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間違いなく人目を引くエクステリアデザインに変身した新型サーブ9-3。しかも、走りに対しても大幅なブラッシュアップが行なわれたと言う。果たして、九島レポーターの目にはどう映るのだろうか?


ショーモデル・エアロXの影響を大きく受けて登場。

 サーブ9-3シリーズがマイナーチェンジされた。基本的なパッケージングは2003年にリリースされたものが踏襲されているものの、見た目にスタイリッシュさが加味され、新しさが強調されている。
 またハードウエアにも手が加えられ、エンジンも熟成の域に入った。エクステリア同様に、洗練さが増したと言える。
 新型のデザインキーとなったのは2006年のジュネーブショーで発表されたサーブ・エアXコンセプトだ。「ベスト・オブ・ショー」に選ばれただけにその完成度は高く、他のどんなラグジュアリーモデルよりも評価されている。
 ボディタイプは、スポーツセダンとスポーツエステート、カブリオレといういつものラインアップ。エンジンは、175psと209ps、2種類の2リッター直4DOHCインタークーラー付きターボと、255ps の2.8リッターV6DOHC同ターボとなる。日本仕様のグレードはエントリーモデルにリニア、スポーツバージョンにベクター、トップエンドにエアロ。ただし、ベクターだけにカブリオレが設定される。


斬新なフォルムの下のシャシはMC前と同じ仕様え。

 新型の外観は新しさと伝統を見事に融合させたデザイン。サーブ伝統の三分割グリルとそのセンターに鎮座する飛行機の翼をモチーフにしたエンブレム、それとクラムシェルエンジンフードはそのままに、まったく新しいライトユニットや大きく口を開けたようなバンパー下インテークなどが採用されている。
 こうしたデザイン上の新しい試みは、まさに時代の流れだろう。ヨーロッパでライバルとなるDセグメント車のエクステリアデザイントレンドを見てもそれは明らかだ。
 パッケージングは、結論から言うとMC前と大きく変わらない。シャシフレームは従来同様にオペル・ベクトラのものを継承しているからだ。
 そのため、エンジンを横置きとしてFWDとしている。サスペンションはフロントがマクファーソン式ストラット、リアがマルチリンク式となる。


より認知度がアップ!?クール機能付グローブボックス。

 今回の変更ではボディサイズはほとんど変わらない。ディメンションは全長が15mm、全幅で40mmそれぞれ大きくなっただけで、ボディパネルの形状変更レベルにとどまる。全高に至ってはまったく同じだ。
 もちろん、それでもサーブのユーティリティは元々評価が高く、室内空間もゆったりとしている。数値的にもそうだし、スカンジナビアンテイストのインテリアも視覚的にそう感じさせる。人間工学に基づきながらスタイリッシュにデザインされたシート形状は見事だ。
 また、積載性については、通常の状態でラゲッジ容量約419リッター、リアシートを畳めば1273リッターまで拡大する。リアのオーバーハングを切り詰めたデザインなのに、この数値は立派だ。
 その他の装備では、クール機能付きグローブボックス等が目につく。フルオートエアコンから供給される冷風を使うことで、グローブボックス内を約8度に保つ機能だ。こうしたミニバン的装備も、これからは一般的になるのかもしれない。


走る楽しさを教えてくれる、低中速での滑らかな加速感。

 新型9-3には、2.8リッターV6DOHCターボと2リッター直4DOHCターボが用意される。今回の試乗車はV6ユニット搭載車を選んだ。トップグレードのエアロにふさわしいと考えたからだ。
 そのV6ユニットは、走り出してすぐにサーブ伝統の乗り味を全身で感じさせてくれる。わずか1800回転で最大トルクを発生することで、鼻先からクルマがグイグイ引っ張られるからだ。このターボによるトルク感はまさにサーブらしさの象徴と言えるだろう。不意にアクセルを踏込めば、最近のクルマにしてはちょっと珍しいくらいのトルクステアを発生するところも、らしいと言えばらしい。
 中間加速も問題ない。可変バルブタイミング機構の恩恵も加わり、スムーズさはこの上ない。
 エンジン特性を引き出すセントロニック6速ATも秀逸。特にパドル操作が可能なマニュアルモードでのスポーツドライビングは最高に気持ち良い。


航空機メーカー出身ならではの独特の味わい。

 航空機メーカーから生まれたサーブは、独自のテイストを持つ。ターボで過給するエンジンや空力にこだわるボディワーク等がそれだ。新型のCd値はセダンで0.28、エステートで0.33。もちろん、これらは現在は他のメーカーでも研究されているが、サーブの場合、一貫して追い求められてきているのだ。
 そのため、同じスウェーデン車でありながら、サーブはボルボよりもマニアックなポジションとなる。ストックホルム市内ならまだしも、スウェーデン国内でも決して目立つブランドではない。
 そんなサーブが、このところエタノールを燃料とする「バイオパワー」をリリースして、本国ではグッと台数を増やしている。スウェーデン人にとって環境問題は大きな関心事だからだ。
 そしてこの9-3の新型だが、進化しながら価格はしっかり抑えているところが嬉しい。スポーツセダンで368万円から、エステートで388万円からだ。
 ドイツ系のクルマに飽きたヒトには、たまにはこんな変化球?もいいかもしれない。ただし、買う前の試乗はマスト。操作系のフィールと乗り心地は、やはり独特な“味”があるからだ。


評価(10点満点中)

*

動力性能
7点
絶対的なパフォーマンスは問題なし。乗り味が好きか嫌いか?

*

操縦安定性
7点
FFならではのトルクステアはネガティブ要素でもある。

*

パッケージング
8点
どのボディタイプもスポーティかつきれいにまとまっている。

*

安全性能
8点
欧米では評価が高く、数々の賞を受賞。

*

環境性能
6点
特筆するところはない。

*

総合評価
7点
サーブならではの個性が生きている。

試乗日:2008年2月15日

ロケ地:神奈川県・横浜周辺

天候:晴れ

文:九島辰也

撮影:モーターマガジン社写真部

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