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話題の1.4リッターTSI+ツインチャージャーエンジンが、ジェッタにも搭載されることになった。VW自慢の新エンジンユニットが、ゴルフファミリーの4ドアセダンをどのように変化させてくれるのだろう。好奇心が、いやがおうにも高まってくる。


エンジンラインアップを一新した2008年モデル。

 ジェッタはゴルフをベースに作られた4ドアセダンだが、名前がヴェント、ボーラなど代を重ねる毎に変わった来た。その理由はゴルフのノッチバックモデルという添え物的なイメージから脱却を図るためだったが、06年1月に登場した現行5代目は原点のジェッタの名前にふたたび戻った。その替わりに、ボディパネルをゴルフと100%違う物として独自性をアピールしている。
 そんなジェッタの08年モデルの改良ポイントは、エンジンラインアップの刷新だ。これまでのジェッタは4気筒2リッターNAとターボの2機種を展開していたが、2リッターNAに替わって1.4リッターTSI+ツインチャージャーのエンジンが、ツインクラッチ式AMTの6速DSGと組み合わされて登場したのである。このパワーユニットは先にゴルフGT TSIやゴルフトゥーランTSIハイラインなどに搭載され大好評を博していたもの。ジェッタでのグレード呼称はTSIコンフォートラインで、これは先にデビューしたヴァリアントと同じだ。
 一方、2.0ターボのT-FSIエンジンは内容はそのままながら名称を2.0TSIに改め、グレード名はTSIスポーツラインと呼ばれる。


内外装はオリジナルだがスイッチ類はゴルフと同じ。

 今回はモデルイヤーの切り替えに伴う改良なので、パッケージングやスタイルに大きな変更は無い。コンフォートラインの全長4565mm×全幅 1785mm×全高1470mmというスリーサイズに変化はない。ゴルフよりひとまわり大きいのは、豊かな量感を持つフェンダーなどのデザインによるものだ。
 外板をゴルフと違えることで、ジェッタは非常に均整の取れたセダンになった。特にルーフ後端を穏やかに落とし込みトランクリッドへとつなげた端正なノッチバックスタイルが良い。
 それともうひとつ、ジェッタの内外装はゴルフ以上に上質感を狙った物となっている。エクステリアではクロームメッキを大胆に使ったグリルが目を惹くところ。インテリアも木目を積極的に使い、セダンらしい落ち着きと若干の豪華さを醸し出している。それでいてスイッチ類の基本レイアウトはゴルフと同様で操作性も明快だ。
 これまでと改良後モデルの違いとして上げられるのは、テールパイプがクロームメッキのツインタイプになり、前後のバンパー下スポイラー部分が黒からボディ同色となった事。インテリアではレザーの3本スポーク式ステアリングにアルミの加飾が行なわれた事などだ。


熟成度を感じる1.4TSIツインチャージャー。

 ジェッタTSIコンフォートラインに搭載される1.4リッターのツインチャージャーエンジンは、ゴルフGTを皮切りにVWの各モデルへと展開されている新世代のパワーユニットだ。排気量を1.4リッターと小さくすることでフリクションや低負荷時の燃料使用を抑えると共に、極低回転域をスーパーチャージャー、その上をターボで過給する事で十分なパワーを得るのがそのコンセプト。エンジン本体もシリンダー内に燃料を直接噴射することで内部温度が下げられ、圧縮比を上げても耐ノッキング性が高められるガソリン直噴を採用していることもあり、ともかく低速域からトルクフルなのが魅力だ。
  DSGのロゴの入った木目のシフトレバーをDレンジに入れてアクセルを踏むと、間髪を入れず豊かなトルクが湧き上がる。ゴルフで登場した当初はやや力強過ぎる感があったが、ジェッタではそんな粗さもすっかり影をひそめていた。この辺にも制御系の改良の跡がしっかりと伺える。
 同時に2.0ターボのTSIスポーツラインにも乗ったが、こちらは高回転域の伸びやエキゾースト音の迫力、それにDSGのステアパドルシフトなどが追加されており、いかにもスポーツモデルという雰囲気があった。


コンフォートラインは注目に値するグレードだ。

 コンフォートラインの履くタイヤはコンチネンタル・スポーツコンタクト2でサイズは205/55R16。同じエンジンを積むゴルフGTが17インチなのと較べるとやや大人しい設定で、実際のところ乗り心地の当たりを軽くしている分、コーナーでのロールなどボディアクションも相応に大きくなっている印象を受けた。
 しかし、だからといって乗り心地志向のソフト一辺倒の足まわりになっているわけではない。軽めのステアリングを切り込むのに応じてノーズは素直に向きを変えてくれるし、挙動も総量としてはそれなりに大きいが、ロールの進行速度が抑えられているため安心感の高い走りが楽しめる。さらに、追い込んで行っても最後までステアリングのレスポンスを失わないしたたかさもあるし、リアのスタビリティも高く、アクセルオフでの挙動変化も極めて少ない。実用セダンらしい穏やかな乗り心地を持ちながら、同時にスポーティな走りもかなり楽しめるこの味付けは絶妙だ。
 コンフォートラインの守備範囲の広さは、ジェッタのセダンとしての魅力をより強めている印象だ。


TSI搭載で確実にアップしたジェッタの商品力。

 ミドルクラスのセダンは、探してみると意外や数が少ない。特に輸入車の場合は主軸がハッチバックにあり、日本国内でセダンをラインアップしているのは限られたブランドに留まっている。
  VWもまた、このクラスに粘り強くセダンを供給している希有なブランドのひとつ。しかも現在のジェッタは専用デザインとした上にトリムレベルも豪華にして、このクラスのユーザーの嗜好に応えようとしている。こうしたキメ細かい取り組みはさすがインポートブランドのトップを走るVWらしいところだ。
 そのジェッタに、環境対応と走りを高レベルでバランスさせたTSIエンジンが設定された事で、商品性は確実に高まった。従来の2.0自然吸気から20ps アップとなったそのパフォーマンスはスポ-ティと呼ぶに十分。それでいて燃費は10・15モードでリッター14km、実用でもリッター10kmを下回る事は稀という優秀さなのだ。さらに、パッケージングの部分では触れられなかったが、このクルマは527リッターという巨大なトランクルームを持つなど、実用性の面でも極めて魅力の大きいセダンであることも忘れてはならない。


評価(10点満点中)

*

動力性能
8点
トルクフルな1.4TSIツインチャージャー。反応の鋭いDSGも魅力。

*

操縦安定性
7点
乗り心地と操縦安定性の好バランス。

*

パッケージング
7点
セダンらしい落ち着いた室内。荷室の広さも驚異的。

*

安全性能
8点
ESPやカーテンエアバッグなどは全て標準装備。

*

環境性能
8点
普通に走ってリッター10kmは確実に走る。

*

総合評価
8点
TSIエンジンの搭載により魅力が倍増した。

試乗日:2007年10月3日

ロケ地:千葉房総方面

天候:晴れ

文:石川芳雄

撮影:村西一海・モーターマガジン社写真部

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