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不況になるというニュースが連日のようにTVで言われている。
建築業界も、ますます厳しくなるであろう。
先週、職人さんを集めて会議をした。
最近、自分は社長にそして会社に不満を持っていた。
それは、やはり、自分の経験の無さから、お客さんにクレームを言われ参っていたのもあるのかもしれない。
そして、うちは小さな工務店だから行き届かない部分もたくさんある。
社長も頑張ってはいるが、十分にできないことが現実だ。
だから、自分はクレーム処理係にならないといけないと思った。
でも、これがとても勉強になった。
痛い思いをして学んだことは、自分の身になる。
ここを言われたから次は注意しとこう、とか、後でするくらいなら今こまめにしておこうとか
考えることができる。
お客さんの気持ちになって考える癖をつけなければと思うことができた。
話は、会議の時に戻りますが、
社長は意識改革を目指している。
高品質&リーズナブルを実践していくには、職人さんひとりひとりの意識が必要である。
うちはお客さんを儲けさせなければならない。
そして、職人さんはうちを儲けさせてくれなければ、うちは立ち行かなくなる。
そういうための会議だったのに、
私を筆頭に社長への不満が爆発した。
私は後で反省した。
あの場では、社員である私が社長の味方をせねばならなかったのに
私が先頭切って、社長への不満を口にした。
そしたら、
職人さんから手間を減らす話が出て、
新建材や既製品を使ったらどうだという意見が出た。
私はそれには断固として反対だ。
社長はいう。
それをしてきたから職人さんの仕事が減ってきたのだと。
今は早くて安ければいいという考えが先行している。
それが質の悪い住宅をつくる要因だと思う。
うちの信念としてそれだけはしたくない。
そして、昨今では本物の良さが見直されてきている。
このような信念がなければこれから先は生き残っていかないと思う。
とにもかくにも、私を筆頭に文句ばかり言われた社長は、
次の日、すっかりやる気を失ってしまっていた。
いつも、前向きな社長がだ。
そして、もう今の職人さんを全員雇っていくことが難しいと言い出した。
今、うちは無理してでも仕事を取ってこようと必死で頑張っている。
今抱えている職人さんの数を考えればそうせざるおえない。
社長は、それをする意味が分からなくなってきたのかもしれない。
人数を減らせばうちはずっと楽になる。
確かに、売上は下がるかもしれないが、確実にやれば、確実に利益は出せるはずだ。
でも、それでは会社として成長はしていけない。
そして、すぐ感情だけでものをいう私は、それに耐えうる事が出来なかった。
今いる職人さんにきてもらわないと、自分が困ると思った。
私は、ちょっと馬鹿な子なので、今いる職人さんが大好きで
会社のことよりも、その職人さんが大事だった。正直。
それで、今いる職人さんを辞めさすなら、そんな会社に何一つ魅力を感じないから
自分も辞めさせてくださいとまで言ってしまった。
社長もそれには切れた。
自分は会社をつぶせない。
つぶしたら何の意味もない。
つぶしたらすべてが終わってしまうのだ。
そして、責任はだれがとるんだ。自分しかいない。
私たちは辞めたらそれで終わりかもしれないが、自分は絶対に逃げる事が出来ないのだと。
ものすごく感情的に怒られた。
社長の苦しみがわかった。
だから、自分は思った。
職人さんに腹割って話をして、協力してもらわなきゃ、うちは立ち行かないんだ。
私は、本当に今の仕事が好きだ。
その仕事をしていくには、今来てくれている職人さんの力が本当に必要なのだ。
私は社長に訴えた。
そしたら、話してみようということになった。
今回、この件でうちの会社と職人さんのありがたさを再度、考えることができた。
自分のなすべきことも役割も見えてきた。
私の使命は、お客さんの代わりにお客さんの立場に立って物を考えていくことでフォローしていくこと。
そして、職人さんに「うちで働きたい」と思ってもらえるようにフォローしていくことだと思った。
私は、ここに建築を学びに来たのに、お客さんや職人さんとのコミュニケーションの取り方を
ものすごく学んでいるよな気がする。
でも、それが大事なんだと思う。
技術ももちろん大切だけれど、それだけではいいものは出来ない。
要は気持ちだと思う。
最近、夢中になって読んでいる本がある。
「木のいのち 木のこころ」西岡常一著
昔の私だったら、客観的に「そうなんだ」
としか思えなかっただろうけれど、
今の自分には「そうだな」
と主観的に、実感として思う事が出来る。
今、自分が置かれている状況にリンクするところがたくさんある。
本当にいい経験を、そしてお金には代えられない経験をさせてもらっていると思う。
経験したくても出来ない経験だと思う。
本当にありがたいと思う。
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