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無差別テロ

23/09/2013、雨。これからHSCにC/T Scanningに参ります。
 
がんノート:
 
(A)18/09(水)のマルセロ田中医師の診断のポイントは
  1. 血液診断の結果は良好。
  2. 風邪の心配あり、為念Cipro500mg(抗生物質)を処方しておくので1週間服用のこと。
  3. うがいと水分補給を十分にすること。
  4. 無理しても食べ、運動量も徐々に増やすこと(体重が前回診断時より2kg減って60kgになっている)。
  5. CTスキャンを行い、2週間後にその結果を持って戻って再診断(23/09にCT検査、02/10に再診)。
  6. 身体の痒みについては皮膚科のマルセロ中村医師の診断を受けること(23/09アポ取付け)。
  7. 体力の回復が先決ゆえ当面Xelodaの服用は中止し、Avastinの投与だけ続行のこと。
  8. 看護婦よりCipro500mgについて、①コピー薬でなくOriginalを求めること②強い薬ゆえ空腹時でなく必ず食後に十分な水で服用すること、との追加補足説明があった。
(B)体力回復が最重要、その為には無理しても食べ動くこと、「無理しても」がキーワードだと自分に言い聞かせました。好循環に載せるための再挑戦です。
 
今週のノート(下線以下):時代は、人類が生延びる為の知恵を試しているようです。シリアの化学兵器問題を切り取り、その根底にある「無差別テロ」にフォーカスして思考してみました。戦争がもはや紛争の解決手段でなりえなくなくなった現下、残された道は話合いで解決の道を探る以外にありません。国家間の話合いとは、外交交渉のことですが、交渉とはGive & Takeを通じての駆け引きのことです。駆け引きとはナイーブさを許さない「騙し合い」も辞さない領域です。賢明な妥協が求められる外交交渉は当にアートの世界です。

無差別テロ
非人道的行為の第一に挙げられのが無差別テロだ。それを絵に描いて有名になったのは、ピカソのゲルニカだ。私の寝室の壁にスペインで買ったコピーが額に入れて掛けてある。この白黒画からその非人道性が伝わってくる。ゲルニカ以降、現代に至る無差別殺戮は深刻化するばかりだ。ヒロシマ、ナガサキ、9.11、シリア化学兵器、等々数えれば切がない。人間の心がすさんで来ているからだろうか。あるいは、科学の進歩が必然的にもたらしているものと考えるべきだろうか。飛行機が発明されて、空から爆弾を落せるようになると、地上に蠢く人間も他の生き物も差別なく殺される。効率を考えると、大量破壊兵器となり、核爆弾に行着く、ローテク、安上がり、手間が掛らない選択肢は化学兵器ということになる。こうして、人間は「狂った猿」になってしまった。科学の進歩で、この猿は益々狡賢くなり、小規模の化学兵器の生産現場は、発見が難しい。あのオーム真理教ですら人類滅亡を可能にする量のサリンを製造していたというではないか。地球上の「狂った猿」を管理することなど不可能でないのか、と暗澹たる気持ちになる。
 
がん哲学外来を組織する病理学者の樋野興夫先生はがん細胞を顕微鏡で覗く仕事をしているが、「がん現象は社会現象にも見える」と言う。化学治療の発達で様々な「がんキラ‐薬」が開発され、副作用も少なくなってきた。例えば、分子標的剤はがん細胞を狙い撃ちするので正常な細胞を傷付ける確率は大幅に低下していると言う。同じことが殺戮兵器の世界で起きている。コンピュータのお陰で狙い撃ちの確率が高まっているそうだ。更に、空飛ぶコンピュータ(爆弾を搭載した無人機)が多用されるようになった。しかし、殺戮コンピュータは心を持っていない。これを「狂った猿」が安全な所から制御するのか、と想像するだけで身震いがする。
 
無差別テロはテロリストの発明ではなく、先進工業国の産物だ。テロリストから見ると、無差別殺戮に抵抗しているのは自分達だと思っているに違いない。彼等は、そもそも簡単な武器の製造能力すら持っていない。彼等の手にしている武器は先進国では時代遅れの、言わばOutlet商品だ。自分達こそ「自由と平和の為に闘っているのだ」と思っている筈だ。シリア政府に化学兵器の廃絶を迫っている日米欧は、化学兵器廃絶約束をシリア政府から取付けるというロシア政府案を受容れられない。単に信用できないからだけではない。化学兵器は安価に作れ、その隠蔽が容易なことを知っているかだ。核兵器縮小・廃絶を叫ぶ国々が核保有しているからだ。欧米日は、シリアの説得にはロシアの、北朝鮮の説得には中国の仲介なしには不可能になった現状を直視すべきだ。相手側の観点から物を見ることは、交渉成功の必要条件だ。だから、交渉は、Give & TakeArt芸術)だとも言う。
イビウナ、23/09/2013 中村 勉/庵主
 

外国語

大型の台風18号は数十年に一度の大雨をもたらすと特別警戒注意報が出され、心配していましたが、恐れたほどの被害もなく、日本列島を通過した様子でホッとしています。
 
がんノート:先週のノートが、ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。多くの方々から、お見舞いと励ましの言葉を頂き、恐縮しています。「キミオを止めて良かった」という意見と「それでも主治医の指示を仰ぐべし」という意見が半々でした。主治医に指示を仰いだところ、「直ちにXelodaを止めて、水分を多量にとる様に」との指示でした。
その結果、体力も徐々に回復しつヽありますので、ご安心ください。今後のことですが、「キミオを中止するので、次回の血液検査は不要ではないか?」と質問したところ、主治医は「免疫力を確める為に、血液検査をするように」とのことでした。以上、お礼方々、ご報告まで。
 
今週のノート:孫娘の一人が英語習得の為、1年間英語圏に留学したいと言ってきました。普段から孫達に言っている自論「勉強は本人の意欲が第一、おカネで買うことはできない」ですので、又かと思うに違いない孫達には余り繰り返したくはありませんが、この機会に敢えてWNに認めることにしました。ご異論歓迎、お便りをお待ちします。

外国語
国境が低くなり、相互コミュニケーションが密になるにつれて、外国語を学ぶ必要性が高まる。もっとも多用されているのが英語だから、英語の習得が益々必要になる。その学習法も多様化し、あれやこれやの宣伝が盛んだ。子供が小さいうちに学ばせるのがよいと、家族で英語圏の外国に移住するケースも出てきているとTVで知った。短期・長期の英語習得留学も、国内英語塾も多種多様で、成果や如何と気になるところだ。半世紀近くも外国生活して、外国に住めばその国の語学が身に着くわけでない例を沢山見てきた。NYで英語が出来ない日本人に沢山出遭うし、SPRioでポルトガル語を話せない長期滞在の日本人を数多く見てきた。
 
語学、特に英語教育はBig Businessで、国を挙げて奨励しているので、やゝもすれば、金さえかければ外国語に堪能になるという錯覚に陥り勝だ。売り込む側も巧妙だから要注意だ。言うまでもないことだが、学校や海外生活などの環境、或は語学機器が語学力を与えるわけではない。学ぶのは本人だ。学ぶ意欲に乏しい者は安きに流れ易く、学習に割く時間も少なくなる。それでは、外国生活も学習の武器にはならない。又、折角ある程度身につけた外国語も使わなければすぐ錆びる。45年海外で駐在した人でも、帰国して数年たつと、学んだ筈の外国語も、数語の単語だけになってしまう。特に、あまり使わない外国語はそうなる。着任当初の新米ブラジル駐在員に「ブラジル人の友人を作れ、地図をもって歩き回れ、ブラジル飯を食べよ、簡単なブラジルの歴史教科書を読め」と勧めることにしている。多くの駐在員はレストランで注文できるようになると、帰国命令がくる。これでは元のモクアミだ。中国人や韓国人は日本人より外国語が堪能だと言われるが、日本人のように帰国せず、棲みつく。彼等は帰巣本能に乏しいのだろうか。日本人にとって日本の住み心地が良すぎるのだろうか。これも我々より彼等が総じて、外国語に堪能な事情かもしれない。
 
半世紀前に新入社員が先輩に受けた語学の指導は、「中学校の英語の教科書を繰り返し声を出して読みなさい」だけだった。既にサマーセト・モーム、シュヴァイツア、ラッセル或はサムエルソンの経済学を原書で読んでいたので、内心馬鹿にしていたが、外国語で仕事するようになって、本を読めることと仕事や生活をすることとは別物だと思い知らされた。先輩の指導に改めて感謝した。ブラジルに赴任する時、部長がリンガフォンを餞別に買ってくださった。その時、半分は自前で払え、自腹を切ったものは活用するが只で貰ったものは使わなくなるからだ、と言われた。味わいある先輩方がいた時代だった。今は会社持ちで高い語学学校に12ヶ月通よい、その後で赴任すると言う。何でも金で買える時代は、ものごとの本質を見失う。
イビウナ、16/09/2013 中村 勉/イビウナ庵主

費用対効果(2)

がんノート:開腹・縫合した痕から生えてきた肉腫が火傷のように熱く、食欲を失い、睡眠を奪い、通じもなくなりました。つい1ヶ月前に、飲み薬Xelodaを飲み始めてからです。体が見るみる衰弱してきました。先週同薬を体が受け付けなくなりました。それまでの回復振りに主治医も目をみはっていましたが、突然の変化と悪循環入りに当惑しています。
 
逆に、Xelodaを受付けなくなって、少しづつですが食べられるようになり、通じも戻ってきましたが、お腹の火傷のような痛みは睡眠の妨げになり、この対策に苦慮しています。食・便・眠の中、眠に欠けています。眠られないので、読書量が増えました。ヒルティの「眠られぬ夜のために」を思い出します。
 
WN:そんなわけで、今週のノートは、何時ものようなわけには行かず、苦労して認めました。これが最後のノートになるかもしれないという思いが頭を過ぎりました。無理できないなぁーと、今後は書ける時に書くことにします。

費用対効果(2
がん化学治療(キミオテラピア)を止めろ、というアドバイスは何人かの人から寄せられていたし、医者本も何冊か読んだ(真柄俊一著「がんを治すのに薬はいらない」等)。がん克服者でキミオ経験者は、「副作用の怖さを体験してない医者は危険だ」と言う。又、問題点としては、①年齢や体調を十分顧慮しない医者が多い、②開発に先行高額投資を要する薬品会社と医者との癒着関係がある、③全く効果がないわけでなく、一定の効果がある、とも指摘する。これは何を意味するのだろうか。Cost vs Benefitの観点から問い直してみる。
 
経済学にCost vs Benefitという分析ツールがある。以前この概念についてWNで触れたこともある。それで、今回はその(2)とした。実は、この分析toolは経済学に限らず様々の分野で応用されている。日常生活でも、これはチョッとおかしいと思った時、利用すると役立つ。私達の観察や思考には必ず死角があるからだ。例えば、医者は専門家で患者は素人だから、専門家の意見に従うべしと、疑問を持たずに鵜呑みにする嫌いがある。しかし、医者は患者を多く診るとは言え、患者ではない、即ち患者としては素人だ。ここに死角がある。一概に「専門家の意見に従うべき」とは言えない。ここに、キミオテラピアのCostBenefitを測る必要が出てくる。がん細胞を撃ち滅ぼす効果と患者のオーガニズムを壊すコストの比較が必要になる。がん退治の目的で患者が死んでしまったでは、本末転倒だろう。若者に耐えられても、老人の体には過重な負担だ、ということもある。
 
エネルギー・バランスという考え方も同じだ。1単位のエネルギーのoutput1単位以上のエネルギーのinputが必要になるエネルギー源は役立たない。ましてやinputが定まらないエネルギー源は問題外だ。科学者の目も死角を持っていることに注意すべきだ。政治家も、世のため・人の為だとコスト・ベネフィットを無視して得意になっていてはいけない。国が破綻する。WN26/08/2013で「世界は国家主権主義という虚構を超えられるか」と問うたのも、世界中が何かおかしい (Something’s wrong) ?と気付きはじめたからだ。米国の1%の富裕層と99%の貧困層の構図に対する疑問(ボルカー・ルールという対策は出たが実行されていない)、ブラジルに於ける「財政責任法はできたが、汚職は一向になくならない」苛立ち、租税をめぐる国家とグローバル大企業の攻防、日中韓の国境問題、スノーデン問題、シリア問題等々だ。
 
費用対効果は、人生についても応用できる。誰でも生涯の終りが近づくと、自分の一生を総括する。確かバートランド・ラッセルのConquest of Happinessだったと思うが、そこには「誰かが不幸になった時、自分がその原因でなかったし、逆に幸せになった時、自分がそれに幾分でも貢献したと思える、そんな人生を歩みたい」とあった。これなどは、Cost vs Benefitの考え方が反映している例だと思う。学生時代に英語の副読本で読んだが、半世紀を経た今、そのシンプルな言葉が記憶の底から甦ってくる。
イビウナ、09/09/2013 中村 勉

生命観

先週末、Mさんご夫妻がAさんご夫妻の案内でイビウナ庵を訪ねてこられた。13年振りの再会で、うれしかった。積もる話はいくら時間があっても足りなかった。男3人組と女3人組に分かれて、話し込んだ。男組は、Aさんのがん克服(12年経過)に至る闘病の話を中心に話が進んだ。Mさんも17年の喉頭ポリープ(初期がん)と付き合ってきたとのことだった。
 
がんノート:正常細胞は転移しませんが、がん細胞は転移します。正常細胞は環境の異なる他の部位には生きていられませんが、がん細胞は変貌して他の環境に澄まして生きて行く知恵を獲得しているからだと言います。がん細胞は、抗がん剤とも闘い、対抗する術を獲得するので、同じ治療が効かなくなるのが通常だと言われています。私のがん闘病も第2段階に入りました。何れキミオを止めざるを得ないと考えていた所ですので、Aさんの話(キミオを止め食事療法でがんを克服12年経過)は時宜を得たものでした。「薬がガン細胞を完全に殺す前に患者が死んでしまう」ことのないように。
 
Weekly Note(下線以下):最近読んだ本2冊と愛読書1冊の紹介です。特に「ソフィーの世界」は若者に強く薦めたいと思いました。他の2冊はがん闘病者には、参考になると思います。

生命観
生物学が20世紀に到達した命の定義は「自己複製を行なうシステム」だと、ベスト・セラー福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書2007)にある。これは、産卵を終えた鮭がその一生を終えるドキュメンタリー映像とか、虫の一生の話に合致し、素人にも理解できる。人は60兆個の細胞で成立ち、細胞は日々死に日々再生されていて、昨日の私と今日の私は同じでない、動的均衡状態を生きていると、生物学者は言う。生きている状態とは、従って、「動的均衡状態の流れ」だと言い、その流れが止まると命も終る、流れは、最初勢いよく、次第にゆるやかになり、安定にむかいやがて止まる。これが万物に当てはまる熱力学エントロピー増大の法則だ。この法則によりエントロピーが最大になる時に流れは止まる(死とは流れの最も安定した状態を意味する)。命とは何かを、生物学者が書いた科学ミステリーで、学者が謎を一つ一つ追詰めていく姿は名探偵そのもので、読み始めたら一気に読める。又、エピローグ(僅か10)は優れた宗教的な雰囲気を醸すエッセイになっている。
 
発がん研究に携る病理学者もがん細胞を顕微鏡でにらみ、生死観を生物学者と共有する。人はだれでも、「37度の体温で保温されて生きている以上、或る確率でDNAに傷がつく。よって生きるということが『がん化への道』でもある」しかも人間の持つ60兆個の細胞の1つ1つにあるDNA2メートルをつなぎ合わせると「1200億キロメートルになり、100億キロメートルの太陽系の12倍、詰り人は宇宙を内包している」と言う(樋野興夫順天堂大学教授)。必然がん病理学者は哲学者になる。又、このように膨大なDNA12%が傷つくのは不思議ではない。がん細胞を顕微鏡で覗くとがん細胞の知恵と個性に目をみはらされる、とも言う。がん病理学者の「死生観」は生物学者の「生命観」に重なり、21世紀のがん治療の課題は「如何にがんと上手に付き合うか」ということになる。
 
私の愛読書の一つにヨースタイン・コルデル著「ソフィーの世界〜哲学者からの不思議な手紙」日本放送出版がある。初版が1995630日だが、2ヵ月後に私が手に入れたのは第24刷になっていた。大ベスト・セラーだった。BERKLEY BOOKSの英語版19963Paper-backNYの空港で手に入れた。折にふれ、読み返しているが、14歳以上の誰にでもお薦めしたい本だ。その中には、17世紀の哲学者の言葉が生物学者の呟きに反映されているのを見ることができる。デカルトが考えた「実体は2つ、すべては思惟か延長のどちらかだ」対スピノザの「実体は1つ、人間は神の2つの属性しか知ることができないだけだ。世界は神の中にある」の論争は生物学者の発見「内部の内部は外部である」に反映されていなか等々。哲学は「存在とは何か」を追い求め、生物学は「命とは何か」を探求した。
イビウナ、02/09/2013 中村 勉/イビウナ庵主

改革と抵抗勢力

イビウナは曇り、昨日は温かい陽射しを楽しみ、あぁ春が来たなと喜んでいましたが、今日は寒さがもどるのでしょうか。
しかし、寒暖を繰り返しながら春は確実にやって来ているように感じます。
 
がんノート:先週水曜日のキミオは今週に延期されました。Maecelo医師の診断は脱水症で、その治療が先決、キミオは体力が回復してからにしよう、と言うことでした。取敢えず1週間分の抗生物質Cipro 500mgを処方され、1週間の安静を言い渡されました。がん医師は患者の副作用による苦しみを考慮せずがん治療を無理強いするものと恨めしく思っていましたが、然にあらず、患者の体調によっては「がん治療を中止する」役割も果たしていることを知りホッとしました。
 
今週のノート:改革を進めるローマ法王に対抗勢力が毒殺を計画しているとの噂が流されてきました。ローマ・カトリック王国も他の国と同様、その基礎が大揺れにゆれています。今週のノートは世界に共通の現状をテーマにしてみました。
お便りをお待ちします。

改革と抵抗勢力
今ローマで源不明の、フランシスコ法王暗殺計画の噂が流れている、とのメール回状が入ってきた。新法王は史上初のイエズス会出身で初の南米人でもある。カトリックの改革という期待を一身に負って選ばれた経緯もある。門外漢には、にわかには理解し難いが、法王庁の廊下を不穏な空気で満たしている抵抗勢力の言分はおよそ次ぎのようだ。①聖木曜日の足洗儀式で、バチカン外の少年刑務所「大理石の館」で4人の非カトリック教徒(2人の女性+2人のイスラム教徒)を含む儀式を行なった、②フランシスコ法王がバチカン宮殿の法王室を拒み、4星の聖マルタ・ホテルに住んでいる、③ベント15世前任法王とガンドルフォ宮で昼食した折に、密かに前任の生前辞任の理由の1つが毒殺の脅迫だった、と聞かされた、④フランシスコ法王の唱えるローマ・カトリック教会の華美を廃する改革はバチカンの丸天井に刻み込まれてきた伝統に真直反する、また同法王が密かに抱いている女性のカトリック司祭職を認めるアイデアはカトリックの基礎を揺るがす、⑤法王が大衆に訴えている「イスラムとの対話を深めイスラムとの融和を図るべし」という考え方は相対性神学の謗りを招く、⑥法王は聖木曜の洗足儀式に於けるバチカンの最高の役割を矮小化した、⑦法王は誰に諮ることなく、聖職者規定を変更したなどローマ・カトリック教会の定めを違反した、⑧Opus Deiはフランシスコ法王に関する最初の本「雷鳴(Troa)」の販売を禁止した、⑨法王の進めている反腐敗運動はイタリア・マフィアやバチカン金融関係者の反発を招いている、⑩バチカン権力構造の核をなすOpus Deiや開明フリーメーソンの如く金融・経済に影響の強い部門、或はイタリア・マフィアが、法王の改革に対立している、⑪バチカンは違法者にとって最早聖域ではなくなった。以上、理解し難い言分だ。
 
ローマ・カトリック王国も、中国共産党1党独裁国も、EUも、中近東諸国も、もっと言えば、世界中が大揺れに揺れている。日本も例外ではない。ブラジルも同じだ。問われているのは、「国とは何か?」だ。そこに改革派が生まれ、抵抗勢力が歯を剥き出す。上述のローマ・カトリックの現状は、シリアの現状や中国の現状と同様、局外者の理解を超える。日本も外国人には分り難い。ブラジルも然り。世界は国家主権主義という虚構を超えられるか?
 
先週のノート19/08/2013に多くの方からコメントを頂いた。その中の1つに、詩人寺山修司の短歌が引用されていた。この短歌に触れたのは、確か大学生の頃だった。それ以来、敗戦を抱きしめて生きていた当時の若者の心を捉えた歌は、私の心に住み続けてきた。
マッチ擦るつかのま海に
霧深し
身捨つるほどの祖国はありや
 
この歌と共に、母が口遊んでいた与謝野晶子の「君死ぬこと勿れ」と「柔肌に熱き血潮に触れもみで」の2首が、一切の解説もないまま、折々に遺言のごとく思い浮ぶ。
イビウナ、26/08/2013 中村 勉
 

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