音楽と何でも手作りの部屋 Room314

音楽とオーディオ、料理全般、その他の手作り趣味等について色々書いていきますので宜しく御願いします。

全体表示

[ リスト ]

知人からの修理依頼品のアナログプレーヤー DENON DP−60M です。

どうもヤフオクで入手したものらしく、修理に手に負えなくて持ち込まれたものです。



故障状況は回転が45及び33とも早いとのことですが、良く見るとムラもあるようで少し調整したら直るとかそのような状況のものでは無さそうです。



ヤフオクの場合は不動作品は勿論ですが動作品であっても未整備品であることには変わりなく、多くの場合年数も経過していますからノーメンテでこのまま使うには問題がある場合が多く、自分でメンテ出来ない場合以外はこの手のものに手を出すのは避けた方が良いと思っています。

とは言え、このプレーヤーは1980年製の前回修理したDP−60Lのマニュアル機で、カートリッジ無しで定価82,000円の中級機クラスを狙った製品で、モノは悪くないので修理すればまだまだ使えるとは思いますので出来る限り修理してみることにします。




さて、本品は製造後30年は経過していますし、見た目の外観と中身は違うので内部を良く調べないと程度の状況は分かりませんので直るかどうかはやって見ないとこれまた分かりませんが...。 





イメージ 1





DP−60M本体の底蓋を外して基板部の外観点検を行います。

埃もなく一見問題なさそうですが....。




イメージ 2





どうもモータードライブ周りのトランジスタが違うようで、改造を含む部品交換が行われた形跡が見られます。




イメージ 3





基板の裏側を見てみます。


ウーン、やはり修理跡がありました。  パワートランジスタの交換時に基板のパターンを損傷させたようでジャンパー線で繋ぎ直しています。

こりゃあどう見てもプロの仕事ではないですなぁ。



ヤフオクの場合、このように改造されているケースがあるので要注意なのです。
しかもこのような修理・改造について告知していない告知違反のものがあり、安全上からも未整備品をそのまま使うのはどうなのかと思ってしまいます。


他にもこのような箇所が無いか良く調べます。 




イメージ 4





さて基板を睨みながら故障箇所を探ります。


回転が速いということはサーボが利いていないだけのことで、サーボ回路の故障と言うことになります。

全くサーボが掛からなければモーターは高速で普通に回りますので、ロックが甘い状態と言うことでしょう。



ここには2SC458LGが使われているようです。

このトランジスタは70〜80年頃、ローノイズのオーディオ用トランジスタとして良く使われました。

現行の2SC458はそうでもありませんが経験上、この頃の古くなった2SC458は劣化が進んだものが多いので交換してみることにします。




イメージ 5





交換した2SC458です。



5個ほど交換した時点で回転は少し定速に近づきムラが無くなりましたので、調整用の半固定VRを廻してロック出来るかどうか試してみます。





調整後、見事に33、45回転とも正常にロックすることが出来ました。



ついでに、この調整用の2個の半固定VRも古いので新品と交換し再調整を行いました。




と言うことで故障箇所の修理と言うことではこれで終了となります...が、まだまだこれだけでは終わりません。



取り外した2SC458の脚部は酸化して見るからに酷そうです。

他にも2SC458が使われていましたので合計7個交換しました。




イメージ 6





さて、これからが本題のオーバーホールに入ります。

30年から経過していますから故障箇所だけでは済まないはずで不安要素を極力排除します。



まず、ターンテーブルを外しモーター部の点検・整備を行います。




イメージ 7





本体部の上カバーを外し、モーターを取り外します。




イメージ 8





取り外したモーターです。 


外観上は問題無さそうです。




イメージ 9





反駆動側のカバーを取り外し、軸受部を点検します。

軸受部にはオイルレスメタルが使われており、軸端には約4mmの鋼球で受ける構造となっていました。



油はかろうじて残っていたようで軸部の損傷はありませんでした。




イメージ 10

イメージ 11





ローター部を引抜き外観をチェックします。


駆動側の軸受部の油切れから軸部に軽いスレ跡の傷が見られますが、年数からして程度は良い方で大きな問題点はありませんでした。




イメージ 12





ステーター部の内部点検です。


コイル部はキレイで全く問題ありませんでした。




イメージ 13





反駆動側の軸受部にグリスを補給しておきます。


駆動側の軸受部にも軽くグリスを塗りこみます。




イメージ 14





モーター部の再組込みを行い復旧させます。




イメージ 15





並行して基板の主要部品の交換を行います。




今回、交換した部品です


電解コンデンサ     20個
半固定抵抗        2個
レギュレーターIC    2個
パワートランジスタ    4個
小信号用トランジスタ   5個
タクトスイッチ      3個



専用IC及び入手不可のIC等があり完全ではありませんが、かなり修復出来ましたので家庭で使う分にはこれで十分でしょう。




イメージ 16





部品交換後の基板を再取付けしました。




イメージ 17





最後にターンテーブルのパルス信号検出用のヘッドのギャップ調整を行います。

このヘッドは調整前から取付けネジが緩んでおり、回転ムラが生じた時から弄っていたようです。


そんなことで、調整前のギャップは0.4mm近くありました。



ヘッドのギャップは約0.15mmで調整します。 




イメージ 18





この状態で電源スイッチを入れてみます。

スイッチONでストップボタンのランプが点灯しました。 



ストロボ窓のランプも点灯し、45回転のスタートボタンを押しますと緑のランプが点灯し、テーブルは回転しストロボランプは流れることなくテーブルの回転は瞬時にロックされているのが分かります。




ターンテーブルは1/3回転ほどで定速回転に達します。 
時間にすれば2秒は掛かっていないようで良好です。




イメージ 19





33回転のスタートボタンを押しても同様な動作となります。

ターンテーブルは1/4回転ほどで定速回転に達します。 




33から45回転の切替もスムーズで、ストロボランプは流れることなくテーブルの回転は瞬時にロックされます。




イメージ 20





停止時には電子ブレーキが掛かりストップも快調に決まります。


各スイッチの操作は何等不安無くスムーズに決まります。




と言うことで連続運転を行って異常の無いことを確認して、これでオーバーホールは完了です。




イメージ 21

閉じる コメント(16)

顔アイコン

こんばんは。DP60の内部は初めてみました。
モーターが意外にまともなつくりで驚きました。

2010/4/5(月) 午後 7:09 [ Record fan ] 返信する

顔アイコン

凄いですね♪ ここまで出来るというのはうらやましい限りです。

2010/4/5(月) 午後 7:10 SEED 返信する

顔アイコン

RECORD FAN さん。 こんばんは〜♪
アナログプレーヤーは何と言ってもモーターが命です。
中古品はここまで確認が出来ないのでどうしてもリスクが高いですね。
DP−60の価格帯としてはこのモーターは良く出来ています。 思っている以上に状態が良いので十分使えることが分かりました。

2010/4/5(月) 午後 7:23 woodbell_136 返信する

顔アイコン

SEED さん。 こんばんは〜♪
最近はアナログプレーヤーの要求も高くなってきていますが、市場には手頃な価格帯のものは無いと言うことで中古市場がターゲットになっているようです。
ヤフオクでの中古品も人気がありますが、今回は未整備ではこんなものだと言う修理の一例として取り上げました。

修理は知識・経験の他、設計・製作技術と最後は根性が必要です。 人のモノだと余計に気を使いますね。

2010/4/5(月) 午後 7:36 woodbell_136 返信する

顔アイコン

Y!オク恐るべし(@_@;)

人気商品に限って変なモン掴まされる確立が急上昇ですからΣ(゜ロ゜ノノ

2010/4/6(火) 午前 10:31 大王 返信する

顔アイコン

素晴らしい。お見事なメンテでした!
ここまできっちりチェックしてもらって、幸せな機械ですね。

2010/4/6(火) 午前 10:49 ぜっぷりん 返信する

顔アイコン

「さぶちゃん」 こんにちは〜♪

ヤフオクは便利で良い所も多いのですが中には酷いものもあるんですよ。
「調整済み」ですと書いておいて、調べると一体何処が調整済みなのか再調整し直したものから、回路に細工しておいて不良品を少しでも高く売ると言うサギに近いものまで色々ありますね。
変なモノ掴まされないよう注意しましょう。

2010/4/6(火) 午後 0:35 woodbell_136 返信する

顔アイコン

「ぜっぷりん」さん こんにちは〜♪

70年後半から80年代頃のオーディオ黄金期の製品には良い物が多いのです。 整備したら十分使えますのでとても勿体無いです。

この製品も今、作ったらかなりいい値段になるはずですし、アナログプレーヤーはその意味では狙い目なのですがメンテがネックになってしまうのが難点なのです。

2010/4/6(火) 午後 0:44 woodbell_136 返信する

顔アイコン

私も数年前にハードオフにて不動(電源OK回転せず)のDP−70Mを購入し整備しました。

その時の状態は基板が腐食していてトランジスターも数個不良で、基板を修復しTRを交換して復活しましたが、現在は使わないので小屋にしまってしまいました。
でもこの頃のDP−60やDP−70は重さも有り、作りは良いですね(^^)。
ただサーボ系の専用ICはメーカー供給不能なので、故障していた場合は入手が難しいとの事でした。 削除

2010/4/6(火) 午後 6:56 [ Ar88Jp(仮) ] 返信する

顔アイコン

Ar88jp(仮)さん。 こんばんは〜♪

DP−70Mも良いですね。
現在、アナログは復活傾向ですので使わないと勿体無いですよ。

これらDENONのプレーヤーにはカスタムICの他に汎用ICなのですが入手困難品が含まれています。
これらが壊れることはまず少ないですが、もしも壊れると代替も無く供給は困難になります。
これに限らず、半導体は10年も経つと製造中止品が出てきますので予備は毎回用意しておくのですが、他のものに使ったりでスグ無くなってしまいます。 肝心な時には無いと言うのが毎度悩みのタネなのです。

2010/4/6(火) 午後 7:31 woodbell_136 返信する

顔アイコン

こんばんは。
やはり活用しないと勿体無いですか・・・。
では部屋を整理して活用する方向で検討しますかね。

でも物が多すぎて置く場所が無いんですよ。
それでは不要で使わないオーディオ機器を処分する事にしましょう。 削除

2010/4/7(水) 午後 9:28 [ Ar88Jp(仮) ] 返信する

顔アイコン

CDの音はどうもイマイチ平坦に聴こえてならないので、本格的にアナログ回帰を考えています。
デジタルだとグレードのランクを相当上げないとアナログには追いつかない。 そうなると古いアナログプレーヤーを再利用した方がコスト的にも有利だからです。
古いレコードをまた聴きたいと言う要求もあってか、まだまだアナログは根強い人気があるようです。

2010/4/7(水) 午後 10:56 woodbell_136 返信する

顔アイコン

お見事というしかない手際のよさ、素晴らしいです。
DIATONEのターンテーブルばかり直してまして、ここらでDENONもやってみようかと思ってましたが、さすがDENON、軸受けの作りが良いですね。今でもピュアオーディオのターンテーブルメーカーとして存続しているだけのことはあります。

2010/11/20(土) 午後 9:58 [ CHS ] 返信する

顔アイコン

どうもお褒めを頂き大変恐縮です。

DENONはこのクラスとしてはモーターの作りが良いですね。
メンテ性は部品の入手に少し難がありますが悪くはなく、ターンテーブル本体については十分な性能が期待出来ます。

キャビネットはもう少しガッシリ作られていたら申し分ないですが、価格帯からして必要にして十分と言うところでしょうか。 さすがDENONと言う感じがしますね。

2010/11/20(土) 午後 10:10 woodbell_136 返信する

顔アイコン

こんにちは〜。

ここで書庫の「NEW」が点灯していたのですね!
しかしモーターが完全にばらされる!ってのが良いですね

私のTT−71も結構、基板は修理していますが、モーターは軸受部を見るだけ
今度完全分解に挑戦してみようかな(^_-)-☆

2010/11/21(日) 午前 11:38 [ altum ] 返信する

顔アイコン

altumさん。 こんちには〜です♪

ターンテーブルはやはりモーターですね。
分解出来ないものもあるので困るのですが、これは出来るタイプのものです。

軸受けはオイルレスメタルが使われていますが、30年も経つとさすがに油不足で軸部に錆び、スレ、傷、最悪ではガタが生じ易くなります。
古い機種はモーターを一度整備しておくと、また暫く安心して使えますので気分的にも良いですよ。

2010/11/21(日) 午後 0:25 woodbell_136 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事