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未知との遭遇 〜 7inch EPに録音された ジャズの 批評と研究

★LYNN CARI (AFP - USA) ★


Lynn Cari(vocal) with Combo etc  Rec.1960's
■7inch EPの世界はマイナー・ジャズボーカルの宝庫である。特にアメリカン・レーベルに録音された作品の発掘はマニアックな誘惑でやめることができない。テキサス州のクラブ等で歌っていたというLynn Cariもローカルな女性シンガーの一人だと思われる。彼女の経歴は皆無であるが、短いセクシーな囁きからベースとドラムがビートを刻みピアノが加わりジャジーに渋く盛り上げていく「I'm Looking Over A Four Leaf Clover」は彼女も次第に熱を帯び気持ちよくスイングする。シナトラ等著名なシンガーも取り上げているが、全く異なるアレンジで彼女が歌う この一曲を聴くだけでも価値のある作品である。「You're In Love With Everyone」はストリングスが加わった大編成のオーケストラをバックに彼女はドラマチックな表現で魅了する。
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Ernst Ludwig Petrowsky(as)  Heinz Becker(tp) Wolf Hudalla(bs)
Siegfried Groß(p) Werner Gasch(b) Ulli Trkowsky(ds) Rec.1963
■日本ではヨーロッパジャズといえば、イギリス、イタリア、フランス、スウェーデン等のミュージシャンによる作品がクローズアップされる機会が多い。たしかに聴き応えがあり記憶に残る演奏も多数残されているが、ドイツ(旧東ドイツ)のAMIGAレーベルにも紹介されることの少ないハードバップの名作が何枚か存在する。このブログの記事検索をAMIGAでして頂ければ納得の熱い演奏がドイツ(旧東ドイツ)の60年代を実感できるはずである。
ここで紹介する1枚はドイツのサックス奏者Ernst Ludwig Petrowsky率いるSextettによる演奏で私的にはヨーロッパジャズ屈指の名曲名演Eberhard Weise作曲の「Skandinavia」が聴ける事でも手元に置いておきたい作品である。ワルツ調変拍子の美旋律を北欧調の澄み切ったHeinz Becker(tp)の抜けの良いトーンが極寒の空気を漂わせ、良く鳴るLudwig Petrowsky(as)のソロに継なぐ。「Erinnerungen An Richard 」はアップテンポのハードバップチューンでご機嫌なテーマから乗りの良い Heinz Becker(tp) 〜Petrowsky(as)へとソロが継れる。フロントを刺激的なプレイでサポートするUlli Trkowsky(ds)のプレイも聴き所である。7inch という限られた儚い至福の時間があっという間に過ぎ去るが、それ故 余計に愛しい2曲である。 お馴染み「Desafinado」と「Take Five」は想像通りお決まりの演奏ではあるがLudwig Petrowsky(as)のソロが存分に楽しめる。
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Killer Jazz combo with (tp) solo's . Rec.19??
■一聴、明らかに80年代マイルスの影響をダイレクトに感じるグループであることは、誰が聴いても異論は無いだろう。メンバーな不明であるが随所に聞き覚えのあるトランペットによるソロ・フレーズが散りばめられ微笑ましい。数多くの名唱でもお馴染みのバラード「The look of love 」のインスト・バージョンは、暗示的なフリーインプロビゼーションから哀愁の美旋律をトランペットが歌い綴る。思わず苦笑するであろう「Chrome Plated Blues」はマイルスが目の前に降臨する。敬愛の思いが伝わってくる1曲である。
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Mara Moris(vocal) Eraldo Volonte(ts) Sergio Fanni(tp)
Renato Sellani(p) Alceo Guatelli(b) Leonello Bionda(ds)  Rec.1958
■イタリアの女優でシンガーとしても活動していたマラ・モリスの代表作。彼女は数枚の作品をリリースしているがジャズ・スタンダードを歌っていることに加えEraldo Volonte(ts) QUINTETがバックをつとめていることから、ヨーロッパ・ジャズ ファンには人気の高いコレクターズアイテムになっている。彼女は決してテクニックで聴かせるタイプではなくクールで少々ハスキーな歌声が醸し出す空気感が魅力だろう。収録されている4曲はセンチメンタルでブルーな雰囲気のバラードで統一されナイトキャップには最適の魅力的な1枚である。1925年Vincent Millie Youmans作曲 ミュージカルで歌われた「 I want to be happy 」は多くのジャズシンガーが取り上げている名曲でモリスの寂しさを漂わせた前半のスローテンポからVolonte(ts) ソロを挟みジャジーにスイングする展開が聴き所である。お馴染み「Tea for two 」も本来は恋人同士の微笑ましいやりとりを歌っているのだが、彼女独特の寂し気でセンチメンタルなテイストが加わり甘酸っぱい魅力を発散する。この曲ではFanni(tp)のソロがクローズアップされる。唯一 イタリア語で歌うバラード「L'amore Che voglio」は後半に登場するゲッツライクなVolonte(ts)のソロが嬉しい、  「Somebody loves me」もしっとりとしたバラードでスタートするが後半はテンポが上がりご機嫌なVolonte(ts)のソロも加わりスイングする。
Mara MorisとMara Morris 二つの表記が存在するがルックスを見る限り同人物だと言って良いだろう。希少性と内容、ジャケットが揃った好盤である。
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Sheryl Easly(vocal)  with The Sal Salvador Orch.   Rec.1950's
■1950年代末〜1964年頃にかけてSal Salvador Big Bandの専属女性歌手として活躍していたSheryl Easly名義の珍しい1枚。Sal Salvador Big Bandが録音した作品からのピックアップかと思ったが、ここに収録されている2曲は過去にリリースされたレコードや再発寄せ集めCD等との重複は無かった。彼女の少々ハスキーな歌声でキュートにスイングする「I'll Go With YOU」、1934年のDuke Elingtonの「Solitude」は恋人を失った絶望感と孤独感を歌う名曲であるが、彼女はセンチメンタルな感傷の思いをドラマチックに歌い綴る。
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ts,as,cl,tp-vln-g-p-b-ds   Rec.1960's
■スイスのジャズ・コンボといえば Bruno Spoerri(sax)をリーダーとしてスインギーで洗練された演奏を聴かせた Metronome QUINTETが思い浮かぶ。ここで紹介する作品はジャケの写真の楽器編成からも同様の演奏を連想するが、このグループは全く異なるテイストでの展開(アプローチ)を聴かせる。それは針を落とさないとわからなかったバイオリンが加わっていることも原因だろうか。Paul Joyの経歴等メンバーのクレジットも皆無で他に録音があるかどうかは不明。モダンで魅力的なワルツ調のテーマから随所に散りばめられる粒立ちの良いピアノ・ソロとスインギーなギター・ソロが魅力的なモダンジャズ「Coups de Marteau」は私的ベストテイク、他3曲はギターをクローズアップしたイージージャズ「A.E.Melody」、ストリングスの上をトランペットが甘いソロを展開する「Je Ne Saurai Jamais」、混声コーラスを交えた「Danser Avec Toi」はジャズというよりは軽音楽の域をでない。
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Written-Arranged ByClarence Daniels(b)
with Eddie Davis(ts) Ike Williams(tp) Rec.1966
■ジャズのドーナツ盤コレクターが探し求めるAFFILIATED45レーベルの中でも特に人気の高い1枚。フロントには渋い二人を配したClarence Daniels(b)コンボによる魅力的なモダンジャズ「You Dig It」が収録されている。ベースが力強いビートを刻む躍動感溢れるテーマからEddie Davis(ts) のザラついたトーンによるソウルフルな熱いソロ、乗りの良いIke Williams(tp)のソロと継なぎテーマに戻る展開はお決まりではあるが思わず身体が反応する。「My Funny Valentine」は男性シンガー Sandy Miller (vocal)がクールなテイストを散りばめながらドラマチックに歌う感情移入が聴きどころ。
1950年代にラスベガスを拠点にオーケストラを率いて活躍したClarence Danielsのリーダー作はSandy Millerが加わった作品とKENT Recordからの12inch LPが知られているが他にAFFILIATED 45レーベルからの3枚の7inch EPの存在がコアなコレクターには知られており 限定盤として再発もされた。
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Iller Pattacini(as) with Orchestra Rec.1959
■ジャズファンならJoe Harriott等の諸作を彷彿とするジャケの魅力に惑わせられる1枚だろう。Iller Pattaciniは1933年イタリアBibbiano生まれのサックス奏者で Composer, arranger としても活躍。これは彼が率いるオーケストラ初期の作品。彼は1950年代〜60年代にかけて数多くの作品に名を連ねておりリーダー作もリリースしている。彼のスタイルはモダンジャズというより時代のトレンドに沿った演奏でポップスをジャズ風にアレンジし多くのファンに支持されていたようだ。彼のアルトサックスの艶やかで時に切れ味のあるトーンが人気を得ていた理由でもあるように感じる。ここで演奏されている4曲はいずれも録音された1959年前後に話題になった曲等がセレクトされており楽しめる。時代を感じる乗りが懐かしいヒップな魅力を発散する「Hula - Hoop」、「Strep Tease Hula Hoop」、イタリアの女性シンガーBetty Curtis 1959年のヒット曲「La Pioggia Cadrà」、1957年にポール・アンカ自らが歌い世界中で人気を得た「You Are My Destiny」、丁々発止のアドリブの応酬は期待できないが どの曲もIller Pattaciniのアルトの音色を楽しむ。
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Kelly Lemaier(p)  &  (b)  &  (ds)   Rec.1960's
■1960年代からWest Coast を中心に活躍。ワールドミュージックやロック系の作品を扱うK&B Recordsよりリーダー作(12inch)もリリースしているが、この作品は7inch EPのみで録音されたピアノトリオによる1枚。Kelly Lemaier(p)は紹介される機会は非常に少ないマイナーな存在ではあるが どの曲からもRoy Haynes TRIOのよる<JUST US>(1960年Prestige)でのRichard Wyands(p)の高揚感溢れるフレーズを断片的ではあるが連想させる。
ここでは全4曲すべてJimmie O'Nealの曲を演奏している。どの曲も落ち着いた雰囲気の中にリラクゼーション溢れた快楽のフレーズを散りばめた好演を楽しめるが「Irene's Shuffle」の1'16"からの陶酔感と渋くスイングする「Easy Jivin'」が聴き所だろう。他に「Kiddin' Around」「Major Kelly」を収録している。
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Nándor Névai(Percussion, Conductor)
Weasel Walter(Bass Clarinet)
Chad Organ(Baritone Saxophone, Violin) Rec.1994
■特異な風貌と陶酔したプレイで”オカルト・ロック”ドラマーとも称されるNándor Névaiが映画<Speedometer>(サスペンス・アクション系)のために演奏したサントラ盤。アヴァンギャルドでエキサイティングなimprovisationを映画のシーンに合わせて展開している。特にカーチェイスシーンでのWeasel Walter(Bass Clarinet)のアグレッシブなプレイは、FMPレーベルの諸作をヘッドホーンで大音量で聴いていた懐かしい時代を思い出す。A面10シーン、B面8シーンからなりNándor Névaiの超絶で圧倒的なタイム感覚が織成すプレイに高揚感を覚える。ジャケットには18のシーン全ての画像が裏表にデザインされている。
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