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自分のことを棚に上げた話として記します。
人相のことですが、映画などのヒール役で如何にも凶相だと思う役者さんがいらっしゃいます。しかし、映画やドラマを離れ、紀行番組やインタビューなどで見せる彼らの顔は意外なほど柔和であって、やはり演じていたのだ、名役者だなと関心します。 ところで、役者などではなく如何にも理知的かつ良心的な物腰の方(社会的に高位者に比較的多い)が、ある時、普段からは想像もつかない顔を見せ付け驚くことがあります。これも、ある意味を普段を演じ続けているのだとすれば、そのことだけは凄いことだと感じます。
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一般
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安全係数(安全率)とは、工学の分野で云えば構造物などについて平常時に耐えられる負荷に対し、何らかの要因における過負荷に耐えられる最大負荷との比率のことを云うそうです。この安全係数の概念は、構造物だけでなく医薬品とか、マイクロ波など強電磁波とか、レーザービーム、今問題となっている放射線にも適用されることの様です。
また、金属など材料の破壊において、疲労破壊というものがあります。これは例え計算上の許容応力の範囲内においても、素材のキズや溶接部位の僅かな欠陥を起点として、繰り返し応力の作用により、徐々に破壊が進行し破断に至るという現象のことです。このことからも、安全係数を十分に確保することが求められるのでしょう。
具体的な安全係数ですが、用途や重要度によりケースバイケースの様です。例えば、エレベーターを吊るワイヤーロープの安全係数は10を使用していると聞きますし、医薬品などでは100を使用している場合もあるそうです。
ところで、前回および前々回に記した、元原子炉設計者の記述によると、火力発電所のタービンなどは安全係数4を使用しているそうですが、原子炉圧力容器では3を使用しているそうです。この理由は3を使用しても、自重が500トンから700トンともなる肉厚鋼製の圧力容器ですが、それ以上の安全係数とすると、重くなり過ぎ、別の弊害が出てくるということの様です。それは、工作が困難になるとか、自重自体による応力負担が大きくなり過ぎるとか、厚板ほど脆性破壊を起こし易いとかによるとの理由による様です。
最後に、レーシングカーでも同様だと想像しますが、航空機や宇宙船などでの安全率は1.2前後と低い値を使用しているそうです。つまり、安全率を大きく取ると、飛べない飛行機になってしまうと云うことの様です。但し、この様な機器では、頻繁な点検・整備が欠かせないのは当然のことです。
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最近、数十年ぶりに再読した[日本沈没](小松左京著)のことです。このエピローグは、故郷たる国土を失うという未曾有の災害から当座の避難を果たした国民が、流浪の民と化しこれから迎えるであろう種々の困難を暗示させつつ終わります。
驚天動地たる今次の原発事故ですが、最初の水素爆発の時に、これはチェルノブイリみたいになるかもしれないと誰もが思ったことでしょう。でも、なんとか、食い止められるかもと思いつつ、1、2、3、4号炉と深刻度は増し、とうとうチェルノブイリと同一のレベル7(あくまでも現時点)と聞くと、これは悪い夢だと思いたくなります。
政府、官僚、関係各部門は、一生懸命頑張っているのでしょう。しかし、事態がここまで至る以前において、政府の、大手マスコミおよび解説者の先生と云われる方々の、安全だ、安心だ、危険はないという言葉は、なんだったのかと怒りの感情を持つのは私だけでしょうか・・・。
さて、日本沈没は小説の世界ですけど、チェルノブイリでは事故から25年を経て立ち入り禁止の管理区域は、依然そのままです。それと同じことが、狭い国土の我が国で現実化するとは思いもしませんでした。物理的な故郷はあっても、そこは人の住めない地、人々が営々と暮らしてきた文化というものも大半は失われてしまうのでしょう。まったく、悲しい事態に声も出ません。
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今回の未だ解決の目処もつかない深刻な原発事故に接し、既存の手持ち書籍や図書館で借りた関連書籍を含め10冊程度を読み流したでしょうか。
そんな中、福島第一原発・4号炉の原子炉圧力容器の製造メーカーであるバブコック日立の元設計技術者である田中三彦氏の著した「原発はなぜ危険か」について、記憶に残る記述も多く書き留めてみたい。 福島原発4号炉の炉心圧力容器は、広島県呉市の港(戦艦大和を作った場所)付近にあるそうです。福島第一・4号炉の製造当時、製造メーカーに在籍し、驚くべき体験をした著者の記録でもあります。 原子炉圧力容器の大きさは、原子炉の方式にもよりますが沸騰水型(PWR)の最大級となる電気出力110万kWクラスでは、直径7m弱、高さ20数m、重量700トン程にもなるそうです。福島第一原発・4号炉は78万kW強と、最大級の炉に比べれば小型ですが、圧力容器の内径5.5m、高さ21m、重量500トンと、それなりに大きなものです。 圧力容器は鋼鉄製で厚さの正確な数値は明記されていませんが寸法や重量から推察して10cm前後はあるのでしょう。この様な厚板の容器の製造を行うについては、ビール缶を作る様な工法、すなわち深しぼりプレス加工でポンとできるものではありません。多数枚の厚板平板の鋼板を曲げ加工し、それでドーナッツ状の輪を作 さて、ここからが核心の話なのですが、溶接後の圧力容器の厚板素材内には溶接時の局所加熱により残留応力が存在するのですが、これをそのままにすると事後の破壊の起点になりかねないので、残留応力を除去する作業が焼鈍(しょうどん:焼きなましと同意)という作業なのだそうです。この作業は、圧力容器を熱処理炉に搬入し600度C+αの温度まで徐々に加温し10時間前後保持し、その後2日くらいを掛けて徐冷するという行程となります。当然、焼鈍作業後は製品の寸法を再計測し、狂いが基準以下であることを再確認するのですが、福島第一・4号炉の圧力容器では焼鈍後の予想だにしない狂い(真円度の過大)を生じていたのだと云います。この理由について、筆者は焼鈍中の製品の固定が不十分で、製品自体の自重により変形を生じたのであろうとしています。 そこで、一流の陶芸家であれば、こりゃダメだとスクラップにして作り直しとなる訳ですが、ここまでの作業工程で約2年を要しており、製品は一品モノですから、再製作することになれば数十億円を捨て、発注会社(東電)へ遅延損害金の問題も出て来ます。そこで、取られた方法は、それなりのコンピューター・シミュレーションを前提として、真円度の狂いを矯正すべく内部に複数のジャッキを入れ押し出し作業により修正したのだそうです。そして、その後は再度の焼鈍作業と最終寸法測定によりセーフとなったそうなのです。焼鈍の加熱時間は過大となると、素材の粘り強さを劣化させてしまうことから最大時間が定められており、正に一発勝負の賭であったと著者は述べています。 |
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デファレンシャル・ギヤ(以下デフと記す)は、前に記したファイナル・ギヤと一体で組み付けられる機構で、左右駆動輪n回転差をを吸収する機構です。また、フルタイム式4WD車の場合は、前後軸間にセンターデフという第3番目のデフを持ちます。
もし、このデフ機構がない場合のクルマを運転しますと、高速コーナーではまったく問題はないですが、交差点を曲がったりする大舵角のコーナー(タイトコーナー)において、左右輪の回転差から生じるアン・スムーズネスさを生じてしまいます。つまり走行に抵抗が掛かるような現象、これをタイトコーナー・ブレーキング現象と云いますが生じてしまうのです。ちなみ、鉄道車両の左右輪は車軸で直結されていますが、車輪踏面(とうめん)をテーパー状に傾斜させることにより、カーブ外側輪を大径に、内側輪を小径にして、回転差を吸収しています。
クルマのデフ機構は、左右の駆動輪に直結するサイド・ベベル・ギヤと、これに直交して噛み合うベベル・ピニオン・ギヤ(2ヶもしくは4ヶ)によって構成されます。直進時は、ピニオンに伝えられた駆動力は、左右のサイドギヤに均等に分割されます。しかし、左右駆動輪に回転差が生じると、ピニオン・ギア自体が公転しることで、回転差が吸収される仕組みです。
ところで、この有意なデフ機構ですが、駆動輪の片側の接地が失われるなどして空転してしまうと、反対側の接地した駆動輪にもトルクが伝達されなくなるという欠点を持っています。特にフルタイム式4WD車の場合におけるセンターデフは、4輪の内の1輪でも空転すると、すべての駆動力が失われてしまうということで、何らかの作動制限機構が必用になってきます。
作動制限機構(リミテッド・スリップ・デフ:LSD)としては、トルク感応式、回転数感応式、アクティブ制御式などがある様です。数十年前から一般的だったLSDはトルク感応の機械式で、左右駆動輪のトルク差が生じると、デフ内のサイドギヤがデフケースに押し付けられ、間に挿入されたクラッチ板により摩擦力を生じて作動制限を行うというものでした。近年は、トルセン式(トヨタ系列のジェイテクト社のパテント商品)などは、デフ内で組み合わされたギヤの歯面に働く圧力により作動制限を行うものも増えています。
また、回転数感応式の代表的なものとして、ビスカス式(ドイツ・ビスコドライブ社のパテント商品)では、多板クラッチ内に封入されたシリコン・オイルの持つ粘性により、回転差が生じると剪断力が働き作動制限を行うものです。私見も含めてですが、この方式は作動制限の過渡的特性がマイルドなこともあり、フルタイム式4WDのセンターデフだとか、スポーツ系のFF車のフロントデフなどに多く採用される方式だと感じます。FF車の場合、作動制限の過渡特性が急激なLSDでは、ステアリング反力の急変など弊害が出て来ますので、好んで使用されるのだと思います。 最後にアクティブ制御式ですが、別途のセンサーや制御ECUと油圧装置により、作動制限用クラッチ板に作用する油圧を変化させて作動制限を行うものです。中には、旋回内側輪より外側輪の回転速度を積極的に増速させる様制御し、車両のヨー(Z軸廻りの回転)を制御しようと意図したものもあります。 補足として記しますが、レーシング・フィールドでは、LSDは必須の機能です。旋回時は遠心力により旋回外側輪の過重は増加し、反対に内側輪は過重が減ります。従って、車輪は接地していても旋回後半の加速時において、LSDなしでは旋回時の内側輪が空転してしまい、駆動力は失われてしまいます。なお、F1などのデモンストレーションとして、その場で白煙を上げつつコマの様に車両を回転させることが行われることがあります。これは市販車においてもLSD付きの後輪駆動車であれば、ステアリングを左右どちらかに一杯切り、スロットル全開にすれば簡単に再現されることです。
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