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未知との遭遇 〜 7inch EPに録音された ジャズの 批評と研究


Gerard Bandini(ts) et son Quartet  Rec.1960's
■Gerard Bandiniは 1931年パリ生まれ 1950年代初頭にクリネット奏者としてプロデビューするが、1958年頃よりサクソフォンをメインに演奏し多くのセッションに参加リーダー作もリリースする。彼の魅力は一度聴いたら忘れられない深い音色だろう。ホンカーのような位置づけで紹介されることもあるが、カスレ気味の渋い音色はお馴染みの曲であっても新たな魅力を漂わせ心に迫ってくる。この作品は1960年代にフランスで出版されていた雑誌<RALLYE jeunesse >のノベルティーとしてリリースされていた1枚。そっけない共通のジャケットではあるが、内容は紹介せずにいられない魅力的な4曲が収録されている。 テンポ良く演奏されるWalter Donaldsonの名曲「LOVE ME OR LEAVE ME」、お馴染み「STAIN DOLL」と激渋バラード「WILLOW WEEP FOR ME」、Duke Ellington屈指の名曲の一つ スインギーな演奏が素晴らしい「IT DON'T MEAN A THING」を収録。最近では このスタイルで演奏するテナー奏者は少なくなってきたが 強いアルコールでも嗜みながら聴けば 刺激的で開放感に浸ることができる。
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Al St.Claire(vocal) with Kellie Greene(p) Trio  Rec.1960's
Arranged by Kellie Greene Prod.by Gregg Robblee
■1960年代から活躍する、女性ピアニストKellie Greeneが伴奏を務める大人のムード漂う珍しいボーカル作品。サラのような個性的な低音が 溢れ出る孤独感を一層感じさせるAl St.Claire(vocal) のバラード「AM I BLUE」は一度聴けば記憶に残る感傷的ドラマチックな表現が魅力的な1曲である。他に収録作が存在するのかは不明であるが紹介する価値はあるだろう。またサポートする Kellie Greene(p) Trio の演奏も時にクラシカルでリリカルな表現が素晴らしい。彼女は1960年代にJAZZ FUNK系の作品も残しているがここではその片鱗も感じない。さて、この曲のボイスを聴いてAl St.Claireは女性か男性か どのように感じただろうか。それは side-2 スインギーな「Nobody Does It Like Me」を聴けば明白になるように思う・・・まあ リスナーにとって魅力を感じるのであれば どちらでもいいのだが。
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Anne Lloyd (vocal)Rec.1955
■1923年 New Jersey生まれ。明瞭な歌声と魅力的なルックスで1940年代〜50年代カリスマ的人気を得ていた。特に50年代の膨大な作品数からも納得できるところであるが、意外なのは子供向けのアニメ・ソングやクリスマス・ソング作品を多数リリースしていることである。ワルツ調のメロディーと混声コーラスに乗って明瞭で美しい歌声で歌う「It's Almost Tomorrow」は彼女本来のテイストだろう。お馴染みの名曲「Cry Me A River」は大人の香りを漂わせながらセクシーに歌った1曲で異色のジャケットどおりの雰囲気で歌う彼女の魅力が楽しめる。Julie Londonとは一味違う個性的な抑揚が印象に残る。この作品、ジャケなしで流通していることが多く 新聞紙より薄いジャケットだけでも希少な存在である。普通の7inch EPのジャケットより少々大きめのサイズであるため、余計に折れや欠損が生じやすくコンディションの良好なものに出会うことが少ない。まるで古文書を扱うように接しないと良好な状態は維持できない。
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Hammond & sax & tp &  ds & b  Soul Jazz Funk  Rec.1960's
■ヨーロッパ・ジャズ等 クールで洗練されたジャズの合間に聴く、熱くファンキーなスタイルのR&B系のジャズ。この作品もマイナー盤ならではの香りを発散している。ザラついたサックス、ホットなトランペットに絡むグルーブなハモンド 、クールとは対局の演奏が楽しめる。ダンサブルなテーマが印象深い「DOIN' WHAT I WANNA」、ファンキーなテーマとアドリブの交換はまるでメッセンジャーズを彷彿とする「BINGO!と無名のコンボながら聴きごたえのある魅力的な内容である。M&MレーベルにはJAZZ FUNK系の名作が多くありコアなコレクターには知る人ぞ知る存在である。
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Mindy Carson(vocal) with Chorus and Orchestra  Rec.1955
■ブルーなジャケットの「Mindy Carson Sings」が雑誌で紹介されたり、ノベルティーになったりと一時期ジャズファンの中でも知名度が上がるきっかけにたが、この1955年録音のEP盤はsingsとはジャケットの彼女の表情が対照的な作品で、選曲は甲乙付けがたい魅力的な内容だ。彼女の暖かみのある魅力的なノスタルジックな歌声は空気をセピア色に変える。ジャジーーでキュートにスイングする「Button Up Your Overcoat」、感情込めて過去を振り返るバラード「Just a Memory」、メリハリのあるドラマチックな歌唱の「My Foolish Heart」はセンチメンタルな雰囲気が漂うベストテイク、マーチ風のアレンジに乗ってハツラツとした歌声を聴かせる「Say It Again」と全4曲飽きさせない構成である。寄せ集めCDで再発されているがこの爽やかな笑顔のEPが初版オリジナル盤である。
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Roque Dioneda(p) & (b) & (ds)  Rec.1980's
■7inch EPだけでしか聴けないピアノトリオ作品は、どちらかといえばR&B〜Jazz Funk系の演奏が多くメインストリーム系 とりわけエバンス派に分類されるピアニストの作品は少ない。この作品はRoque Dionedaというピアニスト(?)によるトリオ編成による1枚で思い浮かぶ限りの検索サイトでもヒットしなかった超マイナー盤である。但し、珍しいだけで紹介するのではなく1980年代登場しては消えていったエバンス派最良の透明感溢れたリリカルな演奏が楽しめる。特にRoque Dioneda作曲のバラード「Prelude To Dream」の研ぎ澄まされた粒立ちの良い1音1音は息を呑む素晴らしさである。ベースの刻むリズムがピアノを誘導する「Midstream」はワルツ調のテーマからミディアム・テンポに乗って上品にスイングする。レーベルに○○TRIOとの記載のある7inch EPは無数に存在するが楽器編成も不明なものが多く、デスコにも掲載されず試聴もできなければ入手して聴くしかない。このプロセスは無駄ではあるが希に千金に出逢えるのでやめられない。こんなギャンブルができるのも7inch EPならではの魅力である。
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Bande Originale Du Film de Henry Zaphiratos  
Musique de LOUIGUY (combo)  Rec.1961                              
■1916年スペインに生まれフランスで活躍したLouis Guglielmi(LOUIGUY)のコンボによる演奏を収録したフランス映画<Les Nymphettes>のサントラ盤。なんとも愛らしくキュートなジャケットが魅力的だが、コンボによる演奏も都会的でエスプリを感じる内容で記憶に残る。特にギターによるソロ〜ピアノによるスインギーな演奏が素晴らしい「On Va À La Piscine」、Vibが絡んだテーマから歌うようにスムーズな清々しいトランペットがソロを奏でる「Mireille Reçoit」が白眉だろう。「Les Nymphettes」「Striptease」「Nymphette-Blues」はオーケストラを加えたジャズとはかけ離れた演奏である。
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Joe Thurman(ts)  Wells(tp) Bubby Hatchett(p) Hicks(b)
Mckinney(ds) Rec.1960's?
■素晴らしいハードバップが収録された知られざる1枚。ミュージシャンは、参加している作品が確認できたJoe Thurman以外はローカル・ミュージシャン中心の語られることの無い演奏である。From the album"A Lovely Woman" との記載がレーベルに確認できるが、いくら検索をしても このような作品(アルバム)は確認できなかった。ひょっとするとこの7inch EPでしか聴けない演奏なのかも知れない。熱いコルトレーン・マナーのJoe Thurman(ts)のプレイも聴き所であるが、1960年代を彷彿とする熱い空気感は御三家レーベルの作品と聴かされても違和感は感じない。一度聴けばきっと記憶に残る歌謡調の旋律が魅力的な「A LOVELY WOMAN」はJoe Thurman(ts) のワンホーンで演じられHank Mobleyの「Remember」のような存在感である。Wells(tp)が加わったQUINTETで演奏される 「SAMMIE'S BLUES」はSpiritualな雰囲気の素晴らしい演奏でBlue Noteレーベルの諸作を連想させる。メンバーのほとんどはセカンドネームしかクレジットされていないので経歴等確認することはできなかった。
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Jimmy Deuchar(tp) Dizzy Reece(tp) Derek Humble(as)
Victor Feldman(vib) Tommy Pollard(p) Lennie Bush(b)
Phil Seamen(ds)  Rec.1955
■Victor Feldmanの影にReece(tp)有り。リーダー作は容易に確認する事が出来るのだがサイドで演奏している作品は相当数にわたりDiscographyを入念に調べる必要がある。しかし1つの目安としてVictor Feldman名義(クローズアップ)の作品に彼が参加している事が多く絞込みが容易となる。この作品もジャケット表面に記載もなく、裏面も小さな文字で埋め尽くされているため彼の存在に気づくことは難しい。この日のセッションは2枚の7inch EPに分て収録されている。それぞれにこのSeptetによる演奏1曲が収められており、ここでは「Typhoon」が収められている。ジャケット裏面にはソロをとっている順番等詳細に記載されているので参考になる。32-bar のマイナー・テーマからまずはDeuchar(tp)がソロを聴かせ、良く歌うHumble(as)のソロからテーマに戻りFeldman(vib) がソロをとり、待望のReece(tp) が登場 彼らしいトーンを聴かせてくれる。セッションマナーに沿った安定した演奏は満足できるものだが、もう少しフロントには「台風」にふさわしく暴れて欲しかったのが本音である。「How Deep Is The Ocean」はVictor Feldman Quartet による長尺演奏でバラードのため丁々発止の緊張感は感じられなかった。
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Iancsy Korossy(p) (vib)&(b)&(ds) with Nemeth Marika(vocal)
Rec.1963
■1926年生まれのルーマニアのピアニスト、 ヤンシーキョロシーの名前を初めて知ったのは1980年代後半頃の某ジャズ専門誌に10inch Jazz Recitalが紹介された頃だろうか。演奏はもちろん、鬼才のような名前の響きや複数存在していたスペルにも当時興味深々であった記憶があり、ビル・エバンスを連想させる地味なスーツを着た学者のような風貌は、当時聴いてみたいという欲求を大いに刺激されたものである。これをきっかけに彼の参加した作品を手当たり次第に聴きまくり、彼のリズム感覚の素晴らしさや緊張感溢れるプレイの虜になっていった。特にSupraphonやElectrecordに録音された演奏に彼の個性が発揮されており、いまだに針を落とす機会がある。ここで紹介する7inch EPはハンガリー出身の女性シンガーNemeth Marikaの歌伴を彼が務めた「Mondta-E Mar Mas is Neked ?」(composer : Fenyes Szabolcs)を収録する珍しい作品。Nemeth Marikaは1925年生まれで歌劇やオペラ等でも活躍し女優としてもその美貌から人気を得て名実ともに認知されていたようだ。ここでのパフォーマンスはさすが只者ではないIancsyのオンリーワンの魅力と才能がフランスのエスプリを帯びた哀愁を感じるNemeth Marikaのボーカルと共に存分に発揮されている。曲の冒頭Vibがソロを聴かせるが、1'54"からのJANCY KOROSSY TRIOによる演奏は短いながらマニアには堪らないひと時である。他の3曲はルーマニア出身の女性シンガーSerban Marikaが歌っているがJANCY は参加していない。この7inch EPあまりにマイナーな存在なのでリリースされている事自体気付かなっかた作品で有る。
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