こんにちは。鳥取の熊澤です。
きのう台風2号が発生しました。
きょう(21日)午後6時現在、西太平洋の辺りを強い勢力で西北西に進んでいます。
気象庁では1951年以降の台風について、統計データをまとめています。
1950年以前は台風の定義が現在と異なるため、統計データは作られていません。
しかし1950年以前も台風は発生していました。
1950年以前の台風について調べた研究のひとつを紹介したいと思います。
1900年から2014年までの115年間に、日本に上陸した台風を調べた研究です。
今ほど資料が豊富に無い時代も含め、均一して上陸数を調べるためには、現在の定義とは異なる定義を使う必要がありました。
そのとき使われた定義がこちら。
・2地点の観測所のうち、片方の風向が時計回りに変化し、もう片方が反時計回りに変化する。
・2地点の観測所のうち少なくとも一方の上陸時の気圧が1000hPa以下である。
図:上陸の定義を表す模式図
上図ではA地点の風向が時間とともに反時計回りに変化し、B地点の風向が時間とともに時計回りに変化しています。このとき台風はA地点とB地点の間を通ったとみなされています。 この研究では115年間に352個の台風が日本に上陸したことや、強い台風がどの年代に多かったか等が示されています。
ちなみに、この定義だと鳥取県に上陸した台風がひとつありました。
現在は気象衛星や数値予報などの技術がありますが、過去の資料でも工夫を凝らすことで、見えてくるものがあると分かります。
<参考文献>
・熊澤,筆保,久保田,2016:1900年から2014年における日本の台風上陸数
・図:筆保研究室ホームページより引用
熊澤里枝
|
この記事に