私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画,、乗り物系全般、好きのエンジニアの放言ブログです。

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 今次、原発大事故において、数日前から注入水にホウ素を混入されていることが報じられています。このホウ素の混入は、実際には報道前より行われていたと思われます。この、原発事故とホウ素のことは、チェルノブイリ事故の際、大きく開放されてしまった原子炉上部から、危険を冒してホウ素材を散布するヘリコプターでの作業映像を見た記憶がありました。ホウ素は、核分裂の際に出される中性子の吸収作用がある物質だそうで、核燃料体同士の間に挿入される制御棒にも使用されるそうです。今回の大事故でも、万一の再臨界(核分裂反応)を防止するために、冷却水に混入されるのでしょう。
 ところで、このホウ素ですが英名はボロン(Boron)となりますが、ボロン鋼での名称の方が、私にとっては馴染みがある様に感じられます。一般的な炭素鋼(鉄と炭素の合金で普通鋼と呼ばれる)は、焼き入れ、焼き戻し、焼き鈍しなどの熱処理を行うことで、機械的特性を変化させることができるのはご存じの通りです。この炭素鋼にボロンを混入することによって、焼き入れ性を著しく向上させたものを、ボロン鋼と呼ぶそうです。これは、私の想像も含めてのことですが、ボロン鋼は軍事用の耐弾(防弾)厚板鋼板として、例えば戦車の装甲や、軍艦の舷側防御用に積極的に使われてきた様です。
 なお、鋼に炭素だけでなく、ニッケルやクロムなどを異種金属を加えたものを特殊鋼と呼びますが、さらにボロンの追加することにより、ニッケル、クロムなどのコスト高素材の使用量を抑えるということもある様です。また、クルマの世界でも近年の衝突安全性の要求から、クラッシュスペースの少ない車両側面部のセンターピラー部などに関係する付属部品には、引っ張り強度が1000MPaを超える超高張力鋼板が使用される様です。これらは別名ホット・プレス材の名の通り、常温でプレス加工は不可能で、加熱された状態でプレス加工するというものですが、もしかするとボロンの併用もなされているのかもしれません。
 昨日の東電作業員(下請け会社でしょう)の被爆問題ですが、本日になって放射線管理者(これは東電社員でしょう)の周知漏れがあったと報じられました。東電では、「情報共有が不足だった」と釈明しています。しかし、うがった見方ですが、もしかしたら緊急事態との観点から、そして元請けが下請けを見下げる意識からの、半ば故意的なものではなかったのかという思いを持ちます。
 そして、この期におよんで、事故原発の緊急避難処置の現場指揮者は東電なのかを知り驚きました。現状の東電および関連会社社員はもちろん引き続き作業を行うのは当然でしょう。しかし、現場統括指揮者は社外から適任者を置くのが当然のことだと思うのですが・・・。
 統括指揮者には、テレビで自信たっぷりに解説している大学教授に・・・という訳にはいかないでしょう。彼らの様な評論家でなく、原発プラントの広範な知識と沈着冷静な判断力を持った方ということになるのでしょう。例えですが、映画「アポロ13」知る主席管制官ジーン・クランツ(役者:エド・ハリス)みたいな方が理想と思えます。
 都市は飢えないという説があります。古今東西、農産物を産する田舎は飢饉に陥ることは多々あったが、負け戦での戦時下を除き都市が飢えることはなかったと云うものです。その理由として、都市には富と権力が都市に集中しているからというのです。
 今、NHK見ていたら、今次の原発事故がチェルノブイリより大きいのか小さいのかということを、解説員が比較表のフリップを使って説明していましたが、まったく下らん論議と思います。現在進行形で福島原発の1〜4号機は、アン・コントローラブル状態で、放射能を垂れ流し続け、復旧への道筋も見えていないのが事実であり、その様な比較論は意味のないことは明かです。
 話を戻しますが、日本の原子発電所・原子炉数は55あるそうです。これらの設置場所は全国各地に散在しますが、概観しますと都市と云われる地近くにはなく、居住なされている方には失礼ですが、いわゆる僻地と云われる地にあるのが大多数と感じます。
 今次、原発事故においては、原発に内在されるリスクの大きさというものが、皆が思っていたレベルを遙かに超えて大きいことが実感されつつ推移しています。このリスクが僻地に集まっていると云うのは、先に述べた都市は飢えないの類似構造の力が作用した結果ではないのかとも思ってしまいます。つまり、富と権力がリスクを地方の僻地に押し付けた結果ではないのかということです。
 カーボン複合材(カーボン・コンポジット・マテリアル)については、過去何度か記してきました。今や、民生用の釣り竿とかゴルフクラブ・シャフトから、レーシングカーのボデーとか極一部の少量生産スーパースポーツカー、航空宇宙産業機器など採用範囲は広がりつつあります。但し、これらのほとんどはCFRPと云うもので、カーボンの長尺繊維をプラスティック(樹脂=主に使われるのはエポキシ)でくるんで加温、加圧して立体物として成形したものです。
 ところで、カーボン繊維の耐熱温度は優に1千°Cを軽く超えるものですが、樹脂の強度を保てる前提としての耐熱温度は、正確には判りませんが、せいぜい200°C程度のものでしょう。ですから、CFRPは高温になる部位には使用できないことが判ります。
 しかし、軽さと強度と高温耐熱性を求める、コスト度外視の一部の分野には、カーボン/カーボンと呼ばれる複合材が採用されています。このカーボン/カーボン材は、カーボン繊維をカーボン材(たぶん粉体と思われる)を高温、高圧で焼き固めたものだそうです。
 具体的なカーボン/カーボン材の採用部位ですが、私の知る範囲としては、スペースシャトルの機首ノーズコーン部、主翼前縁部や、F1マシーンなどのレーシングカーのディスクローター部およびパット、同クラッチのフェーシング部などでしょうか。
 ところで、F1グランプリを最近は見ることも少ないですが、スターティンググリッドに付くまでのサーキット1周は、各車が盛んに左右にステアリングを切り返して蛇行すると共に、急減速と急加速を繰り返します。これは、一つはタイヤの昇温により本来の摩擦係数を出すことと、ブレーキディスクの昇温によりやはり本来の摩擦係数を出すことにあるそうです。この様なことからも、カーボン/カーボン材のディスクローターは、従来のFe(正確にはねずみ鋳鉄)製ローターより最適となる温度が高いことが判ります。これは必ずしも正確ではないかもしれませんが、Fe製ローターが400°C程度を越えると摩擦係数が低下する(フェード現象)のに対し、カーボン/カーボン材では、600°C程度に達しないと本来の摩擦係数が得られないそうです。
 この様なウィークポイントもあって、カーボン/カーボン材のディスクローターの市販車への採用は難しいと思われていました。しかし、カーボン/カーボン材の表面にセラミックをコーティングすることにより、冷温時の摩擦係数の改善したものが、ほんの一握りのスーパーなクルマに採用される様になっています。しかし、伝え聞くセラミックコートのカーボン/カーボン材ディスクは1枚80万円前後・・・とか。この種のクルマでは、1万kmくらいでパットもディスクも交換が必要になるのかもしれません。1万km走行毎に400万円也(タイヤも入れれば500万かも)を負担できる方は、そう居ないことでしょう。
 
 今次の原発大事故は、依然収束への糸口を掴めぬ中、安定化に至るは長期化の様相も想像されてしまいます。それまでの間、毒(放射能)は多かれ少なかれ、大気中に拡散し続けるのでしょう。
 さて、今回の原発事故は、早くも既存の他原発2箇所の稼働に影響を与え始めています。これら、2つの原発への影響ですが、何れも定期点検中で停止中であったものを、再稼働するかどうかというものです。以下に2つの原発の対応の違いを簡単に記してみます。
 
①浜岡原発(静岡県)
 中部電力は、定期点検で運転停止中の浜岡原発・3号機について、定期点検が終了したとして、福島原発の事故を踏まえた上で、緊急時訓練の実施など安全点検を行うことを前提に、再稼働を県知事に申請し、知事は認める意向である。
 
②玄海原発(佐賀県)
 九州電力は、定期点検で定期点検で運転停止中の玄海原発2号および3号機について、福島原発の事故を踏まえた上、運転再開には地元の理解が得られにくいと判断し、運転再開を延期することを決めた。但し、長引けば夏場の需要期には、計画停電を行わざるを得ないかもしれないとしている。
 
 この2事例についてですが、これからも全国の原発で同様の判断が迫られる事例が出て来ることでしょう。何れにしても今回のショックは、脱原発化への動きを生じさせることでしょう。でも、いきなり全原発を止めることなんてことも、これは不可能なことでしょう。でも、新設を抑え、既存のものは施設の危険度と電力必要度を睨んで、廃炉して行くべきだろうと思います。その危険度という意味では、予め大地震が予見され、正にその震央真上に立地される浜岡原発は筆頭になると感じます。その様な意味で、中部電力および静岡県知事の判断は、軽はずみではないのかと思う次第です。

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