなされ停止します。
そもそも先の追突実験は、この様な状況において、AT内分破損があり得るのかというのが主旨のものでした。結果は、実験後の分解点検においても、AT内部のパーキングロック機構に、特段の損傷は生じなかったというものです。以上のことから、パーキングロック機構は、あまり強い勘合とはならない様に配慮されていると想像されます。その理由の一番は、高速で誤操作した際に駆動輪ロックによる車両安定性が失われ事故に至る危険を避けるためでしょう。また、過負荷によるロック機構やATケース損壊を防ぐための配慮でもあるのでしょう。何れにしても、他車が衝突する等の強い襲撃を受けた場合、比較的容易に結合は切り離されるものであり、駐車時はサイドブレーキと共に操作することが安全上において必用なものです。
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昨年末に記したボルトの破断ですが、ボルトの破断面を観察すると、ざらついた脆性破壊の一部にわずかに起点となったと思わる疲労破壊様の部分があることに気づきます。疲労破壊とは材料の許容応力以下でも、繰り返しの応力により破壊が進行し破断に至るというものす。マクロ的には波打ち際様のビーチマークが観察されることが多いと云われていますが、必ずしも絶対生じる訳ではないようです。電子顕微鏡などのミクロ観察によれば、ストライエーションと呼ばれる縞模様が観察されるとのことです。
今回の件のボルトは、ざらついた脆性破壊の中に比較的なめらかな疲労破壊が内在していたというもので、この疲労は何れはさらに成長し破断するに至ったのであろうかとも想像されます。
今回の問題はともかく、とかく車両において肉厚の構造物や軸の折損が生じ、保険の扱いでいうところの「偶然外来の事故か」もしくは「故障損害によるものか」が問題になる場合があります。筆者も、過去にその様な幾多の事案を検討してきた訳でありますが、疲労破壊が原因ということになれば、偶然外来ではなく過去から積み上げられてきた故障損害に該当し保険の扱いでいう「保険金を支払わない場合」に該当するのが一般的です。
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