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未知との遭遇 〜 7inch EPに録音された ジャズの 批評と研究

Vivian Rodd(p) Eric Stevens(b) Terry Rodd(ds)
Chris Young (vocal) Produced By DAVE WOOD 
Recorded Live at REGENCY CLUB Rec.1969
■男性ボーカルを紹介する機会は非常に少ないが、この作品の聴きどころはバックを務めるVivian Rodd TRIOの歯切れの良い躍動感に溢れたプレイである。十数年前にイギリスの古い音楽雑誌でNewcastle REGENCY CLUBのハウス・ピアニストとして紹介されていたのが記憶にあり入手したのだがなかなかの好盤である。Chris Young (vocal)については同名のミュージシャンは存在するもののジャンル、年齢等合致は見られず情報は皆無である。歌唱スタイルは、どちらかといえば都会的なクルーナーというところだろうか。お馴染みの曲を含む4曲を取り上げているが随所に聴こえるVivian Rodd(p)の一音一音が素晴らしい。しっとりと歌い上げる「We'll Be Together Again」「Spring Will Be A Little Late This Year」も魅力的だが、白眉は楽しげにスイングする「I Could Write A Book」とVivian Rodd TRIOの演奏が十分に楽しめる「Tangerine」だろう。レーベル名はIMPULSE RECORDING との記載があるがアメリカの同名レーベルとは全くの無関係の自主制作盤のようである。ヨーロッパ盤には珍しい分厚い硬質紙の折込ジャケットに存在感を感じる。
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ERNEST RODGERS BAND Feat. George Benson(ts)  Rec.19??
A Mail-Call Production  Pontiac, Mich USA
■Side-1 ERNEST RODGERS BAND 「THE DOG」、Side-2 WILLIE McCLAIN 「SOUND SO GOOD」 を収録した1枚。今のところ12inch LPやCD化もされてないようなので、この作品でしか聴けない2曲である。男性シンガーWILLIE McCLAIN が唱うSide-2もドラマチックな歌唱が素晴らしいが、やはり聴きものはデトロイト出身のテナーサックス奏者 George BensonをソリストとしてクローズアップしたERNEST RODGERS 率いるビッグバンドによるSide-1だろう。George Benson(ts)は60年代には数多くのモータウンセッションに参加し 特に Marvin Gayeのバックバンドへの参加で一気に知名度をあげ70年代〜90年代にかけて数多くのセッションに名を連ねている。1988年にはジャズの教育者に与えられる"National Association of Jazz Educators' Outstanding Service to Jazz Education" Awardを受賞している。また、1999年にはリーダー作<Sax Master(CD)>をリリースしている。爽やかなアンサンブルによるテーマから満を持して、一転 1'16"からの素晴らしいBenson(ts) の逞しいソロで一気にテイストが変わる。
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Ron Loughhead(p) Boris Boyich(g) Ron Terry(b) Rec.1955
■17歳の頃からメルボルンのクラブで演奏していたというRon Loughheadの希少なリーダー作。オーストラリアにおいて、この時代のジャズというとまだまだDixieland Jazzが主流の頃である。この作品はモダン・ピアノジャズにスポットを当てたシリーズで60年代以降 数々の名ピアニストを輩出するに至った流れを知る貴重な1枚である。ほどよくバップの香りを漂わせながらアップテンポでスイングする曲からバラードまで楽しませてくれる。
お馴染み「Lady Is A Tramp」「Sometimes I'm Happy」「S'Wonderful」「I've Had My Moments」は Loughhead(p)の正確無比なテクニックが圧巻で、長年寄り添う事になるBoris Boyich(g)との名コンビぶりが素晴らしい。しっとりと聴かせるバラード「I Don't Know What Time It Was?」は音数少なく弾くキラキラとしたプレイが魅力的である。Loughhead(p) のソロで演じられているように聴こえるバラード「And You Were Mine」。丁々発止のアドリブが展開される演奏ではないが躍動感と寛ぎに溢れた記録である。
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Mary Lou Brewer(vocal)  Sy Shaffer - Conducting /
Produced by Les Sand  Rec.1958
■1950年代中頃 からキャバレー等 ショービジネス界で活躍。テレビ、ラジオ番組にも出演し その美形からも人気を得ていたようだ。時に若かりし日のビリーを感じさせるフレージングや明るくキュートにスイングするスタイルは魅力的である。彼女のリーダー作というと カーテンを開けて胸元を大きくクローズアップした黒いドレスで登場するシーンをデザインした1958年録音のWestminster Labelの12inch<My Man>が唯一の1枚であると認識していた。ところが、ユニークなレーベルデザインで目に入った この 7inch EP、 同年の録音で同じSy Shaffer がConducterとしてクレジットされているのだが、調べたところ この作品でしか聴けない2曲が収録されている もう1枚のリーダー作であることがわかった。話しかけるように歌うフレーズや電話のベルを効果音に使ったユニークなIRVING BERLINの「ALL ALONE」、エラの名唱が記憶に残っているDUKE ELLINGTONの「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」は彼女のキュートな個性を存分に楽しむことができる。
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Charles Verstraete(tb)  et son Orchestre Rec.1956
■1950年代からパリを中心に活躍したトロンボーン奏者でオーケストラを率いるバンドリーダーCharles Verstraeteの数少ないリーダー作。Claude Bolling 、Martial Solal、Pierre Michelot等のソリストとしての実績もあり、フランス国内では知る人ぞ知る存在であったようだ。この時代 アメリカには知名度が高く世界的にも評価されているトロンボーン奏者は多数いたが、ヨーロッパにはリーダー作をリリースできるほどの奏者は数少なかったのではないか。時代は50年代 トラッド〜スイング系の演奏が主流であったと思われるが、この作品で聴けるVerstraete(tb) の温かみのあるトーンでの歌うかようなモダンなソロは「When Your Lover Has Gone」や「Indian Summer」で楽しめる。一転アップテンポでスイングする「King Cole Blues」、Irving Berlinの名曲「I've Got My Love To Keep Me Warm」でのダイナミックで豪放なプレイも魅力的である。ジャケットからは自信が伺えるフレンチ・ジャズの歴史を認識できる1枚である。
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Bobbi Golden (vocal)  Sandy Mosse(ts)  Larry Novak(p) 
 Joe Kaply(b)  Red Lionberg(ds)  Rec.1960's
■女性シンガーBobbi Golden、 個性的でもなく歌唱力に優れているとは言えないが、ARGOレーベルのリーダー作のユニークなジャケットで記憶に残っているSandy Mosse(ts)が参加しているので入手した1枚。2曲共で期待通りモブレー ライクなトーンで良く歌うソロを楽しむ事ができる。冒頭からHank Mobley / Soul Station のRememberを彷彿とする旋律を魅力的なソロで聴かせる Mosse(ts) のプレイが聴き所の「I'm Sittin On Top Of The World」、45"からのスインギーなMosse(ts)のソロが味わい深い「Back In Your Own Back Yard」。
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Art Simmons(p) Clark Terry(tp) E.Dixon(fl,ts) Elek Bacsik(g)
Michel Gaudry(b) Kenny Clarke(ds) and Billie Poole (vocal)
Rec.1960
■アメリカ出身のピアニストでありながらフランスでの録音が多いArt Simmonsの「隠れたリーダー作」。このジャケットからは再発盤や編集盤のイメージを受けてしまい入手を躊躇するところだが聴き所 満載の素晴らしい作品である。切れ味のある精密機械のようなKenny Clarke(ds)が刻むリズム。TUBBY HAYESの名作<TUBBS IN NY>でのプレイを彷彿とさせるClark Terry(tp)の見事なアドリブ。ジャズはもちろん ゴスペル、 ブルース、R&Bなどブラック・ミュージックのルーツを感じさせるBillie Poole (vocal)の希少な歌声。マニアには堪らないパリ録音の7inchである。お馴染み「No Problem」は新鮮なアレンジのテーマからClarke(ds)の刺激的なリズムに乗ってTerry(tp)がモダンで乗りの良い極上のソロを聴かせる。続く希少なE.Dixon(ts)の個性溢れるソロも記憶に残る。Poole(vo)のブルースフィーリング溢れるボーカルとTerry(tp) E.Dixon(fl)の掛け合いが鳥肌ものの「Don't ever leave me」は噂通りの名演だ。孤独感と究極の寂しさをTerry(tp)が表現する「Et tu me regardes 」はE.Dixon(fl)のリリカルで素晴らしいソロや粒立ちのよいSimmons(p)のソロも魅力的である。お決まりのように使いたくはないが「名盤だ」。
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Carol Danell(vocal) Con  Piero Umiliani E I Suoi Solisti rec.1957
1950年〜1960年代にヨーロッパで活躍した女性ジャズシンガーといえば、日本では北欧のシンガーが紹介されることが多く人気も同傾向と考えられる。北欧というクールで透明感のあるイメージが関心度を高めているのかも知れない。1934年ニューヨーク生まれのCarol Danell は我が国では知名度は低く、経歴もなぜか1957年〜1967年までの約10年間のみイタリア、フランス等 ヨーロッパを中心に音楽活動をおこなっていたようだ。その間にリリースしたリーダー作も少なく、しかもポップス系のものが多数を占めている。この7inch EP 彼女にしては最もジャズに接近したイタリア録音の1枚。曲によりイタリア語と英語で歌い分け時にジャジーな雰囲気が漂うご機嫌な作品に仕上がっている。ここで共演しているPIERO UMILIANIとの関わりは1950年代からと長く、シネジャズの名盤「I PIACERI PROIBITI 」( 禁じられた欲望)が再発され、そこに参加していたことでも記憶にある。同じく1957年録音にUMILIANIと共演をしたブルーのジャケットに彼女のイラストが描かれた7inchが存在するが、同時期のこのグレーのジャケット作品は見かける事すら少なく入手は困難である。お馴染みHarry Warrenの「I Only Have Eyes For You」は彼女の歌唱力が発揮されたナンバーでジャジーなCarol が聴きどころ。イタリア語で語るように歌うMa L’Amore No」、楽しげにアップテンポで歌う「The Down Town Strutter’s Ball」、ノスタルジックな雰囲気が漂うバラード「T’Amo Dolce Notte」は彼女の個性が味わえる1曲。随所に散りばめられるメンバーのソロも存分に楽しめる。
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Paul Friedman(p) & (b) & (ds)  Eddie Shu(as,tp)  Rec.1960's
■1918年生まれのmulti-instrumentalist と称されるEddie Shuの希少な7inch EP Onlyの録音。彼の名前は認知はしていたがジャズの専門誌においてもクローズアップされることも無くBethlehemのフクロウの10inchを目にするぐらいで恥ずかしながら針を落とした経験もない。彼は as, ts, tp, clarinet,harmonica,  accordion等を演奏するというが、コアなモダンファンならclarinetがクレジットされている時点でスルーしてしまいそうである。
だが・・・・この7inchを聴いたら彼に対する印象は大きく変わってしまった。この作品ではアルトサックスとトランペットを演奏しているのだがモダンでバップの香りを漂わせながら見事なアドリブを展開する彼の実力と魅力を認めざるを得ない。Paul Friedman TRIOの演奏も端正でスインギーで素晴らしい。Eddie Shuがアップテンポに乗って縦横無尽の圧巻のソロを展開する「MEAN TO ME」、Paul Friedman TRIOが先導し満を持してEddie Shuが良く鳴るトーンでソロを聴かせる「BEE'S KNEES」、ワイルダーを彷彿とさせるEddie Shuのソロが味わい深い「ABORIGNAL」、「B GIRL'S LAMENT」は Eddie Shuがトランペットとアルトサックスを持ち替えてソロをとるがエッジの効いたアグレッシブなアルトが聴きどころである。こんな発掘盤が見つかるから7inchの世界からは引退できない。全4曲必聴の名作だろう。
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Roger Roulleaux(vib) Jo Mezzanatto(ts) A. Batista(tp) 
J.Roux(p) B.Chabrol(ds)   Rec.1963
■S' MERRY BOYS QUARTET というグループ名からはDixieland JAZZやボーカル・グループを連想してしまうが、針を落とすと乗りの良い魅力的なモダン・ジャズが流れてきて良い意味で期待を裏切られる。メンバーの中ではRoger Roulleaux(vib) がリーダー的な位置づけのようだが、このグループの経歴等詳細の情報は皆無である。お馴染みのミディアムテンポでのメロディーを渋いテナーサックスがかすれ気味のトーンでアドリブを奏でる「DANS LE BLEU DU CIEL BLEU 」、アップテンポに乗ったご機嫌なテナーサックス ソロが印象に残る「PUISQUE TU T'EN VAS」、バラード「C'ETAIT HIER」「THE NEARNESS OF YOU」は Jo Mezzanatto(ts)の独断場 聴かせてくれます。

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