ワールドフォーラム

世界の中の日本の姿を感じよう。

多事所感

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全10ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

[ 次のページ ]

イメージ 1

世界はアメリカ発の金融恐慌の中で喘いでいる。

文明は人間が物を創ることにより発展してゆく、単に物を創るだけでは文明社会での経済活動が成り立たないので、貨幣を媒体とした金融の役割は文明社会では潤滑油的な意義はある。しかしながら、金融が文明の発展を阻害する程の役割までは与えられるべきではないのに、行き過ぎた市場原理主義の中で、金融が本来の目的を逸脱し、必要以上に大きな存在に化けてしまったことに今回は大きなスポットライトが当てられた。

資金が石油市場に集まれば、ガソリン価格は跳ね上がり、金融恐慌の到来と共に、その資金は石油市場から逃避し、ガソリン代は見る間に下がる。そんな中に我々は今現在生きている。

金融資本が投機目的で、その資金を投下し、経済社会を大きく混乱させる様を我々は近年多く見てきた。金融資本の動きは、利潤の追求のみに専念し、社会的・経済的混乱を起こすことなどお構い無しである。市場原理主義という大義名分の下で、自らを肥やすことしか考えていない。お金が儲かりさえすれば、文明の発展など2の次であるというような事がまかり通り続けてきた。

20世紀に世界の軍事・経済大国として台頭したアメリカという国はいつの間にか、最近は楽をして金儲けをしようという文化が根づいてしまった様である。アメリカン・ビジネスの世界を永年に見てきた私にとっては、最近とくにそのことを感じるようになった。

ハーバートやMIT等の米国の一流大学を卒業した連中のかなりの部分が、本来ならメーカーや開発会社等の研究・技術職につくような理科系の連中までもが、金融の世界に入り込み、最も効率よくお金を運用し稼ぐ為の学問である金融工学なるものを編み出し、それを駆使して、野放しとなっていた市場原理主義の中で、いかに楽をして金儲けをするのかだけを考えてきた結果が、今回のアメリカ金融資本の破綻の大きな一側面になっている。そこには、倫理感などというもののカケラもなく、ただ、お金が儲かれば良いという極端な拝金主義がある。

アメリカの証券会社の日本支社の連中は、24時間世界の株式市場を追いかけて、株や金融商品の取引の儲けで、年収7,000〜8,000万円は当たり前、億の年収を得る人もザラにいたという。彼等は一般人とは違う異質な世界に住んでいた。そのような泡銭を稼げる甘い仕組みが長続きするはずがないし、長続きさせてもいけないのである。何か物の発明を行ったり、物を製造したりして、汗をかいて、文明の発展に貢献した人々が、そのような収入を得るなら理解できるが、株や金融商品の売買という人のフンドシで相撲をとる人々が、そのような高額の収入を得ること自体がおかしな社会現象であると私は思う。

サブ・プライム・ローン問題でもしかり、日本流に言えば、銀行からはお金を借りられないような人が、サラ金から借金をして、株を買い、株の値上がりを目当てにして、サラ金への借金を返そうとしたという類のことに近い、極めて危ない借金の仕方が、アメリカのサブ・プライムローン問題の本質である。

借金した人々が、まともに返す意志の無いローンが破綻してゆくのは必然であり、そのような危ないローンを組み込んだ証券を作り出し、世界の金融市場にバラまいた金融機関もまともな神経を持っていないし、歯車が狂っている。そのような証券を格付けする格付機関の査定基準も極めていい加減なのである。その根元では、かなりのいい加減さと狂った歯車の下で回っていたアメリカの金融システムが崩壊してゆくのは、ある意味では自然現象なのかもしれない。

米大手証券のリーマンブラザースの破綻等に至り、アメリカの金融システムのいい加減な部分が白日の下に曝されてきた。人はその真っ只中にいると、その流れの中に埋没してしまい気づかないでいるが、一旦大きな出来事が起ると、始めて冷静に物事を見つめられるようになる。ただ、そんな時は、大抵の場合は、既に時遅しということが多い。現在は100年に一度と言われるくらいの金融恐慌にアメリカのウォール街は入り込み、それが欧州各国にも飛び火し、世界を巻き込みつつある。そしてその火の粉が我々にも迫りつつある。

人の節度の無いお金への欲という人間の性のようなものがつくり出した極めて人為的な誤りが今回の金融恐慌の根元部分にあるのである。

楽をしてお金を儲けようなどと考えた多くの人々が大変なしっぺ返しを今受けているのである。お金は汗をかいて働いた分しか入って来ない。楽をして金を儲けようなどとは考えるべきではないことを今回の出来事は世界に語りかけているのではないかと思う。

金融は、必要以上に文明社会に影響を与えてはならないし、それ自体が金儲けの手段として必要以上に利用されてはならないのである。金融は文明社会において、物や物事を円滑に動かしてゆく潤滑油としての本来の脇役に戻るべきである。世界は今度の教訓を生かす必要がある。金融資本は一定の節度を持った範囲でしか活動できないという枠組みを文明社会は今後つくり出して行かなければならないということを今回の出来事は我々に教えている。

曲はベートーベンのピアノソナタ悲愴第2楽章、アメリカに出張に行った時にショッピングセンターにあるミュージック・ショップで、もっと早いテンポでアレンジされ演奏されていたのが何故か強い印象で耳に残っている曲である。アメリカのウォール街はまさにこの悲愴な状態になっているのではないかと思う。



日本と中国の間で最大の懸案事項の一つである東シナ海ガス田問題で以下の合意が形成されたことが昨日の日本経済新聞等で報道されている。

1)日中の中間線をまたぐ北部の海域に『共同開発区域』を設定、採掘場所を共同探査で絞り込む。収益の配分などは今後の交渉で決める。

2)中国企業が単独で開発してきた白樺(中国名・春暁)ガス田については日本法人が出資、日本が一定の権益を確保する。

3)その他の海域での共同開発を早期に実現するための協議を継続。

等である。

日本は日中・中間線を主張し、中国は大陸棚論により沖縄トラフを主張して、国境線に日中間での合意は存在していない。火種がある東シナ海であるが、その国境確定が実現するまでの過渡期的期間において、双方の立場を損なうことなくガス田開発問題が合意できたことはかなり大きな出来事として私は捉えている。

『東シナ海を平和と友好の海にしてゆこう』というスローガンが現実化したわけである。小泉靖国参拝、北京や上海での反日デモ騒ぎと大いに軋んだ日中関係であったが、安倍前首相の訪中、温家宝首相の来日、福田首相の訪中、そして今年の5月の胡錦濤主席の来日というトップ外交が実を結んだわけである。

この一方で、胡錦濤の中国が、台湾の馬英九総統就任以降、急ピッチで台湾との対話再開へ動き出している。

『北京五輪開会式で(台湾海峡)両岸の選手が聖火を掲げて一緒に入場するようにしよう』。5月30日、台湾の政権与党指導者として初めて訪中した呉伯雄国民党主席を招いた晩餐会の席上。中国の胡錦濤主席は以上のような突然驚くべき提案を行った。(週間東洋経済6.21号より)

これはチベット騒乱や聖火リレー混乱で、世界の厳しい中国に対する眼差しを目の当たりにした胡錦濤・中国が、世界の厳しい視線を和らげようとする狙いがあるに違いない。

ガス田問題も、従来は胡錦濤主席は中国国内保守派を意識して、日本との妥協を避けると見られていたが、実際には一歩前に出て、合意に導く勇気を持ったことは確かである。台湾問題でも、従来の中国とは一味違った方向に動き出そうとしている。

13億人の頂点に立つ胡錦濤主席は、かつての共産主義連邦国家であったソ連邦を自由主義の方向に導く舵を切ったゴルバチョフの心境を今理解し始めているのかもしれない。共産主義イデオロギーは現実の歴史の中で破綻し、共産主義独裁国家という国家形態から脱却し、自由主義経済社会の中に中国もいずれ完全に入り込んで行かなければならないとう事実を、祝福されるべき北京オリンピックの聖火ランナーに対する世界各国での反応を見て感じて、胡錦濤主席は『俺は中国のゴバルチョフになるべきなのか?』と逡巡し始めたような気がしてならない……….

中国も北京オリンピックを契機として、大きな方向転換に動こうとしている胎動を感じる。その意味でも、北京オリンピックは、中国の歴史上の大転換を始める一大イベントとして中国の歴史に刻まれる可能性は大いにある。

2005年の中国での反日デモ以来であると思うが、中国のナショナリズムがデモという形で噴出しようとしている。19日に中国・湖北省武漢市とパリ・ロンドン・ベルリンで、5月4日にはニューヨークで、今回は聖火ランナーを妨害した反欧米という形で計画されている。

中国当局はこれを黙認しようとしている様であるが、『中国ナショナリズム』とチベット騒乱における中国の弾圧のやり方を契機とした『欧米の主張する人権と民主主義の擁護』のぶつかり合いは、事と次第では重大なことに発展してゆく可能性はある。

2005年の反日デモは、小泉首相の靖国参拝を契機として起っているが、これはあくまで、日本の首相が日本の神社に参拝したことに対して、旧日本軍の軍国主義の象徴である靖国神社参拝はケシカランとする中国ナショナリズムが、中国の地である上海や北京で爆発したものであり、参拝及びデモというそれぞれの行動自体は、それぞれの自国内で起こしたしたものであり、東京で反日デモを行ったわけでもない。

また、その後、中国当局側も、中国においてデモ隊が壊した日本側の施設の修復も図る等の配慮は見せた。一方の日本側も、日本国内での反中国意識は高揚したものの、実質的には激しい反発活動はとらなかったので、国際的な大きな対立関係に発展したということも無かったし、デモ隊が何かに衝突し、人が死亡するという事態にも至らなかった。

しかし、今回は状況は全く違う。チベット騒乱において、中国軍の騒乱制圧過程で、既にかなりのチベット人が死亡しており、特に欧州における聖火ランナーに対する数々の妨害活動は止まるところを知らない。 その一方で、中国側は中国のボランティアの学生と言っているが、実際は相当の訓練を受けた中国の工作員と言われる人々が、水色のジャージー姿で聖火ランナーを防衛しながら世界各地を走る姿は、誰の眼に見ても異様である。

しかも、今回違うのは、中国人が、中国・国内のみでなく、ヨーロッパやアメリカの地で『反欧米デモ・反チベット独立デモ』を行おうというのであるから穏やかではない。中国人側が反日デモの時のようなつもりでいるとしたら大間違いである。

日本人は、欧米人に比べれば、遥かにおとなしい国民であるが、中国人が日本で反日デモを行ったら、おとなしい日本人でもかなりの衝突は起ると思うが、中国人がパリ、ロンドン、ベルリン、ニューヨークで本当に反欧米デモを実行すれば、かなりの不測の事態の起ることは充分に考えられる。

そして、欧米側の今までの反応は、北京オリンピックの開会式には参加はしないが、北京オリンピックそのものはボイコットはしないという基本的な態度であるが、中国人デモ隊が、パリ、ロンドン、ベルリン、ニューヨークで現地の欧米人と衝突し、死者でも出れば、欧米社会は一気にオリンピック・ボイコットに傾く危険性もある。

中国共産党独裁政権による情報統制下で、極めて限られた世界の情報にしか接していない中国・国内の中国人は、共産党独裁政権下における価値観が世界無二の価値感にしか思えないのではないかと思う。

即ち、欧米人の言う自由と民主主義という概念そのものが判らないのではないかと思う。つまり、チベット騒乱における中国側の弾圧に対する欧米人の反発の理由や根拠の一切を理解し得ない極めて狭い視野しか持っていないように思える。

限られた視野しか持てない人間ほど物事に先鋭化する傾向があり、衝突を起こしやすいことは歴史がそれを示している。

今までは予測していなかった事態に発展する可能性は大いにあり得る。

中国人が欧米でデモ計画 対中批判に対抗、国内でも

2008年04月18日10時06分・朝日新聞

【北京=峯村健司】中国チベット自治区の騒乱をめぐり、欧米で広がる対中批判に中国国内で反発が強まり、国内で抗議デモが計画されている。当局も黙認する構えで、今後さらに広がる気配だ。欧州各地でも19日、現地の中国人が一斉に抗議行動を起こす予定がある。ナショナリズムの高まりを背景に、中国側が巻き返しに出る格好だ。

中国国内では19日に、湖北省武漢市でデモが計画されている。中心人物の一人である自営業の男性によると、仏領事館前や仏大手スーパー「カルフール」前でデモをする予定で、300人以上が参加する見込みだ。中国ではデモや集会は公安当局の許可が必要だが、男性は「許可を得ると、政府がデモを扇動していると欧米諸国から批判される」と述べ、あえて申請しないとしている。

1919年に起きた対日抗議運動「5・4運動」の記念日には例年、中国では民族主義が高まる。こうした時期に今回の動きが重なり、大衆デモが今後、中国各地に広がる可能性も出てきた。

また、16日付の国際問題を扱うタブロイド紙「環球時報」によると、パリ、ロンドン、ベルリンの在留中国人が19日、一斉に抗議デモをする予定で、参加者数は計1万人を超える見通しだという。主催者は「欧米メディアの偏向報道に抗議し、世界にチベット独立反対を訴えたい」と述べており、海外から中国政府を後押しする構えだ。

パリのデモ関係者には「当日は銃撃が起きる」という脅迫文が届いているといい、混乱も予想される。米ニューヨークでも5月4日に大規模な集会が予定されている。

こうした動きについて、中国外務省の姜瑜副報道局長は15日の会見で「民衆の自発的な言動」として、政府の関与を否定。しかし、北京の外交筋は「市民の抗議の声を盛り上げることで、北京五輪をめぐる欧米諸国の包囲網に対抗し、不満のガス抜きをするのが狙い」と見ており、当局が関与している可能性を指摘する。

当局が管理下におく各メディアでは、「反欧米」や民族主義をあおる記事が目立っている。北京の夕刊紙「法制晩報」は16日、北京五輪の成功と愛国意識を高めるキャンペーンを開始。特集記事を組んで、中国国旗の色である赤と黄を使った「北京加油(がんばれ)」と書かれたシールを各地で配布している。

インターネットでも「今こそ市民が立ち上がって欧米による五輪破壊を阻止すべきだ」「外資系ファストフードに行くな」などの書き込みが増え、ナショナリズム感情の高揚がうかがえる。

1日の国会運営費は約3億円であると言われている。そんなに費用をかけながら,立法府としての機能を果していないような成果しか出せないような状況が続くなら、国会議員の報酬を減らすべきである。一般企業であれば、売上減・利益減であれば、その会社の社長も従業員も年収減となるのは当たり前のことである。

現在のネジレ国会で、立法府としての国会が、立法という機能が果たせない状態を続けるのなら、国会として成果を挙げていないということになる。資本主義自由世界においては、結果を出せなければ、報酬が減るという原則は当然のことである。ましてや、国会議員は年収だけでもかなり高い、そして自分の仕事の場である国会においての運営費も1日で3億円という巨額なお金を使っているのである。国民の納得するような、それなりの仕事をやってもらわなくては、国民は黙ってはいられない。

特に、今回の日銀総裁が空席になるような事態を引き起こすようなことがあれば、日本の国際的イメージ低下は明らかである。この責任は野党を説得できるような候補をタイミング良く出せなかったという意味において準備不足であった自民党にもあるし、党内の意志統一も図れずに、まともな対案も出さずに、何度も反対し、中央銀行総裁を空席にさせた参議院の第1党である民主党にもある。

このようなことが二度と起らないようにするためには、ネジレ国会運営において、以下のような原則を持つルールをつくるのはどうかと考えた次第である。

1)衆議院の与党側が提案した法案が、野党側が過半数を持つ参議院において、審議や修正協議もせず、かつ対案も出さずに法案が不成立になった場合は、議員として何の成果もあげておらず、徒に国会運営費を浪費させたペナルティーとして、全国会議員にペナルティー・ポイントを課すようにする。但し60日ルールが適用される法案に関しては、衆議院で再可決で法案は成立するが、この場合は法案が成立するので、法案の成立という成果はあるので、全議員のペナルティーは無いものとする。

2)参議院で過半数を占める野党側が参議院を通過させた野党主導の法案を、衆議院において、与党側が審議や修正協議や対案も出さずに、廃案とした場合は、同じく国会運営費を浪費させたペナルティーを全議員に課すものとする。

3)国会期間中に別途定める一定の数の法案を成立させることができない場合は、全国会議員に対して、ペナルティー・ポイントが課せられる。

つまり、法案成立に対して、審議や修正協議や対案の提出という議員としての当然の義務であるプロセスを踏まない国会議員に対しては、国会議員としての仕事の一部を怠ったわけであるから、ペナルティー・ポイントを課し、その累積ポイントが一定以上になれば、議員は一定程度報酬を減らされるという制度を創るのである。

このことの付随効果としては、成立する見込みの無いような無理な法案を出せば、国会議員にペナルティーが課せられる確率が高くなり、与党も野党も、法案の策定や提出には慎重になり、無理で強引な法案は出せなくなり、より現実的で、より効率的で、生産性の高い法案審議が国会において行われることになると思う。

以上のような基本原則を持つルールづくりをすれば、国会議員は、より真剣に、そしてスピーディーに法案の審議を行い、修正協議や対案づくりもより活発に行われ、議会制民主主義という制度の枠組みの中で、より良い法案の効率的な成立を促すことにつながって行くのではないかと思う。

以上が、現在のネジレ国会の様子を見てきて、国民一人として辿り着いた結論の一つである。

時間とお金を使っても、何も決められなければ、仕事の成果を出していないのであるから、報酬減というペナルティーを受けるのは、我々の住む一般社会では、当然であることを国会議員の諸先生達にはよく認識しておいてもらいたい。

国会議員は特権を持っていると考えるのは大間違いである。お年寄りや子供や病人は例外としても『働かざる者食うべからず』という考え方は、人間社会の基本原則の一つであることを国会議員の諸先生方には良く理解しておいてもらいたい。

ネジレ国会で法案審議が滞っていることを腹立たしく思いながら、より良い国会運営のための提言として、上記の『国会議員ペナルティー案』を提起するものである。

本日の読売新聞の記事を見ても、福田内閣支持率は30%台と低迷しているが、それが必ずしも民主党の支持率に結びついてはいない。政党別では自民支持率が30.6%で、民主党支持率は17.4%に過ぎない。何でも反対で、非生産的な民主党のやり方には国民はあまり支持はしていない様である。

こういう政治の閉塞状態の中で『国会議員ペナルティー案』のようなカンフル剤で、国会論議をより活性化させるべきであると考えるが、皆さんのご意見はいかがなものか?

北京五輪の聖火リレーが、パリに於いて、チベット問題に抗議する市民による妨害で打切られたり、これから聖火リレーの行われるサンフランシスコの象徴であるゴールデン・ゲートブリッジで、中国によるチベット人弾圧の抗議の垂れ幕が下がったりしているが、自由と民主主義を自らの手で勝ち取った国々の市民はさすがに筋金入りであると感心した。

かつては、アメリカはイギリスの植民地であったが、イギリスの植民地主義政策により、アメリカはイギリス本国から課せられる重税に苦しみ、イギリスに対して独立戦争を開始し、1年後の1776年にアメリカ東部13州がイギリスからの独立を宣言した。

アメリカの独立宣言には、イギリス人のジョン=ロックの政治思想が背景にあり、自然権(人間は生まれながらにして自由かつ平等な権利をもっているという考え方)・社会契約(国家の最高権力は人民にあり、国家はその受託者にすぎない)・革命権(国家の代表者が信託に反して自然権を侵害した場合は、人民がこれに抵抗する権利)が内容に含まれている。この独立宣言は民主主義の基本原理となるもので、後のフランス革命におけるフランス人権宣言の手本ともなった。

同じ18世紀後半のフランスにおいては、絶対王政による重税に反発した平民は国民会議をつくり反発の度合いを深めたが、ルイ16世はこれを武力で弾圧したため、民衆が武器を持って立上がったのがフランス革命であり、1789年にフランスの国民議会が議決したのが、フランス人権宣言である。

自由・平等・博愛の精神を明白にし、国民主権・基本的人権の尊重・所有権の確立などが盛り込まれ、近代市民社会の基本原理を確立したフランスの人権宣言は、直ぐにヨーロッパ全土に広がり、各国憲法や資本主義経済の発展および市民階級の興隆に大きく寄与した。日本でも明治時代の自由民権運動に大きな影響を与える。

以上の歴史的背景からも、アメリカ人やフランス人は、人権や自由や民主主義については、それらを自らの手で、樹立・形成したというお国柄もあり、自由や民主主義とは一線を画した中国共産党独裁政権によるチベット人やウイグル人弾圧については、特に反発が激しいのであると思う。

一方、日本は、戦後の民主主義というアメリカ中心の連合国の敷いたレールの上で民主主義が形成されてゆき『市民の力により』というニュアンスはあまり無い。そんな日本では『聖火ランナーを暴力で妨害するのは良くない』などという通り一片の薄ぺらな談話を官房長官が発しているが、『聖火ランナーを暴力で妨害するのは良くないが、中国政府のチベット人やウイグル人の人権を無視した弾圧は良くない』という程度のことくらいは、民主国家の一員として、明確なメッセージを発した方が良いのではないかと思う。

胡錦濤中国国家主席の来日が5月に決まりつつあり、中国を刺激するような発言はしたくないという事情もあるのかもしれないが………

米下院議長のみならず、米民主党大統領候補の一人であるヒラリー・クリントン氏も、米大統領は北京五輪の開会式には参加すべきでは無いと主張し始め、欧米各国での中国への反発は高まるばかりである。しかしながら、中国のやり方に文句はあるものの、オリンピック・ボイコットというところまでには発展しないところに、中国側にせめてもの救いはある。

中国政府は、市場経済の導入や一定程度の私有財産の保有を認める等して、共産主義の中にも、資本主義的なものをかなり取り入れ始めてはいるものの、共産党独裁政権という考え方と、自由と民主主義という考え方の隔たりは、かなり大きなものがある。

中国側も、これを機に、人権とは何か?自由と民主主義とは何か?ということを真摯に考えてゆき、将来は民主国家として存在してゆくのだというビジョンを描き、それに向けての努力をしてゆかないと、世界の大国としての仲間入りは、実際にはなかなかできないのではないかと思う。

中国に、人権と自由と民主主義ということを真剣に考えさせるという意味での、北京オリンピックは、それなりの歴史的な意義を持つと思う。

全10ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

[ 次のページ ]


.
wor*d*orum*0*7
wor*d*orum*0*7
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事