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反捕鯨で騒いでいるオーストラリアに関して、7回程度、出張でオーストラリアを訪れたことがあるので、自分が体験し感じたことをベースに、どんな国であるのかのスケッチを試みたい。
南半球にある国なので、日本の冬の時期にオーストラリアを訪れると現地は夏である。春の終わりから初夏にかけては、日本では見たことがない、ジャカランタという薄紫色の綺麗な花が、街のここかしこに鮮やかに咲いている時期がある。薄紫色の花と葉の緑で街が覆われる景色は風情のあるものである。
オーストラリア大陸では、他の大陸には存在しないカンガルーやコアラ等の特有な動物がおり、鳥も日本で飛んでいるような鳥とは全く違う種類の鳥しか見かけない。大陸が違うと、自然界は大分違っているのである。但し、魚類は、海流の関係で、日本の魚に似たような種類のものがあり、日本とはかなり異なる種類の魚が多い米国とは違う。
飛行機の中で書く入国書類の中の質問に『貴方は最近アフリカ諸国を旅行したことがあるか?』という趣旨の質問が載っている。恐らく、このような質問をするのは世界広しと言えども、オーストラリアだけであろう。白豪主義の国である。歴史的には、有色人種の移民を受け入れない時期が長く続いたことがある白人中心の国である。従って、アメリカのように黒人を見かけることは無い。
飛行機がシドニー空港に着く直前に、乗務員が飛行機の中に一斉に消毒スプレーを撒く、一体、何事なのか?と驚く。つまり、外国から飛んでくる飛行機の中にあるバイ菌を消毒するという目的でスプレーを撒いていた。最近このスプレー撒きは無くなったと聞く。先に述べた入国書類で、アフリカに行ったと答えると、入国の際に、別室に連れていかれ、スプレー攻めに合うらしい。人種や場所により、不潔ということを決め付けている差別意識が垣間見られる特異な国である側面を覗かせる。
街全般を見ても、青空が広がり、かなり健康的な国に映ることは確かである。かつて流行したKEN DONEのデザインイメージそのままのような明るさがある。但し、米国で感じられるようなバイタリティーのようなものは一切感じられない。スロー・ライフを感じさせる国である。例えば、空港のバーでビールを頼んでもなかなか出て来ないことがある。ペースが全般的に遅い。観光旅行で行くのは良いが、ビジネスで行くと、イライラさせられることがある。
オーストラリアでは、野球の元となったと言われるクリケットというスポーツが盛んであるが、この競技は1試合が終わるのに3〜4日間!も掛かることのある気の長いスポーツである。
泊まったホテルのバーでビールを頼んだら、おつまみに柿の種とピーナツが出てきた。私が日本人であったからではなく、どのお客にも出していた。やはり、アジアに近いということもあり、ひょんなところで、日本的な物に出くわすことがある。伊勢えびの刺身がシドニーの大きなレストランで定番メニューとなっている。
18世紀に、イギリス人クックが発見し、当初はイギリスの流刑地となっていた地であるが、イギリス人中心に入植してできた国であり、典型的なアングロ・サクソン系白人が中心となった国家である。基本的に彼らは有色人種などハシタナイくらいに思っている気配がある。
実際に18世紀にイギリス人が来る前からオーストラリアに住んでいた原住民であるアボリジニは、イギリス人の入植者に獣のように銃撃されたこともあるという話も伝わっており、昨日のCNNの以下の記事でも、オーストラリア人の差別意識が顕著に表れている。
オーストラリア、来月アボリジニに正式謝罪へ
キャンベラ(AP) オーストラリアは来月13日、白人との間に生まれた子どもを親元から強制的に引き離す政策をめぐって対立してきた先住民アボリジニに、正式に謝罪を表明する。マクリン先住民問題相が30日明らかにした。
政策の犠牲となったアボリジニと白人の混血児は「失われた世代」と呼ばれ、1910─70年代に10万人余りにのぼった。97年の全国調査では、こうした子どもたちが長期にわたり、家族や文化の喪失による心の問題を抱えていることが判明。調査は当局による謝罪や損害賠償を勧告したが、当時のハワード首相は断固応じない姿勢を示していた。
謝罪問題は来月召集される国会で最初に審議される。昨年11月の総選挙で勝利した労働党のラッド首相は、アボリジニへの謝罪推進を公約に掲げていた。
謝罪はオーストラリア政府を代表して行われ、今の世代の国民の責任を認める内容にはならない予定。ただ、ラッド首相は以前賠償金支払いの可能性を否定しており、マクリン同相もこの点には言及していない。同相は謝罪の表現について各方面の意見を求めており、アボリジニとの新たな関係構築に端緒を開く内容としたい考えだ。
アボリジニはオーストラリアの人口2100万人中45万人前後を占めるが、多くは低所得者で、犯罪に関与する者や失業者も多い。また、識字率が低く、平均寿命も非先住民より17年短い。(以上CNN記事より)
経済的には、米国企業の多くが進出しており、シドニーにある看板は米企業のオーストラリア法人の企業広告が非常に多い、その意味では、ビジネス的にはアメリカの植民地という感じがする。
しかし、物は豊かであり、何も焦って働くことはないと思って仕事をやっているように見えるのがオーストラリア人である。ゆったりとして、その意味では、つきあい易いが、何か物足りない感じもする。
英語はイギリス英語で、多少気取ったような感じのQueen’s Englishである。はっきり判りやすく発音するアメリカ英語のペースとはかなり違う。アメリカ人と同じように扱わない方が良いというビジネス・アドバイスを受けたことがある。
ある時期、オーストラリアで日本製品を売る為には、一定程度の投資を、その製品を販売する企業が行わなければならないという政策をオーストラリア通産省が持っていたことがある。所謂、非関税障壁であり、自国の産業を保護・育成の為に開発途上国が行う国内産業振興策である。つまり、彼等の意識としては、白人のプライドはあるが、政策的には開発途上国の政策を臆面もなく採るという部分もある。
人々は決して、貧しいわけでは無い。物価がかなり安いのである。普通の中間管理職のオーストラリア人の家に招待されて、バーべキューパーティを庭で行い、オーストラリア人の生活を垣間見たが、家も庭も大きく、モーターボートで週末は海に出るというような話を聞くと羨ましくなる。日本ではかなりの地位の人でないと、あのような家には住めないのではないかと思う。
オーストラリア人が世界の中でも最も快適な暮らしをしているというような調査結果もあったと聞く。衣食住の物価がかなり安いので、それほど給料は高く無くとも、豊かな生活ができるのである。
現在の為替相場は米ドルが1ドル106円程度、豪ドルが1ドル95円程度である。言い方を変えれば、アメリカで106円で買うものを、オーストラリアでは95円で買えるという物価の安さなのである。物によっては違うが、総じてアメリカの衣食住の物価は、日本より安いので、オーストラリアの物価は、日本に比すと大幅に安い。オーストラリアワインなどは安くておいしい。
そのくせ、開発途上国のような政策を採って、海外企業から上手く、お金をフンダクルということも、いつの間にやら行っているので、ひょっとして、オーストラリア人は、実は頭がかなり良いのではないか?ということを現地に当時いた日本人と話したことがある。つまり、日本人のように、セカセカと働かなくとも、ゆったりと仕事を適当にやり、日本人より、ずっと良い生活をしているのであるから、それだけ、オーストラリア人は、要領良く人生を送っているということになる。
外国人の労働ビザは最長8年しか下りない。日本人の駐在員は最長でも8年間しか住めない。米国は仕事がある限り何年いても構わないとは大違いである。
話はがらりと変わるが、シドニーの街中を車で案内されている時に、シドニー中心街に近いところで、歓楽街だかビジネス街だか、良くは判らないような街角であったが、びっくりさせられたことがある。プロポーションの良い綺麗な女性達が、大胆でセクシーな下着姿で街頭に立っているのである。シドニーは法律上売春禁止か否かは知らないが、ああいう形での売春婦の街頭・客引きとは恐れ入ったというか、呆気に取られた。お客の方も、あのような下着姿の女性と一緒に歩くと、目立ってまずいのではないか?と思ったが…
以上述べてきたようなような諸断面を持つのが、オーストラリアである。
今回の反捕鯨騒ぎも、彼等、オーストラリア人からすると、Whale Watchingなどで楽しんでいる鯨を、自分達の縄張りであると思っている南氷洋に、遠いところから、日本人がやって来て、自分達の可愛がっている鯨を、捕獲して食べるとはケシカランということなのではないか?鯨をとるなら、日本の近くの海で取れ!というのが、オーストラリア人の感覚かもしれない。
どうやら、現在オーストラリアのテレビコマーシャルに『鯨を殺す国のビールを飲むのは止めよう!』というのがあるらしい。日本のキリン麦酒が、それなりのシェアを持っている様だ。そして、オーストラリアのビール会社が、シー・シェパードやグリーン・ピースという過激な環境団体に資金提供を行っているらしい。つまり、日本人のビジネスを快く思っていないオーストラリア企業の企業戦略の一環という側面もあるのである。
先に述べたが、オーストラリア人はかなり、要領も頭も良い面もあるので、日本人としては、それを上回る対抗策を考えて、上手く対処しなくてはならないと思う。
蛇足であるが、シドニーでビジネスを終えて、普通の日本人では、まず乗るチャンスが無いであろうシドニーからロサンゼルスに向けて飛ぶUnited Airline便に乗ったことがある。最近では無くなったが、以前は、どの航空会社も、洗面用具と小さなビンに入った若干の化粧品などを取り混ぜたポーチのようなものをビジネスクラス以上の客に配っていたことがある。そのポーチのようなものであるが、シドニーからロサンゼルスに向かう便で、配られたものが、通常の東京―ニューヨーク便で、配られていたポーチと比べて、かなり豪華なものであったのである。クラスは同じビジネスクラスである。飛行機自体も同じ型式の飛行機であるのに、シートや屋内装飾が若干デラックスな感じのする飛行機であった。
世界2位の経済大国の日本のTokyo Narita Airportと世界1位の経済大国の米国のNew York Kennedy空港を結ぶUnited Airlineの飛行機内で配るオミアゲと比較して、世界二桁台の経済しか持たないオーストラリア・シドニー空港とロサンゼルス空港の同じAirlineの飛行機内で配るオミアゲの方が、何故良いのか?という単純な疑問が残った……たかが、オミアゲ類と同じAirlineで使われている飛行機の豪華さが多少違うという差異についてではあるが……
当時出した私の結論は、やはり日本人は、まだまだ、アングロ・サクソンの住む世界を知ってはいないのだなということであった。つまり、アメリカ、イギリス、オーストラリアという戦時においては、最初に徒党を組むアングロ・サクソン系は、自分達は一段高い世界に住んでいるという意識があるのではないか?ということをAirlineのサービスで感じたということである……日本人の入り込めない知らない世界が、まだまだあるような気がしてならない。
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日本も、カンガルーを食べる野蛮なオーストラリア人に対して、訴えを起こそう!
2008/2/1(金) 午後 1:16 [ プロイセンの騎士 ]
私の対抗案はhttp://blogs.yahoo.co.jp/worldforum2007/39368586.htmlに書きました。
2008/2/1(金) 午後 7:06
お久しぶりにおじゃま致します。
白人の人々の思考回路は日本人とは大きく異なっていますよね。
極端な表現をすれば、自分達(白人)に逆らうものはすべて排除する人種ですよね。
私達日本人からみれば、小魚をたくさん食べるクジラを少なくしたいのは良く理解できます。
肉食の世界で生きている人々は全く理解できないと思います。
どちらも、正しいですね。
国連って何をしているところなんでしょうね???
2008/2/2(土) 午後 5:43 [ itu**deka ]
確かに、鯨は哺乳類ですね。欧米人の考え方は鯨は哺乳類の大きなアイドル的な見方があるのかもしれませんね。日本人はつい鯨は、大きな魚くらいに思っていますが...そのへんの誤差もあるかもしれませんね。
2008/2/2(土) 午後 6:11
どちらも一理あるからこそ、取引が必要なのでしょうか・・
まあこの件は、確かに鯨のせいでほかの魚が減っているという点で日本のほうが理屈が通っていると思います
2008/2/6(水) 午後 9:38 [ osa*i1*90 ]
日本人としては、おっしゃる通りなのですが、その他IWC(国際捕鯨委員会)等の国際機関で、今回の件は充分に話し合いの場を持ち、悪質な行為は止めさせるべきですよね。オーストラリアがIWCに加盟していないとしたら、何らかの国際仲裁機関でこの問題を取り上げてもらい、国際的に容認されないような抗議行動は謹んでもらうということを明確にしてもらいたいですね。日本の調査捕鯨はIWCで国際的にも認められた範囲内でしか行っていないのですから。
2008/2/6(水) 午後 10:27