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未知との遭遇 〜 7inch EPに録音された ジャズの 批評と研究

Billy Sprague(tp) with his Combo  Rec.1962
■1970年代のロック、ファンク系の作品にも名を連ねるBilly Sprague(tp)がモダン・ジャズにアプローチした1枚。この作品は他にもRadar(USA)、Newtone(Belgium)2つのレーベルからもリリースされている。初版がどのレーベルかは別としてどれもが見かける機会の少ない作品である。彼のトランペットはエッジの少ないソフトで哀愁を帯びたトーンが魅力的ではあるが演奏からは個性は感じられない。そんな彼が知る人ぞ知る存在となったのは、この作品に収録されているワンホーンで聴かせる「Summertime in 5/4」が認知されてからだろう。ジャンルを問わず無数のミュージシャンが多様なアプローチで取り上げる名曲を彼は変拍子のリズムを見事にシンクロさせてモダン・ジャズに仕上げている。お馴染みの旋律から5/4へと移行していく乗りはなかなか魅力的である。「Boy Meets Toy」は ありきたりのジャズ・ファンク系の演奏でBilly Sprague(tp) のソロパートも期待はずれであるが それをも打ち消す「Summertime in 5/4」が記憶に残る。
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Tony Thiel(p)  Les Still(b)  Mauri Faiers(da,perc)  Rec.1960
■ニュージーランド出身のピアニスト、ヴィブラフォン奏者 Tony Thielをリーダーとするグループの珍しいリーダー作。ジャケット写真ではヴィブラフォンが写っているが、この作品ではピアノに徹している。両面ピアノトリオによるメドレーが収録されているがタイトル通りお馴染みの曲目に短いアナウンスが挿入されている。演奏はバップとは少々距離のあるしっとりとしたピアノをブラシとドラムがサポートしながらスイングするという趣で非常にリラックスした内容である。A面「Gigi〜Wouldn't It Be Lovely〜Bali Hai」は ゆったりとしたテンポの曲目が続くが、B面「Anything Goes〜I'll Never Fall In Love〜Hey There〜June Is Busting」はピアニストTony Thiel(p)の個性がよくでた演奏でベース、ドラムのプレイも控えめであるが気持ちよく刺激を与え三位一体のチャーミングな内容に仕上がっている。
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 Very nice MOD JAZZ.  Rec.1964 Arranged ByGlen Spreen  
■ケニーロジャースの弟が立ち上げた Sabra Record よりリリースされた1枚であるが、お馴染み「Take Five 」を引用しハードバップ調にアレンジした「PASSION」が収録されていることからコレクターには知られている作品である。演奏しているミュージシャンについての情報は無いが ワンホーン編成による安定感のある個々のプレイは記憶に残る。ドラムスが叩く5/4拍子に乗ってアルトサックスがテーマを演奏し、そのままクールな音質によるソロが展開される。冷静で都会的なトーンが魅力的である。お馴染み「Desafinado」は原曲に忠実にボッサのリズムに乗ってアルトサックスがソロを聴かせる。
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Komponist , Arranger , Orkesterleder Erik Moseholm
Lise Ringheim (vocal) Bent Jadig & Niels Husum(ts,ss)
Bent Nielsen (bars) Palle Mikkelborg & Allan Botschinsky (tp)
Torolf Molgaard (tb) Poul Hindberg (as) Bent Axen (p)
Louis Hjulmand (vib) Ole Molin (g)
Niels-Henning Orsted Pedersen (b) Alex Riel (ds) Rec.1965
■Lise Ringheim は1926年デンマーク/ フレデリックスベル生まれの映画女優。父親が俳優として10代の頃からジャズ・シンガーに憧れ16歳でコンサートに出演しホテル等でも専任歌手として歌っていた。しかし、彼女が選んだ道は映画・演劇での女優としての活躍であった。特に1950年頃から1964年にかけて映画への出演が集中しており、その間 テレビ漫画の声優としての記録も残している。この作品は、まさに映画女優として名声を得ていた時期に録音された作品であり、さすがにデンマークジャズ界で名実共に評価されていた素晴らしいミュージシャンがバックを務めている。まるで当時のジャズオールスターズさながらでOktav盤を彷彿とさせる。収録されている4曲はデンマーク語で歌われているが、癖のない伸びやかで艶やかな歌声はチャーミングで清涼感溢れ魅力的である。民謡調の素朴なテーマの「Måske」は癒されるようなバラード。一転小気味よいテンポでスイングする「Det Danske Grin」は彼女のチャーミングな魅力がよくでている。後半の Bent Jadig(ts)と思われるソロにニンマリする。多彩なオーケストレーションをバックにLouis Hjulmand (vib)等がソロを聴かせる「Det Danske Grin」、唯一ブルージーな雰囲気で歌われる「Regnvejr Og Blæst」は彼女の表現力、歌唱力が楽しめる。後半の Niels Husum(ss)やAllan Botschinsky (tp)?のプレイを聴き逃さないようにと聴覚が緊張する。
台湾のJAZZHUS DISKからCD化されるまでは 幻の1枚であった。
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Pete Candoli(tp) And His Orchestra  Rec.1955
Pete Candoliは1923年生れ 兄は同じくトランペッターのConte Candoliであることはジャズファンなら一般常識の域であろう。Pete Candoliは1940年代初旬からBenny Goodman、Tommy Dorsey等のバンドの一員として活躍し、1950年代にはStan KentonnやWoody Hermannにも在籍。この頃にFrank Sinatraの目にとまりスタジオミュージシャンとしても実力を発揮していた。彼のスタイルはウエスト派らしく明朗でハリのあるハイトーンが魅力で、1961年Septetによるリーダー作 "Blues - When Your Lover Has Gone" (Somerset - USA)はよく針を落とした。ここで紹介する作品は大編成のビックバンドをバックにPete Candoli(tp)が気持ちよくハイノートを炸裂するエキサイティングな1枚。特筆すべきは収録されている2曲は共に当時流行りのジャズ・スタンダードというよりも1930年代に作られたダンスミュージックであることだろう。アレンジャー、ピアニストとして活躍したJohn Scott Trotterの「Gobelues」は ダンサブルなテーマが厚いアンサンブルで演じられ、ようやく1'35"付近でCandoli(tp)がハイノートで短いソロを聴かせるが少々消化不良で物足りない。Harold Arlenの「I Love A Parade」はテンポの良い名曲でCandoli(tp)のエキサイティングなソロを聴けば彼の意気込みが伝わってくる素晴らしい演奏である。
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Cosetta Greco(vocal) 
Con Pupo De Luca Ed Il Suo Ottetto Moderno  Rec.1959
■1930年イタリア トレント生まれで映画・TVで活躍した人気女優Grecoのボーカル作品。彼女がジャズにアプローチした代表作といえば1958年の" Modern Jazz Quintet "Di Pupo De Luca(ds) Glauco Masetti (as) Eraldo Volonte (ts), Fausto Papetti (bs) Ernesto Villa(b) をバックにスタンダードを歌った7inch EPが記憶に残っている。この作品は同じ<JAZZ Singer>シリーズではあるが、Modern Jazz Quintet とのクレジットは無くジャケットにはPupo De Luca(ds) とモダン八重奏団との記載がある。Greco(vocal) の最高の魅力はハスキーな歌声とイマジネーション溢れる感情移入だろう。ここで歌っているのは、Piero Umilianiと Romano Mussoliniの曲がそれぞれ2曲で、いずれも寂しいトーチソング的ムードが魅力となっている。彼女の歌声とスタイルは、同年1958年〜1962年にイタリアでのレコーディングも残しているHelen Merrillからの影響により確立されたであろう事は一聴明白である。特にRomano Mussoliniのバラード「Ecco L' Alba」は極寒の寂しさが漂う。他に「Ascoltando Un Disco..」「Devi Dirlo Tu」「Lieto D' Esser Triste」を収録している。随所に散りばめられるサックス・ソロはEraldo Volonte だろうか・・・彼女のジャズ・シンガーとしてのレコーディング4枚はHelen Merrillがイタリアを訪れた1958,1959年に集中している。統一されたムードが記憶に残る1枚である。
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Carlo Esposito with Combo Rec.1967
■Quintetto Basso-Valdambriniの2枚の7inch EPでも知られるイタリアPrimaレーベルの隠れたハードバップの秀作。Carlo Esposito は1950年代から活躍するアレンジャーで自らのオーケストラを率いて演奏も行っていた。そんな彼がモダンジャズにアプローチした1枚でハードバップ・マナーの魅力的な演奏を収録している。残念ながら詳細のクレジットは不明であるが聴けば十分な経験を経て活躍しているメンツであることが認識できる。まるでライオネル・トンプソン楽団が演奏するスターダストにおけるウィリースミス(as)のソロのようなスイートでドリーミーなトーンでワンホーンでバラードを演じるアルト奏者が素晴らしい「Impulse In Jazz」、これぞイタリアン・ハードバップと言えるトランペット、サックスの2管にリズムセクションという編成の「Poliritmico」は軽快にスイングするご機嫌な演奏は終わらないで欲しいと念じる1曲。7inch EPの儚さ故によけいに惜しい演奏である。
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Pim Jacobs(p)  Wim Overgaauw(g)  Ruud Jacobs(b)  Rec.1965
■JAZZの7inch EPに関心を示して最初の頃にまずは入手を試みる1枚。数年前まではebay等でも容易に見つけることができたのだが・・・Pim Jacobs は1950年代中頃から数々のセッションやRITA REYS などシンガーのバックを努め名実共に名ピアニストとして認められる存在となる。日本では1982年のPim Jacobs TRIOによる<Come fly with me>(Philips)が乗りの良い明朗で粒立ちの良いピアノが印象に残る人気盤として定着し、この作品がきっかけで過去の作品にも さらにスポットが当たったように記憶している。ここで紹介する作品はドラムではなくギターを加えたトリオ編成による1枚でお馴染みのスタンダード4曲が収録されていることでも彼の代表作の一つに数えられる。一聴ギターがクローズアップされているかのように聴こえるが、Ruud Jacobs(b)が刻む強靭なプレイも演奏に躍動感を与え印象に残る。
アップテンポでスイングする「Blues in the closet」は Overgaauw(g) のテクニックを駆使したご機嫌な演奏に酔う。テーマからの良く歌うOvergaauw(g)のソロ、Jacobs(p)のメリハリのあるソロと展開される「Django」、テーマからJacobs(p)〜Overgaauw(g)へと継れる魅力的なソロはこの作品のベストテイクと言える「Autumn leaves」、ギターによるテーマからソロへ移行し Jacobs(p) がアドリブを聴かせテーマに戻る「Work song」と あっという間に聴き終えてしまうが 三位一体のエッセンスが凝縮された演奏は見事としか言い様がない。
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Dan Yessian(ts)  with (p) (b) (ds) (g)  Rec.1970?
■デトロイト生れのDan YessianはComposer, Producer, Musicianとして活躍しアメリカ本国では名実共に評価されている。特にジャンルに拘って活躍しているわけではないが、とりわけComposer、Producerとしては、プロモーションビデオや映画、テレビ等 多様なマスメディアにおいて数々のアワードを受賞している。United Airlines, Coke, Disney, Ford, そしてMcDonaldのプロモーションミュージックを担当した実績は彼の実力をはかるには十分である。小学生の頃からクラシックに関心を持ちクラリネットを習得するが、19歳で自己のモダンジャズQUINTETを結成しプロとしても演奏を始める。ミュージシャンとしてはピアノ、クラリネット、サックス等を演奏するが、この作品ではテナーサックスに徹して独自のスタイルと雰囲気でソロを聴かせている。彼の知的ルーツがクラシック音楽であるためバップ、ハードバップとは離れた洗練されたクールな世界が演出されている。多様な70年代を彷彿とする「Girls And Boys」は女性ボーカルのフレンチポップス系のラララ〜パパヤ〜を混じえたクロスオーバーミュージック。「Basadelic」はモダンジャズ系の演奏でDan Yessian(ts)の魅力的なソロがたっぷりと楽しめる。ボッサのリズムに乗った彼のプレイはゲッツライクなクールなトーンで魅了する。
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Jimmy Rena(p)  Mano Rena(g)  Robert Armand(ds)  Rec.1970's
■ピアニストJimmy Renaは 1918年フランス・モントーバンの生れ。幼い頃からFats Waller, Louis Armstrong, Duke Ellington等を聴きながらジャズに関心を持ち、学生時代はローカルミュージシャンとして活躍をしていた。その後 キャバレーやクラブでも演奏するプロのミュージシャンとして演奏を続け、後に妻となるギタリストMano Renaと出会い バイオリンやサックス等を加えたグループを結成 好評を得ていたようである。彼は終始トラディショナルなスタイルに徹しており聴けばサー・チャールストンプソン的快楽に浸ることができる。この作品はトリオ編成でRena(p) のプレイを存分に楽しめるのに加え新しいスタイルを模索しているかのような 新主流派的なMano Rena(g) のアプローチを聴く事ができる。保守的なRena(p) のプレイとの対比が興味深い。寛ぎ感溢れる縦乗りの Jimmy Rena(p) のプレイが楽しめる「Ain't Misbehavin'」であるが後半にいきなり現れるMano Rena(g)のソロが印象に残る。お馴染み「Sweet Georgia Brown」はアップテンポでスイングする1曲であるが、やはりMano Rena(g) がソロをとると一気に空気はモダンに変化する。独特の雰囲気を感じることができる作品である。
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