風の告白〜Confession Del Viento〜

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本書は、1929年の大恐慌による絶望から、ニューディール政策(ローズヴェルト)、第二次大戦期のアメリカ、冷戦期のアメリカと民衆の復活(トルーマン、マッカーサー、ケネディ、ジョンソン)、ヴェトナム戦争によるパクス・アメリカーナの終焉(ニクソン)と、第一次大戦後の20世紀アメリカの流れを概括する一冊である。

高校の世界史を洗いざらい想い出すような構成だが、忘れ去られた知識を想い返す作業は懐かしかった。筆者も言うように、戦時期において、アメリカという国がヨーロッパから地理的に隔絶され、「自然の安全保障」を得ていたのは、凄く運が良かったのだと思う。それゆえにアメリカは、国内の統制に精を出せたからだ。当然教科書などには載っていない、大統領の人となりなども知ることが出来て面白かった。さらに、個人的に勘違いしていた、原爆投下の背景の真実(「アメリカ国民を救うために原爆を落とした」のだと思っていたが、これはただのニクソンの建前の言に過ぎず、実際は一度も成功していない空中投下を広島で成功させ、ニクソンは「これは最高の歴史的偉業だ」と喜んだのだという。「日々の想念」で間違ったことを書いてしまい、申し訳御座いません。自分の知識の無さを実感してしまいました)を知ることが出来たのも本書を読んだ甲斐があった。

今の時代はこうしてアメリカが覇権国として世界が動いている。ブッシュが「今、世界に新しい風が吹いている」と言ったということが巻末に記されているが、その風はイラク戦争という形で間違った方向に、またもや吹いてしまった。これから世界はどうなってゆくのか。それを思考し模索する為にも、アメリカという国を問い直す作業は必要不可欠である。

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閉じる コメント(2)

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原爆投下の理由は複合的なものだと思いますが、私は一義的には米政府が地上戦を避けて米軍の被害を最小限にとどめるための手段だったと認識しています(例えば、Sadao Asada, The Shock of the Atomic Bomb and Japan’s Decision to Surrender, “Pacific Historical Review”, Harvard U.P., 1998. を参照)。しかし最近吉野作造賞を受賞した長谷川毅『暗闘』(中央公論新社)などは、ソ連との戦後外交の主導権を巡る「レース」を有利にする決定打だったとしており、まだまだ論争の絶えない点ですね。

2008/9/23(火) 午後 5:34 大三元

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<私は一義的には米政府が地上戦を避けて米軍の被害を最小限にとどめるための手段だったと認識しています

こんばんは。なるほど、正にそれも一理あるでしょうね。アメリカという国は、第一次、第二次大戦後に覇権国となる訳ですが、日本に真珠湾攻撃をされたにせよ、基本的には両大戦共に自国が戦場とならなかったことが、その後の繁栄の為の原因の一つだと思います。私は最近、歴史を洗いざらい勉強し直し、教科書に載っている大きな流れの、その隙間の部分を理解しようという意識が、ようやく出てきました。史実に対し、なぜ、こうなったのか、ということをつきつめていくことは楽しいだろうと予感します。まだまだ未熟者ですが、日々精進してゆきたいです。

2008/9/23(火) 午後 8:07 Confession Del Viento


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