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未知との遭遇 〜 7inch EPに録音された ジャズの 批評と研究


Marlene Tong(vocal)  with  The Mike Walker Trio  Rec.1963
■ニュージーランドの女性ジャズ・シンガーMarlene Tongの珍しい7inch EP。彼女はPete Jollyのニュージーランド・ツアーでの共演や1963年のテレビ・ショー"Teen 63"への出演等で人気を得ていた。この一枚はニュージーランド最大の都市AucklandのColony Clubでのピアノトリオをバックに歌ったライブを収録した作品である。彼女のスタイルはヨーロッパ系のクールなテイストではなくどちらかといえばアメリカのジャズ・シンガー寄りの乗りの良い雰囲気で聴かせるタイプだと言えよう。ご機嫌なピアノトリオによるサポートも聴き所である。お馴染み「The Man I Love」は熱くスインギーに歌う彼女の個性がよく出た1曲。他に ハスキーなボイスでしっとりと歌うエモーショナルなバラード「Am I Blue」、モダンなMike Walker Trio による演奏が魅力的な「Green Dolphin Street」、ファンキーな「So Many Beautiful Men」は彼女の多彩な実力が楽しめる。ジャケット裏面には”Exciting NEW Song Stylings...."との大きな記載があり彼女への期待の大きさが感じられる。臨場感溢れる録音も◎
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(sax,fl),org,ds  Rec.1966
■1965年にモダンで乗りの良いピアノ・トリオで録音を残しているMk. III とはTheが付いているので異なるグループのようだ。メンバーは不明であるがレーベルの曲目にはMorris,Resier,Rughとのクレジットが確認できる。編成はサックス(フルート)+オルガン+ドラムでこの時代らしい雰囲気が楽しめる2曲を収録している。気だるいテーマから渋いテナーサックスがソロを聴かせる「Blues For George C.」、ボッサのリズムに乗ってフルートがモーダルな風を漂わす「Mocha Nova」とテイストが異なるので両面飽きずに針を落とせる魅力的な作品である。
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Lana Cantrell(vocal,p)  with Franz Conde Quartette Rec.1961
■オーストラリアにおけるジャズの歴史は1920年代に遡ると言われ、事実名実共に世界的にも認められているミュージシャンも多い。私的には1980年代を中心に活躍したピアニストPaul Grabowskyの諸作を楽しんだ記憶がある。また女性ピアニストJudy Bailey が1962年に録音したピアノトリオの名作<You&The Night&The Music>(豪CBS)が再発され当時話題になったこともオーストラリアン・ジャズが注目された要因の一つだろう。ここで紹介するシンガー&ピアニストLana Cantrellは、シドニーで活躍したベーシストBert Cantrellの娘として生まれ、家族のほとんどがミュージシャンという音楽一家で育った。17歳の頃からTVショーにも出演し その美貌も相成って人気を得ていたようだ。この作品は そんな彼女のファースト・リーダー作でお馴染みの曲を含め、決してテクニックで聴かせるタイプではないがノンビブラートでエモーショナルにそしてスインギーに美声を聴かせている
軽快なリズムに乗ってクールに歌う「In the still of the night」、しっとりと歌うバラード「I don’t know why (I just do)」は漂うセンチメンタルな雰囲気が魅力的である、スタンダードの中でも人気の曲「It’s been a long long time」、ラテンテイストでドラマチックに歌う「I’ve never left your arms」は私的ベストテイク。ジャケ、内容、適度なレア度も備えたコレクターズアイテム的1枚。
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Lily Adams, Michael Turner, Andrew Smith, Marvin Marshall, 
Floyd Julian  Rec.1965
■1965年デトロイトで10代のメンバーで結成されたロック〜ファンク系のグループがジャズ・スタンダードに挑んだ1枚。あらゆるジャンルのミュージシャンが取り上げるCARAVAN,TAKE FIVE,SUMMERTIME等と同様に取り上げられることの多い「Work Song」が聴きもの。個々のミュージシャンのプロフィール等は不明だが 1'00"からの良く鳴る抜けの良いトランペット・ソロは好感がもてる。他に同レーベルに2枚の作品が残されているが この作品が最もジャズに近づいている。「Summertime」はサックスが原曲に忠実にソロを吹くアドリブ無しの演奏で針を落とす機会はない。
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Rommie Bryan (b,vo) Terry Canup (p) Fabian Marquez (ds) Rec.1962
■ダラスで活躍していたベーシスト、シンガーRommie Bryanが地元でレギュラートリオで録音した自主制作盤。お洒落な雰囲気漂うクルーナーとして人気を得ていたようだが、残念ながら他に演奏を聴く機会は無かった。スインギーにBryanが歌う「Just Friends」とノンボーカルのピアノトリオによる演奏が聴ける「Cabin In The Sky」が楽しめる。他にBryanのバラードが聴ける「I'm A Fool To Want You」、 「Oyeme Abuelita」を収録している。

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Johnny Hamlin(p) Robert Saravia(b)  Gary Frommer(ds)  
Charlie McFadden(sax) Art Mooshagian(tp) Marcie Miller(vocal) 
Rec.1960
Johnny Hamlinは 1950年初頭からピアニスト、アコーディオン奏者としてシカゴを拠点に自身のQUINTETを率い活躍。このアセテート盤は女性ボーカリストMarcie Millerを迎えて録音されたArgo LP-4001に収録されなかった1曲「I GOT IT BAD 」が聴ける記録である。やはり聴きどころは50年代の空気感漂うMarcie Millerのエモーショナルな歌声だろう。彼女のリーダー作は確認することができなかったがRay Anthony 楽団の専属歌手として その美貌も支持され人気を得ていたようである。

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Art Ellefson(ts,as,bs,b-cl,cl)  Johnny Clark(p) Bill Stark(b)
Andy White(ds) Rec.1957
■クラリネットを吹く姿を見てスルーしてはいけない。Art Ellefsonの名前を見てピンときた方はきっと7inch EPの世界に関心を持っているジャズファンだろう。イギリス SAGA レーベルからリリースされたドラマーAllan Ganleyの赤いジャケットが記憶に残るリーダー作<The High Priest>でタビー・ライクなエッジの効いたテナーソロを聴かせていたのがArt Ellefsonである。ここで紹介するのは彼のファースト・リーダー作で彼のマルチ楽器奏者としての才能が多重録音により存分に発揮された素晴らしい1枚である。聴きどころはやはりハードドライビングなテナーサックスとクールなトーンのアルトサックスである。良く歌うアルトが淡々とソロを重ね音数少ない冷ややかなピアノが味わい深い「Opus Mentis」、アップテンポに乗ってテナーとアルトのソロがシンクロする中 豪放なバリトンがスイングする「Let Yourself Go」、バスクラとテナーの図太いソロの絡みが魅力の「Mile-a-Minim」、Andy White(ds)の叩く繊細で軽快なリズムに乗ってテナーがご機嫌なソロを展開する「Mad About The Boy」はベストテイクだろう。
アルバムタイトル<Ellefsonの芸術>にふさわしい内容の稀少盤である。
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Sarah Catine(p)  unknown (b)&(ds)  Rec.1960's
■女性ピアニストSarah Catineがトリオ編成で聴かせるジャズ・ファンクな1枚。経歴や共演者についての情報は無いが、ライブ演奏でのジャジーでブルージーなモダンジャズを楽しめる。珍しい作品ではないが時に針を落とす1枚である。ファンキーな香り漂う「Chit'Lins A' La Carte」、曲名通りの演奏が繰り広げられる「Feeling Good」は彼女の淡々としたプレイにベースが程好く絡む。ファンク〜ソウル系の作品に位置づけされることが多いがモダンジャズ・ピアノトリオとしての魅力を感じる。
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Tania Maria(piano,vocal) & Conjunto de Izio Gross  Rec.1960's
■1948年ブラジル São Luís生れ シンガー&ピアニストとしてブラジリアン・ジャズのトップ・シーンで活躍。伸びやかな歌声とワイルドな表現で日本でも名実共に評価されている。そんな彼女が1970年代のブラジリアン・ミュージックをリードしたIzio Gross率いるグループとポルトガルはリスボン近郊の都市で、コスタ・ド・ソル(太陽の海岸)と呼ばれる一帯にあるヨーロッパ有数のリゾート地 ESTORILで録音した幻の7inch EPと言われる作品。彼女のファースト・リーダー作が1966年の録音であるが極めて近い時期(同時期)の作品であることはAlvoradaレーベルの番号からも推測できる。
この頃から彼女のボッサでグルーヴィーな乗りと余裕すら感じる伸びのある初々しい歌声は素晴らしい。全4曲が収録されているが聴けば誰もが記憶に残っているBOSSA JAZZの名曲も収録されている。
魅惑の旋律に彼女の歌声が冴える「Agua de Beber」、後半のパッション溢れるピアノが記憶に残る「Aula de Matematica」、哀愁を漂わせるボッサのメロディーと彼女の歌唱力が素晴らしい「Felicidade Ligeira」、唯一のバラード「Magoa」はしっとりとした彼女の歌声が楽しめる。ジャケ無し盤は見かける機会はあるが、なんといっても彼女のキュートな姿がデザインされているオリジナル・フォトジャケットの存在は貴重である。
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Andy Launer(p)  unknow  (b) & (ds)  Rec.1968
■アップテンポの躍動感に溢れた曲の組立と粒立ちの良いピアノがジャズの快感を改めて心身に刻んでくれる。ジャズを愛して良かったと感じさせる1曲がこの作品に収録されている。元々ジャケットの存在しない7inch ドーナツ盤に○○Trioとの記載がある作品に多々出会う機会があるが視聴できない場合、はたしてどのような楽器編成なのかは不明である。長年愛してきたピアノトリオとの期待と可能性を込めて「えいや〜」と入手を試みる。針を落として初めて気づく至福と落胆・・・
この1枚は間違いなく数年に一度の至福の出会いである。
オハイオ州出身のピアニストAndy Launerは音楽一家で育ち、高校時代にはバンドで演奏を始めOhio Wesleyan schoolで音楽を学ぶ。その後は音楽教授やピアニストとして多様な編成で活躍。残念ながら素晴らしいプレイをこの1曲でも聴かせているベーシストやドラマーは不明のままである。このレコードを録音制作したオハイオ州のMusicolは John Hullなる人物により設立されレコーディング・スタジオとしてスタートしたが、1966年頃に場所を変え1969年よりレコードの製造も始めました。カタログを確認するとレコーディングの90%近くがロック/ソウル/カントリー/ポップス系の音楽で占められており、この7inch EPは 地元のピアニストにスポットを当てた異色の存在でもある。ともかく「That's Where It's At」を聴いて欲しいと思う。何度も記載するがこの演奏にはジャズの良質なエッセンスが凝縮されている。
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