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日本流に言えばミドルハッチ、世界的にはCセグメントと呼ばれるカテゴリーで定番的な人気を誇るVWゴルフ。これに待望のワゴンモデルが追加された。グレードによっては300万円を切る車両価格もあって、ゴルフファミリーの中でも最も気になるモデルの1台だ。


ベースはセダンバージョンのジェッタ。

 ゴルフワゴンから本国と同じヴァリアントへと名前も改まった今回のモデルの登場は、ハッチバックから3年とかなり遅れた。ゴルフVは歴代モデルとは異なり、トゥーランやプラスといった様々なバリエーションを発表したため、この期に及んでまだワゴンが必要か見極めていたのだろう。今回の登場はユーザーからの根強い要望に応えて、といった側面もあるようだ。
 ヴァリアントの生産はVWのメキシコ工場が担当する。ここではゴルフのセダンバージョンであるジェッタがすでに生産されているのだが、ヴァリアントはこのジェッタとフェンダー周りなどのデザインが共通。ハッチバックより360mm長い 4565mmの全長も同じだから、新型ヴァリアントはジェッタベースで作られたと見て良いようだ。
 日本に導入されるのはコンフォートラインとスポーツラインの2モデル。前者はゴルフGTなどに搭載されるツインチャージャーの1.4リッターTSIエンジンを、後者はGTIと同じ2リッターターボを搭載する。トランスミッションは共に素早いシフトに定評のあるツインクラッチ式の6速AMT、DSG。スポーツラインにはステアリングパドルも装備される。


先代より一回り大きくなったボディ。

 ホイールベースは2575mmで、これはゴルフHBとまったく同じ。しかし全長は360mm伸びており、それはほとんどリアオーバーハングの延長にあてられていて、いかにも実用車らしい落ち着きのあるプロポーションとなっている印象だ。
 全幅は1785mmでHBより25mm拡幅されているが、これはフロントフェンダーなどのデザインが異なる事に起因している。5代目でボディが一回り大きくなったゴルフシリーズだが、これまで国内で乗っていて特に不都合を感じる事は無かった。ヴァリアントではさらに幅方向が拡大されたわけだが、これくらいであれば取り回しなどに差はほとんど無いはずだ。また、ルーフレールの装着に伴い高くなった全高もコンフォートラインで1530mmだから、タワーパーキングでもほとんどOK。
 スタイリング全般の印象も、シンプルで機能的な雰囲気だ。ただ、リアゲートのガラス部分が以前より前傾したテールエンド周りは、ややスタイリッシュさを意識した感じ。それが逆に個性を薄めた感もあり、中央のVWマークが異例に小さい事もあって、新しいリアビューとして認知されるには少し時間が掛かるかもしれない。


積載能力は見た目以上。

 全体を柔らかい曲線で包みリアウインドーの傾斜も強まったヴァリアントだが、さすがに積載性能に関してはまったく妥協していない。後席使用時のトノカバー下の積載容量は505リッターでこれは歴代最大。タイヤハウスの張り出しは少なくないものの、その後方の側壁を削り込み幅を大きく取るなどスペースを無駄無く使ったラゲッジルームは実に広々としている。ちなみに先代ゴルフワゴンは460リッターだから拡大幅は非常に大きく、これはもはやひとクラス上のDセグメントワゴンにも迫る容積。
 リアシートの折り畳みはダブルフォールディング式を継承した。最近のワゴンは簡便さを求めてシングルフォールドにするクルマも多いが、ゴルフは容積にこだわったわけだ。ちなみに、左右3:7の分割可倒式リアシートをすべて畳んだ時の最大荷室容積は 1495リッター。この数値も先代に対し15リッターの拡大である。ダブルフォールドとした事で畳んだ時の床は完全にフラットとなるし、リアの座面を取り外す事でさらに荷室長を広く使えるなど、実用面の作り込みは完璧と言える。
 室内空間はハッチバックとほとんど同じ。したがって居住性も十分に高い。


1.4TSIは熟成が進んだ印象。

 1.4ツインチャージャーと2.0ターボの2種類のTSIエンジンは、精密な燃料噴射を実現する直噴システムを採用するとともに、ベースとなる排気量を小さく抑えつつ過給器でパワーを稼ぎ出すのが特徴。それがもっとも良く分かるのがコンフォートラインに搭載される1.4TSIで、アイドリングに近い領域はスーパーチャージャー、その上をターボで過給するため、とても1.4リッターとは思えないほど低速からトルクフルだ。ゴルフHBから搭載が始まったこのエンジン、当初はやや低速トルクが強過ぎる印象もあったが、ヴァリアントまでで熟成がさらに進んだのか、DSGとのマッチングも良好でスムーズな走りを見せる。先代の2.0自然吸気よりパワフルで燃費も良好なこのエンジンは、シリーズ切ってのお勧めモデルとなりそうだ。
 一方、スポーツラインの2.0TSIは高回転まで続くパンチと迫力のエキゾースト音で、その名に違わぬ刺激的な走りを見せる。
 いずれもハンドリングは他のゴルフファミリーと同様、正確で軽快。スポーツラインは乗り心地に硬さを感じる部分もあるものの、それでも許容範囲内にはある。


どちらを選ぶか、楽しみながら悩める。

 実際に乗ってちょっと気になったのが、ドアの開閉音やスイッチ/レバー系の操作感など数値に表しにくい「質感」だった。正確なフットワークなどの走り味は変わらないのだが、HBのゴルフにはいかにもドイツ車らしいに重厚感があるのに対し、ヴァリアントはどこか軽々しい感覚が残る。
 しかしそこを除けば、実用性に優れたパッケージングで、パワーユニットも新世代の物に切り替わったこのワゴンモデルは非常に魅力的だ。
 悩ましいのはモデル選択だろう。コンフォートラインは296万円、スポーツラインが335万円というプライシングは絶妙だ。両者の違いはエンジンとスポーツサスペンションの有無、それにスポーツはDSGにパドルシフトが備わる事など。刺激を求めるならスポーツとなるのだが、コンフォートも動力性能はかなり充実しているから余計に悩ましい。その他の装備で異なるのはキセノンヘッドライトの有無、スポーツシートかコンフォートシートかなど。エアコンや安全装備はともに充実している。
 開口部の大きい電動パノラマスライディングルーフも両車に等しくオプション設定。というわけで、グレード選択はかなり楽しめそうだ。


評価(10点満点中)

*

動力性能
8点
低速域から力強いTSIと反応の鋭いDSGのコンビが魅力。

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操縦安定性
7点
全長が長くなったが軽快さは変わらずキープ。

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パッケージング
8点
クラス最大級の積載力はさすが。

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安全性能
8点
ESPやカーテンエアバッグなどは全て標準装備。

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環境性能
8点
普通に走ってもリッター10kmは確実にマーク。

*

総合評価
8点
実用性と走りを兼ね備えた、クラス一推しのワゴン。

試乗日:2007年11月5日

ロケ地:千葉県内房方面

天候:晴れ

文:石川芳雄

撮影:モーターマガジン社写真部

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