丼勘抄-ヨット住まいに憧れる山の民の日記-

題名は山風先生の傑作「風眼抄」から、副題は《あの刑事》にあやかって名付けました。それ故、ヨット自体は全く詳しくないですw

小説の感想/通常

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自分にとってのレジェンドな小説家
 隆慶一郎/好きな作品……「かぶいて候」
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推理小説の巨匠・松本清張によって、江戸時代の書物「甲陽軍鑑」をベースに執筆した歴史資料本的要素を持つ小説。

武田信玄の生涯を中心に据えながらも、そのあたりは最小限に抑え、随所に当時の戦国武将たち各々の生涯や一族の出自などが描かれている。
それに関連して、所々で勢力分布図や戦場となった箇所の詳しい地図などのページを設けて読み手に状況を把握しやすくしている。
これって編集側の配慮だと思うんだけど、読んでいて非常に重宝した。こういうのって、本当にありがたいんだよねえw

正味300ページ近いんだけれど、サクサク読めたわw
全体的に娯楽性自体は弱いけれど、戦国時代の有力な武将たちの状況を把握する上で、かなりの良書。

飛鳥時代の伝奇小説やSF小説に定評の有る氏によるタイムスリップもの。
全6章からなるオムニバス形式となっている。
各章の狂言回し的なポジションは、市井の立場にいる人物たち。
その視点から歴史的事件や権力者たちの顛末が語られている。
また、意図的に彼らに関わろうとする時間犯罪者たちの主張が…なんともユーモアや皮肉に溢れている。

「白村江異聞」
大化の改新より少し前、百済からやって来た王子と家臣が辿る数奇な運命。
趣味に生きようとした王子が突然、権力を握ってしまうと…。
そりゃあ、王子にとっては良い着地点が用意されているけれどもねえ。
そこへ行き着くまでに巻き込まれた周囲の人々は…たまったものではない。


「壬申乱異聞」
前章では中大兄皇子として重要な役割を担った天智天皇。
その後の運命のいたずらが…なんとも悲惨。


「信長公異聞」
この章あたりから時間犯罪者たちの行動が、よりアクティブになっていく。
織田信長や明智光秀の心理描写が、やや少なめなのが残念。


「清正公異聞」
一般的に《猛将》の印象が強い加藤清正なのだが、本章においては新たな解釈がされていて興味深い。
確かに…資料的には、そうなのかも?ってのが非常に面白い。


「尾張名古屋異聞」
八代将軍吉宗の時代、倹約を良しとする世の中。
そこに、二十世紀の経済学を参考にして尾張を復興させようと暗躍する名古屋出身の時間犯罪者。
犯罪者ながらも、なんとも憎めないキャラ設定が秀逸!


「ミッドウェー異聞」
現用兵器(二十世紀)の最新試作兵器を装備した自衛隊の護衛艦がミッドウェー海戦の前日にタイムスリップ!
勝敗逆転を狙う時間犯罪者と徐々に《いけいけ》状態になっていく自衛官たちが笑える(←不謹慎w)。
各々の兵器の描写が細かく、かなり勉強して執筆に臨んだ事が読んでいて《ひしひしと》伝わってくる。

8/31までに読み終わらせなければ!(←TV版を見ていれば意味が分かるはず!)と思い大慌てで読んだのだが…全然、そんな必要は無かったわ(´Д`υ)
う〜ん、そのあたりは少しだけ残念(´д‐)=3

内容的には凄く面白かった♪
主人公のクロウとヒロインのレジーナ(←この世界最強キャラw)をとりまく環境が目まぐるしく変化していき、その中で紡がれる両者の心のふれあいや悲哀が絶品!
でもクロウ自身、かなり抽象的な性格だったり挿絵すら無かったりで全体像が今一つかめない気もした。
まあ、どちらかといえばレジーナに話の比重が置かれているから仕方が無いのかも。
クロウの声は特に誰っていう風に思わなかったけれど、レジーナは本多知恵子っぽいかな。
無邪気さと冷静さ(冷徹)…それと少々(?)の暴走や狂気からのイメージ故に、そんな感じがしたw

それはそうと…シズノ先輩や生徒会長が絶妙なサジ加減で登場する(℃゜)!!

それに、ゲーム版のキャラたちも…なのだが、こちらは出番が多め。
まあ、実際にプレイしてないので読んでいても微妙に馴染めなかったけど。

これで「ゼーガペイン」は、TV・ゲームさらには小説と各媒体で異なったキャラを主人公にして展開されたわけだが、今回の小説に関しては未だ未消化な箇所も残されているだけに、もしも2巻目を出せるのならTVの最終決戦時におけるゲームと小説のキャラたちの行く末を是非とも書いてほしいところ。

本作は、かの名作「甲賀忍法帖」(著:山田風太郎) のオマージュ小説。


やはりというかなんというか…遥かに「甲賀忍法帖」には及ばない出来だったりする。


複数の異形の者たちによるチーム戦で、各人の特技も一応は個性的…まあ、そこは特に問題は無い。

ただ、それ以外の面で作品として平板過ぎる。
「甲賀忍法帖」ほどは、作品全体から発せられる《あくの強さ》やユーモア・風刺も無く、最終的なオチも弱い…無情さは少しだけ有りって気もした。

また、終盤までの《引き》の役目をはたしている両陣営が戦う理由も非常にぼんやりとしていて、読んでいて『へ!?…そんなもんなのぉ…』と首をかしげてしまう。
このあたりは「甲賀忍法帖」のように最初にしっかりと読み手に知らしめておいて、それでいてシンプルな方が読んでいて喰い付き易い方が良い気がする。

ラスト間際の大立ち回りは、そこそこ迫力が有ったり、のりも良い方なので総評としては駄作の部類には入らないものの…プラマイゼロって感じかな。

以前、感想を書いた「駆込寺陰始末」と同様に、共通の登場人物たちが様々な事件に遭遇していくといった各章で独立した話となっている。
ただ、本作の場合は《旅もの》の形式をとっていてる。

亡き師匠の打った駄作の刀を折る旅に出た主人公で刀匠の鬼麿。
その序盤で旅の供となる《やんちゃなチビっ子》や《わけ有りで威勢の良いツンデレヒロイン》という王道な配置の中心に位置する鬼麿なのだが、この鬼麿の設定が非常に異質だったりする。
何が異質かというと…自他の行う殺人・窃盗などに関して、特に気にせず生きているという事。
現代では当然、本作の時代である幕末より少し前の頃でも、これらは非社会的な行いである事に変わりは無い。
それでも、鬼麿自身は決して凶悪な印象を読み手に与えないのが面白い!
劇中では、純真な部分も持ちつつ、筋の通らない事に対して烈火の如く怒るからなのかもしれない。
どちらかといえば、冒頭で自刃する鬼麿の師匠・清麿の方が《いかにもな》隆慶作品の主人公らしさをもっていたりするし…普段は温厚・へんに律儀・定番の酒好き等々www

脇を固めるのは王道的な配置なのにも関わらず、異質な主人公…それによって紡がれる物語が爽快さと重さが程よくブレンドされていて、なかなかのエンターテイメント作品となっている。

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