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クルマの樹脂部品として、最も多用されているのがPPを基材とする樹脂です。パンパーなどはほとんどPPですが、ゴム系の素材をブレンドした一種の複合材としているとのことです。ところで、このPP基材で無塗装の部品ですが、経年によって元来黒色だったのがグレーの様に白化したり、白化しつつトラ縞模様を表出している姿をときどき見るものです。このトラ縞模様はフローマークといい、射出成形時の樹脂流動方向に交差する形(蛇行流動と呼ぶとのこと)で生じるとのことだそうです。しかも、成形直後に表出すれば外見不良として出荷されることはないのでしょうが、経時変化で表出することがあることが知られています。
この原因ですが、主に紫外線の暴露により、樹脂内のゴム系分散相に開いた極小の穴の密度差によるとの報告がなされています。すなわち、強白化部は密度が高く、弱白化部は密度が低いとのことです。それが、射出成形時の蛇行流動により分散度が変化し、これにより光の反射率が異なり、フローマークが表出するという訳です。
いずれにしても、PP無地素材(塗装品であっても部分的に無塗装素地の場合があります)は、紫外線によって、フローマークを表出しなくとも白化が目立つ場合が多いものです。この辺りは、同じ樹脂でも塗料とは、耐候性の差があると感じるところです。
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技術情報
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過去から、欧州車の内装材そのものや、固定するクリップ類、そしてワイヤリングハーネス被覆やコネクタ(カプラ)等々の樹脂などで経年したクルマを前提として、弱いと感じ続けているのです。先日も、BMW・E46のリヤゲート回りのトリム材を取り外す際、かなり注意深く行ったのですが、接合はめこみ部が次々と割れてしまったのです。この部品は、目見当数十グラムの部品ですが、約1mもない高さから落下させてしまったら、大きく割れてしまいました。まるでガラス細工の様な脆さです。材質はABS系の樹脂の様ですが、たぶん新しければこんな割れやすいことはあり得ないはずです。(新車組立ラインで割れるでしょう)経年することで、脆性が極端に悪化するのでしょう。しかし、ここまで弱いと呆れて来ます。なお、PP系の樹脂ですと、ここまで弱くなることはないと感じていますが、比較的硬質の樹脂において感じるところです。
また、内装材に質感を高めるためでしょうが、艶消し塗装がなされている場合に、この塗料が経年するとベタ付きおよびはがれを生じるのも困ったものです。
しかし、欧州にはBASFとか世界的にも名高い化学メーカーがあるのですが、不思議にも思えてきます。塗料だって樹脂ですが、取り扱う塗装屋さんからは、悪い評判は聞かないのですが・・・。
追記
冒頭に記したトリムの樹脂部品価ですが、ネットで調べると米$15ですが、BMW−Jの価格は 11,000円だといってます。$/130円としたって、約2,000円ですから、異常な値付けとも感じます。結構$換算で、妥当と思える部品もあるのですが、この様な大幅な利幅を取っている?部品も目立ちます。 |
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欧州車に多いのですが、ホイールをきれいに洗って、ものの100キロも走れば黒ずみ、200キロではかなり酷く汚損します。これはディスクブレーキのダスト(摩耗粉)がなしているのですが、欧州車ではパッドだけでなく同時にディスクローターを摩耗させているため、ダスト量が多いことによるのでしょう。
走り込んだ欧州車のディスクローターを見ると、パットの当たる部位の段差で摩耗量が確認できます。酷いものでは、2mm以上も摩耗してことも珍しくはないです。そうすると、ローターの表裏両面で4mmも薄くなっている訳ですから、熱容量的にも繰り返しの急制動時には苦しくなって来るでしょう。
過去にこのダストを嫌い、国産の社外ノンダストタイプのディスクパットを装着したこともあったのですが、絶対制動力が低下する訳ではないが(十分ロック相当の制動力は出せる)、同じ踏力での減速感が劣る(つまり効かなく)感じるものです。特に高速から急減速する様な場合に、純正パットの食い込む様に効くという感覚が、かなり薄れてしまうというのが感想でした。
国産車では、ディスクローターの摩耗から交換するケースはそれ程多くはないはずですが、欧州車ではパット交換2回に1回は交換しなければならないという話も聞きます。また、ディスクローターの摩耗量がそれ程大きくない場合でも、平滑さが悪化しますから、パット交換時に交換しないまでもローター研磨機で平滑さを取り戻してから使用するのがベストと思います。でないと、初期当たりが付くまで、ブレーキペダルが深いというか、スポンジー感(ペダルの踏み剛性感が低下)を生じる場合があるということになります。
これは私の想像ですが、欧州車のディスクローターを摩耗させるという思想は、パットの摩擦係数を増すと共に、高熱のダストをローター本体から引きはがすことで、耐フェード性能を上げることにあるのではないでしょうか。また、パットと共にディスクローターは消耗部品と考えているのでしょう。
パットだけを摩耗させる国産方式が良いのか、パットとディスクプレートの両方を摩耗させる欧州方式が良いのか、日頃の洗車などのメインテナンスや美観の保持と維持費を低減させるなら国産方式となりますが・・・。また、鉄粉主体で有害物質でないにしても、ダストを発散させるということは誉められることではないでしょう。
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今般、マツダがイグニッションスイッチの接点短絡を事由とした過熱、発火による車両火災が多発しているとし、92万件のリコール対象車を発表しました。どうやら、スイッチ接点の潤滑用に塗布されたグリスが過多で、炭化堆積して短絡状態となり、発熱するのが原因となった様です。
イグニッションに関わらずスイッチというのは、多い故障としては接触不良による非導通が多いものです。例えば、スターターが廻らないとか。これらは、スイッチの開閉により一瞬生じるアークによる溶損で接点表面に生じる荒れや非導通皮膜によるものですが、今回は発熱でグリスが炭化し、(炭素は導通しますから)ジュール熱で発熱したというものなのでしょう。
類似のトラブルで、スズキでも200万台近いリコールを生じています。スイッチそのもののデバイスメーカーが同一jかどうか判りませんが、この様な多台数が対象となった理由として、複数車両に共用されていることと、非常に長い期間(古いものはH1年から)同一部品が共用されてきたことが判ります。
なお、グリスの塗布し過ぎと説明されていますが、グリスの耐熱性(耐炭化性)が大きい様に思われます。
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プリウスなどハイブリッド(HV)車に(トヨタの場合ですが)、タコメーター(エンジン回転計)が付いていないクルマが多い訳です。アクシオやレクサスLSなど、一部車種には装着されていますが・・・。
この理由ですが、結論を述べてしまえば、意味が無いからいうことになろうかと思います。HVでは、ホンダの様にエンジンとモーターが直列結合され、エンジンの助勢をモーターが行う方式もあります。しかし、トヨタの場合、エンジンとモーターが並列で動力分割機構(ここが口惜しくもトヨタの凄いところ)で、エンジンとモーターの出力をミックスしています。従って、種々の条件にもよりますが停止時は当然の如く、走行中でも必用に応じてエンジンは停止します。また、加速時も速度に同期してエンジン回転が上昇することはなく、通常は2千回転ちょっとのところでエンジンレブはサチュレートしています。何れにしてもアクセルペダルによるエンジン回転のコントロールはできません。と、いうことで、タコメーターを見る意味がないということになかろうかと思います。なお、オーバーレブもあり得ませんので、レッドゾーンの表示もありません。
※写真はアクシオHV |




